ながら勉強は悪!ー1
目蓋の裏に俯瞰図を思い描く__陽光の薄緑色の残像が形を取った風に見える__2人を抜き内追いついてきた1人の手からボールをドリブルで躱して、ゴール下でボールを片手で持ちレイアップ、ボールの軌道を見届けずボード下を軽く走り抜ける。走る向きを変えて自陣に戻る。
「ナイッシュー」
「ドライブ良かったでしょ?」
1人と笑い合って、それぞれマンツーマンで相手につく。
コートの反対側で抜かれ、カバーに、ミドルか、落ちるな__リバウンドに跳び付き、取る。誰かフリーの奴にパス、キノシタ先輩でいいか、バウンドパスをする。
敵コートに走る、途中でブザー音…
「おっつー」「おお」
「よしゃー」
「あーあ」
「オレ1本も入れてないんだけど!」
時間は、5時ちょいか。
「私はこれで帰るから」
一斉に9人の視線が向かって来る。
「え、マジ?」「どしてー」
「いいだろ、大学のサークルなんて気楽にやろうぜ」
「ガチでやってるトコもあるけど俺たちは違うもんなー」
「そーだな、いいだろ4、4で。けっこう疲れるし休憩ありでやろーぜ」
「あー」「そーだな」「じゃオレ最初抜けるわ。菓子買ってくる」
食べながら観戦する気か?
「おい休み過ぎだろ」
思わずつっこんでしまった。
「えー余裕でしょ?歩いた上に食いきるにしても1クオーターぶんでいけるだろ、そんなに買わないし」
「いやどーかな」
そうだ__
「行くなら、私も一緒に行くよ。皆さんに菓子1袋進呈します」
「帰るからって別に__」「おっサンキュ!」「こーはいにたかんのはよそーぜ」
私はバイト経験も無いし軽く考えてしまってるか?一から二百円ならいいかと…
「ま、今度飲み会でちょっと多く出せば__」「勘弁してよ~」「あざーす!」
うわー…
「あの、取り敢えずもう行きます。お先に失礼します」
一礼してさっさと体育館内の荷物置き場に向かう。後ろの会話は聞かない様にしつつ、バッシュを脱いで袋に入れ、靴下、Tシャツを脱ぎ捨て、バッグの中の袋から着替えを取って身に着ける。
少し離れた所で財布を取り出したキデが待ってくれている事に気付き、声をかける。
「結局行くのか。ちょっと待って…よし、行こう」
「おー。何か買って置いてくの?」
「安いお菓子を1袋買う。戻る時持ってってくれ」
「ふーん……りょーかい」
その間は何?
体育館から靴を履いて開けた場所へ出る。あ、確認して無かったけど_
「購買だよね?」
「もち。コンビニまで行かないでしょ。業務スーパーはありかもだけど」
「そっちの方が遠いじゃないか」
そんなに大量に要らないだろ。アイスも季節外れだし、いや春でも食べるか?晩春だっけ…
道場が体育館の奥に見える。気合は聞こえないが剣道部は休みだろうか。対人の細かい動きを鍛えられるけど、剣道は星人との戦いには微妙なんだよなあ。
中高と部に入ると大会に出ろとますます煩いだろうし。試合は殆ど勝てるだろうが、転送と重なると悪夢だし、兵器の使用感とも合わないし、ここでも入らなくて正解、だよなー…