テストかゲームか戦争か   作:シューズ

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第63話

 今回の星人、薄い灰色から白の肌をしていて、纏う分厚い布は肌と同色だ。今初めて気付いた。戦闘中は装甲服で透視が出来る青っぽい視界から戻さなかったし、知って如何する訳でもないが、大小の星人達は、中身が見えなくなり色が付くと、ますます石像か銅像に思える。肉眼と同じ視界でも、遠くの地面で未だに戦う星人と人は装甲服の補助ではっきりと見え、同じ高度で浮遊する飛行バイクの搭乗者達も、透明化していないのは顔まで認識出来る。こっちも透明化か視界の切り替えをすれば透明化していても視認出来るけど、休息しているしな。

 

 この制限範囲の高さ付近までは飛行型の大小の像もしつこくは上がってこないから終了まで待ってもいいが、点数の問題がある。前回は0点だったし、集中出来なくて休む必要があったけれどもう戻るか。星人が多過ぎるし、加えて、それぞれは数体しかいないものの、羽根つき巨人とか黒い個体とか人型じゃない直方体に近いのとか、手間取らせる星人も多い。戦闘に巻き込まれた普通の人は見かけないし、もうこの街は廃墟になるのではないだろうか。ロケットランチャーや爆弾で一部を吹き飛ばしたくなる。私がやらなくとも周辺の人々の中にロケットランチャーは所持しているのがちらちら居るし、知らない兵器を持っている可能性も、装甲服を着ているのが5人居たから、それなりに高い。

 無差別な攻撃は下の人達からの反撃で落とされる可能性が高いけれど。装甲服ならロケットランチャーでも初撃は耐えられるだろうし_降りるか。

 

 装甲服を着ていると動いても風を切っている感覚が無い。腰のベルト状バッグからハンドガン型を抜き取り人差し指と中指で閉じる。拡大していく街並み。巨人、小人、人が建物を然程壊さずに戦っているのは奇妙に感じる。

 屋根の上を、左手の中の2つの引き金を繰り返し引き絞りつつ飛行する。咄嗟に右手のハンドルをきる_何かを避け切った。ちょっと下がって家々の間へと、道の少し上に浮かびながら速度を落とす。道なりに進む。巨人達とすれ違っていく。広場_乱戦状態のここは_右斜めに飛ぶ_噴水の渕と巨人と人を避ける_広場から道に入る。

 

 道が2体並んだ巨人で塞がっている_巨人達の体の大部分が消失する。上からの圧力で綺麗に潰された、向かいに誰か重力銃を持った奴が居るな。曲げかけた進路を保持しつつ少し高度を上げ人(3人いる)の上を余裕を持って飛び越える。

 緩やかに右に湾曲する長い道に入った_左奥の屋根に空飛ぶ小人数体に群がられた人らしきものがある。撃つか、いや人の方も殺しかねない_装甲服の大きな腕に銃を握ったまま左腕を差し込み、迫ってくる屋根上の一塊に伸ばしすれ違いざまに上部を殴り払う。何体かは反応したがまあ殺せているだろ__旋回する_両手の前腕が欠けた胸の張り出した髪の短い女性が屋根から落ちていく、その上に小天使が4体浮いて、残っている。

 

 肌の下で頭から血が下がって上がる感覚がする。

 

 4体の星人が死んで堕ちていく_私の両腕の装甲の掌からの光弾によって。あっ左腕部分が所々裂けてる__

 両手を装甲服から抜いてハンドルを押さえ__右手の銃は落としたか__家の壁の側、女性の近くに飛行バイクを停止する。顔がずたずたで液体まみれになって_死んでいる、かな。一応声を掛けて生存確認を_したところで、もし生きていても転送までこの女を守るつもりもないし無意味か。

「幸運か、悪運の強さがありますように」

 囁き、また飛行する。

 

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