テストかゲームか戦争か   作:シューズ

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第64話

 ドンドン、という重低音がする。重力銃は飛行バイクで移動していても脅威だ。当たっても装甲服があるから動きが止まるだけだが。

 私の様にやたらと撃ちまくっている人はいないな。ギョーンというハンドガン型やライフル型の銃の発射音は耳をすませば鳴り続けているが、1人が休みなく撃ち続けるのは変だよな。屋根の上で狙撃している人達は飛行型からちょくちょく襲われたりで増減しているし、星人の近くで撃ちまくるのとは違うし、今回の星人の攻撃に当たると簡単に大怪我させられるから皆、回避を優先しているし。

 星人が視界に居なくなる。2つのトリガーに2本の指をかけたまま低く飛行を続ける。

 

 人の叫び声は今も遠くに聞こえるが星人は声を出していないな。今回は星人が何か喋るのを見ていない。基本的に人型だし口もあるのに叫びすら上げない__人間には聞こえないだけかも知れないが。装甲服は強化スーツと違い頭部まで覆っているが視覚以外の、思考速度や聴覚への強化は感じられない、感じた事は無い…が、もしかしたらあるのかも。説明書が欲しくなってきた。使いこなせているつもりだけど…帰れたらトヨカさんにそれぞれの兵器の説明書が無いか聞いてみるか。

 

 人と星人が殺し合う場に出た_ここも噴水広場か。

 人の断面が青く光りつつ動いている。始まった!いや戦いが終わりつつあるのだけれど_ハンドガン型を手放し左手もハンドルを掴んで_飛行バイクを急上昇させる。

 

 これは連続0点のペナルティで死んだか。あの誰が、三角銃で空に転送されていったとは…ないか。拘束されてなかったし、星人じゃなかったし。

 私は死ぬのは初めてだ、多分。

 爆弾、ロケットランチャーを星人の多い場所に放つだけはやっておくか。殲滅は間に合わないだろうけど、足掻きはするぞ!

 

 待てよ、転送はそれぞれ担当の黒球ごとに時間がずれる可能性もあるな。

 

 いやでも人数が減ったらそのうち星人に囲まれて殺されるか。疲れているし、私もなにか失敗して飛行型に囲まれて飛行バイクを落とされて、地上で上を含む周囲から包囲されれば装甲服込みであっても耐えきれないだろうし__

 兵器を使い切るタイミングとして今は悪くない、はず。

 

 転送されなくて、攻撃に巻き込まれたせいで死ぬ人、私が殺す人もいるかも…湊が巻き込まれたら…人の居ない星人の多い所なんてあるか?

 あそこは近い_重力爆弾を投げ込みに行くか。

 急降下しつつ左手を放して腰のバッグを開けて差し込みごつごつとした球体を取る。ボタンを押して起動_投げる_ハンドルを握り直し斜め上へ。また左手を離し、片手で座席の下のバッグを探る。これはガトリングガン、席の後ろ側は…重力銃かよ。ロケットランチャーは右側か。

 

 私が転送されるのはいつだろう?両目が最初の方に転送されるし__未だであるのを、急にくるのは毎度だからしょうがないとして、照準を合わせるまで転送が始めてくれるなよ、黒球の中身に念じる__いいや、言葉に出せばちゃんと聞こえるか。ああ、そういえば数時間前に見た黒球の様子だと調子が悪そうだよなあ。調子が良くても人の思考を聞けるのだろうか?人の記憶を自由に弄れる(100点メニューの1番の選択肢を見てから、確信がある)のと似た技術な気がするけど。可能に思える。

 

 まあ動作はもう終わるんだけど。

 左手をハンドルに掛けた状態で右腕でロケットランチャーを担ぐ__装甲服の腕で担ぎ難いけれど。照準画面で星人達の間の地面をロックオンせずにトリガー2つを同時に引く。肩に多少の反動がクるが装甲服の重さ、強化がしっかりとある。安定した高空飛行を続けつつ、飛行機はどれ位上がると高空飛行と言うのか知らないが”高空”までは上がっていないかな、旋回を始め、街全体、畑や禿げた丘が周りにあるな、街を見下ろす。

 

 …転送、まだ?

 まあ時間があるなら星人を殺し切れるか?無理そうだけど__降下を始める。星人は_一応、大分少ない、のかな。優先して殺しに行くべきは、人と戦っていないヤツ、だな。あそこに向かうか。

 そういえばハンドガン型は、さっき捨てたな__もう人もあんまり残っていないんだし、ガトリングガンで光弾をばら撒くか。

 

 スーツの強化を意識する。左腕でガトリングガンを座席の下から抜き取り、星人の辺りに向けて引き金を2つ同時に引き、銃身を動かす。自身が動いているしそこまで注意しなくても光弾はばらけるだろうけど_近くの屋根が破壊され_何か来る_避けるか?いいやそれより_引き金を絞ったまま銃口を下に向ける。

 

 全身が揺れた。

 

 ガトリングガンが壊された__飛行バイクも左側に突き出した円環状の部分がほぼ残ってない__

 右腕1本と両足のペダルで操従は出来ている、いやちょっとヤバいか。ていうか痛い!

「イッッタァイ!ちくしょうっ、いったいなあもう!」

 指が折られた!装甲服の左腕部分もごっそり持っていかれたし__防御力の高さへの信用が裏切られた気分だ。

 星人が体当たりしてきた訳でもないよな?巨人型、私の3人分位に見えるアイツにやられた、んだよな?距離はあったし_速度が追えなかった?見えてない星人が居る?

 

 星人が大口を開け両手を横に添える_星人の周囲に放射状に破壊痕が出来る__こちら側に向かって。右手を後ろに回し重力銃を引っ掴んで_左足で座席を蹴り_壊されて開放的にされた左側から飛び出す。

 空中じゃ碌にロックオン出来ない_手放して装甲服の腕に突っ込み手のひらを開いて何とか星人に向けてやる_間に建物_視線を向けないと透視出来ない_

 地面に転がりつつ当たることを期待して掌から光弾を撃つ。

 両足と痛む左手を石造りの道についてほぼ四つん這いに起き上がり__建物を見通す。どこだ__首を振り__

 

 いた_というか来る。

 星人が建物を突き抜け_右斜めに星人の方へ低い姿勢で飛び込む__腕を避け切った、踏みつけが来る__肘の刀で反対側の足を切り裂き、飛び退く。

 

 星人が体勢を崩す_宙で浮遊感を味わいつつ星人の頭を光弾で射貫く。脳がそこにあるみたいだし、私の勝ちだ_着地する。

 他に星人は__見渡す限りでは建物数軒奥のが最も近いか。正面の大きな死体からの音は無視だ、次のを殺しに行くか。傷の手当は…我慢だな。…舌打ちが漏れた。

 

 ここから撃って星人まで貫通するか?大きな音を立てたし時間も無いかもだし、こっそり近付くのは諦めて取り敢えず撃つか。

 




以下、少しネタバレ注意





しばらくして主人公も転送されます。原作での【最後のミッション】終了、のつもりです。星人は全滅しませんが、主人公たち生き残りは、まあ…。
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