テストかゲームか戦争か   作:シューズ

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第65話

 それに戻ってこれたのは私だけか!?

 どうなってるんだ?

 球体の黒い湾曲した面の点滅や文字化けしまくりの私が199点の表示、それに、コレデオワリ?なんなんだよ?部屋は灯りが点かないままだし、変過ぎる…!

 

 

 いいさ…100点メニューからまた、もしかしたらもう一度だけ選べる、ということだよな。取り敢えず、調子が最悪そうな黒球に声を掛けるぞ。ペナルティには触れないでおこう。

 

「…じゃあ、3番で、新庄 湊を」

 

 あ?…この音、携帯__私のか。トヨカさんかな。湊が出てくるのを見ていたいんだけど…放っておくと拙いに決まってる、トヨカさんからなら。取るか。

 玄関に続く廊下の前の閉じた扉に振り返る。壁際に、扉の左右に各人の荷物が纏めてある。右側に素早く寄り__装甲服したままだと電話し難そうだな、頭部は耳の周りは開放できなかったっけ、全部脱ぐか。どうせ湊以外にもうここの連中に素顔を知られないワケだし。装甲服の前面から、ボタン状の留め金を外し開いて、抜け出す。着ぐるみより絶対に楽だよなぁ__そもそも比べるべきではないかな。

 かがみ、重ねた服を崩し床に畳んで敷いたズボンの左ポケットから鳴り続ける携帯電話を抜き取る。立ち上がりつつ2つ折りを開き他より多少大きな通話ボタンを押し右耳にあてる。

「もしもし、雷木です」

「あー、今大丈夫なんだ?どこにいるか教えてもらえるかい。君の知ってる黒球を回収したいんだ」

 うん?

 肩越しに復活した湊の立ち姿が見える。

 あ、こっちに振り返った__笑みを投げる。黒球を左人差し指で差す。今回も採点画面は出てる筈だし、見てもらって考えを聞きたいな、再生前の点数は持ち越し出来ないんだったよな、じゃあ湊は0点か__

 

「未だ部屋に居ます、黒球の真ん前です」

 私には手を出せる代物に思えないのだけれど。生殺与奪を握られているし…

「このさ、殺しのショーのホストが、黒球の制御をしているのか怪しくてね。この通話をしても粛清されてないし、そこの球、手に入れられそうじゃないかい?」

 私を実験台にしたのか!ああでもトヨカの側にも危険はある、のか?

「怖いんですけど」

 持ち出せって言われても、という意味でも。

 

 湊は黒球の前に両膝をついて未だ見ているまま、これで終わり、の意味を気にしているのかな。時間経過でしか確かめられないと思うけど。

 

「あー、ま、ね」

 何がま、ねなのだ。どうしろという指示、いや要請を決めたのか?

「何がですか?」

「うん、そこで待機してて。ひとをそこに送るよ。球の中身は君に対しての方がこっち側のより友好的なはずだから」

 友好的?違和感強過ぎるな。少なくとも私は黒球の中の”真っ白””無毛”ニンゲンに好意を抱く存在を想像したくない。たてえ向こうが好意的でも自分がにこやかに話す自信が微塵も湧かない。向こうから私に好意的に感じた事は無いし、トヨカ、さん、と殺し合いの運営側と運営の現場にあたるだろう黒球はどんなに酷い関係なんんだろう。

 

「で、雷木君、待機をお願いできるかな。ボクはそこに行かないかもだけど、ある程度偉い人は1人は行くことにすると思うから、そっちで話し合いもあり、という形で、いい?」

「…了解しました。お待ちしています」

 湊はここに待機してなくてもいいんだろ。

 




次回でエピローグ、1部おしまいです
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