アンケートの結果、用語解説がいるということで、用語解説は続けます。(なんで最後になんとなくつけたヌベスコの方が投票数があるんだ…)
門をくぐったあと、私は車に乗せられた。車窓についているカーテンは閉められている。恐らく、このカーテンの向こうは第六世界でいう、近未来都市と呼ばれる風景が広がっているのだろう。
しばらくすると、車は止まり、巨大なビルの入り口付近に下ろされた。周囲を見回そうと首をあげようとすると、後ろからついてきている門番が剣を抜こうとしているのが気配でわかった。私は歩くのに最低限必要な視界を確保するだけに止めた。
ビルの中に入ると、入り口にいた兵士二人が門番と交代した。一人は後ろ。もう一人は前。どちらもずっと剣に手を伸ばしていつでも戦えるような体勢だった。
しばらく歩いてわかったが、このビルはかなり複雑な道になっており、右に曲がったと思ったら左に曲がる。よく覚えられるな。いや、仕事だからだろう。そうでもないと覚える気が起きない。
そうして歩くこと五分。ようやくエレベーターに到着した。エレベーターはちょうど一階に来ており、ボタンを押したらすぐに扉が開いた。
私たちはとても広いエレベーターに乗り込み、前にいる兵士がボタンを押す。そうするとエレベーターは動きだした。
「おい」
「はい、なんでしょう?」
「これから月読様にお前を会わせる。くれぐれも粗相のないようにな」
「わかりました」
ここの人たちはやけに高圧的に話しかけてくる。いや、部外者に対しては誰でもそうだろう。
しばらくして、エレベーターは止まった。扉が開き、私たちは降りた。そして、真ん前に大きくて、とても重厚そうな木製に見える扉があった。ちなみにこの扉はヒヒイロカネ製である。
前にいる兵士がライオンのドアノッカーを4回叩き、
「お忙しいなか、大変申し訳ありません。外来の人間が現れましたので、お連れいたしました」
「入れ」
扉の向こうからは、威厳溢れる女性の声がした。
「失礼いたします」
そして、扉が開かれ、中央にあるソファーに月読様らしき人物は腰かけていた。そしてその隣にもうひとつあるソファーには、赤と青の服を来た、銀髪の女性が座っている。
「兵士達は下がれ」
「「はっ」」
兵士達が部屋から出ていった。
「座りなさい」
「失礼します」
そう言って私はソファーに腰かけた。すると、ロボットがお茶を運んできた。私は遠慮なくそのお茶をもらい、一気に飲んだ。む?何らかの薬が盛られているな。効果はないけど。
「早速本題に入りましょう。報告によると、貴女はただここに滞在したいだけだと聞きましたが、本当に目的はそれだけですね?」
「そうです」
そう返事をすると、月読様は考える素振りをした。一分ほどすると、なにか思い付いたのか、顔を上げる。
「それならば貴女を永琳のところに住ませましょう。良いでしょう?」
そう月読様はいい放ち、横にいた銀髪の女性_永琳に問いかけた。永琳は僅かに動揺し、月読様に問い返した。
「なぜ私のところなのでしょうか」
「貴女の家なら安全だし、何より部屋が有り余っているのでしょう?ちょうど良いじゃないですか」
「そうですね。確かに私の家は安全で、部屋も有り余っています。ですが、得体の知れない者をこの月読都市に住ませるのは…」
どうやら永琳は私をここに住ませるのが嫌らしい。当然である。誰だって得体の知れない者を自分の領域に住まわせたくないだろう。むしろ月読様が異常なのだ。だが、月読様の視線を浴びて観念したのか、少し考える素振りをした。暫くして、考えが纏まったのか、顔を上げた。
「良いでしょう。ただし、その者に薬の材料採取や、研究の手伝い等をさせるのが条件です」
「って、永琳はいってますけど、貴女はどう?」
んー、別にいいか。材料採取なら《物質創造》でなんとかなるし、研究の手伝いなど造作もない。__そして私は言ってしまった。
「住まわせて頂けるんです。それくらいの事はしないと行けません。」
___この言葉を言ってしまったのを後悔する事になるとは知らずに___
用語解説
『物質創造』
主人公の能力の一部。前回の天沼矛はこの能力で創られた。
『月読様』
伊佐那岐の右目から生まれた、(または右手に持った白銅鏡から)三貴神のうちの一柱。容姿は夜を思わせるような黒い瞳に月のような色をした髪。(皆既月食などで色が変わる。)髪型はセミロング。記紀神話では性別の記述が無いため、この小説では女性として扱わせて貰います。
『永琳』
東方キャラ。後に主人公が唯一…(ネタバレ防止)
わからないものがあったら感想欄などで教えてください。追加します。