仮面ライダージオウは救世主、または魔王である 作:我が魔王
是非とも、円盤が出たら買いたいですね。
そんなわけではないですけど、たまたま映画で島根辺りは武神龍騎の領地だったので、龍騎メイン回になります。
あと、オリジナル設定も出てきます。
2015年7月30日の夜のことは、今でも鮮明に覚えている。
何しろ、余りにも色々なことが起きすぎた日だったからな。
武神との邂逅までは、ひなたから聞いたのか?
そうか。普段は自慢の幼馴染なのだが、あの日以降はひなた曰く王様の話となると人が変わるからな。
だがまあ、逃げてきたぼは良くなかったかもしれないな。
ん?何がだって?
まあ、そのうち分かるから、取り敢えず続きを話そう。
周囲のバーテックスを片付けて、見える範囲にはいなくなり一先ずの安全は確保されると、私達を助けてくれた人影は、ベルトのバックルから時計のようなデバイス、後から知ったがライドウォッチというらしい、を外すと、鎧が解除されて普通の人間の姿に変わった。
「我が王よ」
「うわぁ。……この子もか。ちょっとゴメンよ」
『サンダーホーク!痺れタカ、タカ!!』
「あばばばばばばばば!!」
ひなたは変身を解いた少年の前に片膝をついて、まるで臣下のように頭を下げた。
それに対して少年は、困ったのように頬をかくと腕のホルダーからタカの絵が描かれたライドウォッチを取り出して起動する。
すると、タカの形に変形して飛ぶと、ひなたに電撃を落として気絶させた。
身長はさほど変わらないが鍛えているのだろうか、ひなたを俵のように担ぐと若葉へ視線を向ける。
「すまん。君の友達か?俺が近づくとどうも、感受性が強い子は変な電波を受けちゃうみたいなんだ」
「は、はぁ…」
「まあ、俺から離れれば治ると思うよ。無理だったらナナメ45度の角度で、頭を叩いてみな」
「いや、そんな壊れたテレビではあるまいし…」
「それと、すまない」
「えっ?」
不意に少年が頭を下げて、若葉は戸惑う。
「駆けつけるのが遅くなってしまった。そのせいで、助けられなかった人達がいる。それに、君のようなまだ若い子にその力を与えてしまった」
沈痛な表情で話す少年に、若葉は自分が手にした力がもっと早く手にしていたら、あの化け物共に喰われた友人達を救えたんじゃないか、と悔いていたことに気付かれていたと感じた。
「いえ、あなたのせいではありません。悪いのは、あの化け物共です。何事にも報いを。私は我が家の家訓の通り、必ず報いを受けさせます!」
「それは…」
若葉の言葉に、少年が何か言いかけた時だった。
―――――キィィィィィィン‼️キィィィィィィン‼️
辺りにガラスを爪で引っ掻いたような不快な音が響き渡る。
「―――来ます。武神と対をなす
「荒神、だと?」
唐突に目を覚まし、厳かな声音で告げるひなたに若葉は思わず聞き返す。
「はい。人々に平和と安寧をもたらすのが武神だとしたら、混沌と暴虐をもたらす者こそが荒神です。しかし、荒神は武神達によって封印され、その脅威は去っていた筈でした」
「やはり、ここにも封印されていたか。あの化け物の影響で、封印が解かれたんだよ。おい電波少女、降りろ」
「電波少女ではありません!上里ひなた、ひなたとお呼び下さい。我が王よ」
少年がひなたを降ろしたタイミングで、先程まで若葉達がいた神社の本殿がガラスが砕けたように倒壊した。
そして、本殿だった場所に立っていた人影に若葉は、思わず目を見張る。
「そんな、バカなッ!?」
「チッ。やはり、依り代に入ったか」
「王よ。ではあれは、あそこにいる彼女達は」
そこにいたのは、この惨劇が起きる直前まで交流してようやく友達になれて、目の前で喰われた筈のクラスメイトだった。
「そう。荒神は肉体を持たないが為、現世に干渉する為の依り代を必要とする。それは、魂がない肉体が荒神という魂を入れる器には最適だ。即ち、彼女達は既に亡くなっているが為に、荒神に利用されている」
少年の言葉に、ひなたと若葉は顔を背けて目の前の現実を受け入れずにいた。
【ぁあ。久々の現世だぁ。ようやく、ようやくまたアレを始められる】
少女だった者だカードケースのような物を手にかざすと、どこからともなく腰に銀色のベルトが取り付いた。
【…変身】
カードケースをベルトに装填すると、カニのような頭部の鎧が装着される。
「荒神シザース!!」
【さあ、戦いを始めよう。一度始めると、癖になって止められないんでね】
シザースから放たれる殺気に、武術を習得してバーテックスを倒せる力を得たとはいえ、少女である若葉はその身は恐怖に苛まれて後退ってしまう。
そんな少女達を庇うように少年は一歩前へ出て、再び白いライドウォッチを起動する。
『ジオウ!』
「変身!」
『ライダータイム!カメーンライダ~ジオウ!!』
少年がバックルの右側のスロットにライドウォッチを装填し、そのまま回すと背後に半透明な身の丈を越えるアナログ時計が現れて、マゼンタ色のライダーの文字が飛び出して鎧を纏った少年の顔面に打ち込まれる。
「君はあの人達を守って!手を貸してくれ、君の力が必要なんだ」
少年の言葉に若葉は顔を上げ、隣にいるひなたを、自分の後ろにいる自分が助けた人々を見ると、力強く頷いた。
「承知ッ!!」
ひなたと共に後ろに下がると、いつの間にか集まって来ていたバーテックスを再び斬り刻む。
【お前、あの魔王だったのか!?だが見たところ、今代のジオウは素人同然。君に何が出来るって言うんだい?】
『ストライクベント!!』
シザースは左腕にあるハサミ状の武器の接合部を開いてカードを装填すると、右手にカニのハサミのような武器が装着されて少年に向かって駆け出す。
「さて、出し惜しみは無しだ。門矢さん、絆の力をお借りします」
『ディ・ディ・ディ・ディケイド!』
【何をしようと無駄だ‼️】
「それは、どうかな?」
『アーマータイム!カメンライド!ワーオ‼️ディケイド!ディケイド!ディケイド~‼️』
別のライドウォッチを左側のスロットに装填し、バックルを回転させると九枚のプレートがバックルから飛び出す。
【何ィ!?】
プレートは振り下ろそうとしていたハサミを弾くと、九つの影となって少年の鎧に重なる。
右肩にはディケイドの文字。胸から左肩にかけてはバーコードが描かれ、顔にはお面を被ったような意匠となって目の部分にもディケイドと書かれていた。
「祝え!!」
「またか、ひなたぁあ!!」
それを見たひなたが、大袈裟な身振りでよくとおる声で叫んだ為、若葉から抗議の声が上がる。
しかし、ひなたはそんなことはお構い無しと言わんばかりに、祝詞を止めない。
「全ての武神の力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来を知ろしめす時の王。その名も仮面ライダージオウ、ディケイドアーマー。武神だけでなく、並行世界の仮面ライダーの力を継承した瞬間である!!」
シザースが攻撃を弾かれて後ろにたたらを踏んだ隙に、少年はバックルから刀身にヘイセイバーと刻まれた武器、ライドヘイセイバーを取り出す。
【カニ相手なら、これだな】
『ヘイ!響鬼!デュアルタイムブレーク!!』
刀身が真紅の炎をまとって、少年はシザースに斬りかかる。
【くそっ!舐めやがって!】
『アドベント!!』
シザースが再びカードを装填すると、今度はシザースの背後から金色のカニのようなミラーモンスターが現れた。
「二対一だと!卑怯なっ!」
【ヘッ!卑怯もラッキョウも好物なんでな】
若葉の批判など痛くも痒くもないと言わんばかりの態度のシザース。
「だったら、こっちも増やすだけだ。エグゼイドさん、キレの良いやつ、頼みます!」
『エグゼイド!ファイナルフォームタイム!エ・エ・エ・エグゼイド!!』
少年は素早く、また新たなライドウォッチを左側に挿したウォッチにさらに装填すると、右肩の文字がエグゼイド、バーコードの部分がダブルアクションXXと表示されると、体が二つに分身した。
すると、胸の文字に右側に青緑のスーツの方にはRが、オレンジのスーツの方にはLが加わった。
【なっ!?卑怯だぞ!】
「「お前が言うな‼️」」
Rがライドヘイセイバーを、Lがジガンギレードを構えて、駆け出して一対一となるように相手取る。
元々がシザースと互角に渡り合えていた少年の為、戦況は膠着状態となる。
「不味いですね」
だが、若葉に神託から分かったバーテックスの攻め混む場所を教えながら、シザースと少年の戦闘を観察していたひなたが、焦りの混じった声で呟く。
「何がだ?」
「荒神が我が王の予想以上の実力に苛立って攻めているんです。苛立って攻撃が単調になるのは、我が王に取っては好機。しかし、腐っても相手は神。決定打になりうる攻撃を打ち込めていません。何より、人間とは違う点が一つあります」
「もったいぶるな、ひなた。早く言え、こっちはこっちで忙しいんだ」
「体力ですよ、体力。我が王が、人間。それはどこからどうとっても、変えようのない現実です。このまま持久戦になれば、不利なのは我が王です。それに、荒神にはかつて封印した武神の力でなければ再び封印が出来ません」
「だったら、どうすれば、ッ!!」
「……荒神が封じられていたということは、何処かに封印の要がある筈。……即ち、それは我が王が継承すべき武神の力の残滓。……一体、何処に?」
完全に神託を伝える事を放棄して思考の渦に陥るひなただが、若葉ちゃんなら大丈夫という信頼から来るものだとここに明記しておく。あくまで、若葉自身の希望というか願望ではあるが。
境内を見渡して何か手掛かりがないか探すひなたは、ある一箇所にバーテックスの群れが近付いていないことに気付く。
「若葉ちゃん、あそこに!あの神楽殿まで私を連れて行って下さい!」
「いや、ここの人達はどうするんだ」
「仕方ないですね。じゃあ、斬撃を飛ばして道を作って下さい。後は私が行きます」
「いいや、斬撃なんて飛ばせないから」
「もう我が儘ですね、若葉ちゃんは」
「いやいやいや、何で私が悪いみたいな言い方になってるんだ?」
小さな子供を諭すような声音で首をやれやれと振るひなたの態度に、流石に若葉もイラっときたのか額に青筋を浮かべる。
「これでも食らえ!!」
『ヘイ!ドライブ!デュアルタイムブレーク!!』
ライドヘイセイバーから無数のタイヤが飛び出してシザースに殺到し、何個かは弾かれてしまうが弾かれたタイヤは周りにいたバーテックスを消滅させた。
「今の内に!!」
「ひなたー!?ああもう、イチかバチかだ」
駆け出したひなたに呆れながらも、若葉は日本刀を納刀して居合の構えを取る。
【シャッ!気に入った。力を貸そう】
誰かの声が聴こえた気がしたが、集中した若葉は気にせずに鞘から日本刀を振るう。
「ハァア!!」
裂帛の気合と共に一文字に振るわれた日本刀は、ひなたの進む道を作るように炎の斬撃となった。
ひなたは無事に神楽殿へと到達し、天井を見上げるとそこには一匹の真紅の龍が描かれていた。
「我が王よ!ブランクウォッチを!!」
「応!って、電波少女、何でそんなとこに!?」
「お気になさらず!早く!」
「しゃーない。ほらよっ!!」
少年から投げ渡されたブランクウォッチを受け取ったひなたは、それは掲げる。
「我が国を守護せし、武神へ伏して願い申し上げます!今一度、日ノ本の民を守らんと仮面を被った我が王に力を!我が願いにお応え下さい!!」
ひなたの祈りに応えるかのように、龍の絵が真紅の光を放って浮かび上がるとかつて、武神龍騎が使役していたとう無双龍ドラグレッダーの姿となるとブランクウォッチに吸い込まれていった。
「我が王!これをお使い下さい!!」
変化したライドウォッチを、少年に向かって投げるひなた。
【させるか!!】
「甘いな」
『ヘイ!ゴースト!デュアルタイムブレーク!!』
ライドヘイセイバーから無数のパーカーゴーストが現れて、シザースとボルキャンサーを妨害してライドウォッチは無事に少年の手に渡った。
「…これは。龍騎さん、熱いやつ、頼みます!!」
『リュウキ!!』
エグゼイドウォッチを抜いて一人になった少年は、ひなたから受け取った龍騎ウォッチを装填する。
『ファイナルフォームタイム!リュ・リュ・リュ・リュウキ!!』
右肩の文字はリュウキ、胸にはサバイブの文字へと変わりライドヘイセイバーとドラグブレードを手に持って二刀流となる。
「祝え!!全ての武神の力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来を知ろしめす時の王。その名も仮面ライダージオウ、ディケイドアーマー、龍騎フォーム!また一つ、新たな武神の力を継承した瞬間である!!」
「ひなた、もう何も言わんからな」
ひなたの祝福にツッコミ付かれたのか、若葉は若干死んだ目をしながらバーテックスを淡々と斬り伏せていく。
「行ける気がする!」
『ヘイ!リュウキ!デュアルタイムブレーク!!』
『リュ・リュ・リュ・リュウキ!ファイナルアタックタイムブレーク!!』
二刀共に真紅の炎を纏い、近付いて来たボルキャンサーのハサミを二刀をクロスして受け止め、そのままボルキャンサーの体に刃を×の形で斬り込む。
さらに、体から火花が飛び散って動きが止まったボルキャンサーを踏み台にして少年は高く跳び上がる。
【チィ!!】
『ガードベント!!』
シザースの左腕にカニの甲羅のような盾が装着される。
『リュ・リュ・リュ・リュウキ!ファイナルアタックタイムブレーク!!』
今度は突き出した右足に真紅の炎を纏い、待ち構えるシザースに向かってキックを叩き込む。
【これしきの攻撃ィ!!】
「誰が、一回だけと言った!!」
『フィニッシュタイム!ヘイ!カメーンライダーズ!ディ・ディ・ディ・ディケイド!平成ライダーズ!アルティメットタイムブレーク!!』
盾を犠牲に跳び蹴りを防いだシザースだったが、少年は盾に当たっていた右足に力を入れて今度は真上に跳ぶ。
そして、ライドヘイセイバーにディケイドウォッチを装填し、柄にあるハmドセレクターの長針を三周させてトリガーを引いた。
すると、シザースと少年の間にカード型のエネルギーが出現して、降下しながらすり抜けると刀身にエネルギーが充填されて、無防備となったシザースに大上段kら斬り落とした。
【バ、バカなぁあああああ!!】
着地した少年がシザースに背を向けて、振り返らずに歩き出すと同時にシザースの体はボルキャンサーと共に砕けたガラスのように粉々となって消えた。
「終わった、のか?」
集まっていたバーテックスがあらかた片付き、少年の元へ行こうとした若葉だったが手で静止させられる。
「いや、まだだ。あの荒神は、先兵に過ぎない。早くここから逃げろ」
少年の言葉が言い終わらない内に、シザースが復活した辺りにまた死んだ筈に人間が立っていて皆、一様に似た形のカードケースのような物を持っていた。
「行け、サムライガール。道標は、その電波少女が受け取っている筈だ」
少年がリュウキウォッチのボタンを押すと、ドラグレッダーが現れて少年と若葉達の間に炎の壁を作った。
「行け!!」
シザース以外の封印されていた荒神の足止めの為、殿を努めようとする少年に若葉は少年を見捨てるようで迷ってしまう。
「行きましょう、若葉ちゃん」
だが、そんな若葉の背を押したのはひなたであった。
「私達には、まだ生き残った人々を送り届ける使命があります。それに、我が王ならば心配ありません。必ず、勝ちます!」
少年の勝利を信じるひなたの瞳を見て、若葉も決心する。
「すまない。ここは任せた!私達が、必ず送り届ける!!」
「我が王!どうかご武運を!!」
二人の言葉が聞こえたのか、少年は背を向けたまま右手でサムズアップすると復活して変身した荒神達に向かって駆け出した。
「露払いは私がやろう。ひなた、安全なルートを教えてくれ」
「任せて下さい」
少年とは玉方向へ駆け出す若葉達。
「皆さん、四国まで移動します!そこならば安全です!私達を信じてくれた、我が王の為にも絶対に辿り着きますよ!!」
ひなたに先導され、生き残った人々は四国を目指して移動を開始したのだった。
以上が、私とひなたがあいつに初めて会った時の話は終わりだ。
それじゃあ、私は鍛錬があるからこれで。
そうそう、あんな別れ方をしたせいか、ひなたは余計にあの王様にドハマりしてしまってな。で、さっきも言ったが人が変わるんだ。
何が言いたいのか、って?
つまり、中途半端で逃げ出すと王様の魅力を聞かせるまで、お前を探して語り尽くすまで解放しないぞ。
まあ、ひなたがお前の背後にいる時点で手遅れだがな。
平成最後に仮面ライダーブレンみたいにぎりぎり滑り込めなかったけど、令和最初の日に投稿できて良かったです。
感想やご指摘、アドバイスがあればお待ちしています。