仮面ライダージオウは救世主、または魔王である 作:我が魔王
ジオウ映画、楽しみですね。
―――三日前
『エクストリーム!』
「「これが、私達の力だ!!」」
【ハハハ!いいぞ。まさか、ジオウと勇者、巫女の力が合わさるとはなぁあ!!】
バーテックスの大規模侵攻を辛くも乗り切った諏訪地域だったが、その代償として最後の結界の基点であった御柱は破壊されてしまった。
そのため、生き残った人々はジオウが使うタイムマジーンで電車を牽引して、線路伝いに四国へ向けて移動することになった。
その途中、荒神エターナルの襲撃を受けて応戦する司と諏訪の勇者である歌野であったが、司はエターナルが自身で使うガイアメモリをバーテックスに挿すことでドーパントを生み出し、生存者の人達が乗る電車を襲い始めた為、その対処で精一杯になってしまう。
そして、歌野もエターナルの猛攻に手も足も出せず満身創痍となって水都が思わず飛び出して歌野を庇うようにエターナルの前に立ちはだかる。
エターナルは容赦なく攻撃を繰り出そうとして、万事休すと思われたその時、司が持っていたダブルライドウォッチが反応して、歌野と水都に武神ダブルへと変身させた。
そして、それだけでなく強化フォームである二人の心と体が一つになった、エクストリームへと進化をしたのだった。
「「私達は、負けられないんだ!!」」
『エクストリーム!マキシマムドライブ!!』
「「ダブルエクストリーム!!」」
緑の旋風がダブルの体を押し上げて、両足を突き出して跳び蹴りを放つ。
エターナルはそれに焦ることなく、腰のスロットにメモリを装填して発動させる。
【生憎だが、メモリの数が違う!】
『クイーン!マキシマムドライブ!!』
エターナルはバリアを発生させて、跳び蹴りを受け止めて攻撃に転じようとした時、不意に動きが止まった。
【何だ?今、邪魔しないでもらおうか。チッ、分かったよ】
まるで、誰かと通信していたかのような行動が終わると、エターナルは一度頭を振ってダブルを見据えた。
【悪いな。あんたらともっと楽しみたかったが、クライアントの意向の変更でな。貴重なサンプルってことで、連れて来いだってよ】
『ゾーン!マキシマムドライブ!!』
エターナルは手に持っていた、サバイバルナイフのような武器のスロットにメモリを装填して発動させると、ダブルの体に0や1といったアラビア数字が現れ、徐々に透け始めた。
「これは!?空間転移のマキシマム!!」
「不味い!みーちゃんは逃げて!」
能力を解析した水都の言葉に、歌野はいち早く狙いに気付くとドライバーからエターナルメモリを引き抜いて投げ飛ばした。
直後、ダブルの姿は黒一色の仮面ライダージョーカーへと変わって完全に転移させられた。
『オ・オ・オ・オーズ!!ファイナルアタックタイムブレーク!!』『ヘイ!オーズ!デュアルタイムブレーク!!』
「セイヤァァァアアア!!」
ジオウのディケイドアーマーオーズフォームとなっていた司は、上空に跳ぶと巨大な火の鳥となってバーテックスを蹴散らして、エターナルが放ったドーパントも吹き飛ばした。
司が急いで水都の元へ駆けつけると、エクストリームメモリから生身の姿に戻ったまま地面に蹲っていた。
「うたのん!うたのん!!司さん、うたのんが!!」
「落ち着け、水都!!」
司が水都をエターナルから庇う為に、ライドヘイセイバーを構えるが何故か上空に視線を向けていた。
司も釣られて視線を向けると、何もなかった空間に六角形の穴が空いて何かが落ちてきた。
【バカな!この私が、時間を管理すべき完璧な人工イマジンたる私がぁああ!?】
「完璧だと決め付け、成長が止まった。それが、貴方の敗因よ!」
『タイムマジーン!!』
先に落ちてきた人影に向かって、胸元にカタカナでロボと書かれたジオウが使うタイムマジーンと同型機と思われるマシンが着陸し、中からさらに人影が飛び出した。
「水都、アレは荒神か武神か、どっちか分かるか?」
「先に落ちてきたのは、荒神G電王です!ですが、タイムマジーンに乗ってきた方は一体?」
エターナルを見ると、彼自身も警戒していたため少なくとも荒神の仲間ではないと判断した司達だが、警戒を怠らず状況を見守っていた。
「これで!」
『ビヨンド・ザ・タイム!』『フィニッシュタイム!』
「終わりよ!!」
『タイムエクスプローション!!』『爆裂・DE・ランス!!』
乱入してきた謎の仮面ライダーは、G電王に向けて槍を投げると同時に飛び蹴りを叩き込む姿勢を取った。
【時間を乱す、人間如きがぁぁあああ!!】
『パーフェクトウェポン!!』
G電王はバリアを張って、光弾を撃ち出して迎撃しようとする。
しかし、バリアに槍が突き刺さると光弾の嵐を潜り抜けたライダーは、その柄に蹴りを入れてバリアを突破すると勢いのままG電王の体を貫いた。
そして、背後に出現した立方体の中に吸い込まれると爆発して消えたのだった。
【チッ。興が冷めたぜ。元々、乗り気ではなかった依頼だ。ここらが、引き際だな】
『ゾーン!マキシマムドライブ!!』
「な、待て!」
【じゃあな。せいぜい、地獄を楽しみな】
G電王がやられたのを見届けたエターナルは、もう興味はないと言わんばかりにその場から転移して消えた。
入れ替わりに、謎の仮面ライダーが司達の元に歩み寄った。
「お前、何者だ?」
「この時代では、お初にお目に掛かります。我が名は仮面ライダーウォズ。ウォズ、とお呼び下さい。我が救世主」
膝をついて変身を解除したウォズは、所謂学ランと学帽を被り、赤いアイマスクを掛けた黒髪の少女であった。
「救世主、だと?」
「ええ。私は未来から来ました。この本に寄れば、この時間、この場所で諏訪の勇者の白鳥さんが拉致されることを知っていました。その為、私が介入し助けることが出来れば、協力をさせていただきやすくなる、と考えておりました」
「そんな!あなたは、うたのんがひどい目に遭うことを知っていながら、見過ごしたのですか!?」
手に持っていた「逢魔降臨歴」と銘打たれた書物を広げながら語るウォズに、滅多に感情を露わにしない水都であったが、思わず掴み掛かる程にウォズを責め立てる。
「落ち着け、水都。ウォズ、お前は助けようとしてくれたんだろ?だけど、あの荒神が邪魔をして間に合わなかった」
「その慧眼、恐れ入ります。確かにその通りです。償いになるか分かりませんがどうか、これからの戦いに私にも助力させて下さい」
「だそうだ。そうする、水都?」
ウォズから手を離した水都は一度、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「取り乱してすみません、司さん、ウォズさん。私にはまだ、諏訪の方達を四国に送り届ける使命があります。ですから、手を貸して下さい」
「ありがとうございます。それとこの本に寄れば、白鳥さんは死んだわけではありません」
「本当に未来から来たんですか?」
「ごもっともです。少々お待ちを」
ウォズからもたらされた情報に、水都は信じて良いのか疑ってしまう。
しかし、ウォズも疑われることは予想していたのか不快な様子は見せず、未来から来た証拠となる記録があるページを捲る。
「この本に寄れば、我が救世主。貴方がディケイドウォッチを手にしたのは、門矢士、海東大樹と共にスサノオと、ッ!!」
「それ以上は止してくれ。確かに、あの時を知っている君は未来からの訪問者だな」
「も、申し訳ありません。かくなる上は、切腹致します。どうか、介錯を!」
話そうとした内容が司に取って地雷であったことに気付いたウォズは、キレイな土下座をしたと思ったら正座をして懐から短刀を取り出すと、鞘から抜いた。
「いやいやいや、そこまでしなくても!」
「陳謝!!」
「アハハ。まあ、四国を目指して出発しましょう。タイムマジーンが二台に増えたなら、移動も速くなりますから助かります」
慌てて腕を掴んで止める司だが、予想外に力が強く刃先が腹部に向けて一進一退する。
それを見る水都は、乾いた笑みを浮かべるしかなかった。
―――そして、現在。
「……とまあ、こんな感じでして、何とかここまで来ることが出来ました」
水都が話を締めくくると、清聴していた若葉達三人は納得したように頷いた。
「そうだったのか。私はまだ白鳥さんが、生きていると信じる。だから、何か出来ることがあれば言って欲しい」
「そうだね!私達も手伝うよ!」
「皆さん、ありがとうございます」
二人の言葉に、変身した姿のままだが、水都は頭を下げてお礼を言うが千景だけは険しい表情のままだった。
「待って、何か嫌な感じがするわ」
次いで、水都の心に声ならざる声、即ち神託が降りる。
「神託です!荒神が、来ます!!」
水都が警告すると同時に、天より雲を切り裂いて闇を発するマグマに覆われた人影が、司達の前に降り立った。
『オーバーフロー!Wake up CROSS-Z!Get GREAT DRAGON!ブラブラブラブラブラァ!ヤベーイ!!』
「こいつは、荒神ブラッド!?」
不気味な電子音が収まるとマグマが晴れ、姿を現したブラッドが無言で手を翳した。
すると、ブラッドの影が後方に伸びてその中から鋼色の体躯の怪人、ハザードスマッシュが無数に現れる。
【……人類殲滅計画、始動】
ブラッドの号令に合わせ、スマッシュ達は大挙して司達に襲い掛かるのだった。
ちなみに、個人的に好きなライダーはディケイドです。
……ディケイドアーマーの活躍をもっと見たかった。