なかなからいいのが思いつかなんだ
「ん〜、あれ?ここはどこだろう?」
瞼を開けたら知らない天井が見えました。頭が少し重い気がします。
薬品の匂い…医務室でしょうか?体の調子は悪くないみたいなので私は体を起こしました。そしてドアがノックしながら開かれました。
「おーい、吹雪大丈夫かー?スポドリと林檎を持ってきたぞー!」
「あ、天龍さん!わざわざすみません。助かります」
「気にすんなよ。倒れた時はどうすればいいか迷ったけどな。元気になったんなら良かった」
「倒れた時の事を少し忘れてしまいましたけど調子は大丈夫そうです!」
「おう!だけど少しは安静にしてろよ?もう少し寝たら部屋に戻れよな」
「はい、そうしますね」
「じゃあ、俺は戻るぜーなんかあったら知らせてくれよな!」
手を振りながら帰ってく天龍さんを背を見届けて私は少し悩んでました。
私は何故倒れたのか?思い出せそうで思い出せない…
提督が酔ってしまって私と天龍さんで私室に運んでそのまま…
==本当に3人で写ってる!すごーい!==
いいだろ?これで三人が家族だっていう証になる
ーー私達に子供が増えたらさらに沢山撮らないとね!その時は愛桜がお姉さんだからね?ーー
==うん!私がお姉さんになってみんなに頼られるんだ!==
ははは!そのいきだぞ!父さんも母さんも頑張るからな!
ーーちょっとそうゆう事言わない!…まったくーー
……思い出した…
大事な家族…不良品と呼ばれた私を育ててくれた人達…
「ああああ!」
気付けば私は走り出した。なんで走り出したかはわからない。分からないけどここに居たくなかった。
あの時もこの時もそばに居てくれた人を忘れていた……いや違う!忘れようとしてたんだ。私が私であるために…私が吹雪であると心が壊れないように…
泣きながら私は海の沿岸に来ていた。近くに何もない。誰もいない…
私はただただ泣きながらお母さんのことを思い出していた。
☆☆☆
いやー酔いつぶれちまったみたいだな…酒を飲みすぎちまったなー
まったく誰だよ俺の酒すり替えた奴。後で絶対説教だな!飲みながらだけど
起き上がろうとした瞬間にドアがコンコンというノック音がした。
「提督?天龍だけど具合い大丈夫かー?」
「お、天龍か?入ってきていいぞ」
「邪魔するぜ〜、つってもさっきも来たんだけどな」
「ん?つーことは天龍がここまで運んでくれたのか?悪いな」
「俺とお前の仲だろ?気にすんな!あと俺だけじゃないぜ?吹雪も手伝ってくれたよ」
「え?それは本当か?後で礼をいわないとな」
「だけどよー吹雪のやつ俺が飲み物取ってくる間になんでか気絶しちまったんだよなー。今は医務室で寝込んでるよ」
「ん?気絶した?どこでた?」
「どこってここだよ。私室が珍しかったんじゃねーの?そこの机のとこだよ」
机の所?まさか画面を見たのか?
……それだと少しまずいかもな
「んーーなんでだろうな?とりあえず調子も戻ったし吹雪の様子を見に行ってくれないか?」
「了解だ!戻ったからって安静にはしてろよな?」
「わかったわかった。サンキューな」
天龍が言った感じだと風記憶がフラッシュバックみたいな状態か?
後で様子みにいかないとな。……海でも見にいくか
海はいい。見てるだけで心が落ち着いていく…初めて見たときはつまらないと感じたが今見ている光景がもう二度見れない…そう考えてくだけでつい足を運んで見惚れてしまう。
「風も程よく悪くない天候だ。しばらくここで黄昏れようかな」
海を見渡しながら持ってきたコーヒーを飲んで砂浜を歩いていく
そうして歩いて行くと見覚えのある女の子が一人体育座りで俯いていた。
☆☆☆
視界がぼやけてる。涙が止まらないんだ。流しても意味がないのに、あの人が帰ってくるわけでもないのに。それでも止まってくれない。
「おい、大丈夫か?こんなところに居たら風邪引いちまうぞ?」
後ろから声がした。嗚呼、この声は覚えてる。忘れてちゃいけない人なのに私は忘れていたんだ……最低だ…
でもこの人に頼ってしまう。なんでだろう?分からないけど理解は出来る。
私は大泣きしながら懐かしい父に抱きついた。
「うわぁぁぁん!おどうざ〜〜〜ん!」
お父さんは私が抱きついたら困惑しつつもしっかりと受け止めてくれた。
「お前⁈記憶が戻ったのか?」
私は泣きながら首を縦に振った。
違う!謝らないと!私のせいであの人が!お母さんが居なくなってしまった!
ガラガラの声だけど伝えないと!
「わだじのせいで!ごめんなさい!わたしがいながったらおがあさんは死ななかっだのに!私が生まれてがなければ!」
「愛桜!それは違う!絶対に違う!」
お父さんは私の肩の手を置いてしっかりと私の目を見た。その目は何も絶望してない。未来への灯しびをしている目だった。
「あいつがお前のせいで死んだと思うな!あいつはお前のために…お前を守るために自分の命を使ったんだ。自分の愛娘のために自分を捧げたんだ!」
薄々感じてた、ポジティブな私が考えてた事を言ってくれる。それでも今の私は止まらない、止まらない。
私が自分の否定を言おうとした瞬間、お父さんは私の頭を愛おしそうに撫でながら優しく囁いた。
「愛桜は真面目で良い子だったからな。自分のせいにしてるんだ。だから今は泣けな?ちゃんと全部受け止めてやるからさ。それがあいつが助けた娘へやれる父親の手助けだ。落ち着いたらちゃんと話そう」
お父さんは全てを理解していた。理解した上で受け止めると言ってくれた。
私は我慢出来ずにさらに大きな声で泣いた。
☆☆☆
私が泣き止んでから少し歩いて海辺のベンチに二人で座った。
「落ち着いたか?」
「はい、ありがとう。おかげで助かりました」
うー〜落ち着いて話すとわからないなぁ。お父さんだから普通に話せば良いのか上司だから敬語を使えばいいのか。
「敬語はいらん。娘に使われるとなんかやだ」
そこからお父さんは私にお母さんが亡くなってからの事を教えてくれた。
「俺はな、愛桜のせいで死んだなんて微塵も思ってないよ。だってあいつは未来ある娘を助けたんだ。そこで恨んだらただの馬鹿さ。俺はそこにいれなかった自分を悔やんださ。あの時は二人の為に買い物してたからな。もっと早く帰っておけばと死ぬほど悔しい思いをした。愛春が生きてたと聞いた時は嬉しさしか出てこなかったよ。あいつはお前を守ってやれたんだなって、でもまたそこで俺がいればと落ち込んだけどな」
「でもそうだったらどうして私に会いに来てくれなかったの?」
これが一番怖かった所。お父さんは私のことが嫌いだから会いにきてくれないのだと思ってた。返答に少しの期待と不安を感じてたけどお父さんは意外な言葉を言った。
「それはお前が心配だったからさ」
意外すぎて頭が真っ白になった。
「心配?それなら何で私の所に来なかったの?」
お父さんの顔を下から見上げたら頭をくしゃくしゃっと撫でられた。
「真面目なお前のことだからな。俺と会って記憶が戻ったら今みたいになるとわかってたからな」
顔が熱くなるのが分かる…お父さんは私のことをそれほど思ってくれてると感じたから、分かったから。益々嬉しくなって頰が緩んでしまう。
「しかしどうするか。愛桜が思い出したなら大本営から俺の部下に変わるしな」
「え?そうなの?知らなかったんだけど…」
「そりゃそうさ。これは駆逐艦吹雪には知られてはいけないこと、これで記憶が戻ってもおかしくないからな、後これは俺と大本営の約束だったからな。
吹雪には関係ない」
そう教えてくれる間に私はずっと気になっていたことを聞いた。
「そういえばお父さん、私がここに着任してから一回も吹雪って呼んでないよね?なんで?」
お父さんはバツが悪そうに私に教えてくれた。
「そりゃあお前…吹雪って呼ぶと起こるじゃん。昔、嫌いって言われてどれほど落ち込んだことか」
懐かしみながら話をしてくれるお父さんは本当に優しかった。そしてお父さんは私に聞いてきた。
「しっかしどうしようかね〜。名前は大事だからな。ちゃんと決めないと」
「それなら仕事してる時は「吹雪」でいいよ!その時はちゃんと私も敬語を使うし」
「ん?いいのか?前まで怒ってたのに」
「いつの話よ!そんな子供じゃないし!」
「わかったよ。それじゃあ愛桜。帰るぞー。そろそろ戻らないと高雄に怒られる」
「わかった!ねぇねぇお父さん!」
「ん?どうした?」
私は立ち上がるお父さんを止めて私が先にピョンっと立ち上がった。
「二人の時はちゃんとお父さんって呼んでいいかな?」
嗚呼、私こんなに幸せでいいのだろうか。今までの悪夢が嘘のようの消えていく…ついつい笑みが溢れてしまう
「……当たり前だろ?お前は俺の娘なんだから」
時間帯はもう夜。望月は海を照らし、私達も照らしてくれていた。その明るさを私は静かに歓迎してくれているかのように感じた。
☆☆☆
「二人の時はちゃんとお父さんって呼んでいいかな?」
ーーあなたはいつかお父さんって呼ばれるかもしれないんだよ?ーー
あいつの言った通りだな。子は親に似るって言うけど本当みたいだ。
お前はほんとによくこの子を守ったな。今度は俺の番だ。君が守り抜いたこの子を今度こそちゃんと幸せにしないと。
「……当たり前だろ?お前は俺の娘なんだから」
その時の愛桜の顔はあの時のあいつのような満面の笑みを浮かべていた。
嗚呼、あいつは娘の中で生きてるんだな。笑い方があいつそっくりだ。
亡くなった君へ誓うよ。君が築いた今ある未来ある娘を今度こそ君の代わりに守る!
その時の夜景は満月で、満月が照らす光は娘を守る光に見えた。
これで短これ終了です!
ポンコツな自分の頭が憎い!笑