東方暗殺鐵〜リゾット・ネエロが幻想入り〜 作:ガリュウ432
リゾットの幻想郷での戦い方を紫から伝授されます。
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キャラ崩壊等あるかもしれませんが、行きすぎず、リゾットの幻想郷冒険記を描いていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。・・・あと関係ないですけどスマブラに勇者とバンカズ参戦ですね。テンション爆上げです。ようこそ勇者、おかえりバンカズ!!
それでは本編をどうぞ。
霊力・・・。
それは一体なんだ?精神力とはまた違ったものなのだろうか。
「・・・その霊力というものは、俺も持っているものなのか?」
「ええ。あなただけじゃなく、この幻想郷だけじゃなく全世界の人間は持っているわ。量に差はあるけどね。それを、弾幕に変えて戦っているというわけ。」
「・・・だが、俺は弾幕を出せないぞ?それは霊力がないということじゃあないのか?」
そう俺が聞くと、紫は首を横に振った。
「いいえ、確実に全ての人間が持っているものよ。弾幕に変換する方法を知らないだけ。・・・とはいえ、弾幕に変換出来る者と出来ない者がいるわ。幻想郷の実力者はそれができると言うだけのこと。」
・・・そうなのか。
だが、そうだと言ってもスタンド使いだからという理由だけで扱えるようになるものなのだろうか。
紫に聞くと彼女はそうではないというふうに答え出す。
「貴方自身が霊力を扱えるようになれという訳じゃなくて、あなたの霊力を、あなたの半身であるスタンドを介して扱えるようになるということよ。」
「その霊力を扱えるようになることを俺のメタリカの新しい能力にすると言っていたな?」
「ええ。あなたの、鉄分から鉄を生み出す能力を、
「・・・なるほど、霊力ならば人体には影響は少ないということか。」
確かに、俺のメタリカは相手の鉄分を使用するため、相手に何度もメタリカの能力を使えば血液がおぞましい黄色になって酸素が全身に行き渡らず絶命する。だが、霊力だとしてもそれは心配ないのか・・・?
「心配はないわ。霊力は尽きても死ぬことは無い。もちろん、使いすぎれば体は倦怠感に覆われるし、動きも鈍くなる。でも、弾幕ごっこはある程度の霊力が消滅した時点で勝敗はほとんど決する。そこまでやり合うことは滅多にないわ。」
「・・・そうか。それともうひとつ、発動条件と言ったな。何か、もうひとつかせられるのか?」
「もう1つ・・・というと、元からひとつあったような言い方だな。」
藍が横から聞いてくる。
「その通りだ。スタンドには射程距離がある。・・・能力の届く範囲は基本その射程距離内だ。」
「つまり、その射程内に入っていればメタリカは確実に勝てるということ。申し訳ないけど、弾幕ごっこの際はそこを縛らせてもらうわ。」
「射程を縮める・・・ということか?」
「半分正解、半分不正解。縮めるどころじゃない、メタリカの射程をゼロにさせてもらうわ。」
・・・なっ!?ゼロ・・・だと!?それだと戦いにならないじゃあないか。
「もちろん、いつもゼロというわけじゃない。あなた自身がある条件を達成すれば、その際には射程が伸びるわ。」
「・・・それはなんだ。」
「相手に触れればいいの。」
「触れる・・・?」
「ええ。メタリカを発動させた状態で相手に触れる。つまり、
・・・つまり、1度触れれば、1度能力が発動できる・・・ということか。
「まあ、そこは許してちょうだい。1度だけ触って、あとはずっと発動可能になってしまったら、決闘にならないもの。そして、あなたが使用する弾幕はメタリカがあなた自身の霊力を変換して弾幕にする。どう?悪くない条件でしょう?」
「まあ、公平性を大事にする弾幕ごっことやらのルールから考えれば、おかしくはないな。」
「・・・とはいっても紫様、やはり1度やってみないことには何も掴めないのでは・・・。」
「ま、そうでしょうね。」
そう呟くと、紫は霊夢に目配せをした。
「・・・はいはい、分かったわよ。リゾット、弾幕ごっこの演習をしてみるわよ。」
「構わないのか?」
「もちろん。・・・ただ、私もあなたの能力がよくわかっていないから、能力を使う際には手加減をお願いね。」
「ああ、もちろんだ。」
霊夢に連れられ、神社の前に出る。
決闘の演習といったところか。元の世界ではスタンド、この世界ではこの戦い方が主流になる訳だ。慣れておかなくてはならない。
「・・・始める前に、まず弾幕を出す練習をしてみましょうか。まず手本を見せるわ。元々教えるようなものじゃあないから、見様見真似でお願いね。」
霊夢からまあまあな無茶振りを求められる。
・・・とはいえ、紫も言っていたように
霊夢が動き出す。紙が着いた棒を横に振り抜く。
すると、俺に向かって無数の赤い光る珠が向かってきた。
「ぬおっ・・・!?」
間一髪で避けるが少し掠る。・・・見たところダメージはないようだ。
「・・・あら、偶然のグレイズ。」
「センスはあるのでしょうか?」
「まあ、形式は違うとはいえ前の世界で戦っていたもの。ある程度の実力はあるでしょう。」
霊力というものがどのようなものかはわからないが・・・、やってみる他ないな。霊夢と似たような動きを俺も行う。紫はメタリカを介すると言っていたな。・・・つまり、メタリカを出した状態の方がいいということか。俺は、メタリカを掌に出現させておいた状態で腕を振り抜く。すると、一瞬で数十本のナイフが生成され、黒いオーラをまとって霊夢へと飛んで行った。霊夢はそれをやすやすと避ける。
「初めてにしては上出来じゃない。まさか一発目で弾幕を出せるなんて。(・・・しかも咲夜と同じタイプの弾幕。ナイフという物理攻撃を弾幕とするタイプの戦い方ね。)」
「・・・なるほど。弾幕の出し方は掴めた。いつでも演習に入って構わない。」
「分かったわ。・・・じゃあリゾットは私に触れて、能力を発動した時点で勝ち、私はリゾットがリタイアするか紫が止めたら私の勝ちということでいいかしら?」
「ああ、いいぞ。」
「じゃあ行くわよ。構えて。」
さっきは避けることが出来たが、決闘というだけはあるのだろう。被弾した際は多少痛みがあると見て間違いない。当たらないように立ち回るとしよう。
「まずは小手調べ。これを避けてみなさい!もちろん、弾幕を撃ってきてもいいわよ!」
霊夢が紙のついた棒を、先ほどと同じようにふり抜く。
すると、先程とは比べ物にならないほどの弾幕がこちらに向かって発される。
(・・・弾の密度は先ほどよりも大きいが、避けれないほどの隙間は無いわけじゃないようだ。走り抜けるしかなさそうだ。)
避けるルートを頭の中で構築し、弾幕の間を通り抜ける。
多少掠ってはいるが、痛みもないし、ダメージも入ってはいないようだ。カスリは勝敗に関係ないようだ。
(動きも標準的、敏捷性もある訳では無い。本当にスタンドを持っているだけの一般人という感じね。・・・とはいえ、
しかし防戦一方ではおそらくジリ貧で負けるだろう。
先程と同じように見よう見まねで弾幕を出す。
相手への牽制になるから、こちらも自由に行動できるスペースが増えるということか。
「くっ・・・!才能なのかなんなのかわからないけど、意外と面倒なところに投げてくるわね・・・!」
「飛び道具は作るのも扱うのも得意なものなのでな。それに、鉄分を使わなくていい分、かなり気楽に能力を使えるものだ。」
「その言い方だと、いままで能力を使うことを躊躇していたみたいな言い方ね。」
「まさか。暗殺が仕事だった俺に、能力を使うことを躊躇したことなど1度もない。ただ、スタンドが発現した当初はとても驚いた。スタンド自体なんなのか分かっていなかったからな。目の前の人間から突然血飛沫が飛んでくることまであった。」
「・・・それ、絶対制御しなさいよ。」
「当たり前だ。スタンドが発現してからもう慣れている。そんなミスはもうないだろうと思ってもらっていい。」
こんなことを話しつつも、襲い来る弾幕からは一切目を離さず、こちらからも攻撃を出しながら避け続ける。
(紫や他のやつにも言っていないが、・・・姿を消すのはルール上大丈夫なのだろうか。・・・やってみて指摘されたら辞めるとしよう。)
「メタリカッ!!!」
スタンドの名前を叫んだ後、メタリカがそれに呼応するように砂鉄を作り出す。そして、それを全身に纏い周りの景色と同化させる。
「なっ・・・!消えた!?」
「・・・リゾット、姿を隠すのは構わないけどその状態での直接攻撃は禁止よ。さすがにその状態での攻撃はあなたの場合強すぎるわ。」
一応紫から条件付きでこの技の使用許可がでた。
姿を消して近付いて触れることは許されないか。・・・いや、恐らくもとよりそれが通用するほど甘い相手ではない。
位置を撹乱すべく、ナイフを設置しながら霊夢の死角へと回り込む。
「そこね。」
が、霊夢に位置を見抜かれてしまう。
「ぬぐぁっ!?」
飛んできた弾幕を間一髪で避ける。
なぜ見抜けたのだ。音を出さずに歩いていたはず。
「スタンドの霊力がだだ漏れよ。物理的には隠せても精神的に隠せてないわ。」
・・・霊力を読み取って位置を把握するわけか。道理で姿を消すことが禁止にならんわけだ。
だが面倒だ。姿を消しても無意味となればこちらの手が少なくなる。何か手はないものか。
(・・・早く見つけなくてはまずいな。これこそ本当にジリ貧になってしまう。それに相手が本気を出せば俺等直ぐに叩き潰せるだろう。)
「もう何も無いって感じね。じゃあ、さっさと終わらせて反省会にしましょうか!!」
その時、霊夢が懐からカードのようなものを出す。
「あれはスペルカードよ。その者の必殺技を記したもの。強大な攻撃が来るわ。備えなさい。」
紫からのアドバイス。
「備えろと言われてもだな・・・。」
素人目にしても霊夢の霊力が強大化したのがわかる。それなりの激痛を覚悟した時、ひとつの案が頭に浮かぶ。
(・・・今、メタリカは
「ま、痛い目を見るのも演習よ!霊符『夢想封印』ッ!!!!」
霊夢がそう叫ぶと、彼女を中心に多数の巨大で色鮮やかな珠が発射される。1度、円形に広がり、こちらへと向かってくる。
「死ぬことは無いから安心して!耐えきれたら大したものよ!」
「・・・ならば、俺も試してみるとしよう!!『メタリカァッ』!!!!」
俺は引きながら逃げるのではなく、あえて珠へと走り出した!!
「なっ!?一体何をしてるのよあんたは!!」
「
「・・・そこまでわかっているなら十分だけど・・・。光っている分ステルスには気をつけた方がいいわよ。」
・・・!!ここしかない・・・!俺は向かってきたステルス弾を身体を捻らせながら避けつつ、《その珠を掌で撫でた》。
が、さすがに避けきれずにひとつだけヒットしてしまう。
「が・・・っ!」
衝撃は多少減らせたがさすがに来るものがある。夢想封印の殆どは空へと消えていく。
「直撃ね。まだやるかしら?」
「・・・が・・・。ああ。まだ、
(い、一体何を・・・!!スタンドの霊力はこの周辺には感じられない・・・。一体どこだというのよ・・・!!)
空から響く轟音。その音が耳に入り、霊夢ははっと見上げる。
「なんですって・・・ッ!?」
メタリカが憑依した夢想封印の珠は真っ直ぐ霊夢へと向かっていく!!
「夢想封印が・・・、帰ってきている・・・!?紫様これは!?」
「・・・メタリカの能力ね。鉄に変換したり、取り付いて変形させることが可能なら、霊力をパワー源に変えている今なら容易いことでしょう。」
だが、霊夢は驚きつつも確実に夢想封印を避ける。そして、避けながらリゾットの位置を確認する。透明化して回り込んでいるかもしれないからだ。・・・だが、
(・・・探知・・・出来ないっ!?)
メタリカは夢想封印に取り付いている。つまり、この夢想封印はメタリカそのもの。夢想封印の霊力は全てメタリカの霊力と同等になり、霊夢のサーチをジャミングしているのだ。
「それが、仇になって俺に勝利が舞い込んだ・・・という訳だ。」
呆気にとられている霊夢の肩を叩き、メタリカをとりつかせる。
そして、霊夢の肩についているメタリカをコインに変形させ、左手にとる。
「・・・私の負けね。」
霊夢は溜息をつきながら肩を落とす。
・・・勝てたのか。ギリギリだったな。
そんなことを考えつつ、俺はいつの間にか右手にあったスペルカードを見つめた。
to be continued…
初めての弾幕ごっこの演習にも関わらず、リゾットの機転をきかせた策に霊夢は敗北。勝利を掴んだリゾットだった。
そして、弾幕ごっこの最後に得たスペルカードの詳細を聞くことになったリゾット。話の最中、寺子屋で出会った大妖精が大慌てで神社に駆け込んできた。話を聞くと、チルノがここ数日、行方不明になっているのだ。霊夢はどこかを彷徨いているだけだと楽観視していたが、それは大きな事件へと発達する布石であることはまだ誰も知る由もない・・・。
ー次回予告ー
Episodio.6 失踪ーscomparsa
というわけで、リーダー弾幕ごっこ初挑戦、初勝利です。スペルカードの入手の描写がありましたが、それはまた次回。
次回からやっと本番に入れそうです。
(今回は人物紹介はお休み)