東方暗殺鐵〜リゾット・ネエロが幻想入り〜 作:ガリュウ432
リアルでの体調不良とケータイの不調が積み重なり、執筆が出来ない状況が続いておりました。申し訳ありません。
さて、今回はついに異変が始動します。
と言っても、異変の頭も頭しか出てきませんが。大妖精が慌てた様子で駆けつけてきて、チルノが数日行方不明だと言う。霊夢はひょっこり帰ってくると楽観視していますが、さて、どうなるでしょうか。
それでは本編をどうぞ。
「私がスタンドのことを知らなかっただけとはいえ、まさかレーダーの仕組みを逆手に取られるとはね。」
霊夢がリゾットの作戦を素直に褒める。
「あら珍しい。霊夢が相手の戦法を褒めるなんて。」
「あんたは私をなんだと思ってるのよ。私だって感心するし、褒めたりするわよ。」
・・・霊夢は普段どんな性格をしているんだ。
それも気になるが、今1番聞かなければならないのはやはりコレだ。
「さっきも戦闘中に言っていたが・・・、もう一度これについて詳しく教えてくれないか?」
「スペルカードじゃないか。リゾットも先程の戦いで取得したみたいですね。」
「ええ。やはり、物凄いスピードでスキルを身につけているわ。」
藍が驚いた口調で言う。紫もそれに同意する。
「さっきも言ったように、これはスペルカードよ。その者の必殺技を記しているカードと言ったところかしら。」
「・・・記している・・・?変な言い方をするんだな。」
「変な言い方とは言うけれど、それは間違いじゃないのよ。」
霊夢が補足説明を入れる。
「そのカードはあくまでも『弾幕ごっこ』が競技である為に、不意打ちをなくすために作られた物よ。だから別にそれを作れば必殺技を使えるとかそんなんじゃなくて、元からある自分の必殺技を最初に何を使用するのか見せるために作られたものなの。とはいえ、ごく稀に今のように窮地になって突然カードを手にする場合もあるみたいだけどね。」
「つまりこのカード自体には攻撃力はないということか・・・。」
「そういうこと。ちなみにそのカードはどの技が記されているの?」
霊夢からカードの内容を聞かれる。
そういえば自分でも確認していない。見ておくとしよう。
「・・・どうやら、内容的にはさっき俺が霊夢に対して行ったことがスペルカードに記されているようだ。」
「メタリカを夢想封印に憑依させたあれかしら。・・・また変わったスペルカードになったものねぇ。」
紫が表情を変えず、息をついて喋る。
・・・憑符『行方不明の暗殺者
「その通り、使い所は考えてね。なんせ、スペルカード宣言は一回の戦いで1枚につき1回だけよ。突破さえされなければ何回も使って構わないけど、1度突破されるとそれ以降はその戦いではそのスペルカードは使用不可になるから、気をつけなさい。」
「・・・そういえば、スペルカードが全部なくなったら敗北と言っていたな。」
「ええ、そのルールもあるわね。それが基本ルールよ。まあ、スペルカードをあくまでもただの必殺技にして、先に体力が尽きた方が負けというルールもあるけどね。外来人が来た際には、後者のルールで戦うことが多いわ。せいぜい死なないようにね。」
・・・死ぬことは無いんじゃないなかったのか。
こいつの言うことは二転三転する。あまり信用しない方がいいのか?
「あまり失礼なことを考えちゃダメよ。」
「胡散臭さを拭えないんだから仕方が無いだろう・・・。」
スペルカードについても分かり、そんなことを雑談していると、誰かが神社へと突っ込んでくる。
「れれれれれれ霊夢さんっ!!!いますかっ!?」
「ん・・・?大妖精じゃない。この時間帯に来るには珍しいわね。」
それも、大慌てでこの博麗神社に突っ込んできた。何かあったのだろうか。
「大妖精、そんなに慌ててどうしたんだ。何があったんだ・・・?」
「リゾットさんも・・・!よかった・・・。じ、じつは・・・。」
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「チルノをここ数日見ていない?」
霊夢がそんな事かというように肩をすくめる。
「あいつのことでしょう、しばらくするとふらっと帰ってくるわよ。」
「それが、この前リゾットさんが先生として来てくれた時よりもチルノちゃんは欠席してて・・・。」
「・・・ということはまる三日以上だが・・・。3,4日くらいなら風邪をこじらせた程度じゃあないのか?俺はそのチルノという少女には会ったことは無いが・・・。」
「それが・・・、1週間とチルノちゃんは来ていないんです・・・!」
「寺子屋をサボってる訳では無いのよね?」
「はい・・・、チルノちゃん、先生を困らせることはあっても寺子屋を休むことは今までありませんでしたから。」
「・・・いや、慧音を困らせるんじゃないわよ。」
「ふぇ・・・、それはそうなんですけど・・・。と、とにかく、チルノちゃんを探して貰えませんか!!勿論、私も手伝います!!」
俺は霊夢の方を見る。
「・・・面倒事を起こすなとは言ったけど、解決側に回るなら私は何も言わないわよ。・・・仕方ないわね。手伝ってあげるとしましょう。」
「あ、ありがとうございます!!!」
「霊夢・・・、済まないな。」
「・・・、別に気が向いただけよ。」
「そんなこと言って、素直じゃないんだからー!」
「ちょっ、紫!!まだ帰ってなかったの!?」
「別にいいじゃないの恥ずかしがらなくてもー!」
「るっさい!!」
・・・孫と祖母だな。
いや、母親と思春期の娘か。
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霊夢は大妖精を居間に上がらせる。
そして、全力できたであろう汗だくの大妖精にタオルと冷えたお茶を出す。
「あ、ありがとうございます!!」
「いいのよ。それにしても1週間ねぇ・・・。馬鹿だから風邪をこじらせるとは思えないし。」
「馬鹿は風邪をひかないと言いたいのか・・・?それは迷信だろう。」
「それがアイツにはそうもならないのよ。あいつはマジで馬鹿だから風邪をひかない。」
「私も、長く一緒にいますけどチルノちゃんが風邪をひいているのは見た事がないですね。」
元気がいっぱいな子だということか・・・。
「・・・ならば、大妖精はどこに向かったのか検討はつくのか?」
「・・・ええと、どこに行きそうかだったら・・・。」
それでも充分だ。
大妖精が言うには、『人里』、『霧の湖』、『迷いの森』辺りに向かったのではと考えているという。
「・・・ふむ。とはいえ、こういうとあれだけど、アイツの考えは魔理沙以上に読めないのよ。どこに向かってようが、そこに行く意味がわからないから、予想しようがないわね。」
霊夢が肩をすくめる。
「・・・ならば仕方ない。近い場所から
「ま、そうなるわね。ここから1番近いのは・・・。やっぱり人里かしら。」
「そうだろうな。」
「じゃあ、ひとまず人里で情報収集でもしましょうか。」
行動することが決まり、3人は同時に立ち上がる。
「紫。私たちちょっと調査に行ってくるわ。・・・ま、調査という程重いものでもないかもしれないけれど。」
「ええ。気をつけて行ってらっしゃいな。」
俺は神社の境内を歩き、階段へと向かう。
すると、後ろから肩を叩かれる。紫かと思ったらその人物は、藍だった。
「・・・藍か。どうしたんだ?」
「・・・霊夢は楽観視しているようだが・・・。今回の氷精の失踪・・・、なにか大きなことになりそうな気がする。お前はまだこの世界のことをよく知らない。あまり大それた事をしないようにな。」
「・・・?ああ。」
つまりは目立つような行動をするなということか。・・・もとよりそのつもりは無い。だが、確かになにか胸騒ぎはする。
なにか、大きな脅威が近づいている気分だ。・・・まるで、あの時の小僧に出会った時のような感覚だ。・・・十二分に警戒しておくとしよう。
To be continued...
藍からの警告を聞いたリゾットは、己の中に響いていた胸騒ぎを自覚する。
その胸騒ぎは、生前、もとい前の世界で死ぬ直前に出会ったあの
次回、
Episodio.7 謎の女ーDonna misteriosa