東方暗殺鐵〜リゾット・ネエロが幻想入り〜   作:ガリュウ432

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第7話です。
この回でオリキャラが登場します。戦闘シーンとかは今回ございませんが、物語的には若干進みます。

更新に間が空いてしまい申し訳ありません。
このように不定期更新になることが多々ありますのでご了承ください。

ー追記ー
誤字報告ありがとうございます。


Episodio.7 謎の女ーDonna misteriosa

俺たちは情報収集すべく、人里に降りてきていた。

 

「まずは慧音に聞きましょうか。何かしら本人から聞いていてもおかしくはないからね。」

 

まあそれが最善手だろうな。

 

「じゃあ俺が聞いてこよう。霊夢たちは里の人達に聞いてくれるか?」

 

「そうね、分かったわ。」

 

「は、はい!」

 

里の人から聞き出すのは2人に任せるとして、俺は寺子屋に向かうとしよう。しかし、行方不明・・・か。何も残さず消えたとなると本当に打つ手が無いな。一つずつ可能性を試していくしかない。

 

「あら?見慣れない殿方ね。」

 

ふと、リゾットは後ろから声をかけられ、振り返る。

 

「・・・なんだ?どうかしたか?」

 

「いや、久々に人里に来たら、見慣れない人がいると思ったので。」

 

黒い翼の生えた女性がリゾットの目の前に立っていた。

 

(・・・黒い翼・・・。たしか、『鴉天狗』だったか。)

 

「ああ、申し遅れました。わたしは勅使河原 櫂羅(てしがはら かいら)です。以後、お見知りおきを。」

 

「・・・俺はリゾットだ。最近ここにきた者だ。わざわざ挨拶に来てもらってありがたいが・・・、何か用か?」

 

「なんというか、困っているご様子でしたので。」

 

困っているというのは事実だが・・・。

まあ、聞いてみるだけでも価値はありそうだ。

 

「ああ、気にかけてもらってすまない・・・。実は今、人探しをしている。チルノという氷の妖精を見ていないか?」

 

「チルノちゃん・・・ですか?一応知り合いではありますが・・・。そういえば最近見ていませんね。」

 

「そうか・・・。どうやらココ最近そのチルノとやらが行方不明になっているらしいんだが・・・。話を聞いてもらってすまなかったな。」

 

「いえいえ。リゾットさんはこれからどちらへ?」

 

「チルノはもともと寺子屋に通っていたらしいからな。一度、寺子屋に向かおうと思う。」

 

すると、櫂羅は目を鋭くして話した。

 

「・・・私も同行して構いませんか?」

 

「・・・別に構わないが・・・。どうかしたのか?」

 

「やはり、行方不明と聞いて不安になりましたから。私もその調査に参加しようと思いまして。」

 

まあ人手が大いに越したことはない。

櫂羅にも手伝ってもらうとしよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・そういえば、櫂羅は鴉天狗・・・でいいのか?」

 

慧音から教えられた種族の、鴉天狗の特徴に合致する。

 

「ええ。私は鴉天狗ですよ?それがなにか?」

 

「・・・烏天狗はあの妖怪の山の陣営だと慧音から聞いたんだが・・・。」

 

「ああ、それはよく聞かれるんですけど、私は妖怪の山の陣営には組み込まれていないんです。まあ野良の鴉天狗ってことですね。」

 

・・・そういうのも居るのか。

同じ種族は沢山いると聞いたからな。その種族の習性と違う動きをする個体がいたとしても、それは別段おかしい話でもないということか。

そうこうしているうちに寺子屋に到着する。・・・今の時間ならまだ慧音しかいないはず。

 

「慧音、いるか?」

 

「おじゃましまーす。」

 

「はいはーい、今出ますよ・・・と、リゾットじゃないか。その様子だと、住人として歓迎されたようだな。」

 

「ああ、お陰様でな。」

 

「・・・どうやらお連れ様がいるみたいだが・・・。っと櫂羅じゃあないか。久しぶりだな!どうかしたのか?」

 

「いやーまあ、先程リゾットさんにあって、話を色々聞きまして。」

 

む・・・、どうやら2人は顔見知りのようだな。

元教え子といった感じのようだ。

 

「・・・リゾットから?なにか聞きに来たようだな。」

 

「慧音に聞きたいことがある。・・・構わないか?」

 

「ああ。今お茶を入れてくるよ。談話室に来てくれ。」

 

教室の二つ隣の小さめの部屋に入る。

机と座布団位しかない落ち着いた部屋だ。

 

「・・・それで、聞きたいことってなんだ?」

 

俺は、紫と霊夢に幻想郷の住人として認められたこと、その後弾幕ごっこと呼ばれるこの世界での決闘方法のこと、そして、大妖精が息を切らしながら博麗神社にチルノが失踪したことを伝えに来たことを話した。

 

「・・・確かにチルノはここ数日来ていない。それに、チルノの姿を見てもいない。不安な状況・・・だな。」

 

「とはいえ、どうしてチルノちゃんは急にいなくなったんですか?先生は心当たりって何かありますか?」

 

「悪いがそれらしい心当たりはないな・・・。私のところにチルノの情報は入っていないんだ・・・。情けない話だがな。・・・それと、関係あるかは知らないが、里の人間も最近、行方不明者が出ているらしい。数日経てば帰ってきているらしいが、そのいなかった時の記憶が無くなっているらしいんだ。」

 

「・・・それも異変だな。」

 

「また奇妙なことに全て霧の湖がある方向から帰ってきているみたいだ。」

 

氷精の失踪と里の人間の失踪・・・。

どこか繋がっている気がするな。

 

「恩に着る慧音。多少なりともいい情報が得られた。」

 

「そうなのか?それならいいんだが・・・。リゾット、・・・異変解決の協力は構わないが、無茶はしないようにな。君はまだ勝手がわからない。あまり大それたことをし過ぎないようにした方がいいと思うぞ。、」

 

「・・・ああ。心得よう。」

 

藍だけじゃなく慧音にも警告を受けた。

たしかにこの異変は大きくなりそうな気がする。なにか・・・、嫌な予感がする。里の人間も消えているという事実も、その予感を加速させている要因の一つだろう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

寺子屋を出て、聞き込みを終えた霊夢たちと合流する。

 

「あ、リゾット。戻ってきたわね・・・。って櫂羅じゃない。どうかしたの?」

 

「霊夢さん。私もリゾットさんから話を聞いて、捜索のお手伝いをさせてもらおうと思いまして・・・。」

 

「本当?とても助かるわ。意外と捜索が難航しててね・・・。」

 

「その様子だと、あまり聞き込みは良くなかったみたいだな。」

 

「んーまあ、あらかたリゾットの予想通りよ。氷精は見てないって。」

 

「俺達も慧音から話を聞いてきたが・・・。チルノ自体の情報は持ってはいなかった。」

 

「チルノ『自体』?不思議な言い方をするわね。」

 

「別に気になることを聞いた。ココ最近、『里の人間も行方不明者が出ているらしい。』」

 

「!!?それは何かしらにおうわね・・・。」

 

「も、もしかしたらチルノちゃんと同じ事件に関連してるのかも・・・!?」

 

「落ち着け大妖精。・・・ないとは言いきれんが、里の人間の方は三日程度で帰ってくるらしい。その行方不明だった時期のことは一切覚えていないらしいが。」

 

「となればさらに怪しくなるわね・・・。」

 

さらにリゾットはほとんどの人間が霧の湖方面から帰ってきていたことも話す。

 

「・・・じゃあ霧の湖に向かってみますか。」

 

「それが一番得策ですね!」

 

・・・この異変も気になるが・・・。

この『勅使河原 櫂羅』・・・。なにか裏がある気がするな・・・。

いや、裏というよりかは・・・。なにか、心の内に秘めている、信条の読めなさが帰って不気味だ・・・。

こいつのこともある程度は警戒しておくことにしよう。

・・・、次は霧の湖とやらに向かうことになった。そこで氷精が見つかればいいが・・・。

 

To be continued...




リゾットは寺子屋2情報収集に向かう直前、『勅使河原 櫂羅』と名乗る、『妖怪の山陣営に属していない』特殊な烏天狗に出会った。彼女とチルノの知り合いということで捜索に同行するが、リゾットは警戒を解かずに慧音から話を聞く。すると慧音から聞かされたのは『里の人間も行方不明者が出ているらしい』という情報だった。チルノの失踪と里の人間も行方不明。このふたつの事件がくっつくだろうと考えたリゾットは、霊夢たちと合流し、霧の湖にへと向かうのだった・・・。

ー次回予告ー
狂乱ーfrenesia

Introduzione del personaggio
勅使河原 櫂羅/Teshigahar Kaira
種族:烏天狗
能力:電気を操る程度の能力
人間友好度:高め
妖怪の山の陣営には組み込まれていない、野良の烏天狗。のんびりとした性格で、自由気ままな性格。異変で悩んでいるリゾットをみつけ、知り合いのチルノの問題を聞いて異変解決に参加。謎が多く、彼女がの真意は彼と神のみぞ知る。妖怪の山側も櫂羅の存在を認知してはいるが、脅威になる恐れがないので放っている。強さ的には割と強い方。八手の葉を持っているが、彼女の場合は電気や雷を発生させる。

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