「そうと決まれば作戦会議だクマ !」 グゥ〜
球磨は元気よく言い、腹の虫を鳴らす
基地の時計を見ると時刻は12時を回ったところだ
「食事も兼ねて静かなところで会議しましょうか、配給の妖精さんも来てますし何か貰って行くのです」
「そうクマね」
電達は並ぼうとするが既に配給妖精さんの前には長い列が出来ていた
「あー、配給妖精さん 今日は1人みたいですね」
ここがブイン基地という最前線だからか、配給妖精さんが多い日と少ない日がある
多い日は5、6人来るのだがここ3日程は2、3人程しか来ていない
「まあ、取り敢えず並ぶかクマ」
電と球磨が列に入ろうとした時、配給妖精さんが何やら看板を上げているのが見えた
【本日の配給品は無くなりました】
「......」
「......」
腹を空かした球磨に告げられる唐突な飯抜き宣言
確かに最近は配給量自体少なくなってはいたが、それでも全員に行き届いてはいた
今日は特に配給量が少なかったのだ
「ま、まあいいクマ
1日くらい食べなくても平気だクマ」グゥ〜
どうしても空腹を紛らわせない球磨に、電は何か思いついたような顔をした
「球磨さん大丈夫です !
足らぬ足らぬは工夫が足らぬですよ !」
何やら自信満々な電をみて球磨は不思議な顔をした
「クマ?どうゆう事だクマ?」
「ふっふふーん、私にまかせるのです !」
____________
そう電が意気込んで何処かに行ってから2時間ほどがたった
球磨はと言うと、やることが無いので
ついでに空腹でやる気も出ないため2時間前からベンチを動いていない
「お待たせしましたー !」
声のする方を見ると小脇に籠を抱えた電が走ってきていた
「どこまで行ってたんだクマ?」
「ちょっとブイン基地の外れの方まで
時間かかりましたけど行ったかいがありました、見て下さいよこれ」
そう言って電は籠の中身を球磨に見せる
「こ、これは...... ジャガイモとマンゴー?」
「はい !そうです、ブインで自生している植物です」
球磨はジャガイモを1つ手に取りマジマジと見つめる
「しかしよく取ってきたクマね、電はこうゆう事が得意なのかクマ?」
「得意って訳ではないですけど。ジャガイモはだいたいどこにでも生えてるものなので、ジャガイモを探してたのですがマンゴーも見つけてしまいました !」
「ふーん、そうゆうもんかクマ」
電は少し言いずらそうに言った
「キッチンがないから料理出来ないんですけどね......
マンゴーはいいとしてジャガイモは焚き火で焼くしかないですね」
「じゃあうちに来るといいクマ !」
少し間を開けて電は口を開いた
「うちって、お家の事ですか!?
やっぱりこっちの世界の人なんじゃ...?」
「違うクマ、空き家を勝手に使ってるだけクマ
こっちにあるからついてくるクマ」
電が球磨に言われるがままに着いていくとそこはブイン基地郊外の丘の上
基地全体を見下ろせる所にポツンと一軒小屋が立っていた
「ここですか?」
「そうクマ ! ここに来た初日に見つけたクマ !」
「初日にですか...... 行動力ありますね」
「ん、そうクマ? まあキッチンもあるから中にどうぞクマ」
中は少しボロく 天井からは日が少し差しているがしっかり掃除がされていて埃っぽくはなかった
「なんか秘密基地みたいでワクワクしますね !」
「そうクマ?野宿よりマシ程度に住んでたクマ」
そう言いながら釜戸に練炭をくべて火の準備を始める
「何か飲むクマ?まあ茶かコーヒーしかないけど」
「えぇ!いいですよ」
「飲み物の1つくらい遠慮すんなクマ、コーヒーでいいクマ?」
「あっ、ありがとうございます」
棚の下からコーヒー粉が入った瓶を取り出し、ドリッパーにコーヒー粉を入れ、沸かしたお湯でドリップする
しばらくしてコーヒーが出来上がった
「ウエルカムコーヒーだクマ」
電の前にコーヒーが置かれる
「ありがとうございます、頂きます」
それに電は口を付け数口飲む
「なんかほんのりきな粉の風味がしますね、コーヒーじゃないみたいです」
「そりゃあ、コーヒー豆じゃないからだクマ」
「え?」
「コーヒー豆が配給されないから配給品の大豆を使った、いわゆる代理コーヒーだクマ !」
驚いた表情を浮かべた電はもう1口その大豆コーヒーを飲んで
「確かに配給品に今まで見たことないですね」
「それもそうクマ、戦時中コーヒー豆はとっても貴重品だったんだクマ」
「へぇー、日本じゃコーヒー豆は作れませんしね」
「本当はタンポポが良かったんだけど、ここには生えてなかったクマ......」
「大豆は配給されるんですね」
「まあ、大豆も不足はしてたけど全くないなんて事はないクマ
っと、そろそろ料理を始めるかクマ」
「ああ、そうですね ではまずジャガイモを蒸かしましょう !」
「まあまあ、久しぶりの暖かい食事だから少しこだわって作るクマ」
そう言ってコーヒー作りの残り湯をもう1度沸騰させ底にすのこを敷き水で軽く洗ったジャガイモを入れ蓋を閉めた
「そこで登場するのがコレくま」
球磨は樽を取り出すと熱された鍋を入れ蓋を閉めた
「球磨さん、これは?」
「これは火無しコンロクマ、樽の中には断熱材が入っていて鍋の余熱を逃がさず余熱で調理する器具クマ」
「なるほど、燃料の節約になるんですね」
「そうクマ ! まあ、燃料はあまり使わないから余ってるだけど気分的にね?」
「そうだ 、空いた火を使ってマンゴーでジャムを作りませんか?」
「なるほど保存も効くしいいかもしれないクマ
火無しコンロは時間がかかるし、その間に作るクマ !」
2人はマンゴージャムの制作に取り掛かかった
「ザラメで大丈夫ですかね?」
「多分大丈夫じゃないかクマ?」
____________
「ジャム出来ましたよ !」
「ジャガイモもいい感じクマ」
食卓にはここに来て以来の暖かい料理が並ぶ
「「いただきます」」
「そうだ、ここはドイツ式で食べるクマ」
そう言うと球磨は何かをジャガイモに乗せた
「それは?赤いゼリー?」
「ケチャップ羊羹だクマ !味は分からないけどドイツでは潰したジャガイモにソースを絡めて食べるのが一般的クマ」
そう言われた電は球磨に言われた通りに食べてみる
「そうなんですか...あ、美味しいです」
「良かったクマ〜」
蒸かした芋にケチャップを付けただけという簡単な料理だったが、今まで配給品頼みで食事をしていた2人には非常に美味しく感じた
「そう言えば艦これの世界では紅茶やコーヒーはちゃんと登場していましたよね、どうしてここでは史実道理なのでしょう?」
「もしかしたら艦これに似てるようで全く違う世界なのかもしれないクマね、まあそこも含めて調査するクマ」
「そうですね、分からないことだらけですから頑張って調べないとですね!」
「まあ、なんだ これからよろしくクマ 相棒」
球磨は少し照れくさそうに拳を差し出す
「はいっ !なのです !」
電もそれに拳を重ね照れくさそうに笑った