TS転生だとしても、絶対に諦めない。   作:聖@ひじりん

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お久し振りです。富樫先生並……以上に不定期で申し訳ない。いや、本当にすまない。





14話『予言』

 

 

「私だ」

 

「ん、そろそろ掛かってくる頃だと思ったわ」

 

 クロロ護衛任務が無事に終わり、数時間後。クラピカからの電話を受けた。

 

「この前の返答をしようと思って、こちらから連絡させてもらった……と、回りくどいのはよそう。私は、リナさんを仲間だと思っている」

 

「そう……それで?」

 

「今回の事件……旅団の頭が死んだのは、フェイクと見ていいだろうか」

 

 クラピカが訊きたい本題はこれでは無さそうね。さっさと本題に入ってもらいましょうか。

 

「そんな分かりきった事を訊くために、連絡してきたのではないでしょう?」

 

「……頼む。私に、仲間の仇を討たせて欲しい」

 

 ま、そうなるわね。

 

「これは、電話で続ける話ではないわね。一旦、どこかで落ち会いましょう……手土産も持って行くわ」

 

「では、エル病院の屋上に来て欲しい。場所はメールで送っておく」

 

 電話を一度切って、メールを確認。競売には参加するなとメールを返信し、旅団の輪に加わる。

 

「ねえ、ヒソカ。緋の眼はどこにあるのかしら?」

 

「普通に名前を呼ばないでよ……そこの箱」

 

 苦笑いした後、ヒソカは一つの段ボールを指差して教えてくれた。

 

「ありがとう」

 

 素直にお礼を伝え、しっかり中身を確認すると、ちゃんと本物の様だ。

 

「それじゃ、出かけてくるわ。クロロによろしく」

 

「勝手に持って行って、彼は怒るんじゃないかい?」

 

「そしたら、貴方が私を守る騎士になればいいわ……」

 

 段ボールを抱え、背中越しに手を振って会場を後にした。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「そっか、それでも彼と戦える可能があるのか……これは盲点だった」

 

 口元を手で隠し、ヒソカは大きく口を歪める。

 

「おい、ヒソカ。さぼってねぇーで、ちゃんと仕事しろ」

 

「ああ、ごめんごめん。手伝うよ」

 

 リナの言葉で、ヒソカの中にしっかりと選択肢が増えていた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「ん、待たせちゃったかしら?」

 

「時間は特に定めてなかったし、気にする程でもないだろう。それに、組の会話から抜けれたのは、ついさっきさ」

 

 電話で声を聞いた時に思ってたけど、落ち着いているわね。オーラも乱れてないし、平常心って訳ね。

 

「あ、とりあえずお土産から。喜びなさい」

 

「っ!? 薄々は気がついていたが、本当に持ってくるなんて……ありがとう、リナさん」

 

「どういたしまして。もちろん、本物だから、それ」

 

 そもそも、ここで偽物を持ってくる意味はない。それに、ここで本物を持ってくる事で、仲間だという証明にもなる。

 

 もっとも、あんまり褒められる行動ではないけど。

 

「それで、感傷に浸っていないで、本題に入りましょう」

 

「あ、あぁ。そうだな……」

 

 本当に、クラピカは優しい奴ね。

 

「仲間の仇と言ったけど、旅団を殺すつもりなのかしら?」

 

「もちろん、その通りだ。もっとも、旅団が壊滅すればそれでいいのだが」

 

 復讐の炎は、未だ強い揺らめき……ね。

 

「なら、止めるつもりはないわ。ただ、協力もできない」

 

「やはり、そうなるか……では、一つだけ聞かせて欲しい。リナさんの目的は、一体何だ?」

 

「そんなの、女の子に決まってるじゃない」

 

 私は即答した。

 

「ふっ。リナさんは変わらずだな」

 

「当然よ。あるがままに、女の子を求める……ガールズハンターだし」

 

 微妙に癪な二つ名だけど、これ以上に私を表す言葉がないのが悔しい。

 

「リナさんにピッタリの名前だ」     

 

 そう呟きながら、クラピカは何回も首を縦に振っていた。

 

「ま、旅団の中にいる女の子を狙うなら、例えクラピカ相手でも容赦しないから……それだけは気を付けなさい」

 

「了解した……と、言いたい所だが、実際には分からない。目の前にしてみると、激情してしまわないとも限らないからな」

 

 クラピカかは素直でありがたい。

 

「お互い、殺気も込めずに言う台詞でもないわね」

 

「違いない」

 

 二人で笑い合い、その後クラピカがこの場を離れた。 

 

 そして、一人になった屋上で寝転び、夜空と星を眺める。

 

「さて……と。ここから、面倒な役回りをしなくちゃ駄目ね」

 

 クロロ、ヒソカ、クラピカの思惑が絡まる中に、私を入れて目的を達成しなくてはならない。

 

 現在の相違点が、ネオンが緋の眼、偽物を所持していない事。クラピカが少なくとも女の子……マチ、シズク、パクノダを狙わない事。この二点。

 

 日付が変わってから、昼までにクラピカがゴンたちと集合するとして、その時にパクノダの能力を知るはず。

 

 ここで、私が出向いて説得するより、それより面倒な予言イベントがアジトで起こるから、そっちに向かう必要があるわね。

 

 詳しい予言の内容はあんまり覚えてないけど、私がいる影響を見ておかないと、どこで目的が狂うかも分からない。

 

「その都度修正したとして、上手く行くとも思わないし…………私が二人いれば早いのだけれど、瞬間移動が出来るでも可ね」

 

 念能力として、かなりリスクがあったから選択しなかったけど、欲しい時は欲しいものね。人生、何があるか分からない。

 

 もっとも、全力で色々すれば似た様な事は可能だけど、タイムラグが出るし。

 

「いや、そう考えると、瞬間移動もタイムラグあるわね。って、それはいいとして、どうにか楽な方法ないかしら」  

 

 ヤヤを頼るのは微妙だし、あの子達を頼るのも微妙だし……全部微妙ね。

 

「よし、行き当たりばったりで進もう」

 

 私は全ての考えを投げ捨てて、旅団のアジトに向かった。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「ただいま……ん、ピリピリ?」

 

 アジトに戻ると、空気が痛い。理由は明白だけど、素直に面倒だ。

 

「ノブナガ、悪が先に、リナに話だ。で、緋の目を持って行ったとヒソカから聞いたが、欲しかったのか?」

 

 問いかけの中に、多少の怒りあり……ね。

 

 全く、ヒソカは余計な事をしてくれるわ。

 

「んー、特に? 私が欲しかった訳じゃないわ」

 

「……嘘は言ってない。が、誰に渡したんだ?」

 

 曰く付きの品を持ち出したのは、やっぱり、疑われるわね。

 

「貴方たちが言う、言わば鎖野郎よ」

 

 言葉が届いたであろう瞬間、大剣を正面の地面に突き刺す形で呼び出して、数人の攻撃を受け止める。

 

「あのね、残念な事に無駄よ? 交渉決裂なら、今すぐこの剣を抜くけど」

 

「全員、引け」

 

 クロロの一声で全員の殺気が、少し収まった。

 

「すまない、リナ。交渉は継続してくれ」

 

「もちろん」

 

 大剣を消して、肩をすくめながらそう答える。

 

「おい団長。目の前に元凶がいて、剣を抜いちゃいけねえってのか」

 

「くどいぞ、ノブナガ。交渉は継続だ。それに、少し前にだが、俺はリナと鎖野郎につながりがあると知った」

 

「何?」

 

「ある娘の能力だ。ノブナガ、生年月日は?」

 

「は? 70年の9月8日だよ」

 

「血液型は?」

 

「Bだ」

 

「名前は?」

 

「ノブナガ=ハザマだ!! 知ってんだろ!!」

 

「ありがとう。それをこの紙に書いてくれ」

 

「良く分からねえが……分かったよ」

 

 突然、クロロの質問責めが始まり、この空間がかなり穏やかな雰囲気に変貌していた。

 

 私にとっては良い事だけど、まさかこのタイミングで占いの流れになるなんて思わなかったわ。

 

「ほらよ」

 

「ん、ちょっとだけ待ってくれ」

 

 そういえば、クロロの占いをまだ見てないけど……私がいる影響が吉と出るか、狂と出るか。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 大切な暦が不意に一つ欠ける。残された月達は盛大に葬うだろう。

 

 加わり損ねた睦月は、祝福を望まず、一人で霜月の影を追い続ける。

 

 

 女神の加護で女月は決して欠けない。血塗られた緋の眼への祝福が喪われるから。

 

 止め、待て。獲物が掛る。しかし、希も絶もない。

 

 手足を差し出せ。寵愛が、蜘蛛の望みに繋がる。

 

 さすれば、過半数動くから。

 

 

 頭が絶たれ、されど手足は動く。東へ、東へ。

 

 三本で、死神を望め。頭が双丘に蘇るから。

 

 ただ、忘却するな。かつての女神は死神だ。対価でなく、売却だ。

 

 死神の吐息が、還る地を虚無に戻すかも知れないから。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「絶対に嫌だよ」

 

「蜘蛛の為なら、別に」

 

「そんな趣味はないから、私は遠慮するわ」

 

 賛成少数。結論、遊べない。

 

「いっそ、殺してしまいましょうか。貴方を殺して私も……死にたいけど、遊べないからやっぱり殺すだけね」

 

 剣を手に呼び出して、マチの方に向けてみる。 

 

「せめて、殺気を込めてからいいな」

 

「……それもそうね」

 

 剣を引っ込めて、近くの段ボールに腰かけた。

 

「ふむ、本題に入ろう」

 

 クロロの一言で場の空気が、改めて静かになる。

 

「この予知能力は確実に当たる。詩の形を借り、四つから五つの四行詩で成り、それが今月の週ごとに起こる予言だ」

 

 本当に性質が悪い能力よね。先天性の能力はこれだから嫌になるわ。

 

 まあ、それならクロロの計画を阻止すれば良かったんだけど……気にもなったし。

 

「自動書記で、残念ながら俺には内容が分からない。そして、これが俺の占い結果だ。読み回してくれ」

 

 クロロは、かなり綺麗に折られた一枚の紙をポケットから取り出し、ノブナガに手渡した。

 

 さりげなく後ろに回り込み、内容を確認してみる。

 

「ふーん」

 

 重要な文章は特に無かった。

 

 結局、私に頼れば平穏無事。頼らなければ、屍山血河。何とも分かりやすい。

 

 問題があるとすれば、この予言で危険があると分かるから、避ける様に動けば無事になってしまう所。

 

 もちろん、妨害は行う。そこまで私は甘くするつもりはないし。

 

「そろそろ読み終わったか? 話を続けると、リナに三人を差し出せば、蜘蛛は無傷で済む。差し出さないなら、三人以外の誰かがそれなりに死ぬ。一番の問題点は、誰が死ぬか分からない事。これは恐らくになるが、リナの気質に依るからだろう。だから一応、精度を上げる為に、他の皆も同じ様に占わせてくれ」

 

 猫扱いされているわ、私。

 

「ワタシ、自分の生年月日知らないね」

 

「オレなんて血液型も知らねーよ」

 

「げっ」

 

「ざまー」

 

 狼狽えているクロロの顔は、中々に、実に愉快だ。

 

 

 

 それから少し時間が進み、二人を除く占い結果が出た。

 

 皆が結果を共有する中、もちろん、ヒソカだけまだ紙を手にしている。

 

 また、さり気なく後ろに回ると、これまた重要でもない。

 

「頑張って誤魔化しなさい」

 

 もっとも、旅団にとっては一大事なので、ヒソカだけに届くであろう程の小声で、文章の改善を応援する。

 

「僕の能力まで知ってるんだね……了解。頑張るよ」

 

 返答は前向きだったけど、横顔が中々に強張っていた。

 

 それもそう。予言の内容が、大筋こそ見覚えがあるけど、かなり難しく変更されている。

 

 主に私の存在が、内容に入り交じり追加されているから。

 

「ふむ、改めて頑張りなさい、少年」

 

「君、僕より年下じゃないか……うん、こんな感じでイケそうかな」

 

 実際には、三十超えているのだけれど……ある意味。

 

 改善文を眺めながら、三十路は嫌だなとか思ってしまった。

 

「ヒソカの占いも見せて」

 

 そして、近くにいたパクノダから、案の定催促が来る。

 

「やめた方がいい。驚くよ?」

 

「後ろのリナはそんな素振り、一切してないわよ」

 

 多少、そんなフリしておけば良かったわね。

 

 いや、未来を知ってる私の行動としては、こっちの方が正しい。結果オーライ。

 

「彼女は未来を知ってるらしいからね……」

 

 渋々のフリで、ヒソカが紙を手渡した。

 

「っ!!」

 

「ほらね」

 

「ちょっと、皆も見て」

 

 パクノダが紙をふわっと投げ、それをシャルナークが受け取る。

 

 簡単にやってのけたっぽいけど、技術のいる投げ方だ。凄いわね、パクノダ。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 赤目の客が貴方の店を訪れて、貴方に物々交換を持ちかける。

 

 客は、剣の掟を差し出して、月達の秘密を攫って行くだろう。

 

 

 11本足の蜘蛛が懐郷病に罹り、さらに7本の足と頭を失うだろう。

 

 仮宿から出てはいけない。貴方もその足の1本なのだから。

 

 気まぐれの女神から、有償の祝福を望め。

 

 唯一、貴方の生に繋がるから。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「赤目の客が月達の秘密を。気まぐれの女神には、有償の祝福を望め…………か」

 

「見せろ!!」

 

 ノブナガが、シャルナークから強引に紙を奪う。

 

 そして、読み終えた直ぐに殺気立て刀を抜き、こちらを向いた。

 

「ヒソカ……てめぇもか」

 

「……」

 

「私はそもそも何もしてないわよ」

 

 弁解だけは忘れないでおく。実際、何もしていないし。

 

「イエスと取るぜ!!」

 

「まあ、待てよ」

 

「そうだよノブナガ。まずは話を聞いてみよう」

 

「話も何も、アイツが裏切ったのは確かだろ!!」

 

 殺気の方向が私にない所を考えると、やはり眼中にないらしい。

 

 私はそっと、戦線から離脱し、元の位置に戻った。

 

「ノブナガ、少し黙れ。ヒソカを問いただすより、遥かに簡単な方法があるだろう……なあ、リナ」

 

「ん?」

 

 携帯ゲーム機から、視線をクロロに移す。

 

「何が、俺たちにとっての最善だ? 予言の内容は皆も共通して理解した。その上で、予言を読み取っての最善は、現段階で三人を差し出す事だろう」

 

「間違いないわね」

 

「現状、二人がリナに協力は出来ない。つまり、この予言は、シズクだけをリナに貸し出した場合の結果のはずだ」

 

「うん、それで?」

 

「予言の忠告を無視して進んだ場合、鎖野郎が死に、三人を除く半数以上が死亡。その後に、俺が旅団と接触できなくなり、東へ向かう事が分かる……ただ、ここで気になるのは、どうして俺がその状況になるか」

 

 相変わらず頭良いわね、コイツ。

 

「選択肢はリナが絡むといくらでも増えるが、主に鎖野郎が原因だろう。ヒソカの予言にあった、剣の掟。これは、ヒソカの様子からして間違いなく、言動や行動を縛る能力だ。それに加えて、ウボォーを捕らえた能力も持っているはずだが……今は重要じゃない。大事なのは、"差し出す"と"懐郷病"だ」

 

 そんな頭が良いクロロでさえ、ヒソカの手の平の中と考えると、かなり笑いが止まらない。

 

 もちろん、ポーカーフェイスは忘れずに、心の中でだけど。

 

「差し出すの本来の意味は、刺し出す。そうでないと、"物々交換"と"攫う"で、前後の文意が食い違うからだ。これは想像に依るが、剣の掟とは、相手の体内に仕掛けを埋め込んで発動する能力。ヒソカ程の実力者を相手に、簡単に成功させれた鎖野郎の実力は注意に値する。いや、注意しないと予言の通り、蜘蛛はほぼ壊滅だ」

 

 そう言えば、元々はクラピカが暴れて? 蜘蛛が半数になる予定だったのよね。現状で中々に恐ろしい戦闘力が有ると考えると、クロロの忠告は正しいかしら。

 

「次に懐郷病だが、これは文字通りホームシックの事だろう。分かるだけ予言をしておいて良かった、という所か。つまり、リナが来る前に話していたホームに帰るかどうかだが、帰っていれば三人を除いた全員が死ぬ事になっていた」

 

「なら、結局俺の提案が良かったって話か?」

 

「それは違う。理由は不明だが、待っていれば勝手に仮宿に来る。ただし、希も望もない……共倒れだ」

 

「そういや、そんな文章だったか」

 

 ノブナガって、やっぱり頭悪いのね。時々賢い様に感じるだけで。

 

「さて、ここから話を順番に戻すが……まず、ホームに帰ると鎖野郎に会わないのに、何故壊滅するか。理由と心情は不明だが、原因はリナだ。恐らく、何かで殺しに来るのだろう」

 

 私もそう思う。ホームの位置を知らないから、逃がすまいと四人以外を瞬殺してしまいそうだわ。

 

 もっとも、未来を知っているのにホームの位置を知らないなんて、クロロは思ってないから、そういう結論に至ったのでしょうけど。

 

 全能じゃないと時々困るわね。

 

「次に、俺が生き残りながら鎖野郎が死んでいるが、俺が頭で無くなる事。これは剣の掟の能力が原因だろう。鎖野郎がこのアジトに来て、戦闘を開始。するとリナは三人を守る為に動く為、鎖野郎の狙いが三人以外になる。そして、守られて大人しくしない三人が前に出ると、必然的に戦闘の余波等で傷つく確率が上がる。すると、その事故を起こさない様に、一太刀で原因をことごとく消していく。その結果、三つ巴が起こり、女の次に守る優先度の高い鎖野郎の為に動き、誰かが死亡。その隙で俺に剣の掟が刺さり、三人の誰かが鎖野郎に攻撃。迎撃され傷つき、傷つけた鎖野郎をリナが殺すのだろう」

 

 クロロの語りに、旅団員がそれぞれ頷いている。それも当然ね。

 

 決して、思考力が足りていない訳じゃなく、クロロとヒソカが異常なだけで……一部メンバーを除いて、水準はかなり高い。

 

「さて、結果的に俺が孤立するのは、鎖野郎の能力によってだ。その頃には三人しか残っておらず、三人でリナを頼った所で、蜘蛛は完全消滅するだろう……ただ、不思議というかこれは異常と言おうか。何故予言が、全員で共通してない結論になるか……まあ、恐らくリナのせいだろう。そこがある意味で脅威だが、予言を持ってしても、リナの気まぐれ次第で結末が変わるんだ。誰がどう望もうと、予言を持って行動しても、だ」

 

「てーことは、結局何が正解なんだよ、クロロ」

 

 ノブナガの質問に、全員の視線がクロロに集中する。

 

「まずは、謝ろう。俺が予言の能力を奪ったせいで、リナの気まぐれが加速する事について……だが」

 

 クロロが軽く頭を下げたが、上げた顔にもう謝罪の念は籠っていない。

 

「お陰で、対策は浮かんだ。簡単な話だ、リナ……護衛という名目で三人を連れて、ヨークシンを発ってくれ」

 

 熱い視線が、私を捉えていた。

 




これからはちょくちょく更新頑張りますので、改めてよろしくお願いします。

時間が空くところで、自分が生粋の小説好きじゃないと自覚して、微妙に困る。でも頑張る。

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