TS転生だとしても、絶対に諦めない。   作:聖@ひじりん

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新年初(遅い)。新展開進みます。


16話『小さな変化』

 

「ん? おかえり」

 

「ええ、ただいま」

 

 マチを抱えたま帰って来たというのに、ヤヤの反応が薄い。

 

 ただ、テレビを見ながらポテトチップスを食べるヤヤの姿を見て、何となく……。

 

「夫婦って、こんな感じなのかしら」

 

「夫婦?」

 

「いえ、いいわ」

 

 一仕事終えて帰宅し、それが当たり前だと構えている嫁。百年の恋も、所詮は妥協になってしまいそうね。

 

 とりあえず、マチをベッドに寝かして、絶対に動けない様に拘束具を準備する。

 

 まず、舌を噛み切らない様に、特製・ギャグボール。

 

 次に、関節を外して抜けられると困るので、特注の念縄を使って全身を縛る。これは、念を込めると一切合切、伸縮しなくなる代物だ。

 

 最後に、身体検査にて武器を押収しておく。

 

 もし、手元になくても針を操作でき、尚且つ"発"を使える危険性を排除する為に。そもそも、針がなくても"発"を使える可能性はあるけど……それはその時に対処しましょう。

 

 え、ワールドで確認? 女の子の秘密を無理やり知るなんて、滅茶苦茶に失礼じゃない。

 

「手慣れてるね」

 

「本業ですから……って、感想はそれだけなのかしら」

 

 もっとこう、リナは本当にソッチの人間なんだ、とか。変態!!エッチ!!とか。

 

「うん、別に」

 

 ふっ。

 

「天誅!!」

 

「いやぁぁぁ!?」

 

 腕だけ簡単に縛って、後ろから胸を揉み始める。

 

「ふふふ、本当に嫌ではないでしょう」

 

「う、ふぁ……っっ!? そ、そこは……あっ」

 

 柔らかさは極上。感度も最高。下は知らないけど、胸はとりあえず名器だわ。

 

 どこを触っても感じてしまう様だから、乳首を避けて揉み続ける。

 

「ああ、堪らないっ」

 

「いやいやいや、だめ、だめだって──ふゃんっ!?」

 

 で、焦らしてから乳首をキュッとつまむ。

 

 胸の責め方は無限大にある。それが楽しいし、それが欲に終わりがない証明ね。

 

 乳首を重点に責めてもいいし、揉む方を重視しても良い。

 

「ん、はぅ、きゃう!? うぅん、ひっ!?」

 

 揉む、揉む、摘まむ、揉む、捻る。

 

「ヤヤ、可愛い」

 

「あ、あぁっ。だめ、ほんとっ、んんっ!? ん、あ、あぁあっ!! い、イイイッ……っは、イっちゃうからぁ!!」

 

「だから、イきなさい」

 

 両手の揉む速度を上げて、人差し指だけで乳首を弾く。

 

「あぁぁぁ、だ、だめぇっ!!」

 

 そして最後に、回り込んで服の上から、右胸の乳首に噛みついた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「ふぅ、これがメインディッシュの前の、メインディッシュという奴かしら」

 

「ぐすっ」

 

 ヤヤは、泣いていた。

 

「可愛い」

 

「いや、もう、ほんとにだめ!!」

 

 腕を拘束されたまま、私の胸で泣いていたヤヤはが、一瞬で部屋の端まで移動する。

 

「へぇ……鍛錬は怠ってないのね。良かったわ、ゾーンポテチが日課に感じる姿だったし」

 

「……ポテチは日課だよ?」

 

 ええい、このホテルが何でも用意してくれるからって、自由を満喫しているわね。庶民的に。

 

 まあ、カロリーの消費も多いし、大体が胸に行くはずだから気にしないでおきましょう。

 

 ヤヤって、私より神秘的な性能を誇ってるのよね。

 

 スタイルキープは置き忘れ、肌のケアはゴミ箱に、食生活はメタボもびっくりだ。

 

 私もかなりおざなりとはいえ……流石に程度がある。

 

 母に躾られた結果でもあるけど、無視し続けるとコンディションが落ちていたことがあった。

 

 それからは、最低でも三日に一度は手入れはするのだけど。

 

「本来なら追加のギルティだけど、いいわ、許す」

 

「え、うん。ありがとう……で、その子は?」

 

「幻影旅団って第一級?盗賊団のマチよ。盗んできた」

 

「ふーん。どうするの?」

 

 純粋なのか、天然なのか。

 

 いや、私のせいで純粋ではないはず。

 

 もっとも、確かに意図は難しいかも知れないわね。

 

 ただ単純欲望を満たして遊ぶだけなら、わざわざ連れて来る意味はないし。

 

 それこそ、メンチやレルートの時みたいに、どっかで監禁すればいい。

 

「仲間に……なるとは思わないけど、とりあえず交渉かしら」

 

「仲間探してたの?」

 

「いいえ、玩具が欲しいだけね。その過程で仲間になってくれれば御の字でしょ? 可愛い女の子が増える訳だし」

 

 とはいえ、中々どうして面倒なのよね。

 

 ツンデレならどうにでもなるけど、全力で嫌われているので対処が難しい。下手すると死んでしまうのも、原因の一つ。

 

 最終手段は……いえ、色々な手段は用意できるから、困ったらアレを頼ろうとも思っている。

 

 アレを使うのは交渉が失敗した時だから、そう出て来る事はない。むしろ、決して頼りたくない。

 

 でも、あの娘……便利だし。その為に、骨も折ったし。

 

「確かに、可愛いと思う。でも、リナが玩具を欲しがるのは納得してるけど、仲間は私以外作らないで欲しいなぁ……なんて、少し思っちゃうかも」

 

 おや、ヤヤがデレた? とりあえず、抱きしめよう。

 

「ありがとう、ヤヤ。その気持ちは、素直に嬉しいわ……なら、貴方の気持ちを尊重しましょう」

 

 うん、仲間はやっぱりいらないわ。

 

 玩具として、手先として……あっちに流しましょう。

 

 彼女たちなら、きっちり管理を出来るだろうし。

 

「え? いや、その……嬉しいけど、いいの?」

 

「いいも何も、貴方がオンリーワンでいてくれるなら、それでいいわ。ま、手癖だけは勘弁して貰うけど」

 

「あー、うん。ほ、ほどほどでお願い……します」

 

「改めて、ありがとう。じゃ、早速」

 

 時間がもったいないし、色々始めましょうか。

 

 私は、頼れる彼女に電話を掛けた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「また、ですか」

 

「ええ、また、ね」

 

「お遊びが過ぎますよ、リナ様」

 

「ごめなさいね。何かお詫びは考えておくから、お願いするわ」

 

「……全く。デート一回でどうでしょう」

 

「あら、その先はいいのかしら?」

 

「高望みすると、非戦闘型の私なんて殺されますから。どっかの誰か……特に、アレには」

 

「アレは最高の成功作であり、失敗作だけど……見た目は可愛いわよ。まあ、シャーロットとは相性が悪いから、しょうがないけど」

 

「性質が未だに受け入れられなくて……最大の失敗でした。では、とりあえず準備を進めます。どれが必要ですか?」

 

「二番と四番。保険として──」

 

「ええ、アレには連絡しておきます。準備が整い次第、メールで連絡を。その後、ミーナに転送させます」

 

「別に、急ぎではないし、ミーナにお願いしなくてもいいわよ?」

 

「……察して下さい」

 

「なら、連絡は電話で。シャーロットとの会話は好きだし、声を聞かせて」

 

「畏まりました。では、また後で」

 

「楽しみに待ってるから、シャーロットのもしもしコール」

 

「さり気なくハードルあげないで下さい……でも、そんなリナ様をお慕いしております」

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

「……誰、今の」

 

 電話を終えると、中々に低いトーンでヤヤからの質問が来た。

 

「ん? 私の右腕ね」

 

 少し意地悪して、回答を簡素にしてみる。

 

「リナの馬鹿」

 

 どうやら、今日のヤヤは……あ、そういえば久し振りだったのよね。なるほど。

 

 マチの事が解決したら、色々と説明しましょう。

 

「ふふっ、今はヤヤが一番よ。でも、もう少し時間を貰うわ。具体的には、マチへの対処が済んだらね」

 

「……分かったけど、なんか、変かも」

 

「変?」

 

「その、リナと久し振りにあったからか……動悸がします、はい」

 

 やっぱり、良い傾向みたいね。

 

 ヤヤにとっては、そうでもないみたいだけど。

 

「それも、気にしなくていいわ。じゃ、少し出かけて来るわね。個室が必要だから」

 

「あ、うん。いってらっしゃい……早く帰って来て下さい。じゃないと、ゾーンポテチ繰り返すから!!」

 

 地味だけど、それは不衛生すぎるので、早く済ましてしまおう。

 

「ええ、分かったわ」

 

 拘束されたマチを抱えて、私は部屋を出る。

 

 向かう先は、ぶっちゃけどこでもいいのだけれど、人目をある程度避けたいので、岩盤地帯へと足を進めた。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 さて、準備は整ったのだけれど……シャーロットなら、きっと。

 

 そう思った丁度のタイミングで携帯が震え、ホルダーから引き抜いて、名前を見ずに電話に出る。

 

「ベストね」

 

「リナ様の為ですから。と、今から送りますが……ご武運を」

 

 ご武運……?

 

「ん? ええ……って、まさか」

 

 早い、早すぎる。いくらなんでも、アレの到着にはっ──

 

「リ~ナ~さ~まぁぁぁぁぁ!!」

 

 感度の良い耳が上空からの微かな声を拾い、すかさず能力を発動。強化系能力"星帝"を最大数値まで上げて、隣の岩山に跳び移った。

 

 響く爆発音、吹き飛ぶ岩山。

 

 私の立っていた岩山は、飛来したアレによって、根元まで全てが爆散していた。

 

「ちっ、受け止めてくれませんでした」

 

「見つけた早々に、私を殺そうとするのは辞めなさい」

 

 次第に砂塵が晴れていき、そこに立っていたのは、純白のロリータドレスを着た一人の少女。

 

 金髪でアップツインテール。童顔であり、身長は140㎝。ただし、体重は8tもある。

 

 そう、8t。

 

「殺すなんてとんでもないです!! でも、リナ様なら死なないですよね?」

 

「限度があるわ。貴方が相手なら、死ぬ可能性もある」

 

「なら、一回くらい相手して下さいです。まだ処女なのは、私だけじゃないですか!!」

 

 うん、つまりはそういう事。

 

「物理法則って物があるわよ!! 何かの間違いで貴方にのしかかられたら、間違いなく死ぬわ!!」

 

「その星帝状態ですと、実は受け止められるはずですよね?」

 

 どうやら、知力が上がっているらしい。

 

 見た目はどう考えても、知性溢れるお嬢様。クールに笑う美少女と想定したはずだったけど……能力の代償か、思考力がポンコツになってしまった。

 

 もっとも、シャーロットの設計が間違った訳じゃなかったし、原因は不明なのだけど。

 

「誰から仕入れた情報か分からないけども……ずっとこの状態だと、盛り上がれないでしょ」

 

「あ、そうですね。なら、また何か考えますです」

 

 どうやら、落ち着いてくれたみたい。この場合、思い直し?

 

 とりあえず、命の危機が一つ去ったと喜ぶべきね。

 

「で、用件だけは理解しているの?」

 

「もちろんです。記憶消去です」

 

 駄目だった。流石はポンコツね。

 

「シャーロットと会話してないでしょう」

 

「マスターはいずれ殺します」

 

 本当に不安だ、コイツ。

 

「まあ、貴方は最終手段だし、そのまま待機していなさい。二番と四番を呼んであるから」

 

「ああ、型落ちじゃないですか」

 

「貴方の姉たちよ、しっかり尊敬しなさい」   

 

「ふっ尊敬なんて出来るわけないじゃ──くはっ!?」

 

 8tもあるはずのポンコツが唐突に吹き飛び、岩山にめり込んだ。

 

「姉を侮辱するなっ」

 

「相変わらず、能力だけですわね」 

 

 ポンコツが元いた場所には、二人の美少女。

 

 青髪ポニーテルでブルーのミニドレスを着ていて、下にはスパッツを履いている二番。少しツリ目で、シャーロット五重機士の中で一番活発な少女だ。

 

 身長は160㎝あり、体重は70㎏。すらっとしているが、戦闘タイプの彼女は少し重く設定している。

 

 ちなみに、微乳だ。

 

 もう一人の四番は、赤髪で腰まであるストレート。真紅のロングドレスを纏って、赤の手袋をしていおり、腕を組んでポンコツを睨んでいた。

 

 150㎝の40㎏。二番目に軽い代わりに、能力と戦闘のバランスが一番取れている。

 

 ちなみに、巨乳だ。

 

 吹き飛んだポンコツと違い、二人ともまともではあるのだけれど……ポンコツに対しては相変わらず雑だ。

 

「汚れるじゃないですか」

 

 まあ、流石に無傷よね。めり込んで服が汚れただけで、傷もなさそう。服にも、本体にも。

 

 むしろ、あったらびっくりだけど……不意打ちじゃなかったら、二人の全力でもまず吹き飛ばないし。

 

「さて、そろそろいいかしら?」

 

 マチを抱えたままだったけど、そのまま岩山を飛び降りて三人の間に降りる。

 

「リナさまぁ、とりあえず抱きしめてくれっ!!」

 

「まずはキスをお願いします。ええ、それはもう濃く情熱的に!!」

 

 うん、まともでも、ポンコツと比べて……で、あるわ。

 

「アクア、ルー、落ち着きなさい。シトリンが面倒なのは分かるけど、軽々しく吹き飛ばさない。自然破壊はシトリンと同義よ」

 

「「はっ」」

 

 戒めるには、手っ取り早い。言う事も聞いてくれるし、本当にシトリンとは大違いね。

 

 ……いや、言う事はシトリンも聞くけど。湾曲する可能性高いだけで。

 

「悪いけど、このままだと報酬はないわ。だから、さっさとお願いね」

 

 ぶっちゃけ、私にもそれほど時間はない。

 

 目的が決まっている分、大丈夫だと思うけど……ヤヤとも約束したし。

 

「「分かりました(わ)!!」」

 

 まあ、この二人なら早く仕事をしてくれるわね。シトリンが邪魔しなければ。

 

 でも、失敗のリスクも考えないといけないし、その為のシトリンだ。

 

 代償が大きすぎる気もするけど、背に腹は代えられない。

 

「シトリンも、真面目に頼むわよ。頑張れば、望みを叶えてあげてもいいわ」

 

「本当ですか?」

 

「ええ」

 

「やるです!! 姉二人!!」

 

「いや、お前が仕切るなよ」

 

「全くですわ。メインは私たちと分かっていて?」

 

「さぁ、やるです!!」

 

 人選を間違えたかも知れないわね。

 

 けど、一番と三番は……もっと性質が悪いし。そもそも、能力も違うから今回のケースならこれしかない。

 

「それじゃ、洗脳を始めましょう」

 

 意味もない死を招くより、意味のある生が大事だ。

 

 それがたとえ、ある程度の真実から遠ざかっても……母が私にしてくれた様に。

 

 護る事に繋がるから。

 

 

 


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