有澤重工×アイアンサーガ 〜アリサガ〜   作:人類種の天敵

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リハビリ目的で今ハマってるアイサガとアーマードコア小説で短く書いていきます。
因みに心宿三ラブです。
既存BMの妄想改造マシマシで。



始まり

びゅうびゅうと嵐が吹き荒ぶ夜に、1人の少年は夜空に手を伸ばして座っていた。

 

「汝、こんな所にいたのか」

 

少年の背後から1人の女性が現れた。

透き通るような真っ白な肌に機械的な装飾を施した近未来的な服装の女性だ。

 

「何を見ている?」

 

「空」

 

「吾の目には旧世界を隔てる壁しか見えないが」

 

びゅうびゅうと音を立てる嵐に対して少年は鼻歌を歌っている。

 

「旧世界とか、この世界とか、どうでも良い。けど向こう側の空を飛んでるんだ。……黒い鳥が一匹。何にも縛られず、自由に空を飛んでいる」

 

ほう、と女性は目の前の壁に手を向けた。

彼女の目には何も見えないが、少年にはその向こう側の景色が確かに見えているらしい。

 

「汝は行くのか」

 

「ああ、俺は行くよ」

 

「吾も汝も、大君の兵だ。それが大君の思想から外れ、自由になるというのか」

 

少年は立ち上がった。

 

「あの鳥の名前。アレは鴉っていうらしい。お前の名前と同じだ。でも、あの黒い鳥はあの大空を好きなように生きて好きなように死ぬ。俺は鴉に、渡り鳥になりたい」

 

少年の言う、鴉と言う生き物を聴きながら、なんとも自分とは正反対の生き物だなと鴉は自嘲する。

自らは培養槽から生まれ出て、いずれ大君の尖兵として旧世界で朽ちる命だろうと考えながら。

 

「この周辺は吾らが既に包囲している。考え直せ汝。汝の力は吾らを遥か上回り、大君も汝には目を掛けている」

 

「無理なんだ。あの果てない空を飛ぶ。その姿を見たらもう、こんな鳥籠には居られない」

 

いつのまにか、少年の側に鋼鉄の黒い戦闘機が鎮座していた。

 

黒を基調とし、黄色のラインが入ったその戦闘機は、偶然か必然か、彼が夢見た渡り鳥と、そして彼の側に立つ女性と同じ名を冠していた。

 

「俺は此処を出る。そして、好きなように生きて好きなように死ぬ。ーーー鴉。お前はどうする?」

 

彼の言葉に女性は、鴉は刹那の時を迷った。

そして顔を上げた時、既に少年は夜空に消えていた。

 

「全く、敵わないな。汝には」

 

人狩の部隊を蹴散らし、舞うように空を飛ぶ黒い機体は、やがて嵐の覆われた世界を飛んだ。

その姿は、彼の言っていた渡り鳥のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー暗く、ごちゃごちゃとゴミや食料が密集した閉塞空間の闇の中に規則正しい寝息が響いている。

その寝息の主は寝心地バツグンのセールス文句を携えたシートに体を傾け、どうも機嫌が良さそうだ。

 

『起きて、レイヴン。時間、そろそろ来る』

 

「………ん?ぁあ、了解」

 

耳元から忍び寄る天使のように甘い声音に意識を覚醒させた彼は、コックピットにコードを繋がれたゴーグル型のHUDを覗くと、拡大された画面に現れた護送車両へ照準を合わせた。

 

「ーーったく、待機して数時間待った後一発喰らわせて終わるっつー簡単な依頼のはずが、蓋を開けてみれば二日間も待たされてやんの。ちゃんと料金上乗せしとけよ?雲雀」

 

『当たり前。幾ら依頼を仲介したのがミドリでも手加減しない。まだガレージには改造中のBMがあったのに……乙女の時間は有限。それに冷蔵庫の中のケーキも昨日が賞味期限だった』

 

たった 1日過ぎたくらいで腹を壊すタマかよ、と彼は相棒を笑ったが、やがて照準を合わせた車両に向けて引き金を引くと、ズドン、と大きな音と振動を起こして巨大な質量を持ったビーム状の弾丸が弾き出された。

森林に潜むギリーフォックスが持つビーム狙撃銃は計算された弾道距離を正確無比に飛んで護送車両を爆散させる。

護衛中のBMが慌てたように周囲を警戒するが、何処見てんだ間抜けっ、と彼はせせら嗤う。

 

『ーー命中。依頼目標の排除確認。お疲れ、早くお家に帰ろう』

 

「ああ、携帯食料の味にも飽きたし、何より身体が凝って仕方がない。だからこういう依頼は嫌なんだ」

 

バサバサバサ、と周りの偽装された木々をなぎ倒して鋼鉄の巨大が姿を現した。

6.0×7.3のサイズを持った迷彩柄のBMギリーフォックスが偽装コートを畳んで撤収準備を始めていると、白い色の輸送用ヘリコプターが着陸して格納庫の扉を開いた。

 

「こんな退屈なミッションはもううんざりだ」

 

『次は強襲ミッションが良い?それか、ミドリから面白そうな話があるけど』

 

彼の名はレイヴン。

数年前、流星の如く現れたA級傭兵である。

 

これは、高橋重工に国内シェアを奪われて業績の悪化したとある企業のテストパイロットになった傭兵が自重せず改造BMやガチタンで高橋重工の令嬢も男の娘もドールをも恐怖に陥れ、ついでに日ノ丸の君主様の護衛主力機の座を狙う物語である。

 

ガチタン「それはそれとしてビームは、マズイ……」

 




Aランク ギリーフォックス チューニングメカ
重量88 サイズ6.0×7.3 速度69

単発主砲 ビーム狙撃銃:ビーム
連発副砲 ビーム拳銃:ビーム
単発ミサイル 閃光弾 :爆発
単発ミサイル 煙幕弾:爆発
連発ミサイル 盾内蔵式ミサイル:通常
拳型格闘 ナイフ:通常

行動
狙撃
シールド
防御ミスト
ステルス
反撃副砲

コア:固定砲台
銃弾:エーテル弾
補助:レーザースコープ
装甲:迷彩装甲
塗装:偽装コート
ペット:AMIDA

備考
ゼネラルエンジン製の局地戦型BMシルバーフォックスの改造機。
リンクスの後継機として高い性能を持っていたが、更に熱帯雨林などの狙撃、待ち伏せ機としてカモフラージュ用に偽装コートやペイントを施した。

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