ハツコイ   作:クロロ

3 / 7
センパイ

「そういえば、秋葉くんは一条先輩のこと知っているの?」

翌日、昼食時に小野寺はそんなことを言い出す。あれから結局この3人で行動することが多く今も昼食で弁当をたべているところだった

「一条?……あぁ、集英組のヤクザの組長の息子か。」

「あっやっぱり知っているんだ。」

「まぁ、凡矢理では結構有名だったしな。」

俺は苦笑する

「でも、なんかほとんどがデマっぽい噂しか流れてなかったんだよなぁ、リムジンで登校している姿を見たことがあるくらいだからな。見かけは優しそうな人だったし。」

「へぇ〜。」

「でもそれがどうかしたのか?ぶっちゃけ学年も違うしあんまり関わることはないと思うんだけど。」

「え〜っと、それが。噂なんだけど、美人の彼女さんがいるにも関わらず、他に美人の女の子を侍らせているってらしいの。」

「へ?あの先輩が?」

俺はキョトンとしてしまう

「う〜ん。あまりそうだとは思えないんだけど。あの先輩がもてているって言うのは聞いたことないし逆に親がヤクザだから怯えられているっていうのが事実だろうな。あんまり中学時代モテているって聞いたこともないし。」

「そうなの?」

「実際悪い噂はそれくらいだったしな。親がヤクザだからってなにか問題を起こしたことはなかったはず。俺が知っている限りは。」

「う〜ん。やっぱりデマなのかな?」

「そうじゃねーの。まぁ、俺が見た印象を言っただけだから、本性は違う可能性はあるんだけど。」

「う〜ん。それじゃあ実際見た方がいいのかな?」

「まぁ、気になるんなら見にいけばいいんじゃないのか?俺は一応凡矢理の先輩で一人だけ常連さんがいるからアポ取れるけど。」

「えっ?いいの?」

「多分大丈夫だと思う。親同士仲がいいし。」

俺は唯一知っている先輩にメールを送る。そして数分後

「あっ。オッケーだって。今日の放課後でいいか?」

「う、うん。」

「えっと行くのは、俺は確定として、後は」

「ごめん。今日は少し用事があるから。」

「……ん。小野寺は?」

「私は行くよ。」

「了解。それじゃあ二人っと。」

俺はスマホを操作し用事の要件を伝える。

「これでよしっと。それじゃあ今日の放課後に2年の教室行くか。ついでに先輩に噂になっている先輩にも残ってもらえるように頼んだから。」

どら焼き7個を作る約束をしてだけど。

「秋葉くん私も気になるからどんな人なのか教えてくれないかな?」

「いいけど。」

と雑談を挟みながら飯を食う

去年までのボッチ飯ではなく、二人と話している時間がこれからは当たり前になるような気がした

 

放課後、俺と小野寺は2年の教室に来ていた

俺が扉を開けると一斉に俺の方を見る

「失礼します。宮本先輩いますか?」

「あら、遅かったわね。」

すると宮本先輩は呆れたようにしているのだが

「ちょっと連れが学校で目を離したうちにいなくなっていたんで。」

「うぅ。」

小野寺がいつの間にか3階にいるはずだったのに何故か玄関前にいるという不自然な行為になっていたのだ

「あれ?連れって春のことだったの?」

「知り合いですか?」

「えぇ。なるほど。そういうことね。」

納得したようにしているけど俺は意味がわからず首をかしげる

「まぁいいわ。約束の物は。」

「今度学校で。」

「えぇ。それじゃあ紹介するわね。」

すると目の前には2人の男の先輩と4人の女の先輩が立っている

「こちらは噂の一条くんで、……なんであなたがいるの?」

「いや〜るりちゃんの後輩って聞いたからつい気になっちゃって。」

その男性はメガネをかけているのが特徴的の先輩だったが俺は見覚えがあった。

「あ〜舞子先輩でしたっけ?確か文化祭の実行委員になっていた。」

「およ。知っていたんだ。」

「はい。結構女子の人気高かったですし。後輩では結構有名でした。」

俺は少し苦笑してしまう

「あれ?お姉ちゃん!?」

「へ?」

「春!?どうしてこんなところに?」

俺が見るとすると小野寺と女性の先輩が話し込んでいる

「えっと。まぁいいや。初めまして。秋葉優です。すいません急に呼びかけてしまい。」

「いいわよ。全然。」

「私は楽様と一緒ならば。」

「えぇ、宮本様の後輩は不本意ながら気になっていましたし。」

あの時の反響は大きかったしなぁ

「まぁ、その話は後々。それで付き添いが小野寺なんですけど。もしかして知り合いなんですか?」

「いえ。多分あの子と私以外は初めてだと思うわよ。」

「えっと小野寺自己紹介くらいはしとけよ。先輩いるんだし。」

「あっ。うん。」

すると頭を下げる

「小野寺春です。お姉ちゃんの妹です。」

お姉ちゃんと言われる女子を見る。あれ確か

「小野寺?……一条。あっ思い出した一条先輩に出会い頭にあっつあつの中華丼をぶっかけた小野寺先輩か。」

「…ちょ。」

「なんでそんなこと知っているの!!」

「いや、一年の時噂になってたんで。あれって嘘だと思っていたんですが。」

まさか本当に一条先輩の頭に中華丼をかける人がいたなんて。

「お姉ちゃん何やっているの?」

「うぅ。」

さすがに呆れたようにしているけど

「そういや、一条先輩と付き合っている先輩はどちらでしょうか?」

俺は本題に入るとすると手を上げる

「私だけど、どうしたの?」

するとハーフの女性が手をあげる。

まぁ、可愛いというよりは綺麗と表すべき先輩であろう。金髪の髪が特徴的な先輩だ

「…なるほど。それじゃあ一条先輩のことを好きな先輩方は。」

「へ?」

すると直球すぎる質問に驚いているのだがその反応でだいたい分かる

あっ、これ天然で女性を落としているパターンだ。

「ちょ、ちょっと何言っているのよ。」

「いや、一条先輩の噂に美人の彼女さんがいるにも関わらず、他に美人の女の子を侍らせているらしいって噂があって。それを調査しているところだったんですが。」

「……なんだその身も蓋もない噂は。」

「いや、美人な先輩を5人身近にいればさすがに噂になると思いますが。」

俺はさすがに苦笑してしまう

「まぁ、側から見たら一条先輩後々ナイフで後ろからさっくりいかれてもおかしくない状況ですよ。」

「ちょ。」

それもそのうち4人が一条先輩のことを好意的に思っているとしたら

後ろにいる先輩も頷いているし

「あれ?もしかして気づいたの?」

俺は周辺を見回すと小野寺の方に先輩達が集まっているのをみる

「えぇ、というよりも分かり易過ぎです。隠す気あるんですかっていいたいぐらいです。」

「そこについては同意だわ。」

「まぁ、比較的嘘が苦手なメンバーだからね。」

どうやら同じ意見の宮本先輩と舞子先輩

「だとしてもこれはひどいと思いますが。」

「でも面白いからいいじゃん。」

「いや、そういう話ですか?てか噂って一応本当ぽいですね。俺から見ても一条先輩が先輩たちを侍らせてるようにしかみえないんですが。ただ、それを自分からそうしているっていうのはまた別の話ですが。」

正しいところを判断する。

「つまり。」

「一条先輩は女の敵って感じですか?気づかずに女性を堕としていく一番タチが悪い奴。」

「まぁ、あっているわね。」

宮本先輩は頷く

「しかし、相変わらずね。」

「日頃から顧客のことを見てないと商品は出て来ませんし。何は気になってるのかを見つけるのは日頃からの癖みたいなものなので。」

「そういえばどこの和菓子屋なの?るりちゃんがおすすめのお店は美味しいし。」

すると女性の先輩が話しかけてくる

「えっと。一応和菓子屋さくら。」

「「「えっ?」」」

すると全員が俺の方を見る

「あの、和菓子屋さくらってあのさくらか?」

「るりちゃん私もそのどら焼き欲しいんだけど。」

「ダメよ。これは妹の分もあるのだから。」

「そんな〜。」

「えっちょっと楽どういうこと?」

先輩達はざわめきだす

「……あの、話進まないので後からにしてもらっていいですか?えっと小野寺は一条先輩のことどう思う?」

俺は強引に話を変える。これ以上は正直長くなりそうだしって

「なんで教室のど真ん中で抱きついているんですか?」

俺は少し頭痛を覚える

「……ふふまだまだお子様ですね。愛とは貫くものなんです。例え障害があろうとも愛があればどんなことでも乗り越えられるんですよ。」

直感的に理解する

あっ俺この人苦手だ

多分この人話通じないタイプだ

「おい。橘万里花。一条楽から離れろ!!」

すると拳銃?らしきものを取り出す男装をした女性がいた

「へ?」

パキューンとかの漫画みたいな音ではなく完全に発砲音が繰り広げられ、それを一条先輩は自分の二次災害が広がらないように避けている。

俺と小野寺はその風景を見て呆然としてしまう

えっとあれ本物じゃ

「こら万里花。」

すると俺たちがいるにも関わらず喧嘩をし始める。

「えっと小野寺先輩?いつもこんな感じなんですか?」

「う、うん。」

多分俺は少しため息を吐く

「……えっと、宮本先輩。俺帰ります。お礼は週明けの月曜日に。」

「えぇ。悪いわね。」

「小野寺は?」

「えっ?それじゃあ私も帰ろうかな。もう何やなんやら。」

「うん。俺もそんな感じ。それじゃあ失礼しました。」

俺は頭をさげ教室をでる

……俺は多分二年生の教室には行くことはないだろうな

そんなことを思った

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。