ゲイムなギョウ界で、課金ライダー始めました 作:スカーレット@エボルト憑依中
「ねぷっ!?ご、ごめんね、そんなに重要な事だった?」
思わずビクッとして撫でるのを止める美少女痴女姉さん。
ああ心地よかったのに。
「いや、俺こそいきなり大声出してすまん。
あれにピンクは禁句だから、マゼンタって言ってくれると嬉しい。
…っと、それよりも…倒れたって言ってたけど、ずっと見ててくれたのか?」
というよりなんで初対面の男に膝枕+撫でるなんて事できるのかが一番気になる。
「あ、そだよー。
女神として、人を放ってはおけないからねー。
やだ、私かっこいい!」
「は?女神?」
「あれ、その様子だと知らない感じー?
そんじゃ教えてあげよう!
私はここゲイムギョウ界の四つの国の1つ、プラネテューヌの守護女神ことネプテューヌ!
ネプテューヌでもネプ子でも好きに呼んでね!」
まさか。
そんな事がありえるはずが無い。
だって、君は───
「……そういうお年頃なんだな、うん。
大丈夫、誰もが通る道だからさ。」
「あー!絶対信じてないでしょ!
しかもその顔!私を厨二病と思ってる顔だよ!!
本当なんだからね!?」
「はいはい、厨二乙厨二乙。」
「むきー!!
そういう君はさっきのなんなのさ!
あのピンクは何!?誰!?」
「テメェまたピンクって言いやがったな!!
分かったよ何でも説明してやるよ!
俺の名前は門雅司!読みは かどみやつかさ だ!
歳は17でさっきのは仮面ライダーディケイド!
なんで変身できたのかは俺にも分からん!
交際経験無し!東京に住む高校生だよ!!
あと童貞!!
これでいいかよ初対面の男を膝枕して撫でる勘違いさせる系ロリ!」
「はぁ!?誰が勘違いさせる系ロリだってぇ!?
仮面ライダーってなんですかディケイドってなんですかー!
君の言ってる事の方がよっぽど厨二っぽいよ!
何!?バニッシュメントでディスなワールドでも展開しちゃう痛い系の人なの!?
その上聞いてもない交際経験をその勘違いさせる系ロリに暴露してどうするのさ!
露骨な彼女いませんよアピールはいらないよ!
そりゃ私も女神だし交際経験もアレの体験も未だに無いけどさ!!」
「……」
「…ちょ、ちょっと、急に黙んないでよ…」
「…いや、なんというか…すまん…ついカッときて……いくら相手が相手とはいえデリカシーのデの字もなかったから…」
「…あ…い、いいよ…私も言い過ぎたし…」
「「……」」
気まずい。
なんだこれ。
初対面だよね?合ってる?
まさか実は昔に会ってたとかじゃないよな?
なんで初対面でこんな話して互いに顔赤くしてんだ。
「…ま、まあそれは置いといて…日本って何?どこかの異次元?」
ナイスネプ子。
正直このまま気まずいのが続いてたら俺はネプ子を誰にでもこんな対応する勘違いさせる系女かビ○チかと思ってたぞ。
「…あー…その辺はなんというか、色々あってな…意味不明な話だが良いか?」
「大丈夫大丈夫、私も結構意味不明な経験色々してたからー。」
「へぇ……じゃあ、まずは…」
「…って感じで…」
「へぇー、君も結構大変なんだねー…そのベルトに電撃が走ったところとかお金入れてカードが出てきた辺りは全く意味分からなかったけど…」
「そこはもう俺が1番言いたい。」
何故電撃走ったし。
「それよりも司は今住むところないんだよね?
なんか転生したみたいだし。」
「…そうなるな、この諭吉さんも使えるかわからんし…」
ライドブッカーから諭吉さんを一枚取り出す。
あの効果音鳴るのがなんか腹立つ。
「じゃあ私が住んでるプラネタワーに住めばいいじゃん、管理してる人には私から説明しておくからさ。」
「…お前…神か…?」
「だから女神だってば!!」
「ほら、これがプラネタワーだよ、おっきいでしょ?」
「……」
「あれ、どしたの?」
でけぇ。
タワーって言うくらいだからそこそこデカいんだろうなと思ってたけどここまでとは…
あれなんだろう足が震えてきた。
「ちょ、大丈夫!?
生まれたての子鹿状態になってる人初めて見てるよ今!?」
「大丈夫大丈夫、なんかレベルが違うだけだから。」
あっ気分悪くなってきた。
吐きそう。
「ここ入れるの特定のレベルじゃないと無理とかじゃないからね!?
あぁっ、足が残像残し始めた!」
「なんですかまったく、騒がしいですね…あれ、そちらの方は?」
「あ、いーすん。
それが色々あってさー、暫くこの人をここに住まわせてあげてくれないかな?」
「はい?」
「…ん…?…ネプ子、誰と話してるんだ…?」
幻聴にしか聞こえないんだが、疲れてるのかな。
今日はもう暖かくして寝よう、起きたら悲しくも辛い現実が待っている筈だ。
あっでもやっぱり覚めたくないなどうしよう。
「あれ、見えない?もうちょい上。」
「ん?」
少し上を見ると目に焼き付けられるのは宙に浮いた本とそれに座っている少し人間サイズより小さめの女の子、そして……
「…白…!」
スカートの隙間から見えるサンクチュアリだった。
「…っっ…!!」
ドゴッと聞こえる鈍い音。
地にひれ伏す俺。
やはり正直に言うのはよくない。
本で殴られました。
「ねぷぅっ!?ちょっといーすん!たしかに今のは十中八九司が悪いけど角はダメだよ角は!!」
「うるさいです!
初対面の人に向かってこの方は…!!」
「待って!本当に待って!この小説終わっちゃうから!!
ラッキースケベはお約束だから許してあげて!」
あ、意識薄れてきた。
さようならディケイドライフ。
意味不明なこの世界。
あ、最後に言っておこう。
あの素晴らしいロリパンツに祝福を!
「…はぁ…それで、討伐依頼が出ていたかなり危険なモンスターを謎の力で倒したこの方…門雅さんをここに住ませたいと。」
白目を剥いてダウンしている司をソファーで寝かせ数分後、ネプテューヌからの説明が終わる。
「まぁ、うん、そういう事なんだけど…」
「駄目です。」
ネプテューヌがいーすんと呼ぶ少女はキッパリと切り捨てる。
確かに普通はこの反応をする筈。
「えー!?なんで!?」
「どう考えても怪しいですし、ネプテューヌさんはこういう面倒事を拾いすぎです。
というかなんですかベルトを付けたら電撃が走るって。」
「うん、そこは本人が一番聞きたいと思うけど。
ほら、何かあったら責任取るから!お願い!」
「…やけに門雅さんの肩を持っていますね…何かそこまでの理由が?」
「ん?…うーん、なんというか…同じ感じのシンパシーを感じるというか、なんというか…まさか、私もついに主人公からヒロイン入りかな、なーんて!きゃー!」
体をくねくねと動かすネプテューヌ。
そんな姿を見ていーすんと呼ばれる少女は溜息を吐く。
「…はぁ…分かりました、暫くの間はここで住ませて良いです。
ですが、しっかりと面倒を見てくださいね?」
「ほんと!?やったー!」
知らない内にペットのような扱いを受けていた司であった。
「…ん…?何処だここ…?」
目が覚めると、俺は真っ白な空間の中に立っていた。
まさか本当に本の角で死んだとかじゃないよな…?
天国か何か?
そうこう考えていると、俺の目の前に一つの箱が落ちてくる。
「…えぇ…?」
ソードベントを初めて見た時の城戸真司みたいな反応しちゃったよ今。
怖ない?
「……開けてみるか。てかデカいなこの箱。」
その場に座り、箱を触る。
そしてテープを剥がし、箱を開けると中から光が溢れ出した。
「うぉっ!?」
驚いた勢いで床に頭をぶつけてしまう。痛い。
頭をさすりつつ目を開けると、周りには大量のカードが浮かんでいた。
一つ一つよく見ると、全てが別々のライダーカードなのが分かる。
「…ビルドとかオーズのフォームライド多いな…あ、ジオウのもちゃんとある。」
なんかもう見てて管理できるか不安なレベルなんだがこれ。
まさかこれまたカメンライド諭吉さんしないと使えないとかじゃないよな?
「…でもまあ、こんなに色々あったらワクワクしてくるな。」
OPとかで大量の変身アイテムが浮かんでるシーンとかあったらテンション上がる……上がらない?
「…あれ、俺何すればいいんだ…?」
ライダーカード浮いてるのはいいけど何すればいいのほんと。
何?精神と時の部屋とかだったりするのここ?
「…暇だな…」
そう言いつつも適当なライダーカードを手に取る。
ディケイドのカメンライド。
「…ディケイドに縁があんのかね…嬉しいっちゃ嬉しいけど。」
今年で18と言えども、やはり子供の頃から好きなヒーローに縁があるというのは嬉しい。
破壊者オンザロードは御免だが。
「…そうか、平成ライダーもジオウで終わりなんだな…」
平成ライダー20人目というキリがいいところで終わるなとか思っていると、手に持ったカードが光を放つ。
「何の光!?」
眩しくて目を腕で覆うと、意識が遠のいていく。
また何処かに移動するのだろうか。
変な時間だったなぁ…
「…ん…」
目を開けると、知らない天井。
何処だここ。
「あ、起きた。
大丈夫?白目剥いてたけど…」
顔を覗きこんでくる美少女。
近い。
「…ネプ子…って待て、白目剥いてたのか俺?」
「うん、それはもうぐりんって感じで。
まるで目を繋げてる部分が────」
「嫌だ怖い!聞きたくない!
そういう生々しい表現やめて!!」
なんか体の部分が痛く感じてくるからやめてほしい。
マジで。
「あははっ、ごめんごめん。
あ、そうそう。ここで住めるようになったよ!」
「そマ?」
「マ。…あ、でも…」
「ん?」
祝砲でも上げようかなと思っていたのに止められた。
さあなんだ、働けとか言われない限りは……
「クエストとかでちゃんと働いたりしないとすぐ追い出すってさ。
ちなみにもうクエスト受けてあるよ、はいこれ内容。」
「は?」
「大丈夫大丈夫、スライヌ100匹討伐なんてすぐ終わるから。
あ、でもこの出現注意のモンスターには気を付けてね?結構強いから。
んじゃ、いってらっしゃーい!
私はゲームして待ってるねー!」
「は?」
外に放り出され、プラネタワーの出入口に立ち尽くす。
雲一つない青空、鳥の鳴く声が聞こえる。
傍から見れば俺は確実に不審者だろう。
でも……でもさ。
「……起きて早々働けは酷ない?」
何故か気付けば結構評価貰っててビックリ。
二番煎じ的な何かだから特に何も無いだろうなと思っていたのに…。
高評価ありがとうございます、とても嬉しいです…。
……(…これ連載になるやつや…サブタイトルの法則性考えな…)