ゲイムなギョウ界で、課金ライダー始めました   作:スカーレット@エボルト憑依中

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〘3〙創造への変身(カメンライド)

「…はぁ…」

 

無駄に広いこの国、プラネテューヌを歩き回る。

地図も何も無いのに放り出された結果迷子になったのだ。

 

気が付けば火の中水の中草の中森の中。

何故か土の中や雲の中も通っていた。

何があったら火の中と雲の中に入るのか自分でも不思議である。

クエストへの道はなかなか なかなか なかなか なかなか 大変だけど必ずGETだぜ、ポケ〇ン。

 

とかなんとか考えると妙に広い草原に出たでござる。

何処ここ。

 

「…おっ?なんか水色のスライムっぽいものが見えるぞ?」

 

アレか?アレがこの世界のスライムくんか?

 

イヌっていうのが結構気になるけど見た目はあんまり───

 

「ぬら?」

 

ごめんめちゃくちゃ変わってるわ。

てか可愛いなオイ。

完璧なフォルムだぁ…(恍惚)

 

「…かわええ…こっちおいで、ほら、おいで。」

 

手をパンパンと叩くと、俺からして右の方向にある草むらの方からガサガサと音が聞こえた。

 

「あん?」

 

自分でもガラが悪いと思う程の低音を出して右を向くと、草むらから大量のスライヌが飛び出してくる。

 

 

やせいの スライヌが とびだしてきた!

司は どうする?

 

たたかう

アイテム

へんしん

▼にげる

 

 

「アカン」

 

にげる一択しかない。

あの数は無理。

 

「ぬら!」「ぬらー!」「ぬらら!」「ぬーらー!!」

 

「無理無理無理!!やめろ来んな!いやぁぁぁ!!誰か助けてくれぇぇぇぇぇ!!!」

 

いくらディケイドでも初期装備じゃ無理!

もしかしたら勝てるかもしれんが今の俺にそんな気力は無い!!

 

暫く走り回っていると、草むらの中からまたガサガサと音が鳴る。

もうこれでスライヌだったらファイナルアタックライドのオンパレードしてやると考えながら草むらに向けて突っ込むが、出てきたのは女の子だった。

 

「っ、大丈夫で──きゃぁっ!?」

 

女の子と見事にぶつかってしまい、二人揃って草むらへと転がってしまう。

それが良かったのか悪かったのか、スライヌは俺を見失ったらしく追いかけるのを止めた。

 

「…いってぇ…」

 

「あいたたた…その、大丈夫です……か…」

 

女の子の声が聞こえるが、何故かどもったような声になっている。

 

「ああ、いきなりすみません…大丈夫で…ん?」

 

目を開けると、異常に暗い。

それになんか柔らかい感触がする。

……よく見るとピンクと白の縞模様が見えるんですが、これはまさか。

 

「…これ、ToLOVEったわ…」

 

これ確実にパンツですわ。

本当にありがとうございました。

二重の意味で。

 

「…き、きゃぁぁぁぁっ!!」

 

女の子の叫び声と共に腹に衝撃が走る。

恐らく蹴られたのだろう。

何故か異常な程飛んでるのは俺が軽いのか女の子の力が強いのか。

多分後者。

 

「すみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

勢いで草むらの中から草原へと飛んでいく。

これはアカン、アカンで駆動。

ふと下を見ると大量のスライヌが俺に視線を合わせていた。

オイオイオイ、死んだわ俺。

 

だがここで死ぬ訳にはいかない。

俺は華麗な身のこなしで受け身を取り着地……とはいかないが、膝等を擦りむくも無事着地した。

 

そのまま懐から取り出したネオディケイドライバーを腰に当て、出現したライドブッカーからカードを取り出す。

ネオディケイドライバーのレバーを片手で引き、右手に持ったカードを前に掲げる。

 

「っ、変身!」

 

カードの裏表を逆転させ、ネオディケイドライバーに挿入しレバーを両手で押し込む。

 

『KAMENRIDE DECADE!』

 

19のシルエットが出現し、俺に重なる事で灰色のアーマーへと変化する。

ネオディケイドライバーから飛び出した七つのカード型の物が顔へと刺さり、アーマーとスーツをマゼンタへと変色させる。

 

「…はぁ…気が滅入るが、やるしかないか。」

 

ライドブッカーをソードモードへと変形させ、刃の側面を手で撫でつつ、前へと歩き出す。

100体は軽く越える量のスライヌが俺に向けて突進。

冷静にカードを一枚取り出し、ネオディケイドライバーに挿入してからレバーを閉じる。

 

『ATTACKRIDE SLASH!』

 

ソードモードのライドブッカーを振ると刀身が分身し、突進してくる複数のスライヌを同時に切り付ける。

 

「ハァァッ!」

 

「ぬらーっ!」「ぬらっ!」「ぬらー…」

 

四、五体のスライヌが一気にクリスタルとなって消滅する。

また一振り、更に一振りとしていく内に次々に大量のスライヌを蹴散らしていく。

 

「おっ…?いけるぞ、これ!」

 

ネプ子の言ってた事は本当だったんだ!

スライヌは弱かったんだ!

ラピ〇タは本当にあったんだ!父さんは嘘つきじゃなかったんだ!!

 

「ハッハッハ!!スライヌの脅威もここで終わりよォォ!!」

 

と、調子に乗るといけないってじっちゃんが言ってた。

妙な揺れが起こる。

 

「ぬらっ!?」「ぬ、ぬらー!!」「ぬらー!ぬらー!!」

 

スライヌ達が俺の方向を見て一目散に逃げ出す。

何故か嫌な予感がするので、後ろを振り向く。

 

『……』

 

そこにはとてつもなくデカいロボット的な何かが佇んでいた。

 

「……やあ、初めまして。元気?」

 

現実から逃げるようにスパイディ的な軽めな挨拶を相手に向ける。

 

『ーーーーー!!!』

 

そのロボット的な何かは片手に持った巨大な斧を振り上げ、そのまま振り下ろす。

 

「おいおい嘘だろ……!!」

 

その場からジャンプして避けると、轟音が響き地面に凹みができる。

まともに食らっていたら確実にデッドエンドコースだった。

そんな光景を見た俺はある言葉が脳裏に浮かぶ。

 

«あ、でもこの出現注意のモンスターには気を付けてね?結構強いから。»

 

「…まさか、ネプ子が言ってたのって…」

 

思わずクエスト内容が書いてある書類を取り出し確認してしまう。

出没注意の欄にはデカデカと「シリウス」と記入されていて、出没した場合は逃げるが最善策と記されていた。

 

「…やべぇ。」

 

『ーーーーー!!!!』

 

目の前で機械らしい音を響かせるロボット的な何か。

既に標的として捕えられた俺には、戦闘する以外の道は残されてはいなかった。

しかし、予想外の乱入は別。

 

「やぁぁっ!!」

 

先程の女の子が現れ、手に持った剣でシリウスと戦い始めたのだ。

髪色は薄紫色、服装や見た目はどこかネプ子に似ていた。

 

「なっ!?おい危ないぞ!」

 

「あなたの方が、よっぽど危険です……!早く逃げてください!!」

 

女の子はそう言って俺に目を向けるが、明らかに押されている。

この様子だと、数分も保たないだろう。

 

「生身でそいつに応戦する方が危険だろうが!

俺が時間を稼ぐからそっちが逃げろ!」

 

「嫌です!」

 

「…あぁ、もう!馬鹿野郎が!」

 

ライドブッカーをガンモードへと変形させ、取り出したカードををネオディケイドライバーに挿入しレバーを閉じる。

 

『ATTACKRIDE BLAST!』

 

ライドブッカーのトリガーを引くと銃口が分身し、大量のエネルギー弾の掃射がシリウスに襲いかかる。

 

『ーーーー!!!!!??』

 

まともに食らったシリウスはよろめき、女の子へかける力を減少させた。

 

「まず君はこっちに来い!

どうしても逃げないなら俺も戦う、作戦会議って奴だ!」

 

「…っ、はい!」

 

女の子がその場から後ろに下がり、俺と並び立つ形になってシリウスと対峙する。

 

 

だが、どうする?

ディケイドだと一発一発の決め手があまりない。

スラッシュやブラストでじわじわと責めるくらいしか手はないだろう。

だがその手で行くと確実に女の子を囮にしてしまう事になる。

とはいえファイナルアタックライドを使った所で確実に倒せるとは言い切れない。

選択と言える選択が無かった。

 

考えろ。

今、俺が、ディケイドが使える最善の手と言えるカメンライド。

何故か今ライドブッカーにそのカードは入っていない。

じゃあ、どうしたら使える?

それは、きっと────

 

 

「───っ、一か八かだ!」

 

ライドブッカーから諭吉さんを取り出し、ネオディケイドライバーに挿入する。

ネオディケイドライバーはそれに答えるように光を放ち、カードを射出する。

反射でカードを手に取る。

 

光に満ちたカードはその光が弱まると、一人のライダーが描かれたカードへと姿を変えた。

 

「……っ、これなら!」

 

右手のカードを前に掲げ、表裏を逆転。

レバーを開いた状態でネオディケイドライバーに挿入しレバーを押し込む。

 

『KAMENRIDE BUILD!!』

 

ネオディケイドライバーから飛び出した赤と青のパイプが片方ずつアーマーを生成し、そのアーマーが俺を挟み込む。

複眼を眩く光らせ、アーマーの接続部から煙が噴射される。

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!!イェーイ!!』

 

 

「…姿が、変わった…?」

 

 

仮面ライダービルド。

2017年に活躍したラブ&ピースを掲げ様々なベストマッチを駆使し戦うライダーである。

 

ビルド(創造)という名前だけあって、機械相手には丁度いい。

これでドリルクラッシャー、もしくは別のベストマッチフォームでも使えれば最高だが…

 

「……んん?」

 

ライドブッカーを開くと、そこにはディケイド関連のカードしか入っていない。

おかしい。本来ならカメンライドするとそのライダーに関連したカードが出てくる筈だ。

 

「……まさか。」

 

頭に嫌な考えが浮かぶ。

否定するように頭を振るが、それ以外考えられないだろう。

 

ライドブッカーから諭吉さんをまた取り出し、ネオディケイドライバーに入れる。

するとまたもネオディケイドライバーは光を放ち、カードを射出する。

 

「……」

 

手に取りカードを見ずにネオディケイドライバーに挿入しレバーを閉じる。

 

『ATTACKRIDE DRILLCRUSHER!』

 

その音声が流れると同時に、左手にドリルクラッシャーが出現する。

 

 

うん、これ、あれだ。

 

「…課金しないとフォームライドとかアタックライド使えないやつだ…」

 

驚いた表情の女の子と響くシリウスの機械音、そしてドリルクラッシャーの回転音がやけに悲しく、虚しく感じた。




ラッキースケベに定評のある司パイセン。

完全課金制ネオディケイドライバー。

カメンライドするライダーはくじ引きで決めた結果ビルドになりました。
何かの運命を感じる。

あ、それともう一つ。
初期装備の諭吉さんは全員で75人に決まりました。
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