魔導巧殻 もう1人の神殺し   作:ヴィヴィオ

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ディナスティ①

 

 

 

 

 案内された部屋で荷物を降ろして片付けていく。ラクリールも嫌々従って荷物の整理を行っていく。ただ、ララだけは何もしていない。

 

「Zzzzzz」

 

そう、眠っている。エリミネーターモードはかなりの魔力を消費する為、どうしてもチャージが必要だ。つまり、新型だろうがなんだろうが、ララの本気モードは出力不足に陥るという事だ。その為、普段からちまちまと貯めているんだが。

 

「さてと、先ずは挨拶からだが……ラクリールも付いてこい」

「……嫌だ」

「そうか。なら別にいいや。ならここで俺が戻るまで自分で慰めてろ」

「なっ!?」

「じゃあな」

「ま、待て!」

 

ラクリールの制止を無視して部屋を出る。そのまま廊下を歩いていると声が聞こえて来た。それは近くの扉からで知っている声だ。

 

「また無茶をしたそうじゃないですか!」

「五月蝿い。私の勝手でしょう」

「まあまあ、お二人共」

 

取りあえず、扉をノックして声をかける。

 

「リューン、来たぞ」

「エルカですの。どうぞですの」

 

許可が貰えたので中に入る。中にはリューンと銀髪に真紅の瞳を持つリューンと同じ魔導巧殻のナフカ。そして、黒髪の小さな少女と金髪の少年が居た。

 

「リューン、その子は?」

「この子はエルカ。エルカ・プラダ。エイダ様の娘ですの」

「そうなの……」

「エルカ・プラダだ。よろしく」

 

リューンの紹介の後、ちゃんと挨拶する。

 

「私はナフカよ。それでこっちがオルファンの娘のリセルよ」

「リセル・ザイルードです。どうぞよろしくお願いします」

 

リセルの母親はまだ死んでないみたいだな。だからオルファンとの確執も生まれていない。必然的にルルソンと名乗る必要も無い。

 

「俺はヴァイスハイト・ツェリンダーだ。よろしく。俺の事はヴァイスでいい」

 

金髪青目の少年。彼が魔導巧殻の主人公でメルキア帝国皇帝と使用人の間に生まれた庶子という血筋により、逆境こそが人を強くするという人生訓を有するんだったな。確か後見人である宰相オルファンの元で修行を積んだはずだから、今はここみたいだ。しかし、リセルの母親は救っても問題無いか。病で死んだとの事だったが、どうとでもなる。こちらにはその魔法がある。

 

「よろしくヴァイス。それと俺の事もエルカでいい」

「わかった」

「私もリセルでいいです」

「私もナフカでいいわ。それより他に2人居るんでしょう? そいつらはどうしたの?」

「ハーフエルフのラクリールとララは部屋で休んでいる。しばらくそっとしておいてやってくれ」

「そう。それより、貴方……私達を人間大のサイズに変更する魔導機械を作れるんだって?」

「リューン?」

「戦略的撤退ですの!」

 

勢いよく逃げ出すリューンに俺は小型の魔導銃(ベレッタM92F)を引き抜いて容赦無くリューンに向けて引き金を引く。

 

「ちょっ、本気で撃ちやがったですの!?」

 

発射された弾丸はリューンの展開する障壁に防がれるが、同じ場所に連打すると障壁を貫いてリューンの額に命中する。

 

「リューン!?」

「おい、何を考えているんだ!」

「大丈夫だ。ただの麻痺弾だからな」

「みたいね」

「し、しびれまずのぉ~~」

「リューンはあれ程漏らすなと言っておいたのに約束を破った悪い子だ。だからお仕置きを与えないといけない」

「しかし……」

「やり過ぎです!」

「ヴァイスハイト、リセル。これは当然のことよ。リューンの自業自得ね。まあ、味方にまで黙っているのはどうかと思うけど……」

「未完成品だからな。情報の公開はしない。ましてや事は魔導巧殻に関わる事だ。何重にもチェックが必要だ」

 

俺が説明しだすと納得してくれた。しかし、リューンが簡単に漏らすなんて思えなかったんだが……何故だ?

 

「この子、凄く自慢してたのだけど……」

「てへぺろですの」

「よーし、あと10発くらい追加いっとく?」

「お断りしたいですの」

「まあいいや。ナフカだっけ」

「ええ」

「確かに作っているから完成したら回すよ」

「ええ、お願いするわ」

 

床に転がったリューンを抱き上げているリセルとその横に居るヴァイス。その2人を無視して俺はさっさと1人用のソファーへと座る。

 

「あっ」

 

するとリューンがリセルの所から抜け出して俺の膝の上に座ってくる。だから、俺はリューンの身体を触っていく。

 

「異常はないな」

「もちろんですの。あの程度の弾丸ではリューン様のボディに傷つける事は出来ませんの!」

「次は大口径を用意してやろうか……」

「それは無理ですの! というか、エルカじゃ撃てませんの」

「まあな」

 

身体に異常が無いのを確認したら、髪の毛を綺麗に梳いてやる。

 

「うふふふ」

「な、仲いいですね……」

「ああ……」

「当然ですの。エルカは家に来てからリューンが基本的に面倒みていますの! つまりリューンもエルカの母親ですの」

「そうなのか?」

「ああ。確かにエイフェリアよりリューンの世話になっている」

「というか、家に来てからという事は……」

「ああ、俺は拾い子だから」

「す、すいません……」

「気にするな」

「まあ、リューンは世話焼きだから丁度良かったんでしょう」

 

確か原作でもナフカに世話を焼いてたんだっけ。

 

「ナフカも手間をかけさせるですの。というか、まともにメンテナンスされてますの?」

「それはもちろんよ!」

「オーバーホールは?」

「そ、それはやってないけど……できるのってエイフェリアぐらいじゃない。他はドゥム=ニールに行かないと……」

「ふむ。エルカ、命令ですの!」

「ん?」

「ナフカをオーバーホールするですの!」

「ちょっ!?」

 

リューンが飛び出してナフカを羽交い締めにする。

 

「あわわ、どうしましょうヴァイスハイト様!」

「あ……」

「さあ、エルカ! ナフカを剥いてやっちゃうですの!」

「ちょっと、その子はそもそもできるの!!」

「ふっ、このリューン様とエイダ様の後継者なのですよ! そんなのお茶の子さいさいなのです!」

「まあ、リューン以外の魔導巧殻を調べるいい機会だ。やってやるよ」

「なにやる気になってるのよ!! リセル、助けて!」

「えっと、ごめんねナフカ。あの、私も見学していいですか?」

「構わんぞ」

「この裏切り者!!」

「ほら、ヴァイスハイトもナフカを押さえつけるのを手伝うですの!」

「あっ、ああ……」

「い、いやっ、やめてぇぇぇぇぇっ!!」

 

ナフカを裸にした後、手足を取り外し、道具をアイテムボックスから取り出してリセルに説明しながら教えていく。手足を取られたら流石のナフカも抵抗を止めた。

 

「ヴァイスは確かお菓子作りが得意とリセルから聞きましたの」

「ああ、得意だが……」

「なら、ナフカのオーバーホールが終わるまで作ってくるですの」

「わ、分かりました」

「エルカ、ついでにナフカにも味覚を与えてあげるですの」

「ん、了解」

「ちょっと、勝手に変な事をしないでよ!」

「却下」

「却下ですの」

「あははは」

 

俺は徹底的にナフカをメンテナンスと同時に術式の効率化を行っていく。とっても楽しい時間だった。ナフカの整備が終わったらヴァイスの作ったお菓子でお茶会を行った。その後、お菓子を包んでもらって部屋に戻ると痙攣しながら羞恥と屈辱に耐えているラクリールとラクリールを虐めているララが居た。もちろん、俺も参加させてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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