魔導巧殻 もう1人の神殺し   作:ヴィヴィオ

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ディナスティ②

 

 

 

 

 

 俺はラクリールの身体で色々と練習させて貰った。ぶっちゃけ、俺の女性を喜ばせる技術なんてたかが知れているし、基本的に薬頼りだ。なのでラクリールで練習したのだ。もちろん、ラクリールにはしっかりという様に命令して嘘偽りなく答えさせる。それとやりたくなったらやらせてもらう。例えラクリールが気持ちよくならなくても関係無い。

 

「うぅ……この下種……絶対殺してやるぅ……」

「楽しみに待っているぞ。さて、ララ俺は出て来る」

「護衛はどうしますか?」

「いらん」

「分かりました。では、ラクリールで遊んでいます」

「ふ、巫山戯るな!」

「好きにしろ」

 

俺は悲鳴をあげるラクリールと楽しそうにラクリールに向かっていくララを置いて外へと出る。既にディナスティに到着して二日が経っている。四元帥会議も明日で終わり、皆が別れるようだ。だが、ここでやりたい事もある。

 

「あっ、エルカ様」

「リセルとヴァイスか」

 

廊下を歩いていると先の方から顔見知りの2人がやって来た。

 

「ああ、リセルの母親のお見舞いに行こうと思ってな」

「ふむ。丁度いい。俺も一緒に行こう。大丈夫か?」

「はい。丁度今ならお父様もいらっしゃいますから大丈夫です」

「わかった」

「しかし、エルカはリセルの母親の事を知っているのか?」

「ああ、病気だという事はだが……」

「そうか」

 

リセルの案内に従って館内の奥へと進んでいく。そして、リセルが一室の前で立ち止まってノックする。

 

「リセルです。お父様、お母様、大丈夫ですか?」

「ああ」

「ええ、お入りなさい」

「失礼します。どうぞ」

 

中に入ると茶髪の男性と黒髪の女性が居た。

 

「ヴァイスハイトはわかるが、君は……」

「初めまして。俺はエルカ・プラダ」

「おお、君がそうか。エイフェリア元帥から聞いている。重工業ゴーレムを作成したらしいな。アレは是非とも我が領にも欲しい物だ」

「現在量産体制を整えている状態ですのでお待ちください。近日中にはまとまった数のお渡しができるかと」

「うむ。よろしく頼む」

 

俺はオルファン元帥と話し込んでいく。そのそばでリセルとヴァイスが母親と会話していく。

 

「貴方、その子は?」

「おお、すまんな。この子はエイフェリア元帥の娘だ」

「まあ、エイダのですか!」

「養子ですが」

「それでもあの子が独り身じゃないだけいいわ。心配していたのよ。ほら、あの子は不器用だから……」

「確かに」

「その、エイフェリア元帥はそんなに不器用なのですか……」

「家事は全滅ね。リセルにも家事をしっかりと教えて……ごほっ、ごほっ」

「母様!」

「無理をするな」

 

どうやらかなり問題があるみたいだ。さて、ここでオルファンに貸しを作っておくのがいいか。それに色々と面白そうだ。

 

「ちょっと失礼」

「なんだ?」

「なんですか!」

「おい!」

 

俺は3人をどけて女性の近くにいき、頭に手を置いて魔術を発動させる。その結果はかなり不味い物だった。

 

「余命一ヶ月程度か」

「「っ!?」」

「今のは知らん術式だな。探査系か?」

「ええ、そうです」

「お母様は助かりますよね!」

「すまんな、私にはどうしようもない」

「そんな……」

「リセル……」

 

泣き崩れるリセルをヴァイスが抱きしめる。そんな姿を見た後、俺はオルファンへと向き直る。

 

「貴方、どうやら何か手があるみたいですよ」

「そのようだな」

「「え?」」

「治せるのだろう、エルカ・プラダ」

「ああ、俺なら治せる。だけど……」

「代価が必要か」

「おっ、お願いします! なんでもしますから!!」

 

リセルがそんな事を言ってくる。ちょっとグラッとくるじゃないか。でも残念。寝取り要員はラクリールだけでいいんだよ。

 

「娘さんがあんな事を言っていますが、どうする?」

「私に条件があるのか」

「そうだね。いや、奥さんにもかな」

「構わん。叶えてやるから言ってみろ」

「貴方……」

「お前も構わんだろう」

「そうですね。リセルを残していくのは嫌ですから」

「なら3つ言う事を聞いてもらうね。まず一つは誰にも言わない事。これはヴァイスやリセルも含む」

「いいだろう」

「ええ、リセル達もいいわね?」

「はい」

「ああ」

 

これは絶対必要な事だ。主に面倒だから。

 

「後は……」

 

俺はオルファンを見てニヤニヤと笑う。

 

「何を願う気だ」

「くっくく、ナフカを愛して妻に迎える事」

「何っ!?」

「まあ……」

「え?」

「ナフカは魔導巧殻だよな……」

「大きくする為の物は用意してるから、ちゃんとできるよ」

「いや、しかし……」

「あら、いいじゃない。私もナフカは気に入っているわ。私が死んだあとリセルを任せようと思っていたし」

「むぅ……」

 

たじたじで狼狽しているオルファンを見れただけでも価値があったな。

 

「最後の一つは保留。これでいいなら治してあげよう」

「食えん奴だな……おまえがいいなら私は構わん」

「私は大丈夫よ。お願いするわ」

「OK。プランとしては二つある」

「「二つもあるの(か)!」」

 

ヴァイスとリセルが驚いているが無視して続ける。

 

「一つは俺が連れているララのように身体のほぼ全てを魔導巧殻と同じ魔導機化してしまい、意思を宿らせる方法。これなら寿命は尽きる事なく部品さえ交換すれば永遠に生きられる。もう一つはそのまま再生する事。ただ、こっちはあんまりオススメできない。また病が発症するから」

「身体その物に問題があるという事か……」

「お母様……」

「つまり、根本的原因の排除かただの先送り……どっちかという事ね。いいわ、先ずはそのララって子を見せてくれる?」

「わかった連れてくる」

 

その後、俺がララを引き連れて戻ると部屋にはオルファンと奥さんだけだった。どうやら帰らせたようだ。

 

「マスター、私は何をすればいいのですか?」

「彼女に触らせてあげてくれ」

「まあ、構いませんが……」

「ごめんなさいね。ああ、貴方は出ていください」

「わかった」

 

オルファン元帥が出て行くと好き勝手に触りだした。

 

「あっ、んんっ! そ、そこは駄目です! 私はマスターの……」

「いいじゃない……素晴らしい出来ね。私も同じのができるのかしら?」

「えーと、高いよ。高性能だから」

「高性能でいいわ。いままで私はあの人に迷惑ばかりかけてきたらから私も戦場に立てる身体が欲しいの……ああ、どうせなら若い姿にしてくれる?」

「それは構まわない。どうせならリセルを参考にして作るか」

「そうね。それじゃあ……」

 

俺は2人で絵を書いてどんな身体にするか外見を設定する。その間にララがオルファンを呼んでくる。

 

「どうなったのだ?」

「ええ、機械の身体にしてもらう事にしたわ。そうすれば貴方とも戦場に立てるから」

「別に構わんのだが……」

「駄目よ」

「まあ、それでなんだけど……鉱石とかは材料費で構わないんだけど、問題が核になる物なんだよね。出来れば魔力が沢山入っていて、結晶みたいなのがいいのだが……ある?」

「これでも可能かね」

 

オルファン元帥はペンダントを取り出して渡してきた。それは手作り感があり、お世辞にも綺麗とはいえない。ただ、真ん中に大きな結晶がある。

 

「あら、そんなのをまだ持っていたのね」

「お前から渡された物だからな。これにはその日一日に余った私の魔力を込めてある。使えそうか?」

「ん……これなら大丈夫だね」

 

水晶系の魔法鉱石であるリエン石に幾年もの魔力が入れられて核になるには充分な素材だ。あとはこれを慣らすだけだ。

 

「それで流石にお金は高くなるけどいくらくらいまで出せる?」

「そうだな……80000だ。それ以上は出せん」

「あなた……」

「どう考えても個人で出せる金額じゃないんだけど!」

 

どんだけ溜め込んでんだ!

 

「研究費にと貯めていた分とリセルの嫁入りに使おうと思っていたのも含めてだがな。構わんからそれで最高の物を作ってくれ」

「了解。じゃあ、魔神の神珠とパール鋼だろ……」

「なんだか不安になる素材が使われるみたいなんだけど……」

「大丈夫だろう」

「よし、依頼は確かに受けた。最高の物を用意してやる。それと武装はこっちが適当に取り付けておく」

「わかったわ」

「頼む」

 

俺は直ぐにペンダントに秘印術を刻んで魂の移動する術式を刻んでいく。一度これをやると記憶も消えるがバックアップをとっておけばいい。そっちは既に作ってある。

 

「じゃあ、このペンダントを体に埋め込む。死亡と同時に魂がこちらに移動するように術式を刻んだから。それと毎日この機械を繋いで眠る事。今からしばらくは繋ぎっぱなしにして」

「これはなんだね?」

「こっちは記憶を保存しておく物。この術式だとどうしても魂から記憶は一度消去される。でも、それをあとでこっちの機械から移せば問題ない」

「大丈夫なのか?」

「一度消えるとはいえ、覚えていたことに変わりは無いから拒絶反応も起きない。問題無いよ。ただ若干性格が変わるかも知れないけどね。身体が若い頃になるからそっちに引っ張られるかも」

「まあそれぐらいなら構わんか」

「ええ、問題無いわ」

「だいたい3、4ヶ月かかるけど死にそうになったら連絡するかして。24時間以内に処置するから」

「わかった」

「じゃあ、こんな感じで……」

 

3人で色々と詰めていく間にララには機械の設置をお願いしておく。これで問題無いだろう。むしろオルファン側に強力な隊長が増えたくらいだ。何も問題は無い……と思う。

 

「ああ、そうだ。エルカに魔法を教えるように頼まれていたな。ナフカに習うといい」

「はーい。そっちはいいとして、元帥通しで飲み会とか開いたら楽しそうだけど……」

「ふむ。エイフェリア元帥には世話になる訳だからコイツの事が片付いたらそれも悪くないか」

「そうですね。夫婦でお伺いします」

「わかった。じゃあ、そっちは任せて。ララ、記憶を撮り終えたらあとは好きにしてていいから」

「イエス、マスター」

「じゃあ、ナフカに話に行ってくる」

「ああ、行って来い」

「またね」

 

それから俺はナフカの元に行く。そこにはリセル達も居たが、直ぐに俺に抱きついて来た。

 

「ちょっと、リセル達が言ってた事は本当なの!」

「ああ、本当。だからナフカもオルファン元帥の妻になるね」

「やった! ナイスよ貴方! 褒めてあげるわ!」

「そっちはいいから魔法を教えてくれ」

「魔法ね! 任せて!」

「あ、俺も教えてくれ」

「私も知りたいです。魔導技術もですが……」

「いいわよ! 気分がいいから皆私が面倒見てあげる!」

 

それからハイテンションのナフカに色々と手ほどきを受けた。ラナハイムで手に入れた物も合わせて徹底的にだ。ここに命令したラクリールも入れて、更にララも入って魔法を習っていく事になった。滞在期間が終わると、俺はバーニエに戻ってナフカとリューンの身体の制作を後回しにしてリセルのお母さんの身体を作成していく。これにはリューンとエイフェリアにも手伝って貰った。というか、バーニエ全体で作成した。それによって明らかに納期の短縮が起きて死亡する前になんとか完成した。それどころか魔導巧殻の大型パワードスーツまで作り上げられた。まあ、お母さんがこっちの予想より生きた事もあるんだけどね。どちらにしろリセルの母親は魔導人形として……いや、魔導巧殻として生まれ変わった。魂が宿っているのだから魔導巧殻で問題無いだろう。

 

 

 

 

 

 

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