魔導巧殻 もう1人の神殺し   作:ヴィヴィオ

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センタクス③

 

 

 

 センタクスへと向かうルナ=ゼバルのブリッジ、艦長席に座りながらさっきの事を考える。内容は簡単だ。エルミナ・エクスの事だ。あいつ、明らかに原作より強いだろ。もしかして難易度が難しいでレベル上限なしか?

 どんどん送られてくるセンタクスの状況はかなりまずい状況になっている。本当に容赦無く破壊されてもはや都市としても機能していない。最初から放棄を前提にしていなければこうはならないだろう。しかし、これで確実なのは三銃士がしょっぱなからガチで潰しに来てやがる。まあ、今回の件でそれなりにダメージは与えたはずだから大丈夫だろう。

 

「マスター、まもなく到着なのです」

「わかった。中に入れるなら入ってくれ」

「了解なのです」

 

隣に控えているララに指示を出すと後は見ているだけだ。統率に関してはぶっちゃけ俺よりも凄いしな。魔導機人限定だが。

 

「では、ラクリールを先行させます」

「頼む」

「ラクリール、ゴーです」

「……なんで私が……」

 

ぶつくさ言いながらも言ってくれるラクリールはかなり堕ちてきたと思う。しかし、これって復興資材と資金、人手がかなり重要だな。

 

「ララ、バーニエに重工業ゴーレムと資材を大量に発注しておいてくれ」

「了解なのです」

 

これでなんとか復興は早くできるだろう。だが、もう一つの問題がある。それは住民だ。住民がどうなったかわからない。

 

「近隣の生体反応はどうだ?」

「調査していないのでわからないですが……アシュラクーナを調査に向かわせるです」

「そうだな。生き残りが居るかも知れないから急いでくれ」

「了解なのです」

 

ルナ=ゼバルよりアシュラクーナが発進していく。ちなみにラクリールは部隊を率いてセンタクスの中に既に入っている。

少しするとアシュラクーナより生命反応があった場所を光点で伝えてきた。その数は無数に存在する。

 

「生命反応多数……軍かも知れません……」

「これだけじゃわからないな。一度戻して映像を出してくれ」

「了解なのです」

 

アシュラクーナに搭載してあるカメラの映像をこちらへと映し出す。流石に電波での送受信はできない。だから、一度戻すしかない。だが、ここまでくれば既にオーバーテクノロジーだろう。

 

「これは……避難民ですか……?」

「みたいだな。流石に三銃士も一般人を殺す事はしなかったみたいだな……」

 

無数の住民がセンタクスの外へ避難され、途方に暮れている姿だった。それといくらか物資は置かれているようで、なんとか生活できるようにはなっているようだ。

 

「むむ……ラクリールより連絡なのです。ディナスティの生き残りを見つけたらしいのです」

「先ずはそっちと合流するか」

「了解なのです。ん、連絡を送ったです」

 

魔導機人達は相互に連絡を取り合えるし、そのトップに居るララにも当然の如く伝わる。これを利用して情報の伝達を行っている。

 

「よし、直ぐに行くぞ」

「先導するのです」

 

俺達はルナ=ゼバルで瓦礫を強制的に退けてセンタクスへと入っていく。そこで知り合いを見つけた。ミライとヴァイス、リセルだ。後はその配下達だな。しかし、全員がボロボロで焼け焦げた服を着ている。そんな彼らにラクリールが説明している。それにしても消火事態は終わっているようだが、殆どが焼失してしまっている。だから、俺は甲板へと出て声をかける。

 

「お前ら、取りあえず中に入って来い!!」

 

俺の声が届いて、ヴァイス達がこちらへと歩いてくる。俺は指示してハッチを開けさせて彼らを迎え入れる。

 

「治療準備。それと何か食べ物と寝る場所を用意してやれ」

「了解なのです」

 

館内に招き入れた彼らを迎えに移動する。そして入口に向かうとしきりに内装を気にしながら治療を受けている彼らが居た。

 

「災難だったようだな」

「ああ。まさか制圧ではなく破壊だとは思わなかった」

「確かにな……」

 

確かに原作通りに行くと思い切っていた。だが、現実はどうだ。確かに現実通りに進んでいる。だが、被害の規模は明らかに違う。ひょっとしたら介入しすぎたのかも知れない。明らかに現状のバーニエの技術力はかなり先を行っている。

 

「あの、すいません……お母様の修理をお願いできますか?」

「ん?」

 

リセルが気まずそうに言ってきたのでそちらを見ると、リセルに抱かれて横たわっているミライが居た。その方腕は弾け飛び、残った腕も皮膚が剥がれて筋肉繊維の魔法糸も切れて金属部分が露出している状態だ。身体中傷だらけで服もボロボロだ。

 

「何やったんだよ……」

「私達を守る為に無茶をして……」

「俺からも頼む」

「私の腕じゃここまでになると直せません……」

 

機能停止しているようだが、確かにこのままじゃ不味いな。本隊は無事みたいだし、本格的な修理といってもそこまで非道い感じじゃない。

 

「わかった。じゃあ、メンテナンスルームに連れて行ってくれ」

「了解です」

「リセル達は休め。それとヴァイスは話がある。休むのは後だ」

「当然だ。先にこのセンタクスの状況をどうにかしなければいけない。リセルには悪いが……」

「わかっていますから大丈夫です。お母様の修理は後で構いません。その、大丈夫なんですよね?」

「ああ、それは大丈夫だ。少し時間が経っても問題無い。というか、徹夜で直すから問題ない」

「あ、ありがとうございます」

 

それだけ言うとリセルは先導する魔導機人に連れられて移動していった。しっかりと部屋で休めるだろう。

 

「さて、これからのセンタクスについてだが……」

「どうする? 一応、住民は見つけた」

「本当か!」

「ああ、生きている」

「なら最悪ではあるが最低ではないな。重工業ゴーレムだったか、あれと資材をいくら投入できる?」

「一応、大量発注はかけておいた」

「助かる。しかし、防壁の建築から始めないといけないとなると……モンスターが危険だな」

「確かに。ああ、避難した住民が居る場所も大変だな……ちっ、疲れるが仕方無いか」

「何か方法があるのか?」

「ちょっとした大規模な魔法を使う。それでセンタクスに結界を張るからそれでどうにかするしかない。ただし、このルナ=ゼバルは動けなくなる」

 

足で床をコツコツと叩きながら教えてやる。

 

「それでも頼む」

「そうか。じゃあ、どうせなら徹底的に区画整理もやって綺麗にするか」

「ふむ。確かにそれはいいな。わざわざ壊す必要もないくらい徹底的にやってくれたんだからな」

「それじゃあ、設計図はこちらで用意する。いや、その前にルナ=ゼバルで先に避難した住民を回収しに行く方が良いか。どうせ動けなくなるし」

「そうだな。わかった」

 

それからルナ=ゼバルを発進させて避難している住民を迎えに行く。住民の対応は全てヴァイスに任せる。何故なら俺はセンタクスに興味がないからだ。なので原作通りにヴァイスには元帥になっていただく。

 

 

 

 

 

 

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