ミライ
パティルナとの戦いは私が優勢で推移している。これは当然の事。だって、あちらは人間でこちらは意思がある魔導機械。それに熱源探知まであるから煙の中でも問題無い。そして、何より――
「くっ、これはきついね!」
パティルナの鞭を鎖で弾き、そのままパティルナへと向かう。それを体を回して避けられる。そこに追加の鎖が殺到する。そう、私の血で作られた鎖は私の意思を持って行動する。
「ほんとっ、化け物だね!」
「当然と言っておく」
「肯定された!?」
頑張って鎖を弾いているところに接近して蹴りを叩き込む。
「ぐっ!?」
パティルナは腕をクロスして吹き飛んだいった。その間に鎖を周りに飛ばして周りの兵士を殺しながら追撃を放つ。追撃は先端が刃になった物で四方八方から襲わせる。一時たりとも休ませない。それでも、流石は三銃士。立ち上がってこちらの攻撃を瞬間的に見切って最小限で回避しながらこちらに特攻してくる。
「あははは、楽しいね!」
紙一重で避け……いや、避けられずに薄皮一枚を切られて傷を負っている。中には結構深い傷すらあるのにパティルナは気にせずに突撃し、剣と鞭で攻撃してくる。
「傷を気にしないか……」
「気にしちゃ勝てないしね!」
足を狙って襲いかかってきた鞭をジャンプして避ける。その瞬間に突き出されてくる刃を状態を後ろに倒す事で避けながら、身体を捻って鎖を放つ。
「よっと」
その鎖を鞭で迎撃してくるので、そのまま鎖の先端の刃を鎖を跳ねさせる事で首を狙う。だけど、首を傾げるようにして薄皮一枚で避けられる。何十回も繰り返し行われる。
「パティルナ様!!」
「パティルナ様を援護しろ!!」
パティルナの援護に沢山の兵士達が駆けつけてきた。そいつらの装備は弓矢が基本でこちらに矢を射てくる。私は飛んでくる矢を鎖の輪っかで受け止めて弾く。直ぐに鎖を放って殺しにかかる。
「っ!?」
「防御しろ!」
「はっ!!」
パティルナの指示で盾持ちの兵士が割り込んで盾で鎖を塞ぐ。鎖は盾を貫いてその身に突き刺さる。だけど、それだけ。その後ろの弓兵までは殺せていない。だから、そのまま鎖を引っ張って死体をパティルナに向ける。
「次は二人で盾を二重にして!」
「はっ!!」
いつの間に気づけば周りに兵士が沢山遠巻きに居て、包囲網を形成している。でも、甘い。そっちがその気ならこっちもやるだけだ。
「アクセス……完了。該当領域にアシュラクーナによる殲滅攻撃を要請」
私自身は鎖を盾として眉を形成し、上空から掃射される無数の魔導砲から身を守る。放たれた魔導砲は敵兵ごと施設を蹴散らして破壊する。
「くそっ、やってくれる!!」
味方に庇われてなんとか防いだパティルナを殺すべく、近づく。
「これで終わり」
満身創痍になっているパティルナを貫いて、その血を自らの力に変えようと思い、中が空洞になった注射器のような先端と管が内蔵されている鎖を作り、パティルナへと放つ。
「させません」
だが、救援に入って来たエルミナが私の鎖を弾き飛ばした。ただ、そのエルミナ自身も満身創痍みたいな感じだからかなりましだ。
「ちっ。ララ、何をしている?」
「遊び過ぎたのです。それに撤退する時間なのですよ」
「……」
レーダーを広域に展開すると大量の生体反応がこちらに向かってきている。その中に巨大な反応もある。
「充分すぎるほど敵兵力には打撃を与えたのです。なので、我々はこれより撤退するのですよ」
「確かにそうね。わかった……全軍、撤退。これより帰還する」
『……了解……』
魔導機人やアシュラクーナより連絡が入り、私達は降りてきたアシュラクーナの背中へと取り付いて、足を乗せて空高くへと飛び上がる。
「パティルナ・シンク……」
「エルミナ・エクス……」
私達はそれぞれに声をかけながら懐から新型の魔焔反応炉を取り出す。
「「プレゼント(なのです)」」
そして、それを投げ捨てる。
「生きていたらまた会おうですの」
「ごきげんよう」
私達は急いで帰る。後方の爆発を無視して。
「被害は?」
「魔導機人が9体ほど負傷で、廃棄が2体なのです。爆破してるのでそっちは安全なのです」
「アシュラクーナは?」
「そっちは装甲に多少の傷が着いただけなのです」
もともと空からの攻撃だし、当然か。
「相手の被害は?」
「5712人が死亡、重症、軽症ぐらいなのです。そして、攻城兵器は全部破壊しておいたのです」
「そう。なら、こちらの任務は無事に達成したと考える」
「それで大丈夫ですの」
「後はセンタクスの街か……」
「マスターが居るので大丈夫ですの」
「ヴァイスもリセルも居るし……平気ね」
私達はそのまま上空を移動する。しかし、私達は手段を選んでいられないとはいえ、リセルが怒るかなな……でも、混乱と被害を考えるとアレが一番だった。まあ、オルファンのやっている事も似たような物だし、問題ない。