そして、お待たせしました。
大量の重工業ゴーレムを運用して急ピッチで再建されていくセンタクス領。その速度は異常に尽きる。何故なら3週間程経ってほぼ完成しきっているという驚異の速度なのだ。もちろん、これはバーニエから毎週、追加で6200機も送られてきた事も原因だ。結局、今回のセンタクスに投入された重工業ゴーレムは2万前後となっている。
「しかし、エイダ様の過保護というか、親バカっぷりは凄いのです~」
「そうですね。こないだまでバーニエの生産能力をほぼ全て重工業用ゴーレムにあてていたらしいですからね」
「まあ、御蔭でセンタクスはどうにかなった。それにこの重工業ゴーレムは拠点防衛用と考えれば戦力としても数えられる」
リューンとリセル、ヴァイスが現状を話し合っている。ちなみに重工業ゴーレムを戦闘用にするとシャベルで襲いかかったり、土砂や岩を投擲する投擲機として使える。
「どうでもいいが、そっちは問題無いのか?」
「ああ、街も随分活気が戻ってきた。むしろ、兵に志願する者達が多いな。今はエルカの所のラクリールが調練してくれている」
「軍事力は回復してきていると見ていいか」
「はい。防衛に特化こそしていますが、街の外に魔導砲を搭載した防壁も作成しています。投擲も行える重工業ゴーレムも合わせれば本体が到着するまでは耐えられるかと。それに防壁の前にはアレが存在しますから」
リセルの報告であがった物はかなり非道い物だ。簡単にいえば堀なのだが、水が入っているのは変わらないが、そこに電撃発生装置がついているのだ。それを防壁とセットでセンタクスを二重三重に覆うように建設してある。そこに魔導砲を無数に搭載されればえぐさが理解できるだろう。
「それと、ミライ様達からの報告はどうなっている?」
「ああ……それか、どうなってる?」
魔導機人に聞くと、報告が上がってくる。
「問題有りません」
「まあ、あの二人が失敗するとは思えないのですよ。それより、どれぐらい被害を出させたのかが知りたいのですよ!」
「リューン……」
「被害報告では、こちらは魔導機人が9体ほど負傷、廃棄が2体との事です。アシュラクーナに至っては装甲が削れた程度です。相手側の被害に関しては……5712人が死亡、重症、軽症ぐらいとの事です」
「流石なのです!」
「あははは……」
「あの方は……」
リューンが喜び、リセルとヴァイスが頭を抱えている。まあ、理解はできるな。たった20の魔導機人とアシュラクーナに将軍クラス2名でだした戦果では断じて無いのだから。正に魔神の力を持つとしても納得できる。
「それと追加報告です。現在、大規模なユン・ガソル連合国の軍隊がレイムレス要塞を出陣し、こちらに向かってきているようです。到着は2週間後です。その一週間前にはララ様とミライ様が帰還予定です」
「あれだけの被害を出してもまだ攻めてくるか……」
「しかし、こちらには対策があります。それに……」
「リューンも居るのです。まあ、一度本隊に指示を頼めばいいとリューンは思いますの」
「そうだな。リセル、本隊に連絡してくれ」
「了解しました」
ファラ・カーラの魔弾……撃たれるかどうかはわからないな。だが、そもそもオルファン元帥がファラ・カーラの魔弾に細工しているかどうかも分からない。その場合、ジルタニアに対してもかなり警戒が必要だな。いや、ちょっと待てよ……原作と違う理由でオルファン元帥が細工している可能性もあるな。まあ、そっちはそっちで面白いんだけど。それにミライも加わってるだろうしな。
一週間後、伝達された情報によると、キサラに居る本隊が城塞都市ヘンダルムを落としたとの情報が入った。それと同時に俺達になんとしてでもセンタクスを死守しろとの命令が届いた。それに対する対応は全てヴァイス達に任せて、俺は壊れた魔導機人やララ、ミライのメンテナンスと調整に入った。二人はかなり無理をしていたようだしな。
「私達は戦わなくていいのか?」
「構わんよ、ラクリール。だって、本隊とユン・ガソル連合国の軍が同時に到着する感じだからな」
「私達は籠城していればいいという事か」
「そういう事。それにこっちだって負けていないしな」
「わかった。だが、緊急時には備えておく」
「よろしく」
ラクリールが出て行った後、俺は作業を行っておく。最悪に備えて脱出用にルナ=ゼバルも用意しておく。
エルミナ
メルキア帝国センタクス領とユン・ガソルの最前線。その近くにある街道を遮るようにして展開している鉄色の軍団。我がユン・ガソル連合国が誇る重装歩兵。刃を通さず魔弾すらも防ぎきる重厚な鎧が列を成し、鉄壁と呼ぶに相応しい鋼鉄の兵団を組織している。その強固な彼らの後ろには投石機や
「これだけの戦力を集めたのですが……」
「フリードとスティの予想通りだね」
「どうせ奪われる予定でした。問題は有りません。ですが、雪辱は晴らすべきです」
「エル姉は執念深いね~でも、あたしも賛成だよ。だけど、二人の言っていた事もちゃんと考えないと駄目だよ」
「わかっています。その為の準備はおこなってあります」
メルキア帝国の新兵器の存在。それをフリードとスティアが教えてくれました。ですが、どちらにしろセンタクスの復興速度は異常と言って問題ないレベルまで復興しています。
「二人の報告に有りましたか?」
「ないねー。でも、彼らも言ってたけどバーニエの技術力は異常だってさ」
「そうですね。切り札も一応、預かっていますが……」
「出来れば使いたくないよね。未完成だしさ」
「ですが、そうも言ってられないでしょう」
私は85名の者達の部隊と数万の軍勢の前に立つ。
「ユン・ガソル連合国の兵よ、これよりセンタクスに対して攻撃を仕掛けます。かの地を奪還した部隊は本隊から離れた別働隊。精鋭ではありますが、その数は決して多く有りません。どのような抵抗も、我が軍の前では無意味といいたいのですが、現在敵軍には増援としてメルキア帝国が開発した大量破壊兵器の存在が確認され、それを導入してくるとの情報がありました。よって、我々はセンタクスに対して予定通り攻撃を開始します」
「いい~? 予定通りだよ。わかったぁ~みんな~!!」
「「「「ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!!」」」」
「全軍、戦闘開始!!」
私の指示に従い、部隊は動き出す。85名が前に突撃し、残りが援護射撃を行った後の準備を行う。彼らの予想通りなら、85名の者達の生還は絶望的。その為、彼らの部隊は犯罪者を使っている。
「どうなるか楽しみだね、エル姉」
「メルキア帝国とユン・ガソル連合国……どちらが優れているか、見せてあげましょう」
この戦い、勝つのは私達です!