リューンの味覚についてエルカが改造した事にしました。辻褄を合わせる為で無理矢理ですが、すいません。
俺がバーニエに来てから一週間の時間が経った。その間にした事は簡単だ。ぶっちゃけ家事と魔導技術の勉強、リューンが味覚を感じられるように少し改造した事だ。これによってリューンは料理に取り憑かれた。だが、エイフェリアに家事能力はほぼ無い。それと本来なら人を雇えばいいのだが、それも家の中に機密とかが適当に放置されていたりしたし、そもそも元帥になってから家に殆ど帰って来ないので意味がない。つまり、基本的に俺は家では1人になる。よって家事もしないといけない。だが、考えてもみろ。一戸建てに研究室付きを貰ったと考えればどうだ?
しかも衣食住は全てエイフェリア持ちだ。つまり、俺は現状紐状態。まあ、子供だから仕方無いんだがな。まあ微かに身長も成長しているので問題無い。おそらく、ある程度身長も自由にできるのだろう。子供状態はただの省エネモードだ。向こうの女神よろしく成長も可能だろう。
さて、そんな俺は現在ノーデンフェルト海軍の軍服を特注で作って貰って着ている。原案を作ってエイフェリアに値だったら作ってくれたのだ。作業着としても便利だし、厚手なので重宝している。
「出来たですの?」
「ああ。取りあえず玉子焼とは別にソーセージとサラダのサンドイッチだ。それとパンプキンスープだ」
「ヒャッホーですの! エルカの料理は美味しくて好きですのー」
大喜びなリューンを置いて、バスケットにサンドイッチと玉子焼のケースを仕舞う。もちろんふわふわで半熟だ。飲み物には豆を厳選して俺自信がブレンドしたコーヒーだ。デザートには作ったバニラアイスだ。このバニラアイスはリューンのお気に入りだ。それらが準備出来たらエプロンを外して仕舞う。
「さて、エイフェリアに届けに行くぞ」
「はいですの! あっ、銃を忘れていますの!」
「っと、そうだったな」
腰に小型の魔導銃が入っているホルスターを取り付けて移動する。回復しておらず人間と同じ、子供と同じ程度の力しか無い俺には魔導技術で作られた魔導銃は簡単で高い殺傷能力を与えてくれる。さっさとモンスター狩りとかしてレベルをあげないといけない。
「では行くですの!」
「ああ。戸締りは?」
「問題無いですの!」
リューンと共に家を出て扉にしっかりと鍵をかける。バーニエ城へとに移動しながら周りを観察する。この街は魔導技術に溢れている。この西の都バーニエは7万8千人も住んでいて、9万6千人くらいまで住める。基本的には魔導研究所が立ち並んでいる場所だ。
「しかし、あの家がピカピカで清潔な状態になるなんて思わなかったですの」
「無茶苦茶汚かったからな」
家の中は埃が大量にあり、散らかり放題で物が溢れているのだ。しかも、エイフェリアが失敗作のような成功作のような意味の分からない物とかを放り込んでいるからタチが悪い。危険な物もあるし使え無い物もある。俺の持っている魔導銃だってエイフェリアが昔作って家に放置していた物だ。これは秘印術に魔力を通して魔焔を活性化させて威力をあげたりできるし、込める魔力の質によって性質が変化する優れ物だ。ただコストが高くて生産は出来ないみたいだが。
「ふふ、それもエルカの御蔭でマスターも家に帰って寝るようになったですし、いいことずくめなのです」
「ぶっとうしで研究してるしな。まあ、帰らない時もあるけど」
「でも着替えだけでも清潔にしてくれるので嬉しいですの」
「それは、研究者の性だ」
「不潔ですの」
リューンとそんな会話をしながら警備を素通りして中に入る。俺はエイフェリアから直接許可を貰っているし、リューンが常に一緒に居るから何の問題も無く通過できる。もちろん、来客中とかは無理だけどな。
「さて、ついたな」
「ノックするだけ無駄なのでさっさと入るですの」
「ああ」
扉を開けて中に入るとエイフェリアが錬金術を利用した鍛冶をしている。
「お前達か」
「お昼ご飯を持ってきたですー」
「午後から教えて貰うからね」
「もうそんな時間か……教えるのは問題無いが基礎は大丈夫なんだろうな?」
「無茶苦茶優秀ですの。実地も完璧ですの」
「なら腕を見せてくれ」
「ああ」
俺はポケットから作った魔導技術で作った懐中時計を取り出そうとした。
「って、待つですの! 先にご飯ですのー!」
「「あっ」」
「ほら、ちゃっちゃと食べるですの!」
俺とエイフェリアは忘れていた食事を急いで食べる。
「ふわふわのとろとろで最高ですの♪」
「ふむ。確かに美味しいな。今日の晩御飯も期待できそうだ」
「晩御飯は唐揚げだ」
「それはなんですの?」
「食べてからのお楽しみだ」
「残念ですの」
「まあ、この数日でエルカの作る料理にハズレがないのは知っているから問題ない」
「そうか。あっ、そうだ。お風呂作っていいか?」
「風呂か?」
「ああ、風呂」
「作れるなら構わんぞ」
「なら作る」
日本人としてお風呂は絶対欲しい。しかし、勝手に作る訳にも行かないし許可を貰いに来たのだ。もちろんついでだが。最悪ドラム缶でも我慢するが女の身体だからな。セリカみたいに無理矢理身体を変えて居ないとはいえ、こっちはセリカより貧弱なのだ。男だろうが女だろうが現状は襲われたら終わりだ。まあ、護衛にちょっと離れた位置にリューンが居てくれるだろうけど。
「そういえばエルカは魔法を使えるのか?」
「……無理。魔力はあるから習えばできる……と思う」
「そうか。そういえば記憶を失っていたな。確か半年後辺りにディナスティに行く予定がある。あちらに一ヶ月くらいは滞在するから本格的なのはそちらで学ぶといい」
「そっか……ありがとう」
「気にするな。今はリューンに簡単なのを習うといい。初級の魔術書ならここや家にもある筈だからな」
「わかった」
「ふふ、リューン様にお任せですの!」
大いに張り切るリューンはかなり可愛い。魔導巧殻の中ではリューンとアルが好きだが、アルは声がいただけない。何故に不思議系だと何度も思った。クール系でいいじゃないか!
最初に見た時は小暮閻魔様演じるあかりんとかそっち系だと思ったというのに!
「エルカ?」
「なんでもない。期待している」
「偉そうですの」
「よし、食べ終えたから見せてくれ」
「早っ!? まあ、わかった」
懐中時計を渡して確認してもらう。この懐中時計には時を刻む以外に魔術を一発だけ込められるようになっている。
「確かになかなかの技術だ。込められる魔術は初級だけのようだが」
「流石にまだ無理だ」
「一週間でそこまでできる時点で異常ですの」
「確かにそうだ。まあいいだろう。ドワーフの技術を教えよう。そうすれば面倒なリューンのメンテナンスをしてもらえるからな」
「非道いですの! 私はこんなにもマスターの事を愛しているのにー」
「いや、お前のメンテナンスをはじめると細かい所までやらされて時間がかかりすぎる」
「あははは」
「うぅ、こうなればエルカに乗り換えるですの!」
「待て、それは困る。仮にも魔導巧殻は元帥の……待てよ、別に困らないか。むしろ研究がはかどるか。エルカは私の養子扱いだし……」
「いやいや、問題ありまくりですの!」
「冗談だ。まあ、メンテナンスをして欲しいのは本当だ。書類仕事が多すぎてメンテナンスしてやる時間がない」
開発責任者と領主としての仕事はとっても大変なんだろうな。
「じゃあ、リューンのメンテナンスは引き受けるよ。俺も自分で魔導巧殻を作ってみたいし」
「ほう、言うではないか。面白い……ドワーフの技術、受け継げるなら受け継いでみせろ」
「望むところだ」
「頑張れですのエルカー!」
リューンの応援を聞きながらエイフェリアからドワーフの技術を教えて貰う。これは流石に習得に一ヶ月掛かった。それでもエイフェリアは嘆いていたが。
「私の数年の努力を返せー!」
「いや、マスターも充分早いですの」
普通は数十年単位で習う技術らしい。素晴らしきは完全記憶能力と高性能なこの身体だな。