魔導巧殻 もう1人の神殺し   作:ヴィヴィオ

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コーラリム山道

 

 

 

 ラナハイム王国親衛隊、副隊長

 

 

 

 ルモルーネ公国コーラリム山道。ラナハイムからは一週間で到着する事のできるここに我々は現在進軍して制圧した。コーラリム山道には多数の村があり、農業を営んでいる。大した軍事力を持たぬこの国など容易く制圧できる。問題はこの後に控えている事だ。

 

「伝令! 首都フォミアルにメルキア帝国から書状が届いたとの事です」

「クライス様はなんと?」

「釣れたと……」

「了解した」

 

 これでメルキア帝国が動く。連中が進軍してくる前にフォミアルを落とす。既に何度か攻めて破壊しているから容易いだろう。

 

「進軍時期は何時頃になりそうだ?」

「それが、喪に服する為に来月になるとの事です」

 

 センタクスより折玄の森を超えて2週間で到着できるこの場所に一ヶ月後に来るだと?

 それは容易いどころではないな。

 

「随分とのんびりだな」

「はい」

「了解しましたと、クライス様に伝えておけ」

「はっ!」

 

 伝令を返して私は村の者を捕らえている場所に向かう。そこにはこの村を制圧するにあたって、邪魔をしてきた者達を縛り付けてある。そのうちの一人が目的だ。

 

「お前達に決定を伝える」

「「っ」」

 

 銀髪の小娘と隻眼の男の元で告げる。綺麗な顔をした小娘はクライス様が求めていたが、これ以上女が増えるのは困るのでな。ここで死んでもらおう。

 

「死刑だ」

「待てっ」

「またん。処刑は三日後だ。だが、そうだな……貴様から殺してやるよ。その三日後に小娘を殺そう。それまでにメルキア帝国の連中が来る事を願うんだな」

「くっ……」

「ギルク……」

 

 私は部下に指示を出して、二人を村の真ん中で打ち立てた木の十字架にくくりつける。周りには枝を置いておき、放置する。処刑が早まるかもしれんが、構わんさ。

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

「なんだ……?」

「どうなさいましたか、マスター」

「大丈夫なのです?」

 

 慌てて起き上がると、隣に寝ていたラクリール達が驚く。俺も皆も裸で一緒に寝ていたのだから当然だろうが。

 

「夢を見た」

「お前は子供か」

「五月蝿い。そんなんじゃない。今のは夢見だ。セリカもやってたっけ」

「夢見ですか?」

「そうだ。現実に起こっている事を見る事ができる力だ」

 

 神殺しセリカ・シルフィルもやっていた。結果的にそれに従うといい事が起きる。特に今回はコロナとギルクを助ける事ができる。

 

「ルル、現状の位置は?」

「折玄の森です。道が狭い為、木々を伐採して道を作りながら進んでいます」

「コーラリム山道まではどれくらいだ?」

「あと四日です」

「間に合わないな……三日で到着したい」

「無茶を言うな。今でも充分に速いはずだぞ」

「それは分かっているが、ラナハイムの連中がクライスの命令を無視して人を殺そうとしている」

「なんだとっ!?」

 

 ラクリールはそっちに反応するよな。まあ、そっちはどうでもいい。ここから三日、一日分を短縮するとなると……不可能ではないか。

 

「ララ」

「アシュラクーナなら準備できているのです」

「流石だな」

「航空戦力なら確かに速いですね。ですが、普通の人間には耐えられません」

「大した力はないが使徒ならば耐えられるだろう。俺とララ、ルル、ラクリールでアシュラクーナと魔導機人を率いて先行し、敵を殲滅して殺されそうな人を救助する」

「「イエス、マスター」」

「ラナハイムと戦わなければいけないのか……」

「そうだ。ラクリールはもう俺の物だからな。そうだな、お前がクライスを倒してラナハイムを潰すならクライスの命だけは助けてやってもいい」

「っ!? 本当だな!!」

「ああ」

 

 これでこちらはある程度問題ないだろ。約束も命だけで、身体は保証していないしな。着替えて格納庫へと行き、装備を整える。しかし、あれだな……アシュラクーナに身体を持たせるのとか、ちゃんと飛行ユニットは考えた方がいいか。IS(インフィニット・ストラトス)みたいな。魔導鎧をそういう風に改造するか。まあ、先に二人を救出してからだな。

 

 

 

 

 ルナ=ゼバルより出撃し、アシュラクーナで空を駆け抜けていく。食事は適度に休憩を入れてだが、基本的に昼夜問わず飛行した為、なんとか目的の村へと到着する事が出来た。それも、まさにいいタイミングだ。

 

「やゅ、やだっ、ギルク! ギルクっ!!」

「……」

「さあ、処刑の時間だ」

 

 やつれた銀髪の美少女コロナが悲鳴をあげる中、木々に火が付けられていく。炎は燃え上がり、ギルクを焼こうと迫る。

 

「ルル」

「イエス、マスター」

「ララも行くのです」

 

 アシュラクーナから飛び降りる二人。ルル達は空中で己の武器を取り出してどんどん加速していく。そして、空中で回転しながら魔導戦斧エーテルアックスをギルクの足元付近に居る兵士へと上から振り下ろした。

 

「なにっ?」

 

 兵士は一刀両断され、エーテルアックスは地面へと激闘してクレーターを作成し、更には周りを急速に氷らせていく。それはギルクを焼こうとする炎すら例外ではない。もちろん、ギルクもだ。

 

「まったく、ルルは手加減が下手なのです」

 

 ララがギルクが縛られた十字架を引っこ抜いてギルクが氷漬けになるのを防いでいた。

 

「黙れ。こっちは初戦闘の初装備だ。出力調整など適当だ」

「まあ、そうなのです」

「お前達は……」

「味方なのですよ。とりあず、大人しくしているのです。動いたら怪我をするのです」

 

 ララがギルクを降ろして、大剣を振り回して縄を切断する。コロナも同じように斬るが、コロナはララの言葉をそのまま信じたのか、動かない。ギルクは元々諦めていたようだ。

 

「おい」

「っと、そうだな。ラナハイムの兵を狙撃しろ。女は生かせ」

「「「イエス、マスター」」」

 

 魔導機人やアシュラクーナ達に指令を出して上空からラナハイム兵を狙撃させて殺していく。俺とラクリールも地獄絵図のような光景が展開されている地上に降りる。俺はアイテムストレージから拾っていたデスサイズ、冥府の大鎌を取り出す。ラクリールは剣を引き抜いて準備する。

 

「何なんだ、何なんだこれは!? 一体何処から現れた!?」

「現実逃避するとは、それでも魔法剣士部隊(パラディ・アズール)の指揮官なのか。私が目指していた頃より質が落ちたのか」

「貴様はっ、ラクリール・セイクラス! こんな事は聞いていないぞ、役立たずめっ!! そうか、貴様は裏切ったのだな!」

「黙れ。程度が知れるぞ。これ以上、魔法剣士部隊(パラディ・アズール)を貶めるな」

 

 ラクリールが足に雷を纏って、瞬時に指揮官の女に接近するとそのまま雷を纏った長剣で首を跳ね飛ばした。

 

「弱すぎる」

「いや、ラクリールが強いだけだから。それと、殺すなよ……」

「あっ」

「まあいいけどさ」

 

 会話しながら襲いかかってくる敵兵の剣を冥府の大鎌で敵もろとも切断して殺す。すると、死体は冥府の大鎌に吸い込まれるようにして消えていく。同時に俺の力が増える。いや、回復すると言った方が正しいのかも知れない。

 

「くそっ、こうなれば魔法で殺せ!」

「馬鹿どもが……詠唱なんてさせると思うな」

 

 もう一本の長剣を引き抜き、敵兵の中を瞬時に駆け抜けて行くラクリール。その後には身体を一刀のもとに斜めに切断されてズレていく者達が居た。

 

「まあ、魔法なんて斬れば問題ないんだけどな」

 

 迫り来る5メートルもある火球を冥府の大鎌で一閃すると、それだけで魔法は主滅する。こちとら、神殺しだし、引き連れているのは使徒と魔導機人と魔導兵器なのだ。人間なんて一切いねえよ。この小さな身体でも覚醒してしまえば敵を虐殺するのは容易い。魔術を使うまでもない。

 

「全軍に通達。攻撃を中止。敵兵を北、フォミアル方面に誘導して逃がせ。ラナハイムの方には逃がすなよ」

『了解なのです』『イエス、マスター』

 

 無線機で全軍に通達し、敵兵を逃がす。その間に手足を撃ち抜かれて動けない女達を捕虜として回収する。こいつらは犯して性魔術で情報を収集し、娼館に送り込むか、適性試験に合格すれば装備を与えてラクリールの元につけてラナハイムを滅ぼしたあとに戦力として扱う。流石にラナハイムと戦わすのは色々と問題があるからな。性魔術を行うのは俺じゃなくてもいいし、適任は今回手に入る。クライスと同じ穴兄弟なんて絶対にごめんだしな。

 

「エルカ、フォミアル方面にラナハイム兵の撤退を確認した」

「そうか」

 

 俺はハーブを巻いたタバコのような物を吸いながら報告を聞く。

 

「しかし、そっちで良かったのか?」

「構わない。これでフォミアルに進軍する口実ができたからな」

「奪うつもりか?」

「元よりそのつもりだ。全てをメルキア帝国が支配する。竜族とて例外はない」

 

 そんな話をしていると、ララとルルがこちらに人を連れて来る。一人は老人で、残りは助けたギルクとコロナだ。

 

「マスター、この村の村長なのです」

「この度は娘達を助けて頂き、ありがとうございます。それで、その、そちらの要求は……」

「こちらの要求は簡単だ。そこに居る娘を貰おうか」

「わたし……?」

「そうだ。お前が俺の物になれば村も守ってやろう」

「……」

「コロナ」

「コロナよ……」

「いいよ。なる。だから、守って」

 

 流石は自ら進んで生贄になるだけはあるな。簡単だ。まあ、目的の一つは達成できた。あとはコロナの中の奴も手に入れる。それで完璧にコロナを支配下における。ダークコロナも欲しいのだ。

 

「交渉は成立だ」

「すまん、コロナよ……」

「いいのか?」

「村の人達の為だから……」

「そうか……その、ところであなた方は何処の者なのでしょうか?」

「俺達はメルキア帝国センタクスの元帥からの依頼でルモルーネ公国を助けるように依頼された傭兵部隊だ。まあ、報酬は働き次第だが、この村はしっかりと伝えて守らせるから安心しろ」

「……お前達の使っている魔導技術は普通の傭兵部隊が使うような物ではないな。バックに居るのはバーニエか」

「そういう事だ。バーニエより最新鋭魔導兵器のテストを頼まれたりもしている。メルキア帝国が今は動けないから、代わりに俺達が来た。で、コロナを連れていくが、アンタもうちに入らないか? 福利厚生はしっかりしているぞ」

「……コロナを守れるなら構わないだろう。無謀な作戦は拒否するぞ」

「勝算がないとやらないさ。基本的に使い捨てにするつもりはない。使い捨てできる兵士は量産されてバーニエから送られてくるしな」

「時代は変わるか……」

 

 これでギルクも大丈夫だろう。彼にもいろいろと装備を渡さないとな。

 

「では、2、3日世話になる。それからここに防衛部隊を置いて、フォミアルに向かう。ルルはアシュラクーナ達を偵察に送れ。ララとラクリールは村の防衛部隊の指揮を北と南で頼む」

 

 返事をした3人を置いて、俺は早速コロナに近づく。

 

「村長、家を一つ貸してくれ」

「構いません。どうかわしの家をお使いください。わしは息子夫婦の家にとまりますので」

「助かる。じゃあ、コロナ、行こうか」

「うん」

 

 コロナを連れて村長の家の一室で性魔術を使いながらコロナを犯して快楽を教え込む。これでコロナを支配下に入れる。そして、もう一人をたたき起こす。

 

「……何の用かしら?」

「お前も欲しい。その身体を二人で使え。普段はコロナで、戦闘などはお前が担当しろ」

「それは楽しめそうね。でも、条件があるわ。私を満足させてくれなかったら嫌よ」

「いいだろう。満足させてやる。ただし、俺以外の男とするな。コロナは俺だけの物だ」

「いいわよ。満足させてくれるならね。それに男だけという事は、女は食べていいのでしょう?」

「ああ。むしろお願いする。連中から精気を集め、俺に渡すんだ」

「わかったわ。それじゃあ、楽しませてね」

 

 ダークコロナにもたっぷりと快楽を教え込みながら三日ほど犯し続ける。彼女も屈服したので俺の騎獣にもなってもらう事とする。その間にララとルルにはある事を命令し、ラクリールには到着したルナ=ゼバルとその中の部隊と共に防衛戦を構築してもらう。さらに二週間ほどコロナとダークコロナ、ラクリールとイチャイチャしつつ知らせを待つ。そして、ラナハイム王国にフォアミルが陥落したとの情報が入った。

 

 

 

 

 

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