ゴブリンたちは歓喜の雄叫びを上げていた。前々からあの村を狙っていたのだ。見回りをするなど邪魔くさいことをしていたようだが何一つ意味がない。豊かな森の恵みを受けていたのは人間だけではない。ゴブリンたちだってそうだ。人間の汚いところ全てを煮詰めたゴブリン。少しの危機感と平凡な日常しかない人間。同じ環境で育ったなら、戦えば勝つのは悪意の強い方に決まっている。
「GOOB! GOOBRB!!」
あの村は幸せで太り過ぎた。村の男たちは弱かった。こん棒で頭を殴れば目玉を地平線の彼方まで飛ばした。壁の色を脳みそで塗り替えた。
女たちは旦那や父親の死体の前で犯してやった。嫌だ、やめて、誰か助けて。彼女たちの絶望はゴブリンたちの下半身を更に熱くした。助けなんてない。そいつを分からせてやることがこんなに気持ちいいことは。初めての略奪は最高の結果で終わった。
美人の女は引きずって巣に持って帰った。もちろん女たちは泣き叫び続けたが、殴ってやめさせた。さらに気持ちよくなった。 こんなに気持ちいいことで種を繁栄させることができる。
この世に生まれてきたことに感謝した。仲間たちと笑い喜びあった。最高の日だった。
ウルヴァリンがやって来るまでは
ぶくぶく太っていたのは村の人間だけでない。自分たちが襲われるなんて一ミリも考えていない。小鬼どもの巣はたったの一時間で見つかった。全てが杜撰だった。驚異的な嗅覚を発揮するまでもない。女たちを引きずった跡がローガンを導いた。巣の入り口には見張りも居らず、奥から小鬼どもの歓喜の叫びが聞こえた。人間どもの絶望は蜜の味だと。奴らの叫びが怒りを強くした。
ローガンは自分のことを嫌っていた。誰かを傷つけるしかできない。大切なモノを守れないロクデナシ。だけど今この時だけは、自分がミュータントであることに感謝した。ウェポンXであることに感謝した。
SNIKT!!!
巣の奥はまさしく地獄だった。女たちの体は傷だらけ、生きている者もいたが遅かった者もいた。女の肉と家畜の肉を味わう最高の夜。小鬼たちの天国。報復されるなんて一ミリも考えてない。小鬼どもの数はたったの十五、十六匹。楽勝だ。バケツをかぶって手を縛っていても勝てる。ローガンはすぐ近くの一匹を血祭りにあげようとしたが、流石に野生の獣。人間がやってきたのを察知した。女なら最高だったのだが、出てきたのは、どチビの男。とりあえず殺そうと、こん棒を手に取ろうとした瞬間
首がくるんとマヌケな音を立てて飛んだ
「GOOBR?」
ゴブリンたちは何が起こったのか分からなかった。何が起きたんだ? 辺り一面を塗り替えたのは何なんだ? その一瞬はゴブリンたちから最初からほぼ無いに等しい生存率を下げた。
「今度は俺たちの番だぜ」
ローガンは体に埋め込まれたアダマンチウムの爪で近くの小鬼の頭を引き裂いた。ゴブリンの脳ミソをぶちまける。
「GOOBRB!! GOOBBBB!!!」
ゴブリンたちは一斉に武器を取った。こいつは殺す。じゃないとこちらが死ぬ!!!
ローガンの爪が一匹、また一匹とぐちゃぐちゃにする。喉を裂き体を半分にする。弱すぎて話にもならない。ゴブリンは村から奪ってきたのであろう剣をローガンの頭に叩きつける。剣はへし折れ、お返しに頭は飛んだ。
「GOOBRB!!!!!」
こいつは普通じゃない
ゴブリンたちは力を合わせ弓を一斉に発射した。チビの怪物を殺す。全ての憎悪を込めた攻撃。ゴブリンにしては中々作り込みがあり、音を置き去りにする勢いで、弓矢はローガンの体に突き刺さった。
殺した!!! みんな思った。だが
ローガンを殺すにはお粗末すぎた。ヒーリングファクター。神の過ち。突き刺さった弓矢は弾けとび、ローガンの傷を治した。まるで何もなかったかのように。人間の悪意が産み出した兵器なのだ。ゴブリンごときが敵うハズもない。ゴブリンたちは恐怖した。人間たちに与えてやっていた恐怖。それをゴブリンたちは味わっているのだ。
次の瞬間ローガンの爪は十匹のゴブリンを肉片にした。
「GRAAAAAA!!!」
小鬼たちの前にいるのは本当の鬼だった。
皆殺しにした。戦闘が始まってたった十分。最後の一匹はしぶとく、女を人質に取ろうとした。追い詰めた悪党のやることはいつもこれだ。いい加減うんざりだ。人質を取ろうとした瞬間に、右腕を飛ばす。泣き叫んだ。だがかわいそうだとは一ミリも思わなかった。次の瞬間、アダマンチウムの爪が最後の一匹の体を真っ二つにした。
「大丈夫か」
ローガンは介抱しようとして気付いた。 もう遅かった。
ゴブリンたちは加減しらなさ過ぎた。 誰も生きて居なかった。
ゴブリンどもを皆殺しにして三日たった。村の生き残りはたった七人。襲撃を運良く逃れていたので助かったのだ。だが皆の顔に喜びはない。みんな大切な人を失ったのだ。
「敵を執ってくれてありがとうローガンさん。あんたに当たって済まなかった」
牧場夫は強く優しい男だ。生き残った村の仲間と遠くの町へ引っ越すらしい。家族の葬式も済み出発の時間だ。愛する妻の死を受け止め、少しでも進む。それが妻に対する最大の弔いだと。
「あんたはこれからどうするんだ?」
ローガンは答えた。
「町にでて仕事を探す。ゴミ掃除は得意なんでな」
なぜこの世界にこれたかは分からない。だから突き進む。そう決心した。
「また会えることを祈ってる。ローガンさん」
「またな」
ローガンはカバンを背負って次の戦場へ向かった。
戦いは続く
勢いだけで執筆するもんじゃないなぁ、本当にすいません。てかローガンとモブだけだと会話が楽しくないな。俺の文章力のなさもあってすげぇつまんねえ。犠牲になったモブがゴブスレと牛飼娘に似てて全力で二人を助けるとかやろうとしたのがダメだったな。一話でちゃっちゃとゴブスレと愉快な仲間たちを出しゃよかった。ローガンと金床が喧嘩したり、鉱人道士と酒飲んだりとか。あとセイバートゥース出したい。リメイクします。いつか、多分。