真剣で俺の弟子になりなさい   作:トラクベルク

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一応、この回からしばらく原作のルートの一部ネタバレを含みます。


12話 百代と一子の勝負①

日曜明けの月曜日にいつも通り少し早めに登校し始めているといつもと同じように一子が修行していた。

その様子を遠目から見るといつも通りの風景なのだがいつもと違う感じがした。

なんというか、気迫ややる気が違う。

気になったので近づいて声をかけてみることにする。

 

 

「一子」

 

「あ、林道君」

 

声をかけるといつもと同じように笑顔で駆け寄ってきた。

 

「気のせいかもしれないがいつもより気合いが入っているように見えるが何かあったか?」

 

「分かる?実はね、週末にお姉様と戦えるの。」

 

「百代と?」

 

「そう。お姉様がね、私と正式な勝負してくれるって。」

 

「・・・それは百代から持ち掛けてきたのか?」

 

「そうよ。お爺様立ち合いでやっていただけるの。」

 

本当に嬉しそうに話している。

実際、一子にとっては憧れの姉と戦えるのが嬉しくて興奮しているのだろう。

 

「そうだ。林道君。また私の修業に付き合ってくれない?」

 

「・・・悪いが今日は駄目だ。」

 

「そう・・・ならまた今度しましょう。」

 

「ああ、いずれな・・・。」

 

今日の修業を断った手前、俺はすぐにその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

学校に着いた俺は教室に向かわずに屋上に来ていた。

屋上から校庭側のフェンスに向かい、そこから登校してくる生徒たちを見ていた。

目的の人物が登校してくるのを待った。

15分立ったぐらいに目的の人物が校門を通るのを確認することが出来た。

それまで登校してくる生徒を見ていたのがこの学園の生徒は個性的な奴が多いな。

何名か気になる奴がいたがそれはまた別の機会に調べるとしよう。

俺は目的の人物にである百代に気をぶつけた。

ぶつけたといっても威力もない、ただ俺の存在を気づかせるためだけのものだ。

それにあたった百代はこちらを一度確認した。

 

 

それから5分ぐらいしたら百代が屋上に向かっていることを確認できた。

なんか少し気を放出しているし、戦闘モードみたいなのが気になるが。

屋上の扉があき、百代が現れた。

俺の望み通り一人だった。

 

「林道。回りくどく私を呼び出して何の用だ?」

 

「話す前にその微妙に漏れてる気をしまえ。」

 

「ああ、すまない。気をぶつけてきたから私への挑発かと思ってな。」

 

百代は気をコントロールして気をほぼ完璧に抑えて見せた。

 

「お前には聞きたいことがあったからここに呼んだんだ。」

 

「聞きたいこと?」

 

「今週末、一子と試合を行うらしいな。」

 

「なんだ?一子から聞いたのか?」

 

「そうだ。」

 

「あいつも頑張っているようだし、見てやろうと思ってな。」

 

「・・・」

 

俺はまっすぐと百代の目を見た。

それに百代も真剣な顔で応えた。

 

「俺は川神流のことは何も知らない。故に口を出すつもりもない。だが、一つ頼みがある。」

 

「頼み?お前が?」

 

「川神百代と川神一子の勝負を見る許可をくれ。」

 

「悪いがそれは古いシキタリで・・・」

 

やはりそれは出来ないか。

 

「いや、無理をいってすまない。」

 

「いや、待て。お前、私のサポーターにならないか?」

 

「サポーター?」

 

「そうだ。試合を行うものはサポーターを一人連れていくことが出来る。元々私はサポーターを付ける予定はなかったが私を負かしたお前ならサポーターとしても武闘家としても問題ないだろう。」

 

「そのサポーターは流派部外者でもいいものなのか?」

 

「問題ないはずだ。そんなシキタリは聞いたことないからな。」

 

「分かった。お前のサポーターになろう。」

 

「決まりだな。」

 

こうして俺は百代のサポーターとして二人の勝負を見ることが出来るようになった。

一子がサポーターとして誰を連れてくるかが気になったが少し考えたら直江という答えにたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、いつも通り少し早めに登校していた。

そして、いつも通り元気に修行をする一子の姿があった。

昨日と同じように声を掛ける。

 

「一子」

 

「あ、林道君」

 

「百代から聞いた話だと今週末の勝負にはサポーターを一人連れていけるらしいな。」

 

「ええ。そうよ。」

 

「一体、誰を連れていくつもりだ?」

 

「やっぱり、大和かしら?」

 

一応、確認しておこうと思ったがやはり直江だったか。

迷わず出したということはサポーターを連れてこないという選択肢はないみたいだな。

 

「そうだ。林道君。今日は修行に付き合ってくれる?」

 

「それなんだがな、俺はその試合まで修行に付き合うつもりはないんだ。」

 

「え?ど、どうして・・・?」

 

「大した理由じゃないさ。試合まで時間がないんだ。俺との修業は付け焼刃になりかねないと思ったからだ。」

 

「よ、よかったー。私、てっきり林道君に嫌われたのかと思ったわ。」

 

「嫌いならわざわざ声を掛けたりしないさ。」

 

俺の一言で本当に安心した様子だ。

2-Fで一子はマスコット扱いされているのだがその理由が少し分かった気がした。

 

「そうだ。お前にアドバイスをしてやろう。」

 

「本当!」

 

ここから冗談は抜きだ。

なるべく真面目な雰囲気を出す。

 

「1つ、百代との戦いではお前が持てるすべてをもって挑むこと。

 1つ、とにかく全力を出して、悔いを残さないこと。

 1つ、お前が目指すものそれを理解し、どうすればよいか思案を巡らすこと。」

 

真面目な雰囲気を出すのはここまでだな。

少し気を緩める。

 

「とりあえず、この3つだな。」

 

「すべてをもって、悔いの残らないように思案を巡らす・・・。うん。ありがとうね、林道君。」

 

「健闘を祈ってるぞ。」

 

伝えたい事も伝えた俺は一子と別れ、学校へと再び登校し始めた。

そして、

 

「一子の人生の分かれ道か。どちらに転ぶのか見させてもらうぞ。」

 

俺は誰にも聞こえないようにつぶやいた。

 




次回は百代対一子です。
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