『風見幽香』な私。   作:毎日健康黒酢生活

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楽園から追放される神

side カムシン・ネブハーウ

 

あぁ、最古の大戦についてですか。

あれは酷い戦だった。

いや、彼らからしたら始まりはフレイムヘイズが吹っ掛けてきたものだと言うでしょう。

ですが、そもそもが土足でこちらの世界に踏み入り、住人から存在の力を奪う強盗同然の身ながら、さらに自分たちの都合の良い場所を創造しようとするなど、人間を馬鹿にするにもほどがある。

『稲妻の剣士と紫電の軍師』

『虫愛づる姫君と生命の竜巻』

『金環頂く乙女と青き棺の天使』

『手綱打つ少女と風巻き奔る龍馬』

『闇撒く歌い手と弾け踊る大太鼓』

『大地の心臓の神官と天空を制す黄金』

数々の強力な討ち手がこのくだらない行いを潰すために彼の地に集結しました。

同時に数々の有名な紅世の王も招待されていました。

『鎧の竜王』

『黒金の大百足』

そして…

諸悪の根源である『血染花』

『風見幽香』

彼女については契約している紅世の王からも話を聞くことは多いでしょう。

曰く『原初の紅世の王(オリジン)』、彼女が願いさえしなければ紅世の徒はこちらの世界に渡り来ることは無かった。それでいて、現在まで討滅されることなく生存が確認されている最も古い紅世の王。

彼女も『創造神』の()()()()()招待されていました。

 

天を開いた祭祀場に、とぐろを巻く蛇身と華のように綺麗な女性。

彼女は三柱臣(トリニティ)を差し置いて創造神のそばに控えていました。まるで自身が神とも並びうる存在であるとでも言うように。

まぁ、彼女からしたらそんなことは考えてないんでしょうね。

もしかしたら友人に招かれたから談笑している。そんな軽い気持ちだったかもしれませんね。

そして、祈りをささげる巫女と、蚩尤、三眼の女怪。

その祭祀場には人間、紅世の王、フレイムヘイズとこの世に存在するありとあらゆる種族が集まっていました。

 

『これから成すことは誰にとっても素晴らしき行いである。《《我(・)ら(・)》》は無駄な争いをせずとも良いのだ。共に喜ぼうではないか。共に祝おうではないか。』

 

なんという聊爾(りょうじ)な台詞。

なんという驕傲(きょうごう)な態度。

この神はその邪悪を自覚せずに善意で請い願われたことを叶えているだけなのだ。

私たちフレイムヘイズは憎悪に満ちた悪魔的とも言えるかも知れない挑んだ表情でこの宣告を受け止めました。

()()の創造が始まると同時に私たちは行動に出ました。

標的は諸悪の根源たる異界の神。

そして、風見幽香。

創造に際して発生する世界の揺らぎを確認し、創造を妨害する。

フレイムヘイズ数人が自決し、揺らぎにこの世から“紅世”への方向性を与えました。

周囲の徒と交戦し、力を行使させて揺らぎを加速度的に大きくします。

この世から引きずり出された『祭礼の蛇』の共振を遮断する。

揺らぎは多くなりこの世の欠片を巻き込んで異界の神を両界の狭間へと放逐しました。

ここに『久遠の陥穽』という神殺しの秘法が成りました。

しかし、英雄的な見栄えのいい話にはなりませんでした。

『風見幽香』は『久遠の陥穽』から取り逃がしてしまいましたし、逆上した三柱臣(トリニティ)や招かれていた紅世の王そして、『風見幽香』によって多くのフレイムヘイズが命を落としました。

生きて帰って来れたのは私と『大地の心臓の神官』、『金環頂く乙女』のみでした。

 

あぁ、何が言いたいかと言いますとね。

神殺しと言えば聞こえはいいですが、その実あの戦いは両者共に大きな痛手を受けたということですよ。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

side 風見幽香

 

念願の人里に来たら超古代だった件について。

 

ようやく魔界?から出れたと思ったらまだ人類は文明が興り始めた時期だった。

私の原作知識によると『幻想郷』こと『博麗大結界』が張られるのは日本の明治時代だったはずだ。

ふむ。

原作(東方project)開始までの無聊(ぶりょう)(かこ)つ時間はお花のお世話をして過ごすとしましょうか。

一応、ホームとなる向日葵畑もあるのだが、マイボディの(さが)なのかもしれないが一年中何処かしら花が咲いているところへと放浪して生活している。

これといった目的意識もなく春は春の花、夏には夏の花、秋には秋の花、冬には少ないながらも冬の花を、一年中花が咲いているところを目指して移動する。

時には聖母のように若木の成長を見守り、時には老婆のように知己となった大樹の死を見送る。

そんな放浪に放浪を重ねる生活をしている私なのだが何故か(あやかし)として畏れを示していないのに陰陽師だか退魔師だか分からない人間が私を親の仇のように狙ってくるのだ。

もちろん口下手なマイボディはすぐに実力行使という名の対話に走る。

まともに会話できるのは黒い蛇さんとその配下の3人しかいない。(なお、ゆうかりん語訳あり)

 

丁度季節は夏。

私のホームとなる向日葵畑に戻り向日葵たちのお世話をしていた時のことである。

黒い蛇さんの配下の三目の麗しい女性が転移してきた。

 

「相も変わらず過ごしているようだな。風見殿」

 

「あら、珍しいお客さんね。最近は虐めがいのない相手ばかりだったからそっちの生意気なガキ貸しなさいよ。(お久しぶりですー。他の皆さんもお元気ですか?)」

 

「申し訳ございませんが彼は我らが盟主と巫女の守護の任がありますので欠けてもらっては困ります。」

 

「つまらないわね。何の用があってきたの?(お変わりないようですねー。今日の御用時はなんですか?)」

 

「はっ、我らが盟主がこの度、この現世(うつしよ)に百二十九の城邑と四の平原から成る楽園の創造の儀を行います。風見殿におかれましてはこの儀に()()()()()()()()としてご参列していただきたくこうして参りました。」

 

「…楽園ね。そんな物()()早いのに。(『博麗大結界』のようなものですかね?まだ時期じゃないと思っていたんですが。)」

 

「…()()ですか?」

 

「いいわ。その宴行ってあげるわ。(まぁ、要は似たナニカかもしれないし、行ってみましょうか。)」

 

「ありがとうございます。」

 

「…上手くいくといいわね。(はしゃぎすぎてマイボディが暴走してしまったらすいません。)」

 

「はっ、討滅の道具達も盟主は招いていますが盟主のご意向です。邪魔されようとも共に喜び、祝うとのことです。」

 

「蛇さんらしいわね。生やさしすぎる。(まぁ、蛇さんなら多少の粗相は許してくれますよね!お優しいですもん!)」

 

こうして黒い蛇さんのホームパーティーに出席することとなりました。

せっかくなんでこの綺麗な向日葵の花を花束にして贈りましょう。

すいませんー。と内心で謝りながら何本か見栄えの良い向日葵の花を手折ります。

 

会場に着くとありとあらゆる民族の王様であろう人たちや、多くの(あやかし)が入り乱れていました。

多くの配下を従えているのでここにいる王様たちは本当にVIPなんだろうなと考えながら歩いていると黒い蛇さんの一際大きな声が会場に響きます。

 

『おぉ!我が朋友よ。来てくれたか!こっちへ来てくれ、共にこの喜びを分かち合おう!』

 

「うるさいわね。言われなくても行くわ。(あっ、こんにちわー。人混みが大変なんでそっちに行きますねー。)」

 

すると、周囲の目が一斉に私に注がれる。

主賓から直接招かれたためかすごく目立っている。

賑やかだった喧噪も黒い蛇さんの一言から酷く重く静まり返ってしまった。

(えっ!?めっちゃ目立ってる!みんなお喋りしてていいよ!)

しかし、このマイボディ。

そんなことも気にせず石畳の上をかつかつと小気味のいい音を立てて歩く。

 

「お人好しも行き過ぎると目障りよ。(今回はお招きいただきありがとうございます。)」

 

『はっはっは!そう言うな。それが余の在り様故にな。』

 

「…そう、これあげるわ。(あっ!向日葵の花束です!他の贈り物と比べたら地味ですけどどうぞ。)」

 

『なんと!?幽香から献上品が出るとは!おぉ!此れこそ至上の宝ぞ!永劫に保管せねば!』

 

「やめて頂戴。花は枯れるから美しいのよ。(暖かいところに置いてくださいねー。その子達寒くなるとすぐ枯れちゃうので。)」

 

『ふむ。それも道理よな。…また拝受できるか?』

 

「そうね。あなたには百合なんかがピッタリじゃない?(いいですよ!この季節だと他には百合がおススメですかね!)」

 

『この度の儀。その後の楽しみが増えたな。朋友も参ったことだ。それでは儀を始めるとしよう。これから成すことは誰にとっても素晴らしき行いである。()()は無駄な争いをせずとも良いのだ。共に喜ぼうではないか。共に祝おうではないか。』

 

そう言って黒い蛇さんはなんかの儀式を始めました。

青い巫女さんがひたすらに黒い蛇さんに祈る。

そろそろ終わらないかなーと思ったその時、黒い蛇さんに向けて何人かの集団が突撃してきました。

それと同時に陰陽師か対魔師かわからない人たちが周囲の(あやかし)へと攻撃を仕掛けます。

咄嗟の出来事にもマイボディは無反応を示し、黒い蛇さんの上に乗ります。

やがて黒い蛇さんはその自重で泥砂に沈んでいくようにゆっくりとこの世界から消えていきます。

 

『何故だ。何故邪魔をするフレイムヘイズ!』

 

「…言ったじゃない。あなた優しすぎるのよ。(えぇー!どうしよう蛇さんが封印される!)」

 

『…朋友よ。(のち)の事は頼んだ。』

 

「嫌よ。私は誰とも群れないわ。…久遠の先で()()()()()。(えぇっと、封印とか分かりませんけど幻想郷に行くことになっても絶対解いてあげますから待っててください!)」

 

『はっはっは!()()()()()!風見幽香よ!』

 

消える寸前に黒い蛇さんから飛び、封印の範囲から出る。

豪笑と共に黒い蛇さんは消えていった。

残った私は日傘を天に掲げ鸚緑の極光を天に向かって放つ。

周囲で戦っていた者たちの視線が私に注がれる。

 

「気分が悪いわ。全員纏めて彼への手向けにしてあげるわ。(私怒りましたからね!プンプンですよ!)」

 

そこからは一方的な虐殺劇だった。

人型の者は彼の配下を除き全て攻撃した。

彼の配下の3人やドラゴンや大百足などいかにも(あやかし)のような者たちも加勢してくれて気が付いたら死体の山が出来ていた。

私の身体は返り血でいっぱいの赤に染まっている。

(こんな乱戦でも傷一つないマイボディ本当にハイスペック!)

その死体の山の上に立ち、笑みを添えて彼を送ってあげる。

 

「彼岸花なんてどうかしら?

 いや、蛇さんに合いそうな花を想像していたの。

(怒りに任せて暴れたけど虚しさがハンパないです。復讐は何も生まないって本当ですね。おうち帰りたい。)」

 

「おぉ、これが音に聞く『血染花』か。正しくその名の通り美しい華だ。」

 

ドラゴンが私のことを褒め称える。

 

「自在法も無しにただ己が存在の力のみでここまで圧倒するとは。」

 

大百足も続いて私のことを褒める。

 

「自在法?なによ?それは?なぜそんなに小賢しいの。弱い、つまらない、せせこましい、狡からいわ。それであなたたち、卵を立てたような気にでもなっているのかしら。能力の相性?馬鹿臭い。自在法?あなたたちっておばかさぁん? 質量の桁が違えば相性などに意味ないわ。やりよう次第で、弱者であっても強者(わたし)を斃せるとでも言うのかしら。嘆かわしい。くだらない。なんと女々しい。王道とは程遠い。絶望が足りない。怒りが足りない。強さにかける想いが純粋に雑魚なのよ。これが私。私に特殊な能力なんて必要ないわ。(えぇーっと、いつもマイボディが勝手に動いてくれてるんで特に何にもしてないんですよー。) 」

 

「風見殿。此度の助力感謝いたします。討滅の道具共はほぼ殲滅しました。」

 

「そう、じゃあ私は帰るわね。()()()()()()()()()()()()()()()。(もうお手伝いすることもなさそうなんで帰った方がいいですよね?)」

 

「はっ!三柱臣(トリニティ)一同一刻も早くその日が訪れるよう尽力します。」

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

大縛鎖編です。
勘違いが加速していくー!
ベルペオル視点の風見幽香がやばいことになってる。
とりあえずの書き貯めはここまでです。
中世の大戦やオリジナルストーリーなど色々描きたいところがあるので気が向いたら更新していきます。

ゆうかりんのありがたい御言葉に感銘を受けてイルヤンカはシンプルイズベストな自在法を極めるようになったとか。

ところどころ原作ゆうかりんの台詞を使ってるのでネタが分かると面白いかも。(天罰神のところとか)

最近ふとした時に、4作品もマルチ投稿していてどの作品から作者を知っていただけたのか気になってしまったのでアンケートいたします。ご回答いただけると読者層の把握、作者のモチベーションになる、他の読者様はどれをご覧になってるのかなど分かるので是非、お試しください。m(__)m

  • 英雄と敵の二重生活
  • 『風見幽香』な私。
  • 『AFO』はアホ、ハッキリわかんだね
  • 個性:斬島
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