prologue
〜二年前 とある惑星にて〜
「星杯戦争…奇跡の願望器を巡る争い。それに、私が…」
星杯戦争
異物が入り込んだ、曰く万能の願望器とも言い難い杯を求めて争う、宇宙を賭けた闘争。
遥か彼方に存在する星空界の中心部にある聖域「スターパレス」にて、全宇宙の均衡を保っていた《12星座のスタープリンセス》がある時何者かに襲われ、《12本のプリンセススターカラーペン》になって宇宙に散らばってしまったことが原因で起こった戦争である。
勝利した星は1人1人の人間の願いを叶えることが出来るが、敗北した星は即消滅してしまうという何とも恐ろしいものだ。
その闘いに星の代表格として選ばれた黒のフードに仮面を身につけた人物、シルヴィの驚きは素顔が見えなくても声のトーンで分かるほどだった。
「普通は各星々で名を挙げた奴が星の代表になるはずなんだが、まさかお前のような特に名も挙げてない奴がなるなんてよ」
謎の多きシルヴィの眼前で、ゴスロリチックな服に身を包んだ女、ラウラが片手にワインの入ったグラスを携えて断言する。
「…んだよ、信じられねえのか?自分が選ばれたことに」
ラウラの素朴な疑問に、シルヴィは歯切れ悪く応える訳でもなく頷いた。
「まあ、当然だろう……ラウラ、そろそろ話してやれ」
「仕方ねえ。シルヴィ、お前を呼んだのは他でもない」
「シルヴィ、今回話したいのは星杯戦争のことだけではない。こうしてお前とラウラを引き合わせた理由は他にある」
そう嘯いたのは戦争の審判役となる君主・ベルゼブブ。シルヴィが最も尊敬する人物である。
彼女の表情は、何処か遠くを見ているような鋭い表情だった。
「戦いに勝利すると与えられる星杯。だが、その杯は願いを叶えるための強大な力を手にしている。それが輩の手に渡ってしまえば、邪な願望を叶えられるかも知れぬ」
「……成る程。ならば、私はラウラ殿を勝利させる目的で参加すれば良いと?」
「そうだ。ベルゼブブの願望の為に、オレとお前で手を組んで敵を駆逐し、殲滅する」
ラウラの言葉に困惑するシルヴィ。
ベルゼブブの方へと目をやると、彼女は何も発することなくただ頷くだけ。
感嘆を通り越して呆れを覚えるものの、シルヴィは大方は理解した。
「その任務、承りました。ですが、一つだけ……星の代表を選抜をする星杯の意思というのは、一体どういうものなのですか?」
「星杯はより真摯にそれを必要とする者から優先的に選ばれるのだが……嗚呼、そうか。以前も星杯を求めない者がイレギュラーとして参加していたな」
「あーもうゴタゴタうるせえな。シルヴィ、お前はまだ何で自分が選ばれたのか分かんねえんだろ?」
ベルゼブブの言葉を遮るようにラウラが荒く問い掛ける。
「自分には願望がないーとか言ってるけど、内面だとどっかに強い願望がある。もうそれでいいんじゃねえの?」
「強い…願望…」
訳が分からない。
今の私には願望も夢も希望も、ましてややりたいことなんてあるはずがないのに。
シルヴィはこの問答で求められる回答以上が出ないと諦め、ラウラの言葉通りに結論付けた。
無論、内心で出た落胆の念は隠している。
「もう交渉はついただろ?用事あるから先帰るぞ…?二年後の星杯戦争、楽しみにしてるぜ……」
用事があると言いながら怠そうな表情を見せるラウラはそう言葉を残すと、背を向けこちらに手を振りながらこの場を去っていった。
二年後に行われる星杯戦争。その戦いで、もしかしたら自分が真に求めているものの答えが見つかるのではないだろうか…。
「シルヴィ、お前にはもう一つ話をしなければならない」
「話、ですか……?」
………
☆
聖域スターパレスで異変が発生した事から宇宙の危機を知らされた僕は宇宙星空連合として、宇宙を救う「伝説の戦士プリキュア」を探し出すため、宇宙妖精のスペガサッス・プララン・モフーピット・プリンセウィンクやプルンス、同じ連合の一員のララとともに宇宙の旅を続けていた。
のだが……
「オヨ〜…!」
「め、めっちゃ追いかけてくるでプルンス!どうにかして追い払えないでプルンスか!?」
「あんな数追い払える訳ないでしょうが!」
その旅の途中で突然、僕達は見覚えのない組織に襲われ、必死に逃げ回っていた。どうやら狙いはスペガサッス・プララン・モフーピット・プリンセウィンクらしい。
スペガサッス・プララン・モフーピット・プリンセウィンクという正直無駄に長い名前の生き物は、見た目は可愛らしいのだが、これでも聖域スターパレスに住まう12星座のスタープリンセス達が、星々の輝きを守る「最後の希望」として生み出した存在なんだそうだ。
奴らはそんなスペガサッスを捕らえようと厄介事を企んでいるのだろう。
そういうことで僕らは何とか撒こうと逃げ回っているのだが、ここで思いもしない最悪な出来事が起こった。
スペガサッスが何処かに消えてしまったのだ。
先程まで「フワ〜!」とか言いながら室内を飛び回っていたのだが、ふと目を離した隙にいなくなってしまった。
ララが行方を捜しているものの、後ろから襲ってくる奴らのことも気にかけなければならない為にパニック状態だ。
今日はもう踏んだり蹴ったりだ!そんな虚言を吐きそうになったその時に異変は起こった。
僕らの乗っていたロケットが右往左往に激しく揺れ始めた。
被爆したのか…とか思ったが、途端に景色が真っ赤に染まるとロケットがゆっくりと着陸した。
「な、何とか助かった……の?」
奴らの気配はしない……何処かにワープされたようだ。
だが、ここはどこなのだろうか?ロケットに内蔵されてあるAIに尋ねてみると、ここは地球という遠い惑星らしい。
「オヨ〜……オエッ」
「え、ララ大丈夫?」
突然、乗り物酔いだろうか、ララが嘔吐する5秒前のサインを出していた。
まあ、あれだけ激しく揺れたら気分も悪くなるよ。実際僕も上手く立ち上がれないし。
とりあえずララがもう吐きそうなのと少し外の空気を吸いたいので、外の景色に顔を出すことにした。
ていうか、地球の空ってこんなに赤いの…?それとも時間によって色変わるのかな?
「ワープされた上にこんな宇宙の端っこの地球にくるなんて……」
「まあ地球人に見られなかっただけマs(((」
見られなかっただけマシじゃない?僕がそう言おうとして顔を上げると、目の前にはスペガサッスと一緒にいる赤髪の地球人の少女の姿が……めっちゃこっち見てる。
「まずい、地球人に見られたでプルンス〜!」
如何でしたでしょうか?
めっっっちゃ中途半端に終わらせてしまった……。
冒頭のシーン明らかにいらないだろと思った方もいるかもしれませんが、一応元ネタはFate/zeroの冒頭の遠坂時臣と言峰綺礼のシーンで現状で入れたい描写がここにしかなかったもので……(笑)
キュアスターの登場シーンまで入れておきたかったのですが、次回にお預けということで。
不定期更新なので次回いつになるか分かりませんが気長にお待ち下さい…