伝説の戦士と片翼の天使   作:イタチ丸

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episode2 初めてのこと

「大丈夫…!?」

 

僕は無残にも落ちていくロケットの方角へと駆け出していた。

辿り着いて中に入ると、室内に目立った外傷はなく、多分飛べなくなったことにげんなりするララと何か面白いことがあったのかはしゃいでいる……え、何でひかるいるの?

 

「私達は大丈夫だけど、ロケットの損傷率92%……最悪ルン」

 

「でも悪い話だけじゃないでプルンス!伝説の戦士プリキュアがついに見つかったでプルンス!」

 

プリキュアって、あの宇宙の伝説の!?

いやでも、そんな簡単に見つかる筈が…。

 

「…え、あの、プリキュアってどちらに?」

 

「はーい、ここにいまーす!何かね、フワの力で光に包まれた途端、何でか歌いながら変身してたんだよ!?それに必殺技で敵をドーン!って倒して、もう凄かった!!」

 

「へ、へえ……」

 

歌いながらーとか敵をドーン!とかはまあ置いといて、まさかプリキュアに変身したのがひかるだとは予想だにしてなかった。

ララも前々からプリキュアになりたいーとか言ってたから、ついになったのかと思ったんだけど…それも込みで元気ないのかな。

 

「ねむねむフワ〜……」

 

いっぱい動いたせいか、疲れて果てて眠くなったフワはひかるが持っているトゥインクルブックの中に入っていく。

フワは眠くなったり疲れたりして休む際は大体このブックの中で休んでいる。自分の部屋みたいなものだ。

そりゃロケットワープさせたり、ひかるをプリキュアにしたりなんてしたら疲れるよ。よく頑張ったな。

 

「はい、これは預かるでプルンス」

 

「え?」

 

「トゥインクルブックは宇宙の危機を救う大事なもの。宇宙の宝でプルンスから」

 

そう言って、即座にトゥインクルブックを回収するプルンス。

対して、ひかるは何故か頬を膨らませて不機嫌そうにしていた。

 

「宇宙の宝物って……ダメ!宇宙の前に、私の宝物だもん!」

 

そして強引に取り返す。

自分が折角見つけたのに取られたのが嫌だったのか…?何か言い分が子供みたいだな…。

 

「なっ!宇宙の宝と自分の宝、どっちが大事でプルンス!?」

 

「どっちも大事に決まってるじゃん!」

 

「プルンスには、フワを守る役目があるでプルンス〜!」

 

「じゃあどっちも守る!それがプリキュアでしょ?」

 

「た、確かに…」

 

うわー、プルンス弱〜い…。

確かに今のひかるの言葉には圧倒されたけど、もうちょっと意地張ってくれよ…と心の中で無理難題を押し付ける。

 

「なら、フワを匿える安全な場所を紹介するでプルンス」

 

「なら、私の家へ行こ?」

 

ひかるの家か……てか地球人ってどんな家に住んでるんだろう?

 

「行くのは構わないんだけど、裏から入らせてくれない?」

 

「え、何で?」

 

「地球人に存在がバレたらまずいルン。宇宙法の決まりルン」

 

宇宙法

宇宙星空連合が定めている宇宙の法律。

その1つに『他の星と交流がない星では異星人の存在を秘密にしなければならない』というのがある。

そして、宇宙法を破ったら『宇宙の旅が100年間禁止』という厳しい罰が下されるのだ。

 

「じゃあ、ララちゃんやヘメラくんをみんなに紹介出来ないの?」

 

「残念だけど、そういうことだよ」

 

「ちぇー、つまんないのー」

 

僕だって、ひかるの家族がどんな人なのか気になる。

でも連合に入った分、法律は守らないといけないから…。

 

少しして、僕たちはひかるの部屋へと入っていく。

大量の書物に本棚、更には宇宙人の模型もある。これ全部ひかるの趣味なのかな…。

一冊手に取ってみたが…うん、読めない。しかも、この本に書いてある文字、字数多いし凄いカクカクしてるし…。

ララも一冊取ってみるが、そもそも惑星サマーンはAI頼りだから本なんて読む機会はない。読み方すらも分かっておらず困惑していた。

 

「これで知識を得るルン…?ヘメラの星といい、情報がアナログルン」

 

「うっさいな、アナログで何が悪いのさ」

 

「でもね、本って面白いんだよ?本を開くと、頭の中が楽しい想像でいっぱいになるの。私ね、宇宙に何十回も何百回も行ったことがあるの!」

 

想像…ねえ。

地球人はそういう想像するのが好きなのだろうか。

趣味が豊富なこと、少し羨ましいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひかるが夕食を済ませる為に部屋を離れてしまったので、僕とララは戻ってロケットの修理に徹底することにした。

全体的に損傷しているので、直すのに少なくとも数日はかかるだろう。

一刻も早く直して、12本のプリンセスカラーペンを集めないと…。

 

「ねえ、私がプリキュアになれる確率はどの位ルン?」

 

突然、ララがそんな疑問をAIに投げかける。

 

『ララ様がプリキュアになれる確率は…0.000000012%です』

 

何その確率、そこまで細かく計測されると0%でええわって気持ちになるな。

 

「じゃあ、星奈ひかるの確率は?」

 

『…0.000000012%です』

 

あれ、ララと一緒なんだ。

ってことは、ひかるはその0.000000012%の壁を破ってプリキュアになったってことだよな?

うーん、凄いことなんだけど、もしかしたら確率関係ないんじゃないか?

 

「ララちゃーん!ヘメラくーん!」

 

付近で聞き慣れた声が僕達を呼ぶ。

勿論、その声の主はひかるである。彼女の両手には大きな箱を持っていた。

 

「何しに来たルン?」

 

「差し入れのおにぎりだよ。お腹空いたかなーって」

 

箱の中にはおにぎりと呼ばれる三角状の白い物体が敷き詰められていた。

これが地球の食べ物、なのかな?なんか石みたいなんだけど。

 

「まあ形はあんまり良くないんだけど、美味しいよ?」

 

「うぅ…だ、大丈夫ルン!宇宙食のコスモグミがあるk「何これめっちゃ美味しい!」ちょっ、ヘメラ!?何食べてるルン!?」

 

「いやでもこれ、結構美味しいよ?塩味が効きすぎるかなって思うけど、普通に美味しい」

 

僕がこのおにぎりを美味しいと高評価するが、やはりララは地球の食べ物を警戒している。

 

「何事も経験が大事だよ。騙されたと思って食べてみなよ」

 

「ル、ルン……」

 

未だに怯えてるが、恐る恐るおにぎりを手に取ろうとするララ。

あまりにも食べるまでが遅いのでイライラしそうになるけど、仕方ない。これも経験なんだし。

 

「…オヨ!?美味しいルン!」

 

案の定、嫌がってた表情が嘘のように明るくなり、一口一口味わっている。

食べてすらいないのに物を嫌うのは良くないということがよく分かった。

 

「喜んでくれて良かった〜。でも2人って凄いよね、ロケット操縦したり、修理まで出来ちゃうんだもん」

 

「もう立派な大人ルン、これくらい当然ルン」

 

一応、僕とララの年齢は地球の年齢だと13歳らしい。

星空界では13歳で大人である。

勿論、大人になるとロケットやUFOの操縦が出来たり、宇宙の旅もすることが出来る。

だから、一刻も早くロケットを修理して、フワ達を連れて行く。そういう大人の責任が課せられている。

星杯戦争においてもそうだ。どんな願いも叶えられる願望器など凶悪でしかない。

星杯を消滅させる為にも、また全宇宙の均衛の為にも早く12本のプリンセススターカラーペンを集めないと……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ノットレイダー 本拠地〜

 

「先程カッパード殿から伝説の戦士プリキュアが現れたとの連絡がありました」

 

「あ?伝説の戦士プリキュア?何だそれ、正義のヒーロー気取り?下らねえ」

 

右目に眼帯を付けた女、ラウラは部下であるシルヴィの近況報告を聞いて呆れた声を漏らす。

 

「ですが、同盟を結んでいるノットレイダーの幹部でも簡単に仕留められないとなると中々に厄介な人物かと。共闘に向かいましょうか?」

 

「お前が行く必要はないだろ。奴らに適当に任せときゃいいんだよ。そんなことより俺が知りたいのは星杯戦争のことだ」

 

きっとこの方は星杯戦争が早く始まって欲しくてうずうずしている。

あの時から人間を潰すことに快感を覚えてしまっているのだろう、そう思ったシルヴィは淡々と続けて報告する。

 

「今回の星杯戦争はルールが変わっておりまして、星の数やその代表の数を問わず、多数の猛者と戦うバトルロワイヤル形式となっております。つまり、1つの星の代表が1人でも生き残れば勝者となるそうで」

 

「へぇ、バトルロワイヤルねぇ…。ヒヒッ、あの野郎はなんて俺得なルールに変えてくれやがったんだ。おい、もう戦争始まってんだろ?早くどっか潰しに行かねえか?」

 

「そのことについてなのですが、私はノットレイダーと行動を共にしようかと検討中でありまして」

 

「は?どういうことだそりゃ」

 

「先程仰いました伝説の戦士プリキュア。奴とその仲間はプリンセススターカラーペンを集めて、星杯を破壊しようとしています。それを阻止する為にも、自慢の暗殺能力を持つ私が行動した方が適しているかと思い、そのような考えに至りました。ですがラウラ殿は自身のお望み通り、自由に戦っていただきたい」

 

シルヴィの提案を聞いて、しばらく鋭い眼を見せつけるラウラ。

片目だけでも物凄い殺気が伝わってくる。もし眼帯を外されたら敵は必ず怯むだろう。

 

「…そういうの決めるのは、本来俺の役目だぞ。だがまあ、俺に好き勝手やらせてくれるんだったらそれでいい。勝手にやってろ」

 

「…有難きお言葉」

 

機嫌を損なわせてしまっただろうか、自身に背を向けスタスタと歩いて去っていくラウラの姿を、シルヴィはただただ見送った。

 

 




如何でしたでしょうか?
はい、私特有の出す出す詐欺が出ましたね。だって無駄に長くなっちゃうんだもん。

次回こそはミルキー出します!3話の内容も少し入れようか検討中です。
それではまた次回!
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