伝説の戦士と片翼の天使   作:イタチ丸

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更新してないうちに、追加戦士やら物語やらが急激に進んでいるという。モチベを上げなければ……!
それではどうぞ!


episode6 異星人の訪問

「大円卓の騎士団の一人…ってそれ本当でプルンス!?」

 

「オヨ……!」

 

「…まあ簡単には信じないとは思ったけど」

 

僕はララ達に、ヘーメラーという人物が何者であるかを話した。

 

大円卓の騎士団。

惑星キャメロットを拠点として宇宙上の様々な騎士団を寄せ集めた、この世の全ての悪を打ち払うことを目的とする最強の騎士団である。僕はその団体の一人であり、僕の家族もまた同じだ。

 

「まあ、実際のところ最強の騎士団なのかと聞かれると全く違うんだよね」

 

「それってどういうこと…?」

 

「確かに大円卓は剣術とか武術とかの実力が優れてる猛者揃いが多かった。でも、それぞれの騎士道精神がみんな違っていた。そんな理由で他の星の騎士と関係が合わなかったり、酷い時には裏切りもあったりした。そしてそのせいで、大切な何かを失ったりもしたんだよ…」

 

あの戦いがなければ、僕達は少しだけ変われたのかもしれない…

だがもうそれは過去のことだ。これから善い方向に変わっていけばいいのだから。

 

「とにかく今はプリンセスの力を集めることに専念しよう。そうすればあの邪悪な願望器を壊せるはずかもしれない」

 

「「…うん!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの一件から一先ず気持ちが落ち着いた翌日。

本日も僕とララは早起きしてロケットの修理へと取り組む。

 

「おはようララ、ヘメラ!」

 

「ん、おはよ〜」

 

「おはようルン、ひかる!」

 

皆で挨拶を交わし、ひかるは僕とララにおにぎり弁当を手渡した。

袋越しでも分かるくらいめちゃくちゃ美味しそうなおにぎりが数個詰まっている。今すぐにでも食べたいのだが、少し気になることが一つ。

 

「ひかる、出掛けるの?」

 

「うん、学校だよ!」

 

「「学校??」」

 

学び舎みたいな所かな…?

ララが無償にも学校に行きたそうだったので、ついて行ってみることにした。

 

前回は突発的に人通りの多い所へと来てしまったので、今回は遠征用のリュックを背負って翼を隠すように対策してきた僕。

翼があること以外は容姿は変わらない(と思う)ので異星人だとバレることはないと思うけど…気を抜かずに行動しなければ。

 

「ルン!これが学校?凄いルン……」

 

ひかると同じ制服を着て互いに挨拶を交わすたくさんの人々。

僕の通っていた学び舎よりも何十倍も大きい建物。

 

「私の星ではAIが何でも答えてくれるから、学校もないルン」

 

ララもこういった光景が新鮮に映るようだ。

確かに、あそこで色んな人と一緒に勉強するのを想像すると、凄く楽しそうだなと思う。

 

「おはよー!」

 

誰かがその言葉を発した途端、周りの視線がその主へと一斉に送り出す。有名人でもいるのかな?

 

「あ~っ!観星中の太陽、天宮えれな先輩……!」

 

えれな先輩…って、昨日商店街でひかるとララの喧嘩に止めに入ってくれた人じゃん。

 

「でも、どうして太陽って呼ばれてるルン?」

 

「それはね。太陽みたいに明るくて、笑顔がとっても素敵だから!そうだ!先輩にお礼言いに行こう!!」

 

ひかるはララの手を取ってえれなの方へと向かう。

お礼しに行くのは良いと思うんだけど、ここって一応敷地内でしょ?ララの姿を周囲に晒しても大丈夫なのだろうか…。

 

「おはようございます!」

 

「今日は先輩みたいにいいお天気ですね!」

 

「想いをポエムにしたためました!」

 

「「「先輩!!」」」

 

周囲からの人気が高すぎて中々近づけない僕達。

まあ太陽とか異名を持ってる人だから、そりゃ簡単には近づけられないよな。

 

……星のように遠い存在ってことか(上手くない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前が終わろうとしているこの時間、僕達は未だ学校に滞在している。

本当はすぐ様ロケットの修理へと戻ろうと思っていたのだが、

 

「学校でひかるが何してるか見てみたいルン!」

 

そう1人の少女に言われたことで、地球人にバレないように見学しているのだ。

始めは色々と危険だからやめとけと否定したのだが…あれだけ狭まれちゃ止めるのも気の毒だなと思い、僕は屋根から顔を出して覗くララとプルンスを下で見張っていた。

 

「あ、ひかるでプルンス」

 

「文字を書いてるルン」

 

「アナログでプルンスなぁ」

 

…毎度思うんだけど惑星サマーンが近未来的過ぎなだけなんじゃないのかな。

 

「次の人!」

 

「は~い!」

 

ララ達のいる建物とは違う所から賑やかな声が聞こえてくる。

中を覗けるような小窓があったので見てみると

 

「あれって……太陽じゃん」

 

先程話しかけ損ねた観星中の太陽、えれなの姿が。ひかる達とは違って身軽そうな制服を着て準備運動を行っていた。

そして、先生の合図と共に彼女は走り出した。

 

「よっと…!」

 

直前に逆立ちをし、跳び箱に手を突き跳ね上がると華麗に身体を捻らせる。

その時のえれなの姿はとても眩しく見えた。

 

「おー……」

 

余韻に浸る間もなく、歓声が館内を飛び交っていく。

言葉じゃ言い表せないくらいの素晴らしい運動能力だった。

あそこまで高く跳べるのはラビッタ星人くらいだと思ってたけど、地球人もあまり舐めちゃいけないな。

…あの人がプリキュアだったら凄く頼もしくなるかも((

 

「あの……」

 

「……え?」

 

今、めっちゃ至近距離で声を掛けられた気がする。

いやまさか、こんな小さい窓から覗いてることに気がつく人なんていな((

 

「どうかなさいましたか…?」

 

…紫髪の少女が僕を不思議そうな、キョトンとした目で見つめていた。

どうかなさいましたかと言われても、僕はただえれなが跳ぶ所を見てただけで特に怪しい者では……

 

「もしかして、道に迷われたとか…きゃっ!?」

 

いよいよ身の危険を感じた僕は、翼の力でララ達の方へと高く跳び上がった。

風圧によって相手方に迷惑かけてしまったと思うが…流石にそこまで考える暇もなかった。

油断したと後悔しながら脳内パニクらせている僕に、ララとプルンスは苦笑いであった。

 

「まどか、どうしたの?」

 

「あ、いえ、特に何でもありません(一体何だったのでしょうか…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラside

 

宇宙の果て。

闇に覆われたノットレイダーの本拠地。

 

「伝説の戦士プリキュアによってスタープリンセスが復活した」

 

「なんと…!」

 

どうやらこの河童野郎とあの天狗女共がもたもたしてたせいでスタープリンセスとやらが復活しただとか。

プリキュアは別にどうだって良いと思っていたが、スタープリンセスが絡んでいるんじゃあ話は別だ。あいつらは願望器である星杯を破壊するという訳の分からないことを企んでやがるからな。

こうなったら直接会ってぶっ殺してやろうと思ってたが、どうやらスタープリンセスのいるスターパレスは結界やら何やらで簡単には近づけないらしい。つまんねえの。

 

「プリンセススターカラーペンを探し出せ。あの御方が目覚めた時、強大な力が手に入る……」

 

あの御方…。

もしかしてこいつがスタープリンセスをぶっ飛ばした元凶か…?

んで、それが原因で星杯とかいう謎の(ぶつ)が生まれたと見た。俺の考察が正しければ、ノットレイダーって戦争に勝つのに意外と使えそう? 同盟組んで良かった感じ?

 

「ケヒャハハハハハ!そうそう、大事なのはプリンセススターカラーペンだっつーの!」

 

「アイワーン!」

 

そんなことを考えていると、何処からか耳がキーンとなりそうな程にうるさく甲高い笑い声が聞こえた。

あの1つ目の小さい奴、ノットレイダーの科学者みたいな立ち位置らしい。ただのうるせえガキかと思ったが、中々に達者な物を開発するんだとさ。

 

スッ、とその従者みたいな立ち位置のバケニャーンがお盆に置かれたおもちゃ……機械を俺達に差し出してきた。

 

「最新式のヒットレーダー。これがあればペンなんかすぐ見つかっちゃうっつーの!ケヒャハハハハハ!!」

 

「…いらね」

 

ポイッ、とレーダーを投げ捨てる。

 

「は!?何するっつーの!?」

 

「こんなおもちゃよりシルヴィのスキルの方が何倍、何十倍も頼りになるし。つーか、ガキの作ったおもちゃとか信用できる訳ねえだろうが」

 

「お前、あんまりアタイを侮辱すると痛い目見るっつーの」

 

そう言ってアイワーンはその単眼で俺に殺気を込めて睨みつける。

 

「おー怖い怖い。そんな顔してると子供の時点で皺出来るぜ?」

 

「あーもう堪忍袋の緒がはち切れたっつーの!よし決めた、ここでお前をギタギタのボッコボコにしてやるっつーの!!」

 

「上等だかかってこいや!後で泣きながらくたばっても知らねえから「やめろお前ら!!」」

 

そう言ってカッパードは既の所で俺の腕をがっしりと掴んだ。

対して、バケニャーンも高く突き上がったアイワーンの腕を取り、宥めようとする。

 

「今はそんなことをやっている場合ではないだろう!あの御方の復活の為にも、一刻も早く貢献するべきだ!」

 

…別に俺はあの御方とやらが復活しようがしまいがどうだっていいんだが。

まあ、確かにガキ相手にカッとなり過ぎたな。俺は大人しく拳の力を抜いた。

 

俺が安静になったことを察したカッパードは何も言わずに手を離すと、先程スタープリンセスについて伝えていたガルオウガへと向き合った。

 

「ガルオウガ様、お任せを…」

 

サッと決めポーズを取り始めた。

毎回思うんだがそのポーズ、超ダサいしキモいからやめろ。

 

「このカッパード。テンジョウやシルヴィとは一味も違う活躍をお見せしましょう」

 

「あ、ちなみに天狗女がまた探しに行ったから今日もお前の出番ねえぞ?」

 

「何っ!?」

 

ギャグキャラかお前は。

 

 


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