東方晴天録   作:あおい安室

10 / 32
今日、リメイク前のこの辺の話は消去しました。
ご了承ください。
あっ、そうそう。『ゆーむ@狐巫女』さんの『もし博麗神社にBARがあったら』のクリスマスの話に晴が登場しています。
この話よりも少し先の時系列の晴ですが、それでもよければぜひご覧ください。


第9話+:名無しという僕。

………僕は、驚きを隠せなかった。

目の前にいるのは、僕にそっくりな顔をした少女だった。

目の前にいる少女はローブで姿を隠していたが、それでも全体は隠せていなかった。髪は黒色で目は赤色だ。

ただ、顔つきはあっちの方が少し女らしかったし、髪型もポニーテールだった。そもそも僕が目の前にいる人が女だとわかったのは体つきだ。

胸が膨らんでいるという女にしか本来はない特徴があるから、女だとわかった。

それに、顔が僕に似ていても、僕の顔つきは正直男らしくない。僕は中性的な顔つきをしているから、少し女らしくしただけでかわいくなってしまう。

………悲しいけど。

それよりも、僕は彼女にもうひとつ気になった事がある。

肌が血の気を失っていて、見るだけで冷たくなっていることが伺える。

白い。まるで、人形の様に………

 

「………あなたの思ってる通り、私は人形みたいでしょう?ふふふっ………私は、あなたの影。あなたとして作られようとした人間のなれの果て。人形と表すのがふさわしい生き物、いえ、化け物よ?」

 

「え、あ、なっ………!」

 

「次にあなたは、何故考えていることがわかるんだ………と、言う」

 

「何故考えていることがわかるんだ………っ!!」

 

「あははっ………まっ、予想だけどね」

 

なんなんだ、この人………僕の影とか言った………

………まさか………ドッペルゲンガー?

 

「ドッペルゲンガーとかなら女である時点でそれはないと思うよ?本来ドッペルゲンガーは自分と瓜二つの生き物なんだから。でも………私はもしかしたら男だったかもしれないから、それならドッペルゲンガーと呼ばれるのにふさわしいかもね………」

 

「き、君は………一体………何者なんだ………」

 

「私?私はね………!」

 

そういって彼女は肩に乗っていた猫を何処かへ投げ、僕を押し倒した。

その瞬間、パァン、と乾いた音がした。銃声だ………!

ちなみに、猫は地面に綺麗に着地していた。

 

「な、何をするの!?」

 

「………はあ。しつこいよ?あなたたち」

 

少女は僕を見ていなかった。周りの建物と建物の間などを睨んでいた。

 

「へへへっ………さっすがキラードールと呼ばれるだけはあるな」

 

彼女の睨んでいたところから、人が現れる。

 

「だが、そのキラードールにも好きな相手がいるのには驚きかな………もちろん、恋人を殺された女として私はあなたを許さないけど」

 

………えっ、僕の事?

 

「その通り………まさか、こんなに簡単に会えるとは思わなかったぜ?これで簡単に仇が討てる」

 

「ああ。もちろん、逃がさねぇぜ?ここらだけだが20人はいるからな」

 

色々なところから人が現れる。最後にしゃべっていた人の言う通り、この辺一帯だけで20人はいる。

その人達は性別も、年齢もバラバラだったけど、なんだか野心を感じた。

………仇とか言っていた。もしかして、相変わらず僕の上にいる女の子は………人殺し、なのか?

 

「………殺意を向けてくるのはいいけど………戦うつもりは、ないからね!」

 

「うわわっ!!」

 

僕から降りた少女はすぐに僕を担ぎ上げて走り出した。

 

「あっ!逃げたぞ!」

 

「追えぇっ!!」

 

それを見た人達は一心不乱に追いかけてくる。というか………

 

「ね、ねぇ!下ろしてよ!僕関係無いよね!?」

 

「私は別にそれでもいいけど………あいつら、私に相当恨みがあってね?私の関係者だと気付かれたら、君、殺されるよ?」

 

「な、なら、謝ればいいんじゃないの!?」

 

「あははっ、そんな選択肢も昔なら選べたのかなぁ………昔、ならね」

 

その台詞を聞いた時、僕は背中に冷たい物を感じた。後ろから人はもう、追って来る様子はない。

ちょうど、もうこの路地裏から出て通りに戻れるところまで来ると、彼女は僕を下ろしてくれた。

 

「え、えっーと………その、お礼をいうべきかはわからないけど………ありがとう」

 

「ありがとう………か。初めて聞いたよ、そんな優しく、暖かい言葉………」

 

………この人は、何者なのだろうか。戦士とかそんな雰囲気は感じない。自分で言っていたように、まさに人形だ………

………人形?もしかして………あの、夢での………

 

「ねえ、君は………誰かに助けを求めた事はなかった?………酷い目に会いながら」

 

「助け?………ああ、あの時の、か。聞いてたんだ………」

 

!………間違いない………この子は、夢での、僕だ!

でも………

 

「………どうして僕に助けを求めたの?それに、あの酷い夢は君が見せてたの?」

 

「順に答えるね。助けを求めたのは………私が、辛かったから。あなたに求めたつもりはなかったよ。それと、酷い夢………きっと、私の記憶の一部を見ていたんだと思うけど………これも私が見せたつもりはなかった。なぜ見えたのか理由はわからないわ」

 

………一つ気になる。

 

「………そろそろ、君の名前くらいは教えてくれる?それに………君、無理をしてない?」

 

「私に………私には、名前は無いよ。親も、家族も、何も………私に優しくする人はいないよ」

 

………重たい。この子………なんなんだろう?孤児だったのか………?

 

「………後………私が無理をしているって………どういう意味かな?」

 

「………失礼かもしれないけど………君は、脆いように思えるんだ」

 

「………ああ、体なら、脆くないよ?あなたとは違って、私の四肢は全て機械で出来てるんだから。見せてあげる………」

 

そういって彼女はローブを脱いだ。彼女は腕と足と顔を除いたところが黒いスーツで覆われていた。

腕と足は、赤黒い機械で覆われていた………

 

「………これは、義手と義足。私を、強くしようとしたやつが、私の腕と足を切り落として、これにつけかえたの。だけど、普通の人間よりかは強くなれたよ?」

 

「………違うよ。心が、脆く見えるんだよ」

 

「………え?」

 

「君、言ったよね?僕の酷い夢は君の記憶の一部だって………なら、なんで、泣いてたの!?」

 

「そ、それは目にごみが………」

 

「嘘、だね………あの永琳に、酷い目にあわされた時の君は、脆かったと思う。なのに………どうしてこんなに明るいの?君は………何がしたいんだ?」

 

さっきから感じていたのは、それだ。何も、壊したくない、殺して、壊して………

そんなことを言うくらいに精神的に参っていたんだろう、この子は。

なのにこの子は………明るい。まるで、別の生き物のように………

 

「ふふふ………あはははっ!!!ヒーンートをーあーげーるーわーよ♪さてさて質問!私は、だーれだ♪」

 

急に、変な感じに笑い始めた………変に間延びしている、話し方………まさか………!!

 

「君は………あの夢の永琳!?」

 

「ふふー………せ・い・か・い♪」

 

僕は、何が何だかわからなくなってきた………




………それと一つ宣伝を。僕の従兄弟の人が作者デビューしました。
名前は『零丸』で、作品は『デート・ア・ライブ士道Remix』です。
興味があれば閲覧してくれると有難いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。