東方晴天録   作:あおい安室

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あけましておめでとうございますー。
今年もよろしくお願いします!
………今年は、少しでも感想が来ますように。


第10話+:終わりへ続くという一歩。

「それじゃあ………さ・よ・う・な・ら♪」

 

彼女は最後に言った言葉を聞く前に僕はとっさに後ろに跳んだ。彼女はなんと、右腕の中………つまり義手の中に短剣を仕込んでいたんだ。

左手でそれを抜いて、さっきまで僕のいたところに降り下ろされた。

………昔、前世で僕の友達の親子に鍛えられたのが役に立った………!

 

「っ、いきなり何をするの!?」

 

「あららぁ?かわしちゃうなんてだーめよ♪ちゃーんと壊されて私の人形2号になればいいのにねー!」

 

「そんなつもりなんてないっ!!それに、どうしてその体に永琳が入っているのかな………!!」

 

「んー?君、もしかして自分の影とか言われて親近感でも抱いちゃったのー?でーも、これは私のお・に・ん・ぎ・ょ・う♪あなたのじゃないわよ?」

 

………っ!!腹が立ってくる………!!!

 

「その子は僕の物なんかじゃないし、その子は人形扱いするな!それにその子に心はあったんじゃないのか!?まさか、それを壊したのか!?」

 

「くくくっ………いい返事ね♪大丈夫よー?このお人形の心………夢でのあなたが聞いた声の主はしっかり生きてるわよー?まっ、封印しているけどー?ちなみにあなたと会った時から私がこの子を動かしてたわ♪………さて、ちょうどいいから授業をしましょうか♪どーうせなんにもしらないんでしょうし!まずは、君………八意晴にとってこのお人形はなんなのでしょーか!」

 

すぐにでも僕は目の前にいるやつを殴り飛ばしたかった。

だけど………僕はこの子に勝てない。襲いかかれば殺される!!

本能でそう感じていて、手を出せなかった。

 

「………影、自分になろうとして作られた………SFすぎて馬鹿げてるけどきっと、僕を元にした生物兵器とかじゃないの?」

 

「ピンポーン!せいかーい!このお人形はねー?この街にいる色々な優れた人間の遺伝子とあなたの遺伝子を掛け合わせて作った、通称『シャドーズ』♪いろんな人間の影を合わせて作った感じだから『シャドーズ』、私のお人形だよー!元々のセンスもあるけどねー?なんといってもこの私お手製の義手に義足!これに付け替えれば運動能力は上がるし、義手と義足を動かないように遠隔操作すればこのお人形の逃亡も防げるすぐれものよー♪」

 

………ふざけてる!そんなのを、こいつは作ったのか………!!

 

「………じゃあ、あなたの、中の永琳の人格は誰なのかなぁ?僕は、夢であなたを見たんだけど」

 

「んふふー。正解のごほーびとして答えてあげるー!まず私の名前はね………『永終(えいしゅう)』、永遠に終わりを与える…………つ・ま・り永琳を壊す存在だよ♪あなたのお姉さんのクローン、コピーなのよー♪ちなみに私はオリジナルの永琳よりも身体能力はうーえ!もちろん私はだ・い・て・ん・さ・い♪最強よー!!」

 

っ………どこまで進んでるんだ、この世界は………!どこまで、歪んでいるんだ………!!!

 

「さてさて、第2もーん!私は何故、このお人形を使ってあなたに会いに来たでしょーか!」

 

「………僕を、連れ去ってあなたの人形にするため………とか?」

 

「ブッブー!ざ・ん・ね・ん・は・ず・れ♪連れ去りはしないよー?こ・わ・すんだから♪そして君を壊して作った人形で世界を変えるためだよー?」

 

………えっ?世界を………変える?

 

「そもそもこの人形は君の遺伝子をメインに作ったくせに特徴が違いすぎる失敗作なのー。それに急に左目が見えなくなったんだよ!おまけに黒い目になっちゃうしさー!」

 

………僕と似たような症状だ………でも、あの子の左目は、赤色………色は黒くない?

 

「この左目は偽物ー!くりぬいて機械を特急で入れたんだよ?どうせそろそろ目を改造するつもりだったし………それでね?私がくりぬいたの目を調べてみたら………なんと!君と繋がってる事が発覚したんだー♪何故かは知らないけど。だから、君について調べる事が出来た訳。そして、私は思ったの………君から作った人形で世界を変えられるってね!」

 

「………僕から作った人形で世界を変える?無理じゃないかなー。いくらなんでも僕は平凡な子供だよ?」

 

「んー?あなた私のオリジナルから聞いてないの?あなたは下手をすればこの街最強クラスの力が出せるのよ?」

 

なっ!?………なんで、隠してたんだ、永琳さん!

 

「だけど、その力を、このお人形は使えなかった………でも、このお人形は急に、君に体の性質が似てきてるのよ♪何故かは知らないけど?だ・か・ら少しずつ強くなってる訳♪おまけにあなたには特殊な能力があるみたいだし………もちろん教えないけどね!とにかくっ!!この子がその能力に目覚めるか、あなたさえ手に入れば、最強の人形がつくれる!そして、私は世界を変える!私を作った奴等への、復讐のために!」

 

………よく分からないけどっ!!

 

「っ………ふざけるなっ!!僕も、あの子も、あなたの人形なんかじゃない!!」

 

「あららー。口調戻ったわねー♪まっ、別にいいけどー?というか、もしかしてこの子に惚れたのー!?この子人形よー?馬鹿じゃない?でも、私の人形になるんだったらこの子を好きにしてもいいわよー?」

 

「ふんっ!人形になんて僕はならない!惚れたのか?そんなのはわからない!!僕はあの子が助けてと僕を呼んだから、あの子を助けるんだよ!!」

 

「ふふふっ!あっついわねー?じゃあ、その心意気を見せてくれたお礼に、一つ。ゲームをしましょう?このゲームに、あなたが勝てばこの子はあなたにプレゼント!だけど、あなたが私に負けたら………私の人形として死ねない一生を過ごさせてあ・げ・る♪どう?のる?のらない?」

 

「愚問、だね………のるよ。のらなかったら殺されそうだしね………」

 

「あははっ、いい返事ね、嫌いじゃないわー♪………それじゃ、えいっ!!」

 

彼女はすぐに僕の近くに迫ってきた。僕は反応することが出来ずに彼女の接近を許してしまった。

そして彼女は僕の体に短剣をつきたてた………

 

「ぐふっ!あ、ぎいぃぃっ!!い、た、いぃぃ……!!!」

 

短剣を刺された痛みで頭の中身が、真っ白になって僕は倒れ伏す。僕は必死に上を見上げて彼女を視界に捕らえようとする。

 

 

「ふふ、それじゃ、またあとで………あ、もしもし?倒れてる人を見つけました。場所は………」

 

彼女はどこかに平坦な声で電話をしていながら、僕を見下していた。

僕を、どうするのか、面白そうに考えているのかように………

僕は、それを睨み付けながら、意識を失った………

 

 

 

………ここは………暗い、場所だ。黒い絵の具で塗りたくったかのような、世界だ。

この世界に、何かが無いだろうか。僕はそう思って、調べ始めて、ひとつ、十字架を見つけた。

その十字架には、黒いベルトで口元以外を全て十字架にくくりつけられている少女が、いた。

 

「っ………ねえ、大丈夫!?」

 

僕は十字架の元まで走っていき、十字架を調べる。黒いベルトは全く外せなくなった。

僕は少女の顔を触って生きている事を確かめると、少女が小さく口を動かし始めた。

 

 

「う、ううっ………」

 

「良かった………生きてるんだね」

 

「あ、あなたは………誰?…………私の………オリジナル?」

 

「………うん」

 

僕は、その質問に小さな声で肯定した。この子は………シャドーズの………元の人格?

封印したって永終は言ってたけど………こんな風に、封印したんだ………

あいつめぇっ!!!!

 

「………ねえ、あの………永終の話、私も聞いてたんだけど………本当に………私を助ける、つもり………?」

 

「………もちろん」

 

「………わ、悪い事は、言わないから………やめて。すぐに………自殺して………生きてるうちにあいつに捕まったらあなたも………私みたいになるよ………死んだ方が楽になれるよ………?」

 

君みたいに………人形にって事か。

 

「………上等だよ。僕は、本来ここにはいない人なんだから。闇に堕ちても、いいよ?」

 

「っ、だけど………あいつの人形になったら死ぬより辛いよ………?戻れるのは………今しかないよ?」

 

「それでも、構わないよ………僕は一度死んだんだ。この世界で死ぬより辛い目にあっても、構わない。誰かを救えるのなら………」

 

「ど、どういうこ………っ!!きゃぁぁぁぁっ!!!」

 

「っ!!」

 

彼女を縛っているベルトが、急に赤く輝き始める。それと同時に彼女が叫んだ。

彼女にダメージを与えているのか………っ、どこまで狂っている!!あの人はっ!!

僕はベルトを剥がそうとして必死に力を加えようとするが、全くびくともしなかった。

彼女の口の中が切れたのかもしれない。血を口から吐き出した。それが僕にかかるのも気にせずになんとか剥がそうとした。

そうこうしているうちに赤い輝きは終わった。

 

「………はるっ………ほんとうに、たすけてくれるの………?」

 

「………もちろん」

 

「しぬかも………しれないよ?こわれれちゃうかも………しれないよ?それでも………いいの?」

 

「………うん。もう戻りはしない。君を助けたいんだ」

 

「………ありがと………おねがい………わたしを、たすけて………」

 

「………もちろんだよ。やってみせる………!」

 

そして、突然ふっ、と。彼女は闇の中に消えた。何故かは知らない。ただそれでも、彼女に届くように、僕は彼女のいた場所を睨んで決意するように言った。

 

「僕は………永終を、殺す………人を、殺すんだ。もう、戻れないけど………せめて、君に………」

 

終わりを、与える。苦しい人生に、人形としてのあなたに。

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