東方晴天録   作:あおい安室

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遅くなってすいません。
おまけに今回話を詰め込みすぎたと自覚しております。
執筆に時間をかけすぎた僕のミスです。
すいません。


第13話+:覚悟を、決めた。

「………んなぁっ!?」

 

落とし穴から落ちた先にあった景色に僕は絶句する。

それは………街、だ。いろいろな輝く看板に、建物にあるライトや照明がきれいな夜景を作り出していた。

どうして………こんな景色が、あるんだ。ここは………地下なんだったよね!?

………いや、今するべきことは考えることじゃない。僕は落下しているんだ。

僕はランチャーを下に構えて連続で撃ち、落下速度を落として地面に落ちる。

さすがに落下速度は零にはできなかった。僕は両手と両膝を地面に向かってつき出して落下した。

手と膝には鈍い痛みがあった。

体中が本当なら痛くなっているのだろうと考えるが、今の僕は痛みとほぼ無縁。

どんな痛みも行動に支障が出ない範囲の大きさに変えられている。

恐らくこんな状態でもまともに歩くことも走ることもできるだろう。本当に、僕は人間を辞めてしまったんだ………

 

「ふふふ………やっほー、オリジナル!」

 

「っ………03と………誰だっけ?」

 

「わざと!?わざとだよね!?」

 

「まあね………君は04、でしょ?」

 

いつの間にかいた、目の前で自分を見ている二人のクローン………黄色の髪の少女、03。青色の髪の少女、04の二人を睨みつける。

 

「………それじゃあ………始めましょうか………私達との、遊びを」

 

そういった03は手に持ったスイッチを押す。すると急に雨が降り始めた。どういうことなんだろう?

 

「………ねえ、せっかくだしここについて教えてくれない?」

 

「うん、いいわよ?それに04はまだここについて知らないし」

 

………04って………かわいそう、なのかな………

 

「そ、そんな目で見ないでよ!!」

 

「一人くらいボケがいた方が面白いでしょ?それが04って訳………ここはさっきまでいた場所のさらに地下に作られた街。戦いを面白くするために色々な仕掛けがされてる………この雨も、仕掛けの一つよ。………さあ、このくらいでいいでしょう?それじゃあ………いくわよ!!」

 

そういって03がナイフの様な物を左手に握りしめて………バチバチと、音を立て始めた。

 

「っ!!」

 

彼女からはいわゆる稲妻が発せられていた。何をするのかわからない。だけど………

ここにいたら不味い。それだけはわかった。僕はとっさに逃げようとした。

 

「ふふふ。戦いなら私は得意だしー!逃がさないよー!!」

 

「んなぁっ!!??」

 

僕はいつの間にか後ろにいた04に体を羽交い締めにされた。

け、気配がなかった………!!

 

「ど、どういうこと!?どうやって僕の後ろに………!!」

 

「それは、私の攻撃に耐えれたら………教えてあげる!!ライトニング・ランサー!!」

 

03は、ナイフの様な物を僕に向かって投げてきた。投げられた物体は、彼女の手を離れた瞬間、光に包まれた槍の様に、僕に向かってきた。

その時、僕の体を羽交い締めにしていた04が離れた感覚があった。

僕はとっさにランチャーを盾にしようと、前に構えた。

 

コツン。

 

………そんな音が聞こえた。途端に………

 

「ぐああぁぁぁぁ!!!!」

 

体じゅうが、痺れと、痛みに襲われた。

………い、痛い………体の中身を抉られる様に………痛い。

なんで………こんなにも痛いの?

 

「あらら、耐えちゃったのね。それじゃ、約束通り教えてあげるわ………04!!」

 

「うん、わかった!」

 

痺れと、痛みで体じゅうがまともに動かない僕を04はあっさりと押し倒して上に乗り、僕の両手を掴んだ。

ランチャーは拘束するときに邪魔だったのか、外された。

 

「あ………な…………」

 

「痛みで舌がうまくまわらないかしら?まあいいわ。耳は聴こえてるみたいだし………それじゃあ、教えてあげる………私達四体のクローン、通称『ZEROS(ゼロズ)』は特徴として体を色々変化させることが出来る………だから、私は、体を電気に変えれる。さっきの技はいわゆるレールガン………私の持ってる特殊な手袋を使って射ってるのよ………?04、何その目は」

 

「ん………オリジナルは、これから壊すんでしょ?そういうこと教えちゃっていいの?」

 

「これから壊すから。教えてもいいのよ。何かを覚えても意味が無いんだし。続けるわね?04は体を液体に変えれるわ。さっきのはこの子がこの雨によって出来た水溜まりに体を溶かしてあなたの後ろに行ったって訳………理解できた?」

 

「………っ。ねえ………なんで僕の体は、こんなにも痛いの………?」

 

僕は、痛みの抜けきらない体で何とか言葉を絞り出した。

 

「?………ああ、あなた痛みを感じにくくしてるの?それなら簡単よ?さっき私が投げたのはね、釘みたいな物よ。これは本来あなたに刺しただけならダメージはほとんどない………でも、私は、この釘にとてつもない量の電気を流し込んでる。だから、これがあなたに流れて………体の内側にダメージを与えた。あなたの痛み、体の内側までは消されてないみたいだし」

 

………っ………それなら………不味い。

でも………それって、君たちも一緒だよね!!

 

「っ、うわあっ!!」

 

体を一気に倒して04による拘束を解いた。すかさず僕は地面に倒れた彼女を掴んで両腕につけられた、シューター………その中にあるスタンガン機能を使い、彼女に電気を流し込む。

 

「っ、きゃああああぁぁぁぁ!!…………」

 

04が、静かになった。どうやら、気絶したようだ。僕は04を地面に放置したまま03の方を向く。

 

「………一人、仕留めたよ?」

 

「………まあいいわ、04は『ZEROS』の中でも最弱だし………それにちょうどいいわ………オリジナル、その子を殺しなさい」

 

………えっ?今、なんて………

 

「聞こえなかったの?04を殺しなさい。今ならあの子も気絶しているから楽に死ねるわ。大丈夫よ?その間私は手出しをしないから」

 

あっけらかんという様子で彼女は、言った………

 

「ふざけないでよ!!この子、君の仲間なんでしょ!?なんで殺せとか言うんだよ!!」

 

「ふぅん………ふざけてるのはそっちでしょうが………ねえ、オリジナル………あなたのせいで、何人、死んだと思う?」

 

「………何の話?」

 

僕は、さっきとは全く様子の違う彼女に臆せずに話を続けさせる。

 

「25431人。実際はもっと多い可能性が高いけど。5431人はマスター………永終がシャドーズを使って殺した要人。残りの19996人は、あなたの………クローン。私からすれば、兄弟、姉妹」

 

「っ!!な、なんでそんなに死んでるの!?」

 

僕のクローンがたくさんいた。重要なのはそれもだけど………どうしてそんなに、死んだんだ。

 

「………マスターは、クローンにも個人差があることに気付いた。それに加えて、オリジナルと比べたクローンの身体能力の劣化が激しかった。正直私の身体能力はあなたより劣ってるわ………それでも優れたといえたのよ、私達四人は。それで、その優劣を決めたのが作られた20000人のクローンによる、殺しあい………辛かった。だって、目の前にいて、殺すのも、殺そうとしてくるのも………まるで自分。気味が悪かった………」

 

「………」

 

「ねえ、わかる?目の前に、自分がいて、自分が死んでいくのを見ていく辛さ、悲しさ、空しさ。残った私を殺した自分達が言うのよ………私達を返せ。お前の命は私達の上に成り立った。だから、返せ、とね」

 

「………それと………04を殺す事になんの関係が?」

 

「決まってるじゃない。あなたにも、自分を殺させるのよ。それに………私達の命は、もう長くないんだし」

 

っ!!

 

「私達は、クローン。だから………命は短い。必要とされた理由も、あなたに対しての壁役。命は、それだけに使う。だから………見て、これ」

 

彼女は胸をはだけさせて僕に見せつけてきた。そこには、黄色い、宝石のようなものが肉体に埋め込まれていた。

 

「………これは、さっきの電気の能力の元。この宝石が埋め込まれた人間は、誰だって電気に体を変えたりできる。04にも埋め込まれてるわ。あっちは体を液体に変えれるようになる。そして………これが外されると………私達は死ぬ。この宝石は私達にとって心臓の様なものだからね」

 

「っ!!そ、それなら外さなかったらいいじゃないか!!」

 

「残念。これは付けていると寿命がかなり削られるのよね。私の命は多分………一年、持って奇跡。運が悪かったらあと一ヶ月。どうしようにもないじゃない?」

 

………そん、な。

 

「だから私は決めたの………私の残った命は………あなたを殺すために使わせてもらうわ」

 

彼女はそういってさっきのナイフの様な物を今度は三本構えて電気を貯め始めた。

 

「………っ………どうしようにも、ないの?君が死なない方法は………ない、の?」

 

「………ええ。言っておくけど私は後悔も何もしてないわ。それに………あなたがいなかったらさっき言った25431人は、死ななかったんだし」

 

………そういえばそんなに死んでたんだね………なら………

 

「君も、死んでくれるかな?」

 

「っ!!オ、オリジナル………あなた正気!?さっきまで殺したくないとか言ってたんじゃ!?」

 

「………僕は君に殺されたって構わない。僕がいたから死んだ人がたくさんいるんだから。だけど………僕は、永終を殺してから、僕は死にたい。永終は………逃がすわけにはいかないから。逃がしたらまた、シャドーズみたいな人が出るかもしれない………だったら僕は、一を殺すために十だろうが、百だろうが、殺してやる。それに、君、言ったよね………僕がいたからたくさん人が死んだんだって………」

 

「え、ええ………」

 

僕は彼女の答えを聞きながら、04を調べて宝石を探す。

 

「だったら、僕はその死んだ人達の恨みを、永終と自分にぶつけてやる………そうそう。君が短い時間でも生きたいのなら殺すつもりはないよ?でも………」

 

僕の邪魔をするなら別だ。

 

そして、僕は04の体にあった宝石を取った。すると、04の体は………砂になって、消えた。

………こんなにも、呆気ないのか。

 

「!!ま、まさか………あなた、04の宝石を使うの!?」

 

「………うん。これを使うと体を液体に変えれるんでしょ?なれないよりマシだよ」

 

「で、でも………それを使ったらあなたの寿命は………」

 

「減るだろうね。でも、いいじゃない………どうせ、この戦いが終わったら僕は死ぬつもりなんだから。僕は、いるはずのない人間。異常なんだ。消えたって構わないさ」

 

「っ!………ふふふ………何よ、あなた………私よりも、心は、強いじゃない………」

 

そういって、彼女は地面に崩れ落ちた。構えていたナイフの様な物は全て地面に落ちた。

僕は崩れ落ちた03に近付いて聞く。

 

「………僕は永終のところに行きたい。それを僕はまだ知らないんだ。あいつはどこにいるの?」

 

「ふふふ………01!02!………見てるんでしょ?………」

 

03がそういうと、ビルの上から残りの二人のクローンが降りてきた。そして、二人は僕を包囲するかのように近付いてきて、言った。

 

「………先に言っておく。俺は、お前を許すつもりはねぇからな」

 

「わかってるよ、01」

 

「ふっ、なら愚問だな………だが、オリジナル。1つ言わせてもらう………お前は弱い。お前もそう思うだろう、03」

 

「それについては納得よ。オリジナル、あなた戦った事はないでしょ?ここまで来れたのはぶっちゃけごり押しみたいだし」

 

「………わかってる。僕は、弱い。それでも………僕は行く」

 

「………おい、03。こいつの銃みたいなやつ、改造はできるか?」

 

ランチャーの事?なんで?

 

「ええ………一時間くれる?」

 

「ならば良し。オリジナル、しばらく特訓といこう」

 

………え?

 

「マスターへの道は教えてやる。だがお前が強くねえと、マスターに恨みをぶつけれないんだろ?」

 

「それなら、私達がお前を強くしてやる。7000人程殺した私達をなめるなよ?」

 

「見返りは、伝える物をしっかり伝えろ。わかったな!!」

 

!!

 

「…うん!!」

 

この時タイムリミットまで、後五時間だった。




次回は火曜日に投稿出来ればいいなと思っております。
それでは、また次回。
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