第1話+:晴という転生者。
「ふう………今日は暑いなぁ………夏休み最終日なのが嘘に思えるよ………」
そう愚痴をこぼしながら僕は道路を歩いていた。お使いの帰りだ。
「今日いったい何度くらい傾いてるんだろうなぁ………」
僕はそんなことを口にしながら下り坂に出た。しかしその瞬間、何故か急に足が痺れた。
「うあ、ああああああ!!!」
僕は急に足が動かなくなって倒れ、そのまま地面を転がっていく。そしてその時、僕の視界は真っ黒に染まった………
「う……ん……ここは………?」
僕は何故か入ってきた光で目を覚ます。そこはどこなのかわからない真っ白な空間だった。
「あ、起きましたか?」
そんな声を僕は聞いて聞こえた方向を見ると、粒子のような物が集まって青い髪でメガネをかけていて、白いローブを身にまとった女性がいた。
「ん………起きたけど………どちら様?」
「名前ですか?私は雷華(らいひ)といいます。まあそれは置いておくことにして、一つ言わせてもらいます。あなたは死にました」
………えっ?
「でも………僕雷華さんと話できたりしてるよ?」
「いいえ、あなたにはここにおける実体はありますが、あなたのいた世界にあるあなたの体そのものはもう死んでいます」
「えっと………足が痺れて転んだだけだよね?」
「そうですが、そのあと転がりながら坂を降りきった直後にトラックにひかれました」
………グロくない?それ………自分の死体を見たくなくなるよ………
「ですが、そもそもの原因である足の痺れは元々無かったんです。私はいわゆる神みたいな者で色々な人の人生を管理していたんです」
「へえ………そうなんだ。それで僕に何の関係があるの?」
「あなたの人生を手違いで消してしまった、つまり残りの人生がなくなったんですよ………そのためあなたが死ぬような事態が起きたんです。………ところで嘘だと思わないんですか?私の話?」
「え?………思ってないよ?理由はなんとなくだけど」
「そうですか……では話を続けます。このままでは申し訳ないので、あなたに生き返ってもらいます。ただ元の世界では肉体がもうボロボロなので無理です。そのため異世界に行ってもらいます。」
「え?僕大丈夫かな………?」
料理と基本的な家事くらいしかできる事ないけど………
「大丈夫です。安全なところに飛ばしますし、あまり無茶をしなかったら死にませんし…多分」
「え?今嫌な言葉が聞こえたんだけど?」
「大丈夫です。あ、それと、名前を考えてください。死ぬ前の名前はダメなんです。また、その名前についてもあなたはもう思い出せませんからね?」
言われて思い出してみる。友達の事は多分全員思い出せる。お母さんの事ももちろん思い出せた。
ただ、自分の名前についてどうも思い出せなかった………
「んー………そうだ………晴(はる)っていうのはどうかな?」
「晴…?いい名前ですね。理由はなんですか?」
「えっと。僕のこれからの人生が晴れる、つまり明るい物であるようにっていう意味です」
「へえ、いいですね………さて、そろそろ転生させます。」
「うん、わかったよ。」
「頑張ってくださいね、晴………」
そして僕、晴は白い空間から消ていった………
「うわっと!」
目が覚めた僕は薄暗い物置のような部屋にいた。安全………なのかなぁ?
「………体は変わらないんだ。小さくなりすぎてたら嫌だったしちょうどいいかな………」
僕の体は転生前と変わらない姿、小学6年生くらいの身長で服装とかも変わらなかった。
携帯電話とかそんなものは持っていなかったけど………
「でもその方がいいかな?さてと………これからどうしようかな?」
そんな事を呟いて近くの恐らく鉄製の棚に持たれかかる。
持たれかかった瞬間グラッという感触がした………嫌な予感がして慎重に棚から離れる。
「………この棚、すごい不安定なんだ………」
「ええ。結構古いし、中身は空っぽだから当然、軽いわよ?小さな泥棒さん?」
後ろから声と光がして思わず振りかえる。そこにいたのは色が赤と黒で上下共に赤色半分、黒色半分に別れてある服といういかにも奇抜な服を着た女性がいた。
「あはは………この家の住人さんみたいだね………」
「ええ。私の家に忍び込めた位の貴方なら、私の事は知っているから紹介はいらないわね?」
………すっごくいるんですけど。ここがどこなのかすらわかっていないのに。
「………あー。なるほど。雷華さんは僕を殺したいのか………ここ、安全な訳無いじゃんか」
「?誰について知っているのか知らないけど………ここは貴方にとっては安全よ?特に罠を仕掛けてないわよ?」
嘘だ。
「罠を仕掛けてる事とかを話す必要は普通殺す相手には必要ないと思う。というか他のところにはどんな罠があったんだ。落とし穴か。レーザーか。はたまた自爆装置か」
「ふふっ、一番最後は罠ですらないじゃない。落とし穴とかはあったけど。話した理由ねぇ………どうせ気づいてるだろうと言うことと………貴方みたいな子供なんて私でも処理できるからよ?」
最後の一言に思わず背中がゾクリとした。処理………まさか殺し?物騒な………
「えっと………降参、してもいいですか?」
「………えっ?」
「さすがに死にたくないですよ………というか生き返って早々に見たものが変な女性の人は笑えな」
そこまで言って固まった。頬のすぐ隣を後ろの棚に刺さった物からして矢が通っていた。
女性の方を見るといつの間にか僕に向けて弓を構えていた。
「………あぅ」
思わず、腰が抜けた。
「気になる事を言っていたけどをそれは後回しにして………変な女性………ね。私のどこが変なのかしら?」
自分でわからないの!?………黄色い救急車のお世話になることをおすすめしたいです。
「そう………返事はない上に失礼な事を考えていたわね?………半殺しの方針で行きましょうか」
そういって女性はすぐに僕に矢を放てる体制に入る。というかなんでわかったんだろう。
「ひっ!!………ほ、本物ですよ、ね………?」
「本物、ね。どう答えるべきかいまいちわからないけど殺し用じゃないわ。それだけは安心しなさいっ!!」
放たれた矢が僕に刺さって矢による激しい痛みに僕はよくわからない悲鳴をあげた。
そこから先は、あまり覚えていない………
どうでしたかね?ネタばらしすると元と永琳が全然違いますけど。
これについての感想をいただけると幸いです。