東方晴天録   作:あおい安室

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短いのは時間がなかったから。


第19話+:始まり?………かなあ。

「………へえ。腕をまた上げたわね。昔から不思議だったんだけどどうして晴ってそんなに料理がうまいのよ?貴族とかの出身には見えないけど」

 

「喫茶店………あ、言ってもわからないかな?紅茶とかケーキを楽しむ飲食店で働いてたことがあるんですよ。そこで働いてるうちに紅茶とかの淹れ方も勉強したんです」

 

軽食をとるのに程よい時間。ベランダにはテーブルと椅子が3つあり、そこには僕とエミリカさんと、エミリーさんがいた。テーブルの上には紅茶と軽く作ったフレンチトーストがあった。

ちなみにフレンチトーストはもう2つしかない。20個くらい作ったんだけどこの人達バクバク食べるから………

はあ。僕の分が殆ど無い………

 

『食べることのできない私への嫌味?怒るよ?』

 

「怒ったところでどうということはないじゃない。実体ないんだったら攻撃とかできないでしょ?」

 

『久しぶりに騒いでいい、晴?』

 

「やめてー!!やかましいことこの上ないからね!?一番被害を受けるのは僕だから!!」

 

『大丈夫。晴が万年筆をエミリカに向かって投げればいいから』

 

「いい忘れてたけど………その万年筆晴から離れすぎると声は出ないわよ?」

 

『ちっ』

 

舌打ち!?いつも思うんだけど夜って体がないのにどうやって喋ってるの!?

 

『知ってるわけがないよ?自分のことっていうのは一番わからないものだからね』

 

「誰がうまいこと言えと」

 

「はあ………少しは落ち着きなさいよ二人共。それはともかくいつか行ってみたいわね、晴の働いたお店に」

 

「あはは………いつか招待しますよ。できたらですけどねー」

 

僕からすれば異世界にあるからなあ………僕の働いた喫茶店、翠屋は。転生前の世界だからなあ。

そういえば翠屋のシュークリームの作り方結局覚えれてないなあ………

あれほど旨いものはない。

 

「ところでさ。最近晴って魔導書読んでるけど何に使うの?魔法使いになりたいの?」

 

「んー………魔法使いには少し惹かれますけど、やっぱり魔導書読んでるのは暇潰し的な意味が強いですからね。それに読んでると僕のエナジージュエルを使った攻撃とかに役立ちそうな記述もあったりしますから。自分のために読んでるけど魔法使いになるためには読んでないですかね」

 

「えっ………上級の魔法使いになりたくて読んでるんじゃなかったの?というか魔法使いじゃなかったの?」

 

「いつから僕が魔法使いだと錯覚していた?」

 

「出会った時から。不老不死だとか以前言ってたじゃない。魔法の中には不死とまではいかないけど寿命を延ばす魔法があるの。それを使ったんじゃないかなぁって思ってたんだけど………」

 

そもそも魔法の概念すらわかってないのに。見た目だけでいいんだったらエナジージュエルを使って体を炎にしてメラゾーマ!とかできるけど。

あとバギクロスとライデインもできるかな。

………竜王とか倒しに行くことにならないだろうか。

 

『竜王らしきものとなら戦ったことがなかったか?』

 

あれってヤマタノオロチっぽかったと思う。後は………まあ、どうでもいいかー。

 

「というか言わなかったっけ?僕が不老不死になったのはもともと不老不死だった人からその能力を奪ったんだって」

 

「それ聞いたのは私だけだと思う。エミリーって勝手に私の家に入ってた泥棒みたいなもんだし」

 

「人聞きの悪いことを言わないでよ。誰もいなかったら空き家だと思うわよ、普通」

 

エミリーさんって屋敷を僕が調べてたら地下室になぜかいたんだっけ。

まあ、僕が来た頃は蜘蛛の巣とか本当に多かったしなあ。そりゃあ空き家に見えるか………

 

「というか空き家だとしたらかなりでかい空き家ですよねー。そもそもエミリーさんの立場ってどうなるんだろ?」

 

「居候よ。私はここの主ね」

 

「そうですか。僕の立場は?」

 

「んー………雑用?」

 

「晴に勝った!」

 

「僕って執事じゃなかったの!?」

 

「じゃあ執事で」

 

じゃあ!?じゃあがついたら僕は執事なの!?

 

『そう熱くならない方がいいてさっきも話してたよね………晴。少し話がある。エミリカ達には内緒の内容だよ』

 

「え?わかったよ、夜。ごめん、少し席を外します」

 

「ええ、いってらっしゃい」

 

そういっても、エミリカさん達が夜との話を聞いてくるかもしれないから念の為に僕はベランダから離れた階段まで移動した。

 

「それで………話って?」

 

『ああ。話を聞いていて思い出したんだけど、少し前に晴の仕事の代役とか言ってたでしょ?代役で思い出したんだけど………確か私を改造した方の永琳の研究所に生体アンドロイドが一体有ったはずなんだ』

 

「………生体アンドロイドについて詳しく説明して」

 

『うん。私の体の改造されてた具合は覚えてる?』

 

左目が義眼で、四肢は全て義手や義足だったはず。

 

『生体アンドロイドは表面上は人間なんだけど、中身は完全に機械。人間の体の中身をくりぬいて中身を機械に置き換えてできたロボットで、人間の部分に機械を付けてた私とは全く逆のアプローチで生まれたんだ。本当は私の代役として使うはずだったんだけど、スペックが私よりも不安定だったのと、人工知能に障害があったことから封印されてたはずのシロモノなんだ』

 

「………それがどうかしたの?」

 

『………その生体アンドロイド、回収した方がいいと思うんだ。人工知能に障害があるって言ってたでしょ?その生体アンドロイドの人工知能は敵と味方を判別する機能が故障してたはずなの。いくら封印したとは言え、もう長い間経つ………封印が解けて、誰かを襲っててもおかしくないよ。もし封印が解けていたら私は被害者を増やしたくないし、一回、街に………戻るべきだと思う。まあ、晴の姉の方の永琳が回収した可能性もあるけどね………どうする?』

 

「………確か、僕らは出入りができないように入り口に続く通路を壊しながら帰ったよね?」

 

『あそこ以外にも入り口はあったよ。それに原始的だけど他の通路へ続く道を爆薬で無理やり作るとかでも潜入できると思う。それにもし誰にも入られてなかったとしても………さっきも言ったとおり、長い時間が経ってる。通路どころか何もかもがボロボロになってるかもしれないから、入れると思う』

 

「………わかった。………街の有った場所はわかる?」

 

『高いところから探せばいいんじゃないかな?02の風になる能力を使おうよ』

 

「了解っ………さてと、行きますか………久しぶりの旅に!!」

 

自分の部屋に向かって旅の道具を取り出す。それと霊夢からもらった服を身にまとってランチャーの動作確認を済ませる。

全てが万全になったのを確認し、ベランダの方に駆け出す。同時に僕は頭の中に02のイメージ………緑を思い浮かべる。

少し………体が軽くなったのを感じると共に、髪が伸び、緑色に染まった。

ベランダへの扉をバァンと開けて驚いた顔をしたエミリカさんの方を向く。

 

「エミリカさん!すみませんが、しばらくお暇をもらいます!やることができたんです!」

 

「………は?急に何を言ってるのよ?」

 

「………ちょっとした忘れ物を思い出したんですよ」

 

「忘れ物………わかったわ。まあ、とりあえずその忘れ物を見つけるのにはどれくらいかかるの?」

 

「とりあえず、二週間くらいですかね?」

 

適当だけど。

 

「ふーん………ま、頑張りなさい。私の手伝いはいる?」

 

『………いや、いいよ。これは私達の秘密だからね』

 

「そう………まあ、深追いはしないでおくわ。おみやげ期待しておくわ。いってらっしゃい、晴と夜」

 

「『………いってきます!』」

 

そして、僕は空高くを目指して………飛んだ。

風のように、速く。

 

 

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