感想は力です!
「………本当にごめんね。つい神奈子がカッとなっちゃって。こういうところを見て沙苗が育っちゃうと本当に困るんだけどなー。というか現在進行形で困ってるんだけどなー」
「うぐっ!!」
「いえいえ。これくらい大したことないですよ………恐竜に踏み潰されるよりもマシだ」
時間はもうだいぶ経っていて今はもう夕方。あの叫んだ後に僕の視界が真っ暗になったのは神奈子さんの神具、オンバシラというとても大きな木の柱に潰されたことだったらしい。
カッとなっていたとはいえ神奈子さんも手加減してくれてたのと体が頑丈だったことから大怪我はしなくてすんだ。
「夜さん夜さん。晴お兄さんってキチガイなんですかー?神奈子様のオンバシラに潰されて無事なのは初めて見ました」
「それは違うよ、沙苗ちゃん。晴さんみたいなのは変態なんだよ」
『………晴が聞いたら泣くよ?それどころか凹んで空間に歪みが起きるかも………』
「どんな生き物ですか晴さんって」
僕の事をなんだと思っているのか、あの三人。三人とはOHANASHIする必要があるかもね。
ちなみに三人は縁側でガールズトーク中。
夜の万年筆は僕の体から離してるけど、僕が何でもいいから力を注ぎ込めばバッテリーみたいな役割をしてくれるので離しても問題ないらしい。
僕と神奈子さんと諏訪子さんは部屋でお話中。ちなみに様付けで呼ぼうとしたらそんなにかしこまらなくていいと言われた。敬語も使わなくていいって。
フレンドリーな人達だなあ………好きだな、こんな人達。
「というか変態っていったら………諏訪子さんだよね」
「なんで!?」
「………どう見ても子供の諏訪子さんが子供を産むって………変態じゃないですか」
「認めざるを得ないね」
「沙苗ー晴と神奈子は晩御飯いらないってー」
「ごめんなさいそれだけは勘弁してください」
………だいぶ力関係がわかってきたかも。沙苗ちゃん>諏訪子さん>神奈子さんだ。
でも、表面上は神奈子さん>諏訪子さん>沙苗ちゃんだ。
ちなみになんで表面上神奈子さんが諏訪子さんよりも上の立場なのかというと、どうもさっき少しだけ話に出てた『信仰』というのが鍵らしい。
『信仰』というのは人間でいう血液とか栄養みたいな感じのもので、『信仰』………つまり慕ってくれる人が少ないと神の存在意義にも関わってきてあまりにも少なすぎると最悪神は消滅するらしい。
そこで神奈子さんは諏訪子さんから『信仰』を奪おうとして戦いを挑み、勝ったらしい。
でも、勝ったはいいけど諏訪子さんはどうも祟り神みたいな物で、『信仰』しないと祟りがくるって人々は思ったらしく、神奈子さんには思ったよりも『信仰』が集まらなかった。
そこでとった方法が表面上は諏訪子が今もこの辺をおさめる神だけど、実際その『信仰』は神奈子さんに行っているらしい。
これで人々が二人の神を『信仰』していることになり、戦いに負けた諏訪子さんも消えていないということだ。
諏訪子さんは現在隠居生活中。
まるでおばあちゃんですね!とふざけていったら「そりゃあ見た目はこれでも一応神奈子より年上だしねー」と軽く流された。
思わず抱きついてしまった僕は悪くないと思う。
驚いた諏訪子さんと神奈子さんが見物でした。
抱きついた理由が以前にエリカさんにおじいちゃんと言われて凹んだ事があって諏訪子さんが似た様な境遇なのにすごいと思ったからって言ったら諏訪子さんが同情してくれてエリカさんに飛び蹴りを決めていた。
すごいなあ諏訪子さん。あんな人になりたいなあ………
見た目はさすがにあんなのにはなりたくないけど。
「………それで、何を聞きたいんだっけ?私達の知ってることならある程度答えてあげるよ?」
「あ、それじゃあ………」
何について聞こうか。
候補は街についての情報。生体アンドロイドについての情報。あと………沙苗ちゃんとエリカさんについてかな。
「じゃあ、エリカさんと諏訪子さん達の関係について少し聞いていいですか?」
「いいよ。エリカについて話す前に………沙苗の能力について話さなきゃならないね。沙苗は今よりも小さかった頃に、能力の制御を誤って台風を起こしたことがあるんだ」
………え、台風?あれって技の名前じゃないの?
「いやいやいや。沙苗の能力………『風向きを操る程度の能力』には欠点があるんだ」
欠点………か。ちなみに能力というのはもうサイコキネシスみたいな超能力ということで納得した。
「沙苗の能力は風の大きさに関わらず、どんな風でも吹く向きを変えれる………それだけならまだよかったんだ。だけど風向きを変えると変えた回数に伴って風が強くなるんだ」
「………えっと。例えば最初はそよ風みたいだった風の向きを沙苗ちゃんが変えているとそのうち木とかを吹っ飛ばすくらいの風になる………という解釈であってます?」
「その通り。おまけに風向きを変えた回数だけ沙苗に負担がかかるんだけどその負担に風の吹く強さは関係無いからね。どんなに強い風でも操れるってことさ」
「………それは………」
「恐ろしいかい?実際、エリカがどうしてうちに来たのかは聞いてるのかい?」
「増水した川に流されていたのを拾ったって聞いてます」
「その川の増水の原因が、沙苗の起こした台風なんだよ。それにあの頃は沙苗はほとんど能力を制御できていなかったしね………」
………なんという事なんだろうか。
「それで、拾われてきたエリカを看病しているうちに今みたいに仲良くなったってこと。迷惑をかけた責任でもあるからね………その内エリカに面倒を見てやるっていったら相当悩まれたけど。私は娘が増える程度の感覚で言ったんだけど………ま、結局断られたしね。一生晴についてくって言ってたよ」
………えっ?一生?
「ほう。そいつはめでたいね………いいかい、晴」
よく状況がわからない内に神奈子さんに肩を掴まれていた。
「絶対に、エリカを泣かせるんじゃないよ?泣かせたら私は晴をボコボコにするよ?もちろん沙苗を泣かせてもね」
「え………理不尽すぎ「返事は!?」は、はいっ!!」
………色々おかしい。どうしてこうなったんだろう?………
まあいいか。もう面倒事について考えるのは止めにしよっと。これ以上は考えても無駄だろうし。
「それと、話は変わるんですが………諏訪子さんって、最近変わった建物とか殺人鬼みたいなのについて聞いたことはありませんか?神様なんだったら何か噂くらい聞いてるんじゃないかなーって思ったんです」
変わった建物というのは街のこと。殺人鬼というのは生体アンドロイドの事だ。
街はこの文化レベルでなら変わった建物の集まりに見られると思ったから。
生体アンドロイドは夜の知識が正しかったら今頃殺人鬼として呼ばれていると思う。
「うん?変わった建物ねえ………神奈子、何か聞いた事はある?」
「んー………ちょっと思い出せそうにないねえ………」
「そう………殺人鬼とかについてはちょっと難しいかな?」
「………どうしてですか?」
「最近凶暴な妖怪がたくさん増えているんだけど、そのどれもが相当な数の人間を殺してるからね。どれも殺人鬼ともいえる。その探してる殺人鬼に何か特徴は無いの?」
「………人型ってことくらいですかね」
「うーん………ちょっと殺人鬼って呼ばれるようなやつらには心当たりはないかな。強いって意味なら二つほど心当たりはある」
「一応両方共について教えてくれませんか?」
「いいよ。まず一つ目。ここから北の方にある山に妖怪の集落があるらしい。そこにいる妖怪はどれも強いらしいんだけど、鬼の四天王って呼ばれる奴等が群を抜いて強いらしいよ」
………四天王、か。一人じゃないみたいだし候補からは外そうかな。
「そして二つ目。ここから西にいったところに平安京があるんだけど、その周辺にある花畑に一人の人型の妖怪がいるんだ。そいつがものすごく強いらしい。その妖怪に近づかない限りは襲われないらしいよ」
………ふむ。候補の一つだね。
「それにしても………平安京か。なんだか懐かしいなあ………」
「………ん?平安京………あっ、思い出したよ晴!一つ変わった建物に心当たりがある!」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。平安京の近くに広い竹林があるんだが、そこはあまりにも広いから迷いの竹林って呼ばれてるんだ。最近その竹林の中で屋敷を見たって人がいるらしい。あと、そいつは建物の近くで赤い刀を持った死神を見た………とも言ってたらしいよ」
………屋敷、か。確認してみる価値はあると思う。しかし、諏訪子さんの情報も神奈子さんの情報もどっちも平安京がらみか………
この際どっちも確認してみるか。
………さーてと。忙しくなりそうだ………
「さーてと………晴、せっかくだから晩御飯も食べていかない?もうそろそろ夜だしさ。ゆっくりしていきなよ」
「あっ、そうですね………晩御飯、か………僕も何か手伝いますよ」
「おー。晴って働き者だねえ。おばあちゃん感心」
「あ、働かざるもの食うべからずな方針でいくので、諏訪子さんも働いて下さいよ?働かなかったらとりあえず壺があったら壺につめこんであげます」
「あーうー!?」
諏訪子さんがいい人+おばあちゃんになってる………だと!?
おばあちゃんポジションはマミゾウだろう!!