………僕は空を飛んでいた。
夜の夜景が下に見えていて、その景色がどんどん視界から流れていく。
僕は、その明かりに照らされないように飛んでいた。
僕は、自分の意思で空は飛んでいない。飛ばされている、といった方が表現が適切な気がする。
そして、何処かのビルの屋上に降り立った時。手が、視界に入ってきた。
その手は赤く染まっていた。血の色だ………
なぜか、涙がこぼれているような気がする。それが口に入った時、僕は………
すごく、冷たく、苦いと感じた。
「う………うぅぅ………」
………また、夢だった。僕はリビングの机に突っ伏して寝ていた。
確か………昼寝をしていたんだ。
………あの夢、なんだろう?………この間の玩具て言われるの夢の………続き?
でも、なんで………冷たいのと苦いのを感じたんだろう?夢ならありえないはずだ………
「なーに考えてんのよ。昼寝から起きたんだったらもっとしゃきっとしなさいよしゃきっと。ほら、冷蔵庫から出したコーヒー」
「あ、ありがとうございます………」
そういわれて僕は黒色の髪で長髪で、それと多分学生服を着た女の子から缶コーヒーを受け取って………即座に投げつけた。
「きゃうっ!?ちょっといきなり何をするのよ!?」
「うるさい!お前どこから入ってきたの!?そもそも飲み物取ってる時点で泥棒でしょ!?」
「え、ええ………って!あなた私の事聞いてないの!?」
知らない。僕はあの改造スタンガンを取り出して一気に謎の女の子と距離を詰める。そしてスタンガンを当てようと腕をつき出す。
「っ、ちょこまかと!!」
「ちょっ、人の話を聞いてよー!?ほ、ほら、私武器持ってないから!泥棒じゃないから!」
「うるさいっ!落ちろ!」
「ぬきゃー!???」
この女の子何なんだろう。スタンガンはかわすし。地味に動きがすごいし。
………ん?もしかして………
「………永琳さんの関係者?」
「そ、そうそう!!わかったら武器を納めて!それの威力がおかしいのは永琳から聞いてるから!」
「………とりあえず気絶させてから話は聞こうかな」
「なんで!?」
なんかウザいから。
数分後………
「………話をまとめると、永琳さんが自分の教え子でもある蓬来山輝夜、つまり君をこの家に呼んでいたから持っていた合鍵で入ってきていて、僕は昼寝していて君が入って来たのに気付かなかったと。で、現在に至る………と。そもそも不法侵入しないでよ。ヴィータさん呼ぶよ?」
「いや?永琳は普通に私が家で何をしていても普通に家に入って来るからね?おんなじ感覚で入っただけなのよ。後ヴィータさんは呼ばないで。呼ばれたら私ペチャンコになるから」
………スタンガンで気絶させてから起こしてすぐの会話がこれ?このなんとなーく常識とはかけ離れた感。永琳の教え子だと確信する。………ん?なんで潰すからヴィータさんの発想が出たんだろう?まあいいか………
「すごい失礼なこと考えなかった?」
「考えてないです………というか元がそれなら潰されても変わらないと思うよ?」
何がって?むから始まって、ねで終わる物が。
「よし、表に出なさい。投げ飛ばすわ」
「やだよ。痛いの嫌いなんだから。というか今永琳さんはおつかいに行かせてるから。というわけで帰ってくださいミセス、ぐーや」
「何そのあだ名!?」
「輝夜→かぐや→ぐや→ぐーや、ご理解いただけたらとっとと帰れ」
「言われなくても帰るわよ!だいたいなんでそんなに私を言葉いじめるのよ!?」
いじめてオーラが出てるから。
「訳が、わからない………ん?ちょっと待って。あなた永琳をおつかいに行かせたって言わなかった………?」
「ん、言ったけど?それがどうかした?」
「………嘘よね?あの家事ニートの永琳がおつかい?どうやって行かせたの?」
家事ニートって。間違ってないけどさ。
「行かないとご飯を作らないと言っただけだよ?永琳もいい加減おつかいくらいは行ってほしいしね」
「………何この子?もしかして私、夢を見てるのかな?」
失礼な。スタンガンもう一発いく?
「勘弁してください。後、永琳はお使いに行ってるのよね?どれくらい前に行ったの?そろそろ帰ってきそうなら私玄関で待つから」
「ん、30分くらい前だからそろそろ帰ってくると思うよ?」
「そ。サンキュー、はるぼう」
何それ。
「晴とでくのぼう、合わせて………?」
「………ぐーや、歯を食いしばれええぇぇぇ!!!!」
「あっははは!!!」
そしてその光景を永琳に見られた時、『兄妹?』と言われた。
ぐーやが妹って。心労で倒れそうな気がする。
このイタズラっ子。いつか本気でボコボコにしてやる………
永琳の部屋………夜………
「それで、どうだった?私の弟。面白いでしょ?」
晴が寝たころ。私は呼んでおいた輝夜と話をしていた。晴には学生である輝夜の進路相談ついでに色々補習をすると言っておいてある。
「面白いって………まあ、色々言ってくるから言い返したりするのは楽しかったし。いつも一緒にいろとか言われたら無理だけどたまにならいいわよ」
「ふふっ、あの子友達いなさそうだからあなたを差し向けてみたのよ。都合良く私にはおつかいに行けとか言ってきたし。録画しておけばよかったかしら………」
「割と勘弁してよ………そろそろ本題に入りましょ?」
その言葉を聞いて私は気を引き締める。そもそも今回輝夜が来たのは私が頼んでおいた事について、報告をしに来たのだ。
そもそも彼女、意外な事に機械にかなり強かったりするからハッキングはお手のもの。そこで得た情報をいつも報告してもらってる。
「まず、一件目。まだまだ実験段階だけど人間をデータ化させる技術は研究されてたわよ。ただどうも理論的に完成してないみたいだし、奴等、『科学以外の何か、別の技術でもあれば………』とか言ってるわ」
「そう。一応研究書類は?」
「もちろん入手してる。私の渡した宿題を解析すれば情報は出るからね。二件目。ここ最近、指示されたエリアの電力の異常供給が確認出来たわ。目的は………調べきれてないわ、ごめんなさい」
「別にいいわ。それより………三件目、晴のデータについては?」
「………閲覧履歴はいつも通りの検査でついてたから不自然じゃない。ただ………遺伝子がコピーされた可能性がある。それもかなり低い確率だけど」
「………そう」
私は、その報告を聞いて悩む。
ここ最近晴についてのデータを集めてるやつがいる可能性があったから検査を頼んだんだけど………
やっぱり、ね。
「というかさ。あの晴の遺伝子ってぶっちゃけ永琳の遺伝子とここにいる人間の劣化したやつが混ざってるだけでしょ?盗まれても問題ってある?」
「ええ。あの子の遺伝子は確かに劣化しているように見える。だけど、本当は違ってた………あの子の身体からして恐らく相当なリミッターみたいなものがつくようになるのよ、あの遺伝子で作られた人間は………」
そう。薄々気づいてた事だが、晴のいた世界の人間にはかなり体や脳にリミッターがかかるようになっているのだ。
晴から聞いたその世界の話からすると恐らく闘争本能がおさえられつづけた事により身体能力が不必要とされ、抑えるためにリミッターの様なものを無意識に作り出しているのだろうと私は推測する。
ちなみに私のいる世界の人間にはリミッターらしき物はない。
力は自己管理できるように教えられているのだ。
「でも、それだけなら「リミッターさえ解除できれば身体能力はこの街で最強ランクの可能性がある………といったら?」!??そ、それって………不味いんじゃ!?」
「ただいくら身体能力が高くても技術が伴ってなかったらそこら辺のチンピラレベルかもしれないけど………でも、厄介にはかわりない………」
「………継続調査しておくわ」
私はそれに同意する。しかし………晴の遺伝子の秘密に気付いたとは………
まるで、私の様だ。仮に、私のクローンがいるとしても………それは、どこにいるのか。
いくら考えても決着が着かない。
………せめて、この問題は私と輝夜だけで解決したい。
晴を、巻き込む訳にはいかない。
まずは、これを見てほしい。
【挿絵表示】
真ん中のは新しい晴の衣装です。僕の友人に昨日『晴と夜』のイラストを頼んだらもう晴の服のラフが来ました。
すげー………
ん、左の?一部元にしたMGSというゲームの主人公、ソリッドスネークのイラスト。公式のやつをプリントアウトしました。
………右側のやつ?これが何かわかったらすごいですよ?