ヤバい……ネタが……ネタが思いつかない……!!
第4話−飲み込まれた荷物とキレた業者と潜行竜−前編
商業都市クリュネル、『銀の飛竜亭』フロントにて。
「荷物が飲み込まれたぁ?」
そう聞き返した長髪の青年。その髪色は美しい白色。
このギルドのマスターであるシルヴァはその依頼内容に疑問を抱いていた。
「はい。依頼主の業者さん曰く、積み荷をこの街に運んでいる最中に目の前の地面から突如大きな口が現れて荷物を持っていかれたんだとか。」
こう報告したのは、このギルドの受付嬢兼店員であるカーディナである。
「真逆……ハプルポッカかな……?」
ハプルポッカとは、砂漠に潜むモンスターだ。地面から突如現れて、さまざまなものを飲み込んでいく。その被害によく会うのが、物流の要である業者達なのだ。
依頼の文面はこうである。
『あの魚野郎!俺達が荷物を街まで運んでたときだ。地面から突如現れたと思ったら、積み荷を全部持っていきやがった!!アイツだけは許せねぇ!!野郎、ぶっ殺してやらァァァァ!!!と、キャラバンのリーダーが叫んでて大変なんです。このままでは、リーダー自らモンスターに突撃して逝きかねません!どうか、モンスター討伐をお願いします!!』
「なんというか……。すごい文面だね……。」
「それほどお怒りになっているのでしょうねぇ。」トオイメ
「よし、彼女たちに任せてみるか。」
そう言うと、シルヴァはこの依頼を任せるギルドメンバーに連絡を送った。
−2日後−旧砂漠にて−
「ふぃー。やっと付いたぜー。」
「もう、女の子がそんな言葉遣いしちゃだめでしょ?」
「……。眠い……。」
三者三様の言葉でベースキャンプヘ到着した3人のハンター。
彼女たちの装備は、砂漠の暑い日光を反射し、ギラギラと輝いていた。
「で?ハプルナントカはどこにいるって?」
そう言った男勝りな口調の女性『ストレナ・ヴェリアル』
太刀を使用する実力者のハンターだ。
「確か……。エリア4だったかしら〜?」
この間延びした喋り方をするガンナー装備の彼女は『フリア・リンドウ』装備している武器種は、機動力の代わりに威力に重きを置いたヘビィボウガンである。
「眠い……。寝てていい?」
そう言った剣士装備の少女。背には長い棍−操虫棍−を装備し、右腕には猟虫と呼ばれる虫がとまっている。少女の名『ヴァルトラ・エリン』。弱冠15歳で上位ハンターに登り詰めた天才である。…………ノンビリしすぎの性格が偶に傷だが。
「まぁ、とりあえず探してみようぜ。」
「そうね。行きましょうか。」
「(。-ω-)zzz. . . (。゚ω゚) ハッ!」
「おいエリン、寝るな。」
「私だけ寝てちゃダメ〜?」
「ダメに決まってるでしょ〜?依頼受けてるんだから(威圧)。」
「うい。」
−1時間経過−
「見つかんねぇじゃねぇか!!」
「おかしいわねぇ。この辺りにいると思ったんだけど〜。」
「居ないんだったら……帰ろ?」
「ンな事出来っかよ。ちゃんと依頼は完遂する。ギルドの方針以前に、ハンターとして重要なことだろうが。」
「それくらい分かってる。今のはジョーク。」
「エリン、貴女が言うと冗談に聞こえないのよぉ?」
「アーーー!!!さっさと出てきやがれってんだ!!」
そう言うと、近くにあった砂山を蹴るストレナ。
蹴られた砂と、血飛沫が飛び散る。
「「「…………血???」」」
「グルアアアアアアア!!!」
「「「出たァァァあああぁっっ!!!」」」
潜行竜パプルポッカ。砂に潜って移動し、獲物を飲み込むモンスター。よく商業キャラバンが被害に会い、荷物を飲み込まれることがよくある。
このモンスターは、偶に砂山に擬態していることがあるのだが、ストレナはどうやら近くに大量にあった砂山から一発で本物を引き当てたらしい。
「どどどどど、どうする!?いきなり出て来るなんて聞いてねぇぞ!?」
「モンスターが今から出ますよ〜なんて報告するわけ無いでしょーー!!」
パニックになる一行。不意打ちすぎて心の準備が整っていなかった。
「魚……。ムニエル……。ジュルリ」
……一人例外もいたが。
そんなやり取りをしている間にもハプルポッカは地面へ潜ってしまった。
「!クソッ。あの野郎、どこに消えた!?」
「……下。フリア、ストレナ、回避。」
その指示に従った二人がそこから離れた数秒後。大量の砂とともに姿を現したハプルポッカ。悠々と中を舞い、空中から急襲をかける。
「エリン!ストレナ!目を閉じて!」
その直後、周囲を閃光が照らした。
「ガアアアアアアアア!!」
閃光玉。雷光虫と呼ばれる光を放つ虫と、素材玉を調合して完成するアイテムだ。投擲すると、周囲に閃光を放つことでモンスターの視界を奪うことができ、モンスターに反撃する隙きを作ることが出来るのだ。
「よっし!さっきはよくもやってくれやがったな!!」
そう言うとストレナは背負っていた太刀を抜き、ハプルポッカへと斬りかかる。
「ガアアアアアア!!」
視界を奪われ、相手が何処にいるかを把握できないハプルポッカは、突如自身を襲った痛みに苛立ちを覚えたようだった。暴れまわるが、その攻撃が3人に届くことはない。
バンッ!!
轟音と共にハプルポッカに弾丸が炸裂し、爆発した。
「うふふ。痛かったかしら〜?」
ストレナが放ったのは、鉄甲榴弾。着弾した数秒後に爆発する特殊な弾丸である。
「二人にばっかり美味しい思いはさせない。行って、フラッガ。」
そう言うと、エリンは右腕にとめていた猟虫を、ハプルポッカに付着させた印玉目掛けて飛翔させた。
彼女の使用する武器、操虫棍は、単体では強い武器ではない。低い威力の斬撃を、手数でカバーする武器だ。そして操虫棍最大の特徴は、猟虫を使って、モンスターからエキスを採取することで自身を強化するのだ。エキスには4種類あり、赤・白・橙・緑。この内の緑を除く3種類を組み合わせて立ち回るのが操虫棍なのだ。
「グゥアアアアアア!!!」
視界が回復し、自身を痛めつけた敵の姿を再び認識したハプルポッカ。その目には、敵に対する憎悪が浮かび上がっている。
「さぁて。あちらさんもそろそろ本気みたいだなぁ。」
「まぁ、手早く済ませましょうか〜。」
「ん。了解。ムニエルのためにー。」
三者三様の言葉で狩猟開始を宣言した彼女たちは、声を揃えてこう呟いた。
「「「一狩り行くぜ(わよ)(よー)!!」」」
−後編に続く!!−