【艦隊これくしょん】「雨」合同作戦誌【合作】   作:ウエストポイント鎮守府

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護衛と保護

バタンと扉を締めると彼女はそこから飛び起き来た方向とは違う壁を背に座り込んで途切れた息を必死に整えていた。彼女の相方は既に大切な護衛対象(提督)を地下にあるシェルターに連れ込んでいる。 先に入っていた基地警備隊の生き残りである一等兵はまだ体力的な余裕があるのか出来たてのほとんど何もない倉庫内にあった使えない旧式艤装木箱を盾に5.56mm機関銃MINIMIの弾薬ベルトを交換していた。まだ息の整っていない彼女は自身の89式小銃のマグを横から見て残弾を確認した。10と書かれた穴からは弾が見える。彼女は少し悩んだ末マグを交換した。MINIMIのベルトを交換していた彼は少し間取り、何度かベルトの位置を調整してからやっとカバーを閉じチャージングハンドルを引く。バイポッドを立て木箱の上に乗せると、左腕で濡れた目元を拭いた。

彼女の相方が地下から上がってくる。

 

「不知火、提督は?」

「シェルター内に。腕の負傷はとりあえず応急処置はして置いた」

 

不知火は血に濡れた手袋を振り、折曲銃床式の89式を手に取った。光学サイトのバッテリーを確認すると階段近くで伏せ追ってきている敵を待った。

彼女、陽炎はいつも通り口下手な相方に溜息を着くと妹を見習い89式を構えた。ここまで来る際に偶然合流出来た基地警備隊の一個分隊とともに、小隊規模の敵と交戦。それなりに死傷させたが分隊は壊滅、提督も利き腕を負傷してしまった。今の状況を考えると、かなり辛いと陽炎は考えるが下手に通信をして位置を晒したくない。グラーフと合流すれば楽になると理解しても、それは提督の望みではない。

 

「もうちょっとでいいから自身の身の重要さを理解して欲しいわね」

「提督のことかしら? 医療技術と戦略だけで運良く上がれた彼女にそれを求めるのは無理ね」

 

不知火の辛辣な言葉に陽炎は苦笑するが、否定できなかった。優しい心に自己犠牲精神が加わり、開発初期から艦娘と関わっていた彼女に求めることではないのかもと陽炎は考える。

さらに口を開こうと不知火を見ると、彼女の掌がこちらを向いていた。もう片方の手は耳に当てられ目は細く遠くを見ている。

陽炎がそれに倣い耳を澄ますと、僅かながら足音が聞こえる。大勢の足音だ。そこに金属がぶつかり合う甲高い音も聞こえる。

不知火が状況把握のためダンボールを貼られた窓の隙間から除くと敵の集団が見える。

 

「敵、小隊規模」

 

陽炎はハンドサインを使い、階段内まで下がるよう二人に指示を出す。一等兵がMINIMIを荒々しく持ち上げ、階段下に転がっていく。不知火は滑り込み89式だけを器用に晒す。最後に陽炎は退避経路を確認すると外にいるであろう敵集団に向けて5.56x45mm弾を扉越しにお見舞した。

即座に反撃の銃弾が横向きに雨あられと降り注ぎ陽炎は床に伏せながら、数少ない木箱を盾にし階段へと向かう。89式のマグを交換する手間を惜しみ9ミリ拳銃を扉に向け放つ。陽炎の頭上を多数の銃弾が通過していく中、不知火が援護のために横にした89式の三点バーストで外に向けて撃つ。しかし、効果は見られず逆に雨は酷くなる。必死に隠れようと逃げる中、陽炎の髪が銃弾で断ち切られた。

 

「陽炎!」

 

宙を舞う髪の毛を見て、不知火は頭を撃ち抜かれたかと思い目を見開く。次の瞬間、右のツインテールが消えた陽炎が階段に転がり落ちてきた。

 

「はぁ、はぁ、危なかった……」

「秘書艦、無事でしたか」

「あと数センチずれてたら死んでたけどね」

 

陽炎は傷がないか見ようとする不知火の手を払い除けながら言った。彼女の綺麗な橙色の髪には赤い色は着いていない。それを知っていながら、きちんと目視で確認したにも関わらず不知火は確認せざるを得なかった。

 

「この後はどうするんですか?」

「一等兵、そう焦らない。引き付けるわよ。不知火、いつまでもしてないで機関短銃用意して!」

 

陽炎が9ミリ拳銃を仕舞い、89式のマグを腰のポーチから取り出しそれを右手で掴んだまま刺さっているマグを抜き取り、新しいのに交換して空のマグをポーチにしまう。89式を傾けチャージングハンドルを少し引いて初弾を装填すると抱き抱え、銃弾の嵐が収まるのをじっと待った。不安そうな顔をした一等兵も、わかりにくいがやや不満げな顔をした不知火も塹壕の中で待機する攻撃部隊の兵のように、待った。

長く感じた数秒が過ぎると嵐が止み静かになる。

陽炎が心の中で数秒数え二人に小声で指示を出す。

 

「行って、行って。位置に気をつけて」

 

真っ先に一等兵が駆け出し、穴の空いた木箱の影へ戻る。不知火がコンクリート製の柱の影に入り込み、陽炎を移動する二人を援護した。扉は姿こそ見るも無残なものになったがまだちゃんと機能している。

 

「引き付けたいから隠れて」

「了解」

「了解です」

 

準備が整うとそこから来るであろう敵を殺るために再びじっと待つ。陽炎には先程までの戦闘が無かったかのような静寂に包まれる倉庫内はピリついた空気で息苦しく感じた。早く過ぎて欲しいと願うほど時の進みは遅く感じる。心の奥でひたすら数を数えていると足音が扉越しに聞こえた。ドアノブを回す金属音が聞こえ、鈍い音を立てながら倉庫の扉がゆっくりと開いていく。

古びた89式小銃を持ち古い戦闘服を着てジャングルハットを被った敵がのっそりと現れた。腰に構えた89式を振り向けながら周囲を確認すると仲間を呼び始めた。直ぐに外にいた敵が数人入り込んでくる。もう少し入れてもいいかと考えたが、混戦を避けたいと考えた陽炎は一等兵と不知火に対して攻撃命令を出す。

不知火の9ミリ機関拳銃を撃ち始め一等兵がバイポッドを木箱の天板に叩き受け掃射を開始した。ものの数秒で入ってきた的の大半が死傷し生き残っているものは必死に外に逃げだす。すかさず陽炎が89式で逃亡する者を撃ち抜き抵抗しようとするものを殺した。倉庫内に敵が居なくなったことで陽炎と不知火が弾倉を交換する中一等兵だけは引き金を引き続け、外へ向かって駆け出した。

 

「止まりなさい!」

 

予想外の行動に不知火が叫ぶが、一等兵の耳には入らない。不知火が空のマグを投げ捨て9x19mmパラベラム弾が25発入ったマグを機関拳銃へ挿入、左手で上面にあるボルトをしっかりと引いてから一等兵を引き留めようと空いた左手で掴もうとした。伸ばされた手は僅かな差で服を掠めるだけに終わり空を切る。

 

「うおおおおお」

 

がむしゃらに突撃した一等兵は乱射を続けたまま開いた扉から出ようとした瞬間、射撃を受け血飛沫を上げる。足を止めその場に倒れるが、それでもなおヒートシールドやバレルからの熱で陽炎が起こる程撃ち続ける。不知火が引き摺ってでも移動させようと動き出すが、一等兵の頭からピンク色の液体が吹き出す。

 

「ちぃ、下がって!」

 

陽炎が叫び手榴弾を右手で握りしめる。不知火は舌打ちをし9ミリ機関拳銃で軽い弾幕を張るとコンクリート製の柱の裏に隠れた。それを確認すると陽炎は手榴弾のピンを抜き目一杯の力でそれを外へ放り投げた。地面に当たるとほぼ同時に炸裂し敵からの射撃が一瞬だけ止む。89式に持ち替えた不知火と陽炎が隙をつくかたちで射撃を行い次々と死傷させる。僅かながら敵の抵抗が起きたがそれまでだった。陽炎と不知火がいる倉庫内からはよく見えないが敵は逃走を始める。少数が動けない負傷者を引きずるが多くの動けない重傷者は放置され一部の敵は自身の銃すら捨て逃げる。扉からその様子を見た不知火がハンドルサインで陽炎に伝え射撃を止めた。

 

「所詮は民兵擬きね」

 

目を細め外の様子を伺うとそう言い捨てる。陽炎が何故そう判断したかと聞くと行動から判断したと答える。陽炎が提督の元へ階段を降りていくが、不知火は倉庫内に留まった。一等兵の元にしゃがみこみ頭の傷に触れないよう動かして瞳孔を確認する。一等兵の持ち物の中にあったペンライトを使ったが瞳孔は動かない。頭を撃たれても生きている事例がいくつもあるため期待したが駄目かと呟いた。

溜息をついて立ち上がると陽炎から呼び出しを受け階段下へと下る。シェルターへの扉は開いていて湿っぽい空気が溢れてきていた。

 

「早く来て。あ、扉は閉めていいよ」

「提督、そうなると少々危険な気が……」

「提督はいい案を持っているから大丈夫」

 

陽炎に催促され不知火は駆け足気味にシェルターに入り分厚い金属の扉を閉める。提督は右腕に包帯を巻き白いシャツに若干だが血が滲んでいる。まだ痛みを感じるのか彼女は左手で傷を庇うような素振りをみせる。

 

「で、どうするんですか」

「この基地の成り立ち覚えているよね?」

「砲撃を受けた民間港を接収、廃墟の上に太平洋航路の防衛及び戦力集結地点を構築したが、再び荒廃。復旧させ今度は艦娘拠点として構築……」

 

提督は不知火の返答に満足げに頷く。

 

「そう、だから地下には構築される度に無数に配管や地下道が設けられた。そこを利用する」

「逃げの一手という事ですか」

「敵の狙いが私なら艦娘(彼女達)が逃げる時間が確保出来る。グラーフという白兵戦に慣れた戦力を彼女達を救うことに向けられる」

 

不知火はこの人は自身が何故海軍中将まで登り詰めたのか理解していないのかと、思わず額を叩きたくなる。陽炎に横目で抗議の目を向けるが無理だと目で言ってくる。

 

「はあ。迷路のような地下に逃げることには賛成しますが、通信はどうするんですか」

「妨害電波が出ている今だと何も出来ないけど中継器をいくつか置けば行けるはず。ここにも有るし」

「まあ、いいです。命令とあれば不知火は全力で従います」

「ならこれを適当な机の裏に貼って。私は本文を貼るから」

 

折り畳まれた紙を渡され不知火は近くにあった机の裏に適当に貼り付けた。提督は配管へと通じる外開きの扉の配管側へと紙を貼った。陽炎が配管へと先行し酷い空気の中安全を確認する。

 

「貼りました。扉を閉めて向かいます」

「了解。陽炎、左の方に行くからそっちを重点的に見て」

「分かった」

 

不知火は倉庫からここに入る扉がしっかりと閉まっていることを確認すると配管へと入る扉を潜って力が弱い提督の代わりにその扉を閉める。陽炎がゴーグル型の暗視装置を着け89式には赤外線イルミネーターをレールマウントとともに付け配管の先の安全を確認した。一応イングラムM11を持った提督がそれに続いて、陽炎同様暗視装置を身につけた不知火が殿を務める。

 

「任せたわよ、グラーフ」

 

提督がそっと呟いた言葉は深淵のような闇の中へと消えていった。

 

 

私達は私とアクィラ、サラトガが前方を確認し、ガングートとタシュケント、ヴェルが後方を確認しながら大急ぎで基地内を駆けて抜けていく。銃声の方向を考えるとあまり宜しくない状況になっていそうだ。先程とは違う道を通って来ているが、今のところ会敵こそしてないがいつバレるかと内心焦っている。どうか、提督、無事でいてくれ。

倉庫の近くまで来ると、銃声がここではなく、少し離れた方向から聞こえてくることに気づいた。アイオワ達の銃声かもしれないが、違う。倉庫にはもう居ないのか? それとも最初から倉庫ではない場所で戦闘をしていたのか?

考えてもわからないので、先に進むと倉庫の手前で死体が幾つか見え始めた。

提督か? 陽炎か不知火? いや、違う。

 

「これは……敵の死体か」

 

辛うじて戦闘服と言えるような粗末な服を来た死体だった。体に何発も銃弾を受けて死んだようだ。その周囲の死体も似たようなものだった。負傷兵が出したと思わしき血痕が海側、埠頭の方向へと向かっている。血痕を辿るように目で追うとまだ息のある──致命傷を負っているが──敵が倒れていた。

ヴェルにハンドサインを飛ばし確認に向かわせる一方、私は銃痕が多数つけられた真新しい倉庫の入口を見る。人用の入口が人ひとりぎりぎり通れそうなだけ開けられていた。ノブには血がべったりとついている。敵が逃げ出した時につけたのか?

ヴェルがTV-33(トカレフ)を敵に向け接近する。瀕死の敵は僅かに体を揺らしたが、うめき声ひとつあげなかった。さすがにこの敵がやっているとは思えないが、手榴弾を握っているかもしれないのでヴェルはSVDのストックを使い汚さないよう綺麗に敵を転がした。仰向けになった瞬間、体の下にて手で抑えていた傷から血が一気に吹き出す。敵の目が更に焦点を失って空を向いて行く。ヴェルは安全を確認すると敵のポケットを漁り、何も無いことを知らせてきた。予想通りとはいえ、空振りになるのは辛いものである。今は少しでも情報が欲しい。

今にでも死にそうな敵を放置してヴェルは私とともに倉庫入口に近づいた。

 

「先に行くか?」

「ああ、そうさせてもらうよ」

 

ヴェルが小さいからだを生かして少し空いた扉から中に入っていく。

私がそれに続き中に入り、最初に感じたのは硝煙の濃い匂いだ。私達以外誰もいない、入ってきた扉以外閉められた倉庫内は暗く、どことなく不気味な感覚がする。

先に入ったヴェルが自身の服に付いた血を見て顔を顰めている。私の靴裏にも付いたはずだが、扉を入ってすぐの場所に血溜まりがあった。傍に基地警備隊員の死体とMINIMIも。こいつは確かこの辺りで警備をしていた班の一人だ。運良く提督達と合流出来たのかもしれないが、そこまで運は良くなかったのかもしれない。

少しするとどれも締め切られているのに一つだけ、半開きになっている扉を倉庫の奥で見つけた。隙間から覗き込むと下へと続く階段が地下に伸びている。いつの間にか隣に来たアクィラが首を突っ込み呟く。

 

「ここですか?」

「恐らくは、ちょっと待て……無線はダメ、ならこれは……」

 

私は金属製の扉を個人的には気に入っている独特なリズムで叩く。力加減を上手く響くよう調整したため階段中に響きこだまする。

返答を期待して、敵がいた場合に備えて耳をすませながらHK417の銃身を階段下へと向けた。

が、物音一つ聞こえてこなかった。来る方向がわかっている以上、ストッピングパワーを期待してHK417を使う気でいたが、これだとP90の方がいいかもしれない。

数分待って何も反応がないことを確認し、私はP90を構えて慎重に階段を降り始めた。足、手、目に、耳、鼻までも総動員しトラップを警戒する。汗ひとつがトラップを作動させるんじゃないかな、とガングートの酷いジョークを聞き流し私は階段の下に五体満足で辿り着く。黒く塗られた重厚感ある鉄の扉が底の奥にある。重苦しい空気の中、降りてきたヴェルに援護を頼み進む。暗く、目立たないよう配置刺されていた鉄の扉の横にあるICカードリーダーに私のIDカードをかざすと緑のライトが灯り扉から重厚音が響く。ロックの解除された扉は自然にゆっくりとだが開き始め光が漏れた。鬼が出るか蛇が出るか……。P90の銃口を向けたが、私は陽炎か不知火が銃口をこちらに向けていることを期待した。

しかし……そこには誰もいなかった。誰も……血の匂いもなく、硝煙の匂いもほとんどしない。だが、天井につけられたライトは煌々と湿ったシェルター内を照らし荒れた室内と埃が妙に剥がれた椅子から誰かが、いや、提督がいた事が伺える。

 

「一体どこへ……」

 

どこに行ったんだ。手分けしてシェルター内を探し始めるとすぐにタシュケントが何かを見つけた。

 

「同志グラーフ、こっちだ」

「何が……隠し扉か」

 

タシュケントが何をしたかはわからないが埋め込み式の棚に偽装した扉が開き、打放しコンクリートで覆われた狭い通路が見える。今まで以上に汚れた空気と下水道のような臭いが来て私は顔を顰めた。

 

「この先、どこに繋がっているかわかるかい?」

「わからない。ここは昔は民間港だったし軍が接収してからも増改築を繰り返したから地下に配管が東京のように張り巡らさている。正直なところ提督達がそこに逃げ込んだとすると追えないな」

 

私の答えにタシュケントは目を細める。私は必死に過去に見た大体の配管が書かれた地図を思い浮かべるがどこに行ったか検討もつかない。ふと、何か思いついたのかタシュケントが肩を叩いてきた。

 

「同志、陽炎と不知火ならどこにメッセージを隠す?」

「……机の裏とかだな。ああ、そういうことか」

 

改めて周囲を見渡し、目に付いた机の裏から順に確認していく。シェルターが狭いこともあり紙が貼ってある机はすぐに見つかったが、これはメッセージではなかった。

どこかメッセージの隠し場所を示している?

もっと単純に考えた方がいいのかもしれない。アクィラが横から覗き込んでくる。

 

「これが示しているのってあの扉の裏じゃないですか?」

 

と言い、目の前にある配管に通じる扉を指さした。

 

「それは……どうだろうか」

 

期待せず扉外開きの扉を開け、配管に入ってから裏を見ると……メッセージが書かれていた。

 

「すまない、アクィラ。全然この件は信用していなかった。」

「アクィラだって謎解きならちょっとはできます」

 

ちゃんと謝るのは後にして私はメッセージの解読を試みる。サキニ……カンムスヲ、タスケロ。

 

「……それが提督の望みと言うにならやるが、私の心配も理解して欲しいところだな。みんな、集まってくれ」

 

行先を書かなかったのは時間が無かったのか、それとも私が追ってこないようにする為なのか。行先が書いてあれば確実に私はそこに向かうだろうから実際、有効な手段だ。扉をしっかりと締める事により私は提督への未練を断ち切った。と思いたかったが、少し残っている。その残留分を消し飛ばす為にも集まったみんなに見たものを話す。

 

「なんて書いてあったんです?」

「提督は私達に戦友の救助を優先して欲しいとの事だ。……情報の共有と戦力を纏めるために一度アイオワ達と合流した方がいいかもしれない」

「今から向かえばちょうど助けが来る時間じゃない? 統合作戦本部が陸を動かせばの話だけど」

 

腕時計を見たサラトガは、私にも文字盤を向けてきた。確かに陸軍を動かせばそろそろ来てもおかしくない。米軍よりはいい、二面軍なんかと比べるではない陸軍と海軍の関係なら事の重大さから送り込んでくれるだろう。

 

「みんな、地上にでるぞ」

 

位置的に地上への階段に一番近かったガングートを先頭に私達は上へと登った数分ぶりに見た倉庫内は何も変わらず、違う、けたたましい銃声がどこかから聞こえてくる。しかも近くだ。

 

「どこからだ」

「射撃場の方だ。……見ろ」

 

先に外に出たガングートが射撃場方面をPKPで狙いつける。私もそれに続きHK417のスコープを覗き込むとアイオワ達が篭っている建物から爆煙が上がるのを目にする。

 

「ちぃ、あっちに行ったか。……む」

 

アイオワから通信? 嫌な予感がし即座に繋ぐと切羽詰まった声と銃声が聞こえてきた。

 

「グラーフ、こっちに敵襲。結構な数が来ててジリ貧よ。救援に来れる?」

「今向かう。だが、行くまで五分はかかってしまうが」

「それでもいいからHarry!」

「提督は……切られたか」

「今度は何があったんです?」

 

無事でいてくれ、アイオワ。不安そうな顔をするアクィラ達に説明をしながらそう切に願った。

 

 

 




提督のイメージは……なんか降ってきました。貧弱系じゃなくて頭脳系女子?です。
MINIMIはいいぞ、最高だ。P90の次の次あたりにすき。
今月中には完成させたい……。

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