少女とおじさんが駄弁るだけ(凍結)   作:ヤマニン

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こんにちは、ヤマニンです。

少し前まで、「扇風機でも十分に過ごしていけるな!」と高を括っていたら、夜、暑くて眠れなくなり速攻で冷房をつけました。我ながら、早すぎる天丼で少し笑いました(笑)

さて、今回は少女メインです。では、どうぞ


少女の散歩

Chapter  少女の散歩

 

「…行ってきます」

 

宿題も終わり、暇を持て余していた私は、気分転換に散歩に出かけることにした。後ろからあまり遅くならないようにねという声を聞きながら家を出る。時刻はすでに16時半。

 

(…どこに行こうかな)

 

この時間にブラブラするのは久しぶりだから悩む。時間帯が少し心配だから自転車で散策することにする。

 

(…自転車で散歩なのかは分からないけど)

 

私は自転車に跨り、目的地も特に決めないまま漕ぎ出す。

 

(…特に行きたいところは決めてないけど、河原の方に行こう)

 

私は河原の方に向かう。

 

(…普段は気にしない光景だけど、こうやって落ち着いて見ると違って見えるものなんだ)

 

移りゆく景色を横目に見ながらそんなことを思う。

 

(…昔から知っている道は余計にそう思えるのかも)

 

今ではたくさん家が建ってしまったが、昔は水田だった気がする。

 

(…あれっ?あそこの駄菓子屋さん、なくなっちゃったんだ)

 

私がまだ5歳ぐらいの時、よくあの駄菓子屋でお菓子を買ってもらったな。あの時は、妹がよくお母さんにまだ買って欲しいとごねてた。

 

(…あの時と比べると妹も成長したな)

 

今では、こんな口下手無表情の姉とも上手に付き合ってくれる優しい妹になってくれた。

 

そんなことを思ってると、河原に着いた。本当なら自転車を停めてしばらく河原に座っていたいけど、前日に雨が降っていて草がものすごく濡れていたのでやめた。

 

(…暑いからさっさと次行こう)

 

私は次の目的地に向かう。

 

(…次は私が昔遊んだことがある公園に行こう)

 

河原から少し行ったところにある公園に到着。

私は自転車を押して、公園内に入る。…懐かしい、入った瞬間にそう思った。

 

(…滑り台に砂場、ブランコにジャングルジム。懐かしいな)

 

公園内には複数人の子供たちが遊具で遊んでいた。私は、自転車をそこいらに置いて鍵をかけ、運良く空いていたブランコに腰を落とす。

 

(よく、妹と一緒にブランコに乗ったな…)

 

私は当時のことを思い出しながら、ゆっくりとブランコを楽しむ。私がブランコを楽しんでいると、一人の男の子が近づいてきた。

 

「ちょっと!そこ、おれの場所なんだけど!」

「…ブランコに個人の所有権はないよ」

「しょゆうけん?…いいからそこはおれの場所なんだ!」

「…そっか、ごめんね。私、そのこと知らなかったから」

 

いつから公園のブランコは個人の所有物になったのだろうか。

 

「分かればいいんだよ。…ねぇちゃん、ブランコ乗りたいのか?」

「…うん、ここの公園に久しぶりに来たから」

「……その、なんだ。…じゃあ、今だけねぇちゃんにゆずるよ」

「…えっ。……いいの?」

「…おう!今日だけだからな」

「…ありがとう」

 

男の子は私の返事に満足したのか、向こうで遊んでいる友達のところに行ってしまった。

 

(…男の子ってよく分からないな。なんで急に譲ったんだろう?)

 

これだから、おじさんにも苦笑いされてしまうのかな。

 

私はブランコをひとしきり楽しみ、公園を出る。その際に、あの男の子が手を振ってきたので私も小さく手を振り返した。

 

(……もう時間も時間だし、最後はあそこに行こう)

 

私は最後の目的地に向かって走り出した。

 

もう少しで最後の目的地であるいつもの公園に着く。

 

(…家出てからもう1時間も経つんだ)

 

暮れるのが遅いためかそんなに暗くはないが、時刻は18時前。

 

(…着いた)

 

私はいつもの公園に着いた。もう夕方なこともあって、遊んでいる子供はもういない。というか、人が一人としていない。

 

(…まぁ、いるわけないよね)

 

おじさんがもしかしたらいるかもと少し期待してた私は少しがっかりする。私は、自転車をベンチのそばに停めてベンチに座る。

 

(…ここであの人に会ったんだ)

 

ベンチを優しくなでて、少し前のことを思い出す。

 

(…最初はあの人がなんでこのベンチに座ってるか分からなくて、いきなり声かけちゃったんだっけ?)

 

だけど、あの時におじさんと出会わなかったら、この数か月にあったことも無かったと思うと出会ってよかったと思う。

 

(…それだけ、おじさんのこと安心できる存在って思ったんだ)

 

私の周りにいる大人の男性って言ったら、お父さんだけど、お父さんとは違う感覚の安心感な気がする。なんだろ…うまく例えられないけど……そう。

 

(…親戚の叔父さんみたいな?)

 

…うん、これが一番しっくりくる気がする。

 

(…私がおじさんを慕う理由ってそもそも何だろう?)

 

やはり、一番は優しいことだろう。あの人は赤の他人である私のことも、まるで自分のことのように一緒になって考えてくれるし、酷い言葉も言わない。後は、物知りだし、なにより話す内容が面白いことかな。

 

(…でも、この前の旅行の話は怖かった)

 

おじさんが話してくれたのは、家族で旅行に行った際に変な体験をしたという話だった。

 

(…1人の時に思い出すのはやめよう。少し怖くなってきた)

 

私が少し怖がっていると、入り口の方に人が立っているのが見えた。その人影はじっと私の方を見ていて、今にもこちらに歩いてきそうな雰囲気だった。…ちょっとまって

 

(…こっちに歩いてきた!)

 

その人物はまっすぐこちらに歩いてきて、私の前に止まった。私は怖くなってキュッと目を閉じる。すると、その人物から呆れたような声が聞こえてきた。

 

「なぁ、俺とばっちり目が合ったよな?なんで怖がるふりしてるんだよ」

「…その方が面白いかと思って」

「はぁ、君はたまにそういったふざける時があるよな」

 

私の目の前にいたのは、帰宅途中と思わしきおじさんだった。

 

「…おじさんは今帰り?」

「あぁ、今仕事終わったんだ」

「…でもなんでこの公園に?」

「あ~なんか、今日はこの公園に寄りたくなってな。なんで少し寄ってみたら、君がいたという訳さ」

 

うん、すごい運命的なものを感じる。

 

「君はなんでこんな時間に公園にいるんだ?」

「…私は少し前に散歩に出て、最後に寄ったのがこの公園だったから」

「へぇ~。…自転車で散歩なの?」

「…時間帯を考えると、歩きだと少し怖かったから」

「まぁ、最近物騒だしな。そこらへんは気を付けておいた方がいいよ」

 

おじさんは、くるりと私に背を向け歩き出す。

 

「…もう行くの?」

「ちょっと今日は疲れててな、君ももう遅いし、帰ったほうがいいんじゃないか」

「…確かにそうだね。…うん、私も帰るよ」

 

私は自転車を押して、出入り口に立っているおじさんの下に歩く。

 

「じゃあ、俺はこっちだから」

「…うん、またね」

「あぁ、またな」

 

おじさんは私に手を振って、帰っていった。その後、私も家に着いたがお母さんに遅い!と叱られたのはまた別の話…

 

 

 




ご精読ありがとうございました!

今回は少女の散歩回でした。

皆さんはなにか悩んだときに、息抜きがてら散歩することはありますでしょうか?
いつも慌ただしく生活していると見えなかったモノが見えたりして、意外と楽しいものですからオススメですよ!!

余談ですが、私が散歩していた時に、私が小学生の時に遊んでいた公園を通ったのですが誰も遊んでいなく、殺伐としていたので少し悲しかったですね…余談ですが。

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