投稿が遅れてしまい申し訳ありません。リアルの事情と申しましたが、端的に言えば風邪をひきました。…夏風邪はなかなか治らないものですね。引いた私が言うのもなんですが、皆様も夏風邪には十分にお気を付け下さいませ!!
さて、今回はお試しでセリフに一マス空けて見やすくしました。これは読みにくいと思いましたら、メッセージか感想にてお知らせくださいませ。
Chapter 三相について
忙しそうにせっせと会社に向かうサラリーマンや欠伸をしながら自転車を漕ぐ大学生と思われる男性を横目に、今日はどんな事を話そうかと内心ワクワクしながら私は公園に向かって歩いていた。天気予報では、日中はとても暑くなると言っていたが、今は雲がちょうど眩しく光る太陽を隠し過ごしやすいと感じる。
(…今日は何を話してくれるかな)
私は楽しみが抑えきれず、少し急ぎ足で公園に向かうのだった。
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「おぉー…まだ朝なのにあぢいぃ」
隣に座っていたおじさんがベンチにもたれながら呟く。あれから私は、先に着いていたおじさんと合流をし少し喋っていると隠れていた太陽がおはよう!と言わんばかりに顔をのぞかせた。
「…時間が経つにつれてもっと暑くなるよ」
「まぁ、会社に行っちまえば少しは楽になるんだけどな……」
「…今日は休みなの?」
おじさんは見たところ私服姿。休日なのにわざわざ足を運んでくれたと思うと嬉しくなる。
「うん、そうだよ。いや~平日の休みは久しぶりだな」
「…私は学校だから少し羨ましい」
しかも、今日は数学がある日。朝から憂鬱になる。
「…おじさんは何か予定はあるの?」
「ん~?とりあえず、君が学校に行ったら家に帰って朝飯食うかな。今日は食ってこないでこっちに来たから」
「…ごめんなさい。せっかくの休日なのに早起きさせちゃったみたいで……」
私がしょんぼりしていると、おじさんは気さくな笑顔で気にするなと言った。
「それに休みとはいえ、俺は普段の生活リズムを崩したくないんだ」
「…それでもだよ」
(まったく…ほんと、この子は律儀だな)
「まぁ、君の気持ちが収まるなら受け取っておくよ」
「…うん」
おじさんはすこし困ったような表情をしていた。どうやら困らせてしまったらしい。
(…また迷惑かけちゃった…。反省しなきゃ…)
この事を言うと、おじさんは笑いながら気にしなくてもいいと優しくいってくれると思うけど、それは甘えだと分かっているからあえて何も言わないでおく。
「……おぉ!見てみ、なんかあの雲、犬に見えね?」
「…どれ?」
おじさんは、あれだよといって指をさす。
「…確かに犬っぽいかも」
「だろ?」
おじさんは意気揚々とした表情で誇らしげだった。
「…曇って不思議だね。なんであんな形になるんだろう」
「う~ん…さすがに俺も気象学とかはやってないから何とも言えないな」
「でも、もともとこの流れてる曇って水なんだよな…」
「…なんか、理科で先生がそんなこと言ってた気がする」
あの時はそんなに興味がなかったけど、今思うと不思議なものだ。
「雲についてはあんまり話せないけど、雲を話すときに絶対ついてくるのが物質の三態だな」
「…固体・液体・気体…だっけ?」
「おぉ!よく知ってるな」
「…すこしだけ」
先生が言ってた気がする。
「今言った三つの物質をまとめて三相っていうんだけど、化学でこれを習う時、まぁ…苦労するわな」
「なにが大変って、それぞれが別のものに変化するときの呼び方を覚えるのがまず大変だ」
私は物質の三態?というものをよく覚えてないけど、おじさんが言うにはなかなか苦労するものらしい。
「中学で習うとしたら、融解・昇華・凝固・蒸発・凝縮とか習うのかな」
融解は固体から液体へ。昇華は固体から気体へ。凝固は液体から固体へ。蒸発は液体から気体へ。凝縮は気体から液体へ。
「…あれっ?」
「? どうした?」
「…気体から固体はないの?」
「至極当然の疑問だけど、もちろんあるよ」
「…?」
「気体から固体は凝固または昇華。名前が同じなんだ」
「…なるほど」
ようするにまとめて覚えたほうが早いという意味らしい。
「…でも、これって最初覚えるの難しい」
「そうだよね…イメージしずらいよね」
「…うん」
「だからね、俺は水を参考に覚えたかな」
「……??」
「えっとね……」
どうやらおじさんが言うことをまとめると…水の入った入れ物を用意して、熱したとき、凍らした時、を実験する。熱したときは水蒸気が発生する。凍らしたら、水は氷になった。これを参考にさきほど述べたものを覚えたらしい。
「……こんなことでよく覚えたね」
「…ははっ、今思えば俺がやってたことって、小学生レベルだったよな」
おじさんは気にした様子はなく笑っていた。
「そういえば、この前ツボ特集ってのがテレビでやってたんだ」
「…へぇ~何か気になるのあった?」
「一番気になったのは心を鎮めるツボかな」
「…どこ押すの?」
私は自分の手をおじさんに差し出す。おじさんは少し控えめに私の手首を握る。
「えっと…手首をつかんでここを押す」
「…ここ?」
「そうそう」
おじさんが押したツボは『神門』といわれるツボで、緊張をほぐし、イライラした気分を鎮めてくれるツボらしい。
「…コツとかあるの?」
「確か…左手首を押した後に右手首をやるといいらしいよ。各30回ずつツボを押すんだって」
「…発表前にやるといいかも」
「そうだね、俺も今度ミーティング前に実践してみようかな」
私はおじさんに他になにかオススメのツボがないか聞いてみた。
「んー…きみは眠れない時ってあるかい?」
「…あんまりないけど、寝苦しいときとかはあるかな」
「あーそうか…まぁ大人になったら使うかもしれないから教えてあげるよ」
「……うん、お願いします」
私は再びおじさんに手を差し出す。
「じゃあまずは、軽く手を握ってみて?」
「…うん」
私は言われたとおりに握る……おじさんの手を。
「…いや俺の手じゃなくて、自分の手を軽く握ってって意味だったんだけど」
「……ごめんなさい」
私は顔が赤くなってることを尻目に、今度は自分の手を握る。
「それで、人差し指と中指の先端が当たる場所の真ん中にあるツボを軽く押すの」
「……こう?」
「そうそう。このツボは『老宮』と言って、これはどの人もやったほうが良い基本的なツボだから覚えておいたほうが良いよ、雑学としてね」
「手首で一番やりやすいのは『内関』のツボだね」
「……内関?」
「そう、手首を曲げた時に太い横ジワみたいのができるよね?その一番太いジワから親指二本分ぐらい動かしたところに内関のツボはあるんだ」
「…ここかな?」
「…ちょっとずれてるかな」
おじさんは私の手を握り、正しい位置に当ててくれる。
「このツボの効能は不眠で、入眠するときに効くツボなんだよ。だから、君が大きくなった時にもし寝れなくなった時がきて覚えていたら押しみるといいよ」
「…うん、教えてくれてありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
おじさんは少し恥ずかしそうに頬をかきながら、私から目を逸らすように公園に設置されている時計を見る。
「もう行ったほうが良いんじゃないか」
「……ん、たしかにもういい時間」
私は鞄を持って立ち上がり、おじさんの方を見る。
「…じゃあ、行ってきます」
「おう。頑張ってな」
おじさんは片手を軽く上げて、私を見送った。
(…今日も楽しかったな)
私は少し急ぎ足で学校へと向かうのだった。
ご精読ありがとうございました!
今回は【雲】【三相】【ツボ】でお送りしました。
皆様は、普段、ツボは押していますか? ツボは最新の医学で『神経や血管が集中的に集まる場所』ということがわかってきました。本編中でもいくつかツボについて話していましたが、もし興味を持たれたという方は是非調べてみてください!意外と面白いものかもしれませんよ!
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