少女とおじさんが駄弁るだけ(凍結)   作:ヤマニン

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こんにちは、ヤマニンです。
今回はなかなか話の構成が思いつかなかったので、少女の日常編といたしました。

次回から話の案となるキーワードをメッセージにて募集したいと思います。
条件といたしましては、季節に合ったものや二人に話し合ってほしい内容でお願いします。例えば、春なら桜、夏なら海、秋なら紅葉、冬なら雪といった感じです。

→訂正…感想欄ではなく、メッセージに直接書いて下さいませ。

私の力不足で読者の皆様には迷惑かけてしまいますが、ここはひとつ私を助けると思ってどうかお力添えをお願いしたく存じます。




少女の日常

Chapter  少女の日常

 

 私は椅子に座ってぼんやりと窓を眺めていた。外はザァーザァーと雨が降っている。まだ、梅雨を迎えていないというのに最近は雨ばかりだ。こんなに雨ばかり続くと無意識にため息が出てしまう。

 

「どうしたの?そんなため息ついて?」

 

私の前に座っていた女の子が話しかけてくる。この子は新しいクラスになってから出来た友達だ。表情があまり出ない私に、話かけてくれる優しい子だ。

 

「…いや、最近雨ばかりだから」

「あぁ~確かに雨ばっかり続くとなんかやる気出ないよね。アタシも濡れるのやだし」

 

彼女はうんうんと頷く。女子限定という訳ではないけど、雨はイヤな人が多いと思う。だれが好き好んで雨の中を歩きたいと思うだろうか。そんな人はよっぽどの狂人だ。台風の日は仕方ないと思うけど。

 

「それに…」

「うん?」

「…公園にも行けてない」

「公園?遊ぶの?」

「…ううん、そうじゃなくて」

 

私は彼女に、私が普段している日課のことを話す。

 

「へぇ~毎朝、公園のベンチで本をね。なんかすごい優雅だね!」

「…そんなこと気にしたこともない」

「そう?アタシはそう思うけどな。でも、毎朝なんて偉いね」

「…もう習慣だから。それにあの人にも会えてない」

「あの人?それって男の人?」

「…そうだけど」

 

そのことを聞くと彼女はニヤニヤしながら私を見る。…これ絶対勘違いされてる。

 

「…先に言っておくけど、あの人は大人でもう婚約者もいるから。だから、あなたが想像しているようなことは絶対ないから」

「ありゃそうなの?アタシはてっきりあなたがその人のことを好きなのかと思っちゃった」

「…人としてはすごく尊敬するし好きだよ」

「へぇ~男の話が1ミリもなかったあなたがそこまで好意をもつなんて珍しいわね」

「…そんな噂があったの?」

「あったよ。あなた結構可愛いのに男の話が欠片もないから女の子が好きなんじゃないかってね」

「…勝手にアブノーマルにしないでほしい」

 

私が、女の子が好きなんじゃないかって噂があったから男子から告白がなかったのか?…別に無いほうがいいのだけど。そう考えると、私にとっては好都合な噂なのかもしれない。

 

「話を戻すけど、その男の人といつ会ったの?」

「…会ったのは最近だよ」

 

私はおじさんとあった経緯を軽く彼女に話した。

 

「…あなたってホントに中学生?年齢誤魔化してない?」

「…なんでおじさんと一緒のことを言うの」

「いや、だって言動が中学生じゃないもん」

「…私は中学生」

 

なぜ私の評価はそんなに高いのかが理解できない。

 

「なるほどね、まぁ最近は雨ばっかりだし会えないのは仕方ないね」

「……うん」

 

私は少しモヤモヤした気持ちで一日を過ごすのだった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「じゃあ、これでSHRは終了にする。皆、部活のあるものは一生懸命に励み、無いものは気をつけて帰るように」

 

先生の合図と共に、クラス内が一気にざわつく。私はその騒然から逃げるようにそそくさと教室から出た。あの子と話していた時は午前で、午後になると雨の勢いは収まり止んだ。私はその事に少し嬉しくなり、心が少々弾んでいた。

 

(明日、久しぶりにおじさんに会えるかなぁ…)

 

ほんの一ヶ月ぐらいの付き合いなのにここまで特定の人に会いたいと思ったのは初めてだ。これも、あのおじさんのせい?おかげ?かもしれない。

 

「…ふふっ。へんなの」

 

私は今まで感じたことのなかったこの気持ちについ笑ってしまう。

 

(何だろう、この気持ち…)

 

昼前に友達と話していたことを思い出してみた。

 

『アタシはてっきりあなたがその人のことを好きなのかと思っちゃった』

『…人としてはすごく尊敬するし好きだよ』

 

確かにおじさんのことは好きだ。私の知らないことをたくさん知ってるし、優しく教えてくれる。だけどこれは異性的な意味の好きとは違うと思う。なんだろう?わからない。

 

(今は分からなくてもいつか・・・)

 

私はこの気持ちが分からないまま帰路を歩く。しかし、心はこの空と同じように青く晴れやかだった。

 私が家に着いたのは、学校を出て10分ほどたった後だった。

 

「…ただいま」

 

私が玄関で靴を脱いでいると二階から下りてくる足音がした。私は後ろを振り返った。そこにいたのは私の妹だった。

 

「お姉ちゃん、お帰り!」

「…うん、ただいま」

 

妹は笑顔で私に駆け寄り、私の顔を覗き込む。

 

「あれっ?なんかお姉ちゃん機嫌良い?」

「…どうしてそう思うの?」

「だって微かにだけど笑ってるんだもん。お姉ちゃん、あんまり表情でないからびっくりしちゃった」

 

妹はクスっと微笑み私を見つめる。んっ…機嫌が良い?…別にそうでもないと思うけど。

 

「…別にそんなことない。気のせい」

「えぇ~絶対笑ってたよ。あっ、お姉ちゃん!……もうっ」

 

私は妹をチラッと見て、階段をあがり自室に入る。入った先は、私がもう慣れ親しんだ風景や匂い。やはり自室が落ち着く。

 

「笑ってた…か」

 

私は先ほど妹に言われたことを思い出し、部屋に置いてある姿見を見た。もちろん鏡には私が映っている。鏡の中の私は相変わらずの無表情だった。

 

「……にぃ」

 

私は自分の頬を横に引っ張り笑ってみる。出来上がったのは引き笑い。妹やおじさんのように笑顔をつくれない自分が嫌になる。

 

「…着替えよう」

 

鏡から離れて私はセーラー服を脱いで、私服に着替えていく。着替えるのはあっという間で脱いだ制服をハンガーにかけておく。私はひとつ息を吐き、ベッドに横になる。ベッドは悲鳴を上げるかのようにギシギシと音を立てる。

 

「…少し、休もう」

 

私は目を瞑り、しばらくして意識を落とした。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

私が起きたのは妹がご飯だと起こしに来た時だった。私は寝惚け眼を擦りながら、リビングがある一階に下りていく。リビングに入るとお父さんとお母さん、妹が席に座っていた。どうやら待たせてしまっていたようだ。

 

「…ごめんなさい、待たせた?」

「ううん、今できたから大丈夫よ」

「なんだ、寝てたのか?」

「…少し」

 

私はそう答えてお父さんの隣の席に座った。座席の位置は、私の隣がお父さん、向かい側に妹、その隣にお母さんといった感じだ。

 

「では、いただきます」

「「いただきます」」

「…いただきます」

 

お父さんの挨拶で食事をとり始める。今日のメニューは、ギョーザ、ほうれんそうのおひたし、旬であるタケノコの煮物。後は、ご飯とみそ汁。

 

「どう?おいしい?」

 

お母さんが味の感想を求めてくる。

 

「うまい具合に焼けたギョーザがうまいな」

「…旬物のタケノコもおいしい」

「そう!なら良かった」

 

その後私たちはご飯を食べ終わり、各々が自由に過ごす。ちなみに私は、椅子に座って本を読んでいる。内容は、『日本の歴史 ミステリー』だ。

 

「あんた、本読むの好きねぇ…」

「…知識になるってこともあるけど面白いから」

「私には無理だわ。そもそもお母さんは、本を読むのがあまり好きではなかったからね」

「それにその歴史の本?…文字ばかりでしょ?目が疲れちゃって読む気にならないのよ」

「…ファッション雑誌とかは平気なの?」

「まぁ、読まないと流行についていけないし女を磨くにはそういったものを読まないとね」

「あんたもそういう難しい本を読むのも大事だけど、たまにはファッション系の本も読んでみなさいよね」

「…気が向いたらね」

「もう、いつまでもお母さんが服を買う訳にはいかないんだからね」

 

お母さんはため息をつく。それに…とお母さんは言葉を続ける。

 

「あんたが毎朝会ってる人にも顔合わせできないでしょ」

 

私はお母さんが言った一言に今まで本に向けていた視線をお母さんに向ける。

 

「何で知ってるって感じの目だね」

「…なんで知ってるの?まさか…」

 

私はお母さんをジト目で見つめる。お母さんはツゥーと横に目をそらした。

 

「…やっぱり後を追ってきてたんだ」

「違うのよ!…いや違わないけど、理由があるの!」

「…理由?」

「いやね、今までなんも変化がなかったあんたが少しうれしそうに朝出ていくんだもん。そりゃ、親なら気になるわよ」

「…表情に出てたの?」

「最初は驚いたけどね、でもいい変化だなと思ってそのままにしてたの」

「でも、まさかね…」

「……?」

「あんたに男ができたなんて…しかも相当年上」

「……ッ!?」

 

この母は何を言ってるのか私には分からなかった。いや分かりたくなかったが、こんな時に限って少し恥ずかしくなり頬が熱くなるのを感じた。

 

「おっ!あんたの赤面なんて珍しい。写真撮っておこ」

 

お母さんは即座に携帯のカメラを起動して、パシャリとシャッターを切る。…隠せなかった。

 

「見てみて、お父さん!この子の貴重な赤面した写真!!すごい可愛い!」

「……ッ。お願いだからやめて」

 

ソファーで横のなっていたお父さんがむくりと起き上がり、こちらに来る。そして写真を見る。

 

「どれどれ…おぉ~よく撮れてるじゃないか!可愛いぞ」

「だよね~。…あんた顔は可愛いんだからおしゃれ意識しないとあの男の人の気を引けないわよ」

「…男だとっ!おい、話を聞かせろ!!」

「……お願いだからすこし落ち着いて」

 

結局、私はおじさんとのエピソードを両親に話すことになり、私が就寝したのは12時を過ぎた後だった。

 

 

 




ご精読ありがとうございました!

 話を書いているときに、名前を出さないのはとてもやりずらいと感じました。ですが、そこは私の大したこともない腕で頑張りたいと思います!
 あと補足ですが、少女はあくまで表情が出にくいという設定ですので普通に喋れますし、少しは感情が表情に出ることもあります。

お気に入り登録も11件を超え、UAも300を達成。徐々に成果が出てきて嬉しい限りです!今後ともよろしくお願いします。

誤字報告、感想、アドバイスをくれるととてもありがたいです!
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