いつも通りの日常に青薔薇の彩りを   作:にっしんぬ

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なんでRoseliaになると文字数が多くなるのかと考えてたら
確実にりんりんの会話の「……」だった
まぁ公式だから!(白目)


鍵盤少女と秘めた決意

「なんで俺呼ばれたんですかね…、今井さん」

「まぁまぁそう言わずに、さっ?」

 

 

 

正確に言うと今井さんからではなく

あこちゃんから

「彼方さん!今からスタジオに来てください!」と

詳細な用件がないままメッセージが届いて

それで来たのだが、面子が面子だけに

嫌な予感しかしない。

ガルジャムから数日、休む暇はなさそうである…

 

 

 

「で、またバンドにはいれと言うんですか湊さん」

 

 

目の前には以前バンドにスカウトしてきた湊さん

 

 

「私は反対です、こんなチャラそうな人」

 

 

いつになったらそれ払拭してくれるんですかね、氷川さん

 

 

「まぁまぁ紗夜落ち着いて。いるくらいは、さっ?」

 

 

大変そうですね、今井さん

 

 

「あっ!彼方さんポテト美味しいですよ!食べます?」

「うん、食べる。ありがとう」

 

 

呼んだ張本人は君だよ、あこちゃん?

ていうかどこで買ってきたんだい?

 

 

 

「ここに呼んだのは他でもないわ」

「丁重にお断り申し上げます」

「まだなにも言ってないわよ」

 

 

 

いや、どうせまた湊さんのことだから

バンド入れとかでしょう。

お断りしたじゃないですか…

 

 

 

「あなたに私たちのバンドに入れるのは

諦めたわけじゃないけど別で優先することがあるわ」

「そうですか…」

 

 

 

何となく察した。このバンドに足りないもの

ボーカル、ギター、ベース、ドラムときたら

圧倒的に足らないものが1つある

 

 

 

「DJですか」

「何をいってるのかしら」

 

 

 

その顔怖いんでやめてもらっていいですかね…

無表情にはとても思えない

いやまぁDJは冗談で言ったのだが…

 

 

 

「まぁDJは冗談だとして…キーボードですか」

「えぇそうよ。知り合いにキーボード、ピアノでもいいわ

弾ける人がいたら紹介してほしいのよ」

 

 

 

バンドメンバーを集めることが優先事項

心当たりはいるといえばいる…のだが

 

 

 

「いたとしても紹介は出来ないですね」

 

 

 

ピアノは弾けるけどブランクがある

人見知りで奥手で…。紹介はとても出来ない

 

 

 

「そう、もし思い出したとかだったら

紹介してちょうだい」

「…善処します」

 

 

 

たぶん、しない

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

『ほんと最近のあこちゃんの話しは

バンドのことばっかりだね。楽しそうでなにより』

『そうだね。本当に、楽しそう』

 

 

 

数日後NFO終わりのいつものチャット

最近はあこちゃんのバンドの話でもちきりである

楽しそうに話すあこちゃんは本当に羨ましい

 

 

 

『では特別に、我が同朋、りんりんと彼方さんにだけ

演奏中のバンドを見せてしんぜよう』

 

 

 

とそこに一本の動画が送られてきた

練習風景も、上を目指してるって感じでカッコいい

 

 

 

 

『なんか、最初聴いた時よりうまくなってないか?』

『全員でひとつの音楽を作り上げてるって感じがする』

『…………』

 

 

 

 

さっきまで元気に話してたあこちゃんからの

応答がない、しばらくすると画面には

応答なしの文字が

 

 

 

『ありゃ、寝ちゃったかな』

『そうみたいだね』

『時間も時間だし俺も寝るかな』

『うん、おやすみなさい』

 

 

 

そう言ってチャットを閉じ寝る準備に取り掛かる

ガルジャムが終わったからと言って

練習がなくなるわけではない。

明日からまたAfterglowは練習だ

また頑張ろうっと思って布団に潜り込もうとすると

 

 

 

〜〜♪

 

 

 

「えっ…?」

 

 

 

突如として聞こえてきたのはピアノの音

音の出所はすぐ近く、隣の家

 

 

 

「燐子さん!!」

「えっ……!彼方くん……聞いてたの……?」

 

 

 

燐子さんの部屋からであった

窓を勢いよく開けたのにびっくりしたのか

演奏が止まる。

 

 

 

「あっ、えっと聞いてたというか、聞こえたというか」

「ふふっ……。あこちゃんから……送られてきた

動画を見てたらね……。この演奏に……

あこちゃんのドラムに……私のピアノを入れたら

どうなるんだろう……って思ったら、指が動いてたの」

 

 

 

昔から聞いていたからわかる

燐子さんのピアノは本当に上手い。

ブランクはあるけど、おそらくあこちゃんのバンドに

入っても、上手にやっていけると思う。

 

 

 

「燐子さんは、また弾きたい?」

「えっ……?」

「この間、湊さんと会ってさ。キーボードできる人を

探しているんだって。だから…」

「そんな……私には……バンドなんて……」

 

 

 

それもそうだ。

燐子さんは人の前に立つようなことは好まない

湊さんを見に行った時も顔面蒼白になってたぐらい

人が苦手なのだ。

 

 

 

「そっか…でも、考えといてよ。

燐子さんのピアノ、今でも好きだから。」

「……ありがとう。もう……遅いから

寝るね……おやすみ。 」

「うん、おやすみ」

 

 

 

あのバンドの演奏に燐子さんの演奏が混ざったら

果たしてどうなるのだろう。

今の自分では何も後押しできないのが

すごくもどかしい。なにかあれば…

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「(やっぱり何度弾いても、あこちゃん達の演奏と

合わせるの、楽しい……不思議な感覚……)」

 

 

 

あれから……あこちゃんから送られてきた

動画を見ては演奏に合わせてピアノを弾くことが

日課になってました

 

 

 

「(また弾くようになったら……バンドに入ったら

彼方くんは……応援してくれるのかな)」

 

 

 

なんて考えていたらもう夜も遅い時間になってました

熱中しすぎて時間も忘れるくらいに

するとあこちゃんから突然電話がかかってきました

 

 

 

「もしもし……あこちゃん……?」

「りんりーん!助けてーーっ!

キーボードが見つからないんだよーっ。

ライブが決まったのに!りんりんの知り合いでいない?

キーボード弾ける人!ピアノでもいいんだ!

でも、上手い人じゃないとバンドに入れなくて…」

 

 

 

「……!そう……だよね……」

 

 

 

ピアノなら、私が弾ける。

でも、真剣にやってる友希那さんのバンドに

部屋で1人で弾いてたわたしが入っても迷惑を

 

 

 

「えっ、りんりん?そうだよねってことは

誰か知ってるの……!?」

「えっ……わ、わたし……わたしは……」

 

 

 

でも、わたしのピアノを、演奏を好きだと

言ってくれる人がいる。わたしの演奏を

あこちゃんたちのバンドの演奏に

実際に合わせたらどうなるのか気になる

 

 

 

───燐子さんのピアノ今でも好きだからさ

 

 

 

また弾けたら、昔みたいに笑ってくれるかな

歌って……くれるかな。

 

 

 

「…って、そんなうまい話ないよね。

あのね、もし、めちゃくちゃ上手な人がいたら

あこに教えて……」

 

 

 

……わたしが……変わらなきゃ……

 

 

 

「……ける……」

「りんりん?」

「ひ、弾ける……!わたし……弾けるの!」

「ええっ!」

 

 

 

そういえばあこちゃんには…言ってなかったっけ

 

 

 

 

─────────────────

 

 

 

「あ、彼方さん!こっちこっち!」

「今度はなんだい、あこちゃん。それに燐子さん」

 

 

 

あこちゃんからまた「スタジオに来てください!」

なんてメッセージが届いたから行ってみると

例のバンドのメンバーと、燐子さんがいた

 

 

 

「りんりんがピアノ弾けたなんて驚きだよっ!

何年も付き合ってるのに全然知らなかったぁ

彼方さんは知ってましたー?」

「うん、付き合いならあこちゃんより長いし

なんなら、家隣だしね」

「えーっ!それも知らなかった!!」

 

 

 

 

まぁ言う機会がなかったからな…

 

 

 

「おっこの子が燐子ちゃん?あこの友達っていうから

なんてゆーか、似たよーなタイプの子想像してたけど」

「りんりんはすっごいんだよっ!

ネトゲでは無敵なんだから!」

 

 

 

あこちゃん、キーボードとネトゲは関係ないからね…

 

 

 

「てゆーか、奏。あこの時といい今日といい

なんだかんだでうちにいるね?

友希那の誘いノっちゃえば?」

「それはお断り申し上げます。さっき言ったように

燐子さんとは長い付き合いなだけなので」

 

 

 

湊さんといい今井さんといい何故諦めてくれないんだ

 

 

 

「それより、音楽の話が聞きたいわ。

燐子さんといったかしら?課題曲は

あなたのレベルに合ってた?」

 

 

 

友希那さんに話しかけられて完全に緊張してしまってる

こういう場に来ることも珍しいし

氷川さんと同じクラスで今初めて話すのか…

 

 

 

「宇田川さん。本当に大丈夫なんでしょうね?」

「りんりんはあこの戦友で大大大親友ですっ!

だから、あこは絶対大丈夫って信じてます!」

「俺からも。燐子さんの演奏は信じていいです。

昔、ずっと隣で聞いてましたから。」

「……っ!あこちゃん、彼方くん……」

 

 

 

「あなたが言うのなら信じてもよさそうね

オーディションは1曲だけよ。わたしたちの

技術に見合わなければ、帰ってもらう」

「はい……がん……ばり……ます」

 

 

 

 

話が終わってスタジオに入り準備が始まる

ここまで来たら上手くいくことを祈るしかない

 

 

 

「いきますよ。白金さん、いいですか」

「は……はい……」

 

 

 

氷川さんの言葉に合わせて演奏が始まる

その演奏はまるであこちゃんのオーディションの

ときと同じ感じでそのバンドにしか出せない音

驚きの表情と笑顔。あの常時無表情の友希那さんでさえ

笑顔で歌っている。キーボードを弾いてる燐子さんも

楽しそうに弾いている。

 

 

 

 

「なんか、すごかった。4人より」

「こんなこと、何度も、おかしいわ」

 

 

おかしいと言いつつやはり合格なのである

あこちゃんから送られてきた動画で

何度も練習してたらしい。

 

 

 

「いいわ、あこ、燐子さん、……リサ

あなた達も含めて、一度この5人でライブに出る」

「ラ、ライブ……!?うそ……」

 

 

あ、これなにも聞いてないやつか…

 

 

「やったねー!じゃあ燐子ちゃん、いや、燐子。

これからよろしく……って燐子?どうしたの慌てて

なんか顔色悪いよ?あこ、ちゃんと説明した?」

 

 

 

()()()というワードを聞いて

顔面蒼白になる燐子さん。今回誘ったのは

あこちゃんらしいが……

 

 

 

「したよーっ!バンドしよって!

スタジオであこ達と一緒にキーボードを弾きに来てって!」

 

 

 

うん、間違いなく説明不足である

まぁバンド活動という以上、一定のライブなどは

考慮してたはず……

 

 

 

「わたし……そこまで…考えて……」

 

 

 

はなかった…

一体なにが燐子さんをここまで突き動かしたのだろう

 

 

 

「なら、帰って。どんなに力があっても

やる気のない人間に割く時間はない

他のキーボードを探すだけよ」

 

 

言い方には棘があるが実際は正しい

だからこそ、以前のスタジオで紹介できなかった

っていうのもあるのだが…

 

 

「燐子さん、無理はしないほうが…

燐子さんの演奏は、聴きたいけど。無理してまでは…」

「……っ……わ、わたし、弾きたい!」

 

 

 

燐子さんの大きな声、ひさびさに聞いた気がする

人見知りでおどおどしてるように見えるが

芯はしっかり持っており、一度決めたことはやり通す

心の強さを、持っている。

 

 

 

「わ、わたし……みなさんと……弾きたいです…っ

が、がんばります……お、おねがい……します…っ!!」

「燐子さん……」

 

 

 

また、燐子さんの演奏が弾けると考えると

ワクワクしてきた、してきたのだが

 

 

「(理由はどうにしろ、燐子さんも前に進んでる

蘭もAfterglowのみんなも前に進んでる。

なのに、置いていかれる…俺だけ進めないまま

いつまでも、昔のトラウマを引きずったまま…)」

 

 

 

そんな思いを余所に時は過ぎていく。




時期的にはここまでまだ1ヶ月経ってないです
前話のパスパレのライブの話の大体1週間ぐらい前だと
思ってもらえれば
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