いつも通りの日常に青薔薇の彩りを   作:にっしんぬ

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続き書かなきゃってなって
文章雑かも(雑なのはいつも通り)


幼馴染達の今できること

「ねぇ本当に入る気はないの?」

「ないです。何回言わせるんですか、湊さん」

 

 

 

燐子さんの演奏を聴くため、だけに

Roseliaの練習を見にきてる。

Afterglowの練習があるときはもちろんそちらが優先。

ないときにだけ、となってるが。

まぁ今回は他にも用事があるのだが…

 

 

 

「彼方さん」

「どうしました?紗夜さん?」

「しらばっくれないでください。日菜のことです」

 

 

 

そうPastel❇︎Palletesのライブ、および

日菜さんの演奏について。

聴いたら、どうだったかを言う約束なのである

 

 

 

「ニュース、見ましたよね?どうだったか

って言われても、聴いてないものを比べられません」

「そう…ですか」

「あっれー?紗夜のことは名前で呼んでるんだー?」

「成り行きです」

 

 

 

シリアスブレイカー兼コミュ力おばけこと

今井リサさん。未だに名前では呼ばない。

苗字で呼ぶと、日菜さんと紛らわしいので

名前で呼ぶことにした、ってだけである

とはいえ、本当は聴いたのだが

さすがにPastel❇︎Palletesの練習見学しました!

なんて言えるはずもなく…

 

 

 

「まぁいいわ、練習始めるわよ」

 

 

 

湊さんの掛け声で演奏が始まる

………なんかおかしい、なんというか

全体的に音がぎこちない?いつもと違う気がする

 

 

 

 

「あこちゃん、調子悪い?」

「へっ?いや、えっと…その…」

 

 

練習が始まった時からあこちゃんの様子が

おかしいのである。なんかこう、心ここに在らずみたいな

 

 

 

「宇田川さん、やる気がないのなら帰って!」

「紗夜さん、落ち着いてください。

あこちゃん、何かあった?」

「あっ、あの…」

 

 

紗夜さんをなだめて落ち着かせる

このままじゃ聞きたいことも聞けない

なにか、大事なことのような気がする

 

 

「あこちゃん…」

「ごめん、りんりん。あこ、見ちゃったの…」

「何を?」

 

 

 

あこちゃんによると、友希那さんがホテルで

スーツの女の人と話をしていたらしい

紗夜さんはプライベートだと言うが…

肝心の湊さんの顔は驚いている様子

 

 

 

「あこちゃん……今は練習を……」

「待って燐子さん、聞こう」

「彼方くん……。う、うん……」

 

 

 

話を止めようとする燐子さんを止める

あこちゃんの口から出てきたのは衝撃の言葉だった

 

 

 

「だから…コンテストに出られないなんて

ぜったいイヤなんだもん!!」

 

 

 

湊さんとホテルで会った人との話はシンプルにすると

Roseliaを抜けてFWFで歌わないかという誘い

さらにコンテストの出場なしで歌うことができ

バンドのメンバーは事務所がプロのミュージシャンを

用意するということ

あこちゃん曰く、まだ保留らしいが…

 

 

 

「……宇田川さん達の言い分はわかったわ。

湊さん、認識に相違はないんですか?」

 

 

 

紗夜さんの言葉に黙り込む湊さん

 

 

 

「私たちと、コンテストなんか出場せずに

自分1人本番のステージに立てればいい、

そういうことですか?」

「…っ、私は…」

「否定、しないんですね」

 

 

 

湊さんが何か言いたそうな顔をしていたが

構わずつづける

今井さんの言葉にも口を閉じたままである

 

 

 

「フェスに出られれば、なんでも、誰でも良かった。

そういうことじゃないですか!!」

 

 

まだそうとは確実に言ってないが

今回のスカウトの件に関しての湊さんの対応は

そう捉えられても仕方ない話である

 

 

 

「あこ達の技術を認めてくれたのも、Roseliaに

全部かけるって話も、みんな…うそだったの!?

「あこちゃん…。待って……どこに……」

「あこちゃん!燐子さん!」

 

 

 

耐えられなかったのか、あこちゃんが勢いよく

スタジオから出て行き、それを追いかけるように

燐子さんが出て行く。あこちゃんは燐子さんに

任せた方がよさそうだ

 

 

 

「私はまた時間を無駄にしたことで、少し

苛立ってるの。申し訳ないけれど、失礼するわ。」

「紗夜さん…」

「彼方さん、あなたもこんなところで時間を無駄にせず

Afterglowのところへ戻っては?」

「……それは自分で考えます」

「そうですか…」

 

 

 

Roseliaが解散になって、燐子さんの演奏が

聴けなくなるのならここにいても仕方ないのかもしれない

だがその前にはっきりさせないといけないことがある

 

 

 

「湊さん、今の話は本当なんですか?」

「あなたには…関係ないことよ!」

「ちょっ…友希那!」

「湊さん、どこへ?」

「フェスに向けた、準備をするだけよ」

 

 

そういうと足早にスタジオから出て行く

 

 

 

「奏……」

「もし、湊さんが既にスカウトを受けていたら

紗夜さんと同じで湊さんに失望してたかもしれません」

「……えっ?」

 

 

 

既にスカウトを受けていたのなら

おそらくあのような態度は取らないだろう

保留にしてるのであればまだ間に合うかもしれない

 

 

 

「今井さん、湊さんを任せましたよ。

あこちゃんと燐子さんは任せてください」

「う、うん。でも、そうしたら紗夜は?」

「紗夜さんはあこちゃんと燐子さんに任せます

そう、説得してきます」

 

 

 

湊さんは幼馴染で付き合いの長い今井さんに

任せた方がよさそう。

あこちゃんと燐子さんは比較的付き合いの長い俺が

紗夜さんは…一番可能性のあるあこちゃんと燐子さんに

託すしかない。

 

 

 

「……っ。後輩に頼るってのもあれだけど……

お願いね?Roseliaがなくなるの、イヤだからさ」

「困ったときはお互い様です。Roseliaがなくなって

燐子さんの演奏が聴けなくなるのは嫌なので」

「そっか、アリガト」

 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 

先に出て行った燐子さんたちと連絡を取り

合流する。まだ解散してなくて良かった。

 

 

 

「彼方さん…」

「どうした?あこちゃんらしくないぞ?」

「あこ、どうしたらいいかな……」

 

 

 

元気が取り柄のあこちゃんがこうも落ち込んでいる

相当ショックだったんだろう。

 

 

 

「あこちゃん……、友希那さんがそう言ったとは

限らないから……だから……」

「でも!……でも!友希那さんは何も言わなかった!」

「…あこちゃん、Roseliaは好き?」

「…っ!好き!」

「そっか…」

 

 

 

じゃあ取り戻そう。そう続ける。

あくまでも感じた事だが友希那さんの気持ちを

きっと本音はRoseliaでいたいという思いを伝える

 

 

 

「世界一カッコいいドラマーになるんだろ?

諦めずに頑張ろう!」

「う、うん!…あっ、でもどうしたら…」

「そこは3人で考えよう。それとお願いがある」

 

 

 

紗夜さんのことをお願いする。

Roseliaとして一緒にいた期間ならあこちゃんや

燐子さんたちのほうが長い、だからこその可能性

 

 

 

「彼方くん……」

「燐子さん?」

「ありが……とう」

「お礼なら解決してから受け付けるよ」

 

 

──────────────────

 

 

 

『友希那とは話できたよ♪」

『大丈夫そうですか?』

『分かんないけど…なんとかしてみる!』

 

 

 

今井さんは今井さんで話が出来たみたい

家が隣で部屋が目の前のため、ベランダから

湊さんの部屋に飛び込んだらしいが…

なにやってるんだ…

 

 

 

「(さて、明日からまたできることを探していこう)」

 

 

 

そう思い寝床につこうとしたとき

メッセージアプリから通知が飛んでくる

燐子さんから窓の絵文字のみのメッセージ

 

 

 

「……ごめん……ね?寝るところ……だった?」

「いや、大丈夫…」

 

 

 

Afterglowの一件以来、2人の間で決めた約束事

何かあったらこうやって話そうという合図

 

 

 

「あこちゃんと……考えてたけど……なかなか

思いつかなくて……。その……彼方くんが

Afterglowでも……同じようなことが……あったとき

どうしてたのかな……って」

「うーん…」

 

 

 

しばらく考える。Afterglowの件は"幼馴染"だからこそ

素直に自分たちの気持ちを直接伝えるという方法が

うまく行ったのかもしれない。

それがRoseliaでうまく行くかどうかは見当もつかない

 

 

 

「Afterglowの件は"Afterglow"だからこそ

うまいこと丸まったって感じだから、Roseliaで

うまく行くかどうかはわからない、かな」

「そっか…」

「でも根本は同じだと思うから、Roseliaに合った

方法を探していくしかないと思う。

言葉だけじゃ難しいかもしれないし」

「ありが……とう……」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「「「うーん……」」」

 

 

 

学校終わり、ライブハウス近くのカフェで

燐子さん、あこちゃん、そして俺は頭を抱えていた。

 

 

 

「今日……ほんとは……練習の日だね……」

「そうだったのか」

「家にいても……落ち着かなくて……

あっ、あこちゃんと彼方くんは、ついでって意味じゃ……」

 

 

 

そう、本当はRoseliaの練習の日らしいのだが

湊さんから連絡があってなしになったらしい

家にいても落ち着かないから、と

燐子さんから誘われた。

 

 

 

「…………ねぇ、りんりん、彼方さん。あこ、みんなに

余計なこと言っちゃったのかな?」

「それは違うよ。……友希那さんが、本当に

Roseliaを辞めるなら、いつかわかってたことだと思う」

「燐子さんの言う通り、かな」

「じゃあ……このままRoselia、なくなっちゃうの?」

 

 

 

燐子さんの言う通り、遅かれ早かれ辞めるのであれば

湊さんの口から出ていたことだろう。

あこちゃんは自分自身のことを責めているが

あこちゃんは、悪くない。

 

 

 

「あこちゃん……。これ……」

 

 

 

そう言って燐子さんが見てた動画は

Roseliaの練習風景。以前の燐子さんがいない

4人ではなく、燐子さんが加入してから撮った新しい動画

湊さんも紗夜さんも含めてみんな楽しそうにしている

 

 

 

「うん……。あこ、あの日はカッとなって

飛び出しちゃったけど、また、こうやって集まりたい。

だから、なにかしなきゃ!そーだよね?」

「お、その意気だ。」

「わたしは、わたしを変えてくれたこの人たちと

もっと、もっと……もっと音楽がしたい」

「燐子さん…」

「…!!りんりん……」

 

 

 

燐子さん自身の言う通り、変わったって感じがする

こう、自分自身のことを出して、大人びたって感じ?

 

 

 

「だから……わたしたちでも、できることを

一緒に……考えて欲しい……」

「まぁそのために来たようなもんだしね」

「うーん……何がいいんだろう……」

 

 

 

Afterglowの時はみんなが思い思いの言葉をぶつけ合って

ガルジャムで蘭のお父さんを音で納得させて……

 

 

 

「あっ……!」

「彼方くん?」

「彼方さん?何かいいの思いつきました!?」

 

 

 

これならもしかしたらいけるかもしれない

 

 

 

「動画!あこちゃんが撮ってくれてた動画だよ!

言葉じゃどうしようもないなら、音で伝える!」

「うまく……いくのかな……?」

「動画、よく見たらさ。あの湊さんも紗夜さんも

びっくりするぐらい笑顔で練習してるんだ。

きっとみんな、Roseliaはなくなってほしくない

それをこれで伝えるんだよ!」

 

 

 

今までの練習が嘘だったなんて

Roseliaとしての時間が嘘なんかじゃなかったって

この動画が証明している。

 

 

 

「全員に送ったよ!」

「よし、あとは待とう。思いつく限りの出来ることは

やったはずだからさ」

 

 

 

あとは湊さんがどうでるか……

かすかな望みを賭けて、時間が過ぎていく




そういえば、単体ヒロインの恋愛もの書いたら
需要あるかな?

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