「なんとか、なった…」
病室での蘭とモカの一色触発の空気から
Afterglow全体が一触即発の空気になって…
バンドを休むっていう話もなくなって
つぐが退院してからガルジャムに向けて
頑張るぞ!という雰囲気になっていた
「(あんな風になったのも結構久しぶりだし
まぁ仲直りできたんなら結局はいつも通りかな)」
「お願いします!」
「何度来たって無駄よ」
ちなみにパン屋に寄った後、1人で病室寄って
つぐにパンを買っていった帰りである。
病院から帰宅するとき、羽丘の前を通るのだが
そこにはあこちゃんと、噂の湊友希那さんと
この間は会ってない、茶髪のポニーテールの
女の子が一緒にいた。というか、噂の湊友希那さん
高校生だったのね…
「あこちゃん、頑張るね」
「あっ!彼方さん!彼方さんからもお願いしますぅー!」
「えっ、俺?」
予想外のあこちゃんからのお願いにふと
湊友希那さんの顔を見ると
無表情だが無表情に見えない
なんとも言えない顔をしていた
「(やばい、下手なこと言ったら、やられる…)」
いや、そんな顔…と思われるかもしれないが
本当にそんな顔をしている
しかし、そんな恐怖は近くにいた
茶髪のポニーテールの女の子の声でかき消された
「あれ?あこの友達?」
「え?あ、まぁ…」
「私、今井リサ。そこの友希那と幼馴染なんだ!
よろしくね!」
「彼方、奏です…」
いきなりのコミュ力の高さに驚きながら
「(この人、ギャルだ…)」
なんて口に出そうものならきっとこの空気を
ぶち壊すことになってしまうのだろう
髪をくるっと巻いて、化粧して、ピアスして
これをギャルと言わずなんと言う
「あなたからもなんとか言ってくれないかしら
何度も断ってるのに…」
「断られてるのか…」
「はい!でも、どうしたらあこの本気が
伝わるかなって考えて、友希那さんの歌う曲
いっぱい練習して、全部叩けるようになってきました!」
ふと見えたあこちゃんの手に持ってる、スコア?
だったっけか、を見るとやけにボロボロになってる
それだけたくさん練習して認めてほしかったのだろう
秘めた大きな熱意を。
「お願いです!1回だけ!
1回だけでいいから一緒に演奏させてください!
それでダメだったら、もう諦めるから…」
「何度も言ってるけど遊びじゃないから…」
あこちゃんの精一杯の熱意も遊びじゃないの一言で
一蹴されてしまう。遊びじゃない…か。
「遊びかどうかは、演奏を聞いてから決めたら
いいんじゃないですか?聞いてもいないのに
一方的に決めつけるのはよくないかと」
「そうそう!奏の言う通りだよ!1回くらい、さ?
あこのことは同じ部活だし知ってるけど
やるときはやる子だよ?」
「はぁ…リサがそういうなら。一曲セッションするだけよ」
今井さんがノリが良くて助かった
というか、初対面でいきなり下の名前で呼ばれたことに
びっくりした。こういうのって名字から徐々に
でないのか、そうか、これがコミュ力お化けか。
話を終え、演奏するためにスタジオに向かう
「今井さん、ありがとうございます」
「んー?いえいえー。友希那ってほら、
言葉足らずなところがあるからフォローしてあげないと」
足らないところは表情で補ってる気がする
というのは思ってても言わないことにする
「あっ、そうだせっかくなんだから名前で読んでよ!
なんだか今日だけって訳でもなさそうだし!」
何をさらっと言い出すのかこのコミュ力お化け
と思っていたが口に出さないことにする
「善処します…」
「それ善処しないやつだよね?」
…バレバレである
◇◆◇◆◇◆
「あなたはこの間の…」
「あー、はい…えーっと、水髪さん」
「誰ですかそれは。氷川紗夜です」
「氷川さんね、彼方奏です」
すっかり忘れていた、この水色の髪の人
そういえば一緒にいた。
とりあえずパッとつく特徴で呼んだなんて
知られたらまためんどくさいので
黙っておくことにする
「この状況を作ったの、俺ですから
最後まで見届ける責任はあるかと思いまして」
「そうですか、意外と真面目なのですね」
「第一印象どんなんですか…」
「そうですね、チャラついていて失礼な人かと」
酷い言われようである
「おまたせー」
「あれ、今井さんベース弾けるんですか」
「まぁ昔ね…」
今井さんが中学1年生?辺りまでは
湊友希那さんと組んでいたらしいが
なぜ、途中でやめたのかは謎である
「じゃあ始めるわよ」
湊友希那さんの合図でセッションが始まる
そこで奏でられた音は、あのときライブハウスで
聞いていたものよりも力強く、美しく
「(なんだこれ、なんか、Afterglowのみんなとは
似ているんだけど、違うような。うーん、なんだ?)」
セッションが終わると、スタジオにいた全員が
驚いた顔をしていた。セッションはお互いに
初めてだというのにあれだけの音を
奏でられたというのだ。湊友希那さんが
なにやら難しいが楽器にそこまで詳しくなくても分かる
「すげぇ…」
「彼方さん!ちゃんと聞いてました!?」
「あぁ、あこちゃん。聞いてたよ、すごかった!」
「えへへー!あっ!バンドに
入れてくれることになりました!」
感嘆してる間にあこちゃんのバンド入りが決まったらしい
あこちゃんの熱意が伝わってよかった
あ、あと今井さんも入ることになったらしい
「練習は今日から始めるけど、最初は私抜きで練習してて」
「どうしたの、友希那?」
「えぇ、聞きたいこともあったし、丁度よかったわ」
ここにいた全員がハテナマークを浮かべる
なんだ、湊友希那さん。残りはキーボードだけど
行き道とかでいいキーボード奏者を見つけたのか
なんてバカらしいことを考えてたら
彼女の口から発せられたのは衝撃的な一言だった
「彼方奏、あなたも私たちのバンドにはいるのよ」
「……………は?」
「聞こえなかったかしら?あなたも…」
「いやそうじゃなくて」
なんで俺スカウトされてるの?キーボード引けないよ?
弾ける人は心当たりあるけど、やらなさそうだな…
「
「…ちょっと外で話そうか」
スタジオをでて近くのカフェテリアに腰を掛ける
彼女が携帯の画面を見せてきたと同時に言葉を発する
見せてきたのは昔のとある記事だ
「彼方奏、今から約10年前から約3年間。
幼いながらも歌で、声で数々の賞を受賞した天才」
「……っ」
よくもまぁここまで調べたなと
というよりもまだ残ってたのか
同姓同名の違う人ですと言ってもいいのだが
それもそれで面倒である
「しかしあるとき突然姿を消した」
「まぁ合ってますよ。」
「ということは私があなたを
スカウトした理由分かるわよね?」
おそらく、バンドの特に歌の技術的指導
あとは付属してあこちゃんの面倒を見る、か
この人のやることは間違ってないし間違ってる
上を目指すには技術が高い人に教えを請うのが1番
そこは間違ってはいが、間違ってるのは
この人が
見ていることである。
「で、どうかしら?」
「丁重にお断り申し上げます」
「急に余計にかしこまられると困るわね…
理由を聞いてもいいかしら?」
「あなたの言葉を借りるなら、…答える義理はないです」
「…そう」
今はAfterglowのマネージャーだとか
理由は色々あるが会って間もない人に
話す義理もない。
「それじゃ、あこちゃんのことお願いしますね」
「……えぇ」
さぁ帰ろう、1日で色々あったように思えるぐらい
疲れがどっと来てるけど、またいつも通りの日常だ
LBを朝起きて消化して、昼に消化して
帰宅してから消化して、寝る前に消化して
というサイクルの間でるるるんっときて書いてます
そろそろラブライブ!サンシャインの方も書かなきゃなぁ(白目)