ハロハピはまったり全報酬ぐらいでやります
「蘭、緊張してないか?」
「して……ない」
嘘が下手である
蘭は嘘をつくときと照れるときは口がつまる
そこがまぁあれなのだが
「あと、えっと…」
「ん?」
「その、ごめん」
…なんかされたっけいまいち覚えてないんだけど
「蘭、俺になんかしたっけ?」
「え?いや、その病院であんなこと言ったのに
巴たちには謝ったのに、奏には謝れてなくて」
あぁ、そのことか。
そういえばなにか言われた気もするが
「別に気にしてないよ」
「え?」
「ひまりの言ったとおり、俺たちは仲が良すぎるんだよ」
かれこれ約10年の付き合いの幼馴染で
バンドも組んで、ずっと一緒にいて
この関係が崩れないように、知らず知らず
お互いが遠慮しあって傷つかないように接してた
「だから、蘭に言われたことは間違ってないんだ
言いたいことも言わずに、関係ないって思い込んで
みんなが、自分が傷つくのが怖かった」
だからこそああいった場は必要だったんだと続ける
そりゃ小さい喧嘩こそ何度かあったものの
あれだけ大きな喧嘩をしたのは片手で数えられるくらいだ
それこそバンド活動を休むまでいったのは
初めてかもしれない
「だからこれからは言いたいことはちゃんと言う
それがAfterglowのためになると思うよ」
「そう…。でも奏はメンタル弱いからほどほどにしとく」
「蘭、やっぱ喧嘩売ってんだろ…」
「別に…」
あの場で喧嘩したからこそ蘭は家と向き合うことにした
Afterglowがより団結した。だからこそ…
「俺も向き合わなきゃな…」
「なんか言った?」
「いいや、なんでも。で、話はこんだけか?
わざわざ蘭の家まで寄って、2人で学校行くって
そうそうなかったぞ?」
「終わり」
「は?」
「謝りたかった、ただそれだけだから」
謝りたかったって、別に練習の時とか
なんなら電話とかメッセージでもよかったのに
「意外と律儀だな」
「うるさい…。ほら、みんないるよ」
「ごまかすなよ、ったく…」
蘭との会話に夢中になってるといつもの
集合場所に着いていた。
まぁ、ここから俺は別れるのだが
「おはよう、みんな。つぐ、体調はもう大丈夫か?」
「おはよう奏くん。うん!ばっちり!」
「だからと言って無理はさせないからな」
「うっ…、ほどほどにします…」
笑い声が朝の空に響く。これがいつも通りの日常
「あ、そうだ、蘭」
「どうしたの?」
「
「…うん」
今日、蘭は親父さんとしっかり話すらしい
遊びでバンドをやってる訳じゃないこと
華道ともしっかり向き合うこと、両立させること
「蘭なら大丈夫。俺も、みんなついてるから」
「…ありがと」
「じゃっ、また放課後な」
またねとみんなが返事する
頑張れ、蘭
◇◆◇◆◇◆◇◆
放課後、美竹家玄関前
うまくいけばこのまま練習を始める予定である
「ここからは1人で大丈夫」
「本当か?泣きながら飛び出してこないか?」
「しない…!!」
わりと心配なんだけどなぁ…
いや、心配しすぎか
「蘭ー…ほんとに1人で大丈夫?ついて行こうか?」
「大丈夫だってば!」
「蘭が本当に泣きながら飛び出してこないか心配だよー」
「…モカ、奏、嫌い」
「じょーだんー」
「俺もかよ!?」
みんながそれぞれ蘭に声援を送る
向き合うと決めた、蘭を信じるしかない
─────────
あれから1時間は経ったのだろうか
まだ蘭は玄関から出てくる気配はない
「蘭ちゃん、どうなったかなあ…」
「蘭が話し合いにいってからどれくらい経ったかなぁ?
もしかしてうまくいってないのかなぁ?」
「あれから1時間くらいかな。うまくいってるにしろ
いってないしろ、そろそろ出てきてもいいと思うけどな」
うまくいってなかったら泣いて飛び出してくるだろうし
うまくいったら泣いて飛び出してくるだろうし
あれ?どっちも変わんなくないか
「話し合いがうまくいったのが嬉しくて泣いてるんだよー
目の腫れがひいてから出てくるんじゃないー?」
「泣いて飛び出してくるにチョココロネ」
「またモカとかーくんはすぐそういうこと…」
「あっ、蘭!」
あーだこーだ言い合ってるうちに
玄関から出てきた蘭を最初に見つけたのは巴だった
ふと顔を見ると、深刻そうな顔をしているが
いままでとは違ってなにやら
スッキリしてそうな顔である
「その顔は、うまくいったみたいだな」
「…うん。父さんガルジャム見に来てくれるって
ライブで納得させる」
よかった…。ガルジャムまで時間がない
納得させる演奏をしないといけない
「ほら、早くスタジオいこう。
納得させる演奏をしてみせるんだから」
「「「「「…………」」」」」
蘭があまりにもツンツンしてるので
さすがに一同驚愕である
「素直じゃねーの。な、巴?」
「確かにな。ったく…」
「やっっったぁーー!!よかったぁーー!!
もう!本当心配してたんだからねー!」
まぁかくいう俺も心配はすごいしてたのだが
ひまりのように表に出すことではない…
ていうか出したら確実にモカにいじられる
「…蘭ー、目赤いよ?
もしかしてさっきまで安心して泣いてたー?」
「…っ!泣いてない」
いまにも泣きそうな声で言われても
説得力がないが。
「またまたー。モカちゃんの目にはごまかせないぞー?」
「もちろん、俺の目にもなー?」
「……泣いて、ない……っ!」
あ、やっぱこれ泣いてるやつだ
よほど嬉しかったのだろう。気を張りつめていたのだろう
それがほどけたんだ。泣くのも無理はない
「あー!モカとかーくんが泣かせたー!」
「あたしじゃないよぉー。かーくんだよぉー。」
「ちょっと待てモカ、最初はモカだろ!?」
なぜ罪を擦り付けられるのか
「……っ!奏の……バカ……っ!」
「え、やっぱ俺だけ!?」
「…蘭、よく言ったな」
俺のつっこみを置いといて
巴が泣いてる蘭を抱き寄せる
「…うんっ。うん……!
…あたしだって、不安だったんだから…!」
「ほんと、よく頑張ったよ。」
「ありが…と…!」
またこうやってみんなで集まってバンドができる
それだけでなんと喜ばしいことか
「みんな、その……
いつも助けてくれて、ありがと」
改めて言われるとむず痒い気もする
みんながいつも通りいられるように
頑張っただけなのだから
「誰か1人かけたらもうAfterglowじゃないんだ
だからお礼はまぁありがたく受け取っとくよ」
「よーっし、それじゃあスタジオ行こっか!」
「うんっ!…わぁ、見て!すごい綺麗な夕焼けだよ!」
つぐが指を指した方向を見ると
それはもう美しくオレンジ色に輝く夕焼けだった
「おー、ホントだ。まぶしいねぇ。
まるであたし達の青春みたいだねー」
Afterglow、夕焼けという意味をもつ言葉
本当にぴったりだ
「みんな、この夕日に誓おう!
ライブ。ぜーーーったいに成功させよう!」
あ、これいつものやつだ
「えい、えい、おー!」
「「「「「………」」」」」
これも
「ひまり、空気読もうぜ」
「えーっ!やっぱり誰も言わないのー!?」
「おー」
「蘭、だいじょぶ?」
「泣きつかれて頭おかしくなったか?」
「なっ…!」
ぼそっとつぶやいた蘭の「おー」
なぜかいった本人は顔を真っ赤にしている
これでまたいつも通りの日常に戻れる
Afterglowの日常に
次でAfterglowの1章の部分が終わります、たぶん
その次はRoseliaとPastel*Palletesの出番です