S-09地区、とある廃墟にて
「こちらイージス。ターゲットの回収に成功、オーバー」
「こちら89式了解。30秒でLZまでください。」
俺の名前…いやコードネームはイージス。
民間軍事会社A.T(Anti Terror)というところに勤めているごく普通の人間だ。…いや、普通というのは撤回しよう。こんな世紀末な世界で普通の人間はいないだろう。
「あのなぁ…こっちは生身の人間なの。君たち戦術人形と違って疲労っていうものがあるのよ」
「昔、社畜という言葉があったと聞いたことがあります。という事は…」
89式さん、社畜は悪い文化ですなどと心の中で叫びながらLZまで走る。残り500m。
ちなみに89式は戦術人形と呼ばれているとても人に似ているアンドロイドだ。とある事情により廃棄されてたところを拾った。
「こちらイージス、LZに到着…死にそう」
「お疲れ様です。まもなく回収のヘリが来ます…でその人形が今回のターゲット、AR15ですか」
「あぁそうだ」
「でもグリフィンが要求したのは彼女の抹殺では…」
「まぁまぁいいじゃない別に」
「はぁ…いつも通りですか」
「傘の効果を打ち消せるメンタルアップグレードとやらをすれば問題無し。ソフトは事前に入手して技術班に解析させてあるから」
「相変わらず仕事が早いですね」
「そりゃ、美少女が我が隊に増えるのは大歓迎だからな」
それに彼女はAR小隊所属…戦力も大幅に増える。
「こちらアルファ、LZに到着した!乗ってくれ」
「了解」
ここは真っ暗な世界。そうか私は死んだのか。…M4はちゃんと助かったのかしら?これで助かってなかったら承知しない。さて、私は地獄に行くのか、天国に行くか…
「…ここは」
どうやら私はまだ生きているらしい…にしてもどこなんだろうここは
「お、起きたか」
「…貴方は誰」
「おいおい、銃口を向けないでくれ。俺は敵じゃない。俺が人権団体に見えるか?」
「あれ、なんでセーフティーが働かないの…」
そう、普通の人形には人が撃てなくなるようにセーフティーがあるはずだ。
「残念だったなトリックだよ。うちの技術班が引っこ抜いたよあんなのは」
「で、ここはどこなの」
「銃口…まぁいいや」
「ここはS-12地区にある民間軍事会社A.T、色々な人や組織から裏仕事の依頼を受けている会社だ」
「そんな会社、聞いたことないわね」
「そりゃそうだ。AR小隊さまみたいな企業の光を担当してるようなやつが企業の影を知るわけがない」
まだこの男が信用できるかわからない。
「そういえばまだ貴方のコードネームを聞いてないわ」
「俺はイージス、よろしく」
「で、私はAR小隊に合流したいのだけど」
「残念ですけどそれは無理です」
「89式、いつの間に」
「貴方は…人形ね」
「第2.5世代戦術人形89式自動小銃です。よろしくお願いします」
2.5世代…試作品だろうか?しかしそんな戦術人形は聞いたことがない。しかもこんなところにいるあたり訳ありだ。
「で、何故私はAR小隊に戻れないの」
「GKから依頼されたのは貴方の抹殺…今貴方は死亡扱いです」
そうか…しかも私は裏切りを疑われていた身だ。戻れるはずは無い。でも何故彼らは私を殺さなかったのだろうか。
「何故私を抹殺しなかったの?」
「女の子を殺すのは趣味じゃない。それが人であれ人形であれ」
「でも私はこれからどうしましょう…」
「君には2つの選択肢がある」
2つ?今の私にそんなに選択肢があるだろうか?
「1つは一人で放浪してお亡くなりになるのを待つか…それとも」
「私たちの部隊に参加するかです」
…もしかしたらこいつらと一緒に居たらM4達の助けになるかも知れない。どうせ1人じゃ何も出来ない…だったら
「…コルトAR15、貴方達の部隊に参加します」
89式実装しないかな