ど素人の作品なので、誤字脱字が激しいところがあると思いますが、暖かい目でみていただけると幸いです
2015年、中国に突如飛来した未確認飛行体「ザイ」
このザイの攻撃により中国は壊滅的な被害を被り、日本も危機的状況にあった。
そんな中、アメリカ軍が計画した「上海上陸作戦」は中国進行のための橋頭堡を築くものだったが、ザイの新型兵器の登場や対ザイ用無人戦闘機「ブロウラー」の暴走などによって失敗に終わってしまった。
作戦後は比較的穏やかな日々が続いた日本だったが、いつザイに侵略されるかもわからない。
そんな中、民間軍事会社に出動命令が下った...
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太平洋上に位置する民間軍事会社(PMC)、
[RALF.International.Defence.Force]《ラーフ インターナショナル ディフェンス フォース》
の基地内にある
「よし、諸君集まったようだな」
中年男は言った。
「私は今回君たちの作戦指揮の任を仰せ付けられた、マクドネル・マッケンジー大佐だ。よろしく頼む。
...さて、移動の楽しみをよそに早速指令がでた。」
「どんな指令なんだ?」
屈強な男達の一人が聞く
「以前より、我々ラーフ社は対ザイ戦に向けて日本への支援表明を行っていた。結果として今の今まで何の音沙汰も無かったのだが。上海上陸作戦以降日米共に航空戦力を少なからず損耗してしまっている事から今回、その穴埋めとして我が軍に支援要請が来たといったところだ」
「本当に今さらだな。」
「ただ、今回の要請に関してだが、日本の独断によるものでもないようだ」
「...アメリカか」
「その通だ。」
「でも、何でアメリカが?」
その場に集まった屈強な男達、つまりパイロット達は頭を傾げた。
ただ一人を除いて
「これを見てもらおう」
マッケンジーはそう言うと自分の前に置かれた机の上のPCを操作し始めた。
すると、ブリーフィングルームの前に取り付けられた大型の液晶ディスプレイに世界地図が表示された。
「これは皆が知っている世界地図だ」
「俺達の国では学ばない並びだけどな」
パイロットの一人が言う
「確かに、これは日本で使われている、日本を中心に見た地図だか...」
マッケンジーはさらにPCを操作する。
[見てくれ。これが2015年から現在に至るまでのザイの勢力分布だ。赤いハイライトがそうなのだが...」
みるみるうちに赤色は中国を飲み込んでいった。
「中国は真っ赤だな」
「うむ。もしこのまま中国全土を支配下に治められた場合、次の標的になるのは...」
マッケンジーはそこで言葉を止め、赤色の動きを見つめる。
やがて赤色のザイの勢力図は日本海を越え九州、石川県方面から徐々に赤く染まっていく。中国以上小さい国土の日本は簡単に飲み込まれてしまった。
「そして、この日本が陥落した場合、次の標的は...」
「アメリカ...西海岸...か」
マッケンジーの話を遮り、パイロットの一人が割り込んだ。
「その通り。アメリカは日本を自国防衛の最終ラインと見ているのだろう。」
「他国が四苦八苦してるのに大国様は自分のことしか考えて無いわけか」
「無理もない。この状況で他人の心配できる国なんて存在しない」
その場にいる各パイロット達が各々口を開く。
「だからこその我々PMCだ。他国が自分のことで手一杯の時に我々が動くしかない。」
「何事にも縛られず、困った人を助ける...か」
「聞こえはいいが、結局俺達は金で操られる便利な戦争屋ってことだろ?」
皮肉混じりにパイロットの一人が言う。
「確かにその通りかもしれんな。しかし、今はそんな我々にもすがらなければならない状況になってるわけだ。我々が出来る最大限の支援をしていくしかない。」
マッケンジーは皆に志しを新たにしたかのように少し強めに語った。
「いい流れのところ悪いが質問だ。
日本防衛のためといっても、いくらなんでも戦力がひ弱過ぎないか?
いくら手慣れの俺達でも、日本の上空全域を守るのは不可能だ。」
一人がマッケンジーの熱弁を遮り言った
「もちろん、君たち以外の部隊も出動するよ。
しかし、君たちには更に重要な任務がある」
マッケンジーはそう言うと再びPCを操作する。
そして画面が切り替わり1機の戦闘機の写真と部隊のエンブレムが表示された。
「君たちは、第1特殊飛行隊、コールサイン[ホーカー]を知っているかね?」
「ホーカー?あぁ、確か実験部隊とかだったよな?」
「そうだ。今回はこの実験部隊であるホーカー隊も出動する事になっている。」
「しかし、何で実験部隊が...」
言い切らないうちにマッケンジーが口を開く
「それはだな。現在この実験部隊では、対ザイ用戦闘機の開発が進んでいる。この写真に写っているものだが...
君たちにはこれの防衛任務に就いてもらう」
マッケンジーが表示した写真の戦闘機は十中八九ステルス戦闘機だった。
「たかがステルス戦闘機で対ザイだって?」
「厳密にはたかがではないのだがな。詳しい話はまた後日説明してもらうとしよう。私の口からよりも研究者の話の方が確実だろうしな」
「なるほど、つまり俺達はそいつのお守りをすれば良いわけか」
「それともうひとつ」
またマッケンジーがPCをいじる。今度は3機の戦闘機だ。
だが今度は見た目がまるで違った。
「日本が開発した対ザイ用兵器[アニマ]ならびに[ドーター]だ。」
「アニマとドーター...聞いたことはあるような...」
「ザイの部品を使って作られた対ザイ兵器という話だ。まぁ、この写真の中にアニマほ写っていないがね。
君たちにはこれらの防衛も行ってもらう。」
マッケンジーは簡単に説明していく
「ちょっと待て、ザイの部品って大丈夫なのか?」
「アメリカで開発されたものは暴走したと言う話だな。」
マッケンジーが手元のファイルを見ながら答える
「マジかよ...」
一人が若干声を震わせながら言った。
「だが、日本製のものは大丈夫のようだな。」
「さすがはメイドインジャパンってか?」
別の男がおちゃらけて言った。
「話をまとめると、俺達は日本に出向いて、俺達のザイ用兵器と日本のザイ用兵器の防衛任務に就けということだな?
肝心な場所はどこだ?」
「そうだったな。君たちは石川県の小松基地に向かってもらう。」
「小松か...」
「そうだ。君たちは小松に向かい先ほど話した二種の対ザイ用兵器の防衛任務に就いてもらう。
他に質問があるものは」
マッケンジーが力のこもった声で質問者を探した。
だが、誰も挙手するものはいない。
「よし、では出動に向けた準備に取り掛かってくれ。
解散!」
そう言うと座っていたパイロット達は一斉に立ち上がり、新しく編入された指揮官に向けて敬礼を行う。
それに応じるようにマッケンジーも敬礼を返しブリーフィングルームをあとにした。
(日本へ...か...)
一人のパイロットはそう心の中で呟いた。
ーーーーー
澄み渡る空、下は分厚いまっさらな雲、そしてギラギラと顔を照らしてくる眩しい太陽。
そう、これが大空だ。
ほぼ毎日のように見る美しい空だ。
男はギラギラと照りつける太陽をバイザー越しに見つめ、キレイだと在り来たりな感想を思った。
そんな中、無線に悲痛な叫びが聞こえた。
「腰がイテェ、ケツがイテェ、狭っ苦しい~」
「ブランドン、我慢しろ。毎度のことだろ?」
「毎度の事でも辛いもんは辛いんだよ、ランディ。
俺は戦闘機に乗るのは好きだが、戦闘機で長距離フライトをするのは嫌いなんだよ」
「みんな一緒だそんなもん」
日本への移動を命令された第2航空戦闘団、第5航空戦闘中隊 、第1航空戦闘小隊 通称[グリフォン隊]の面々は綺麗な編隊飛行で日本へゆっくりとしかし着実に近づい行った。
フィンガー・フォーの隊列で飛行を行う彼らは、
先頭の1番機[F-15C イーグル]を筆頭に2番機[Su-33 フランカーD]、3番機[F-14D トムキャット]、4番機[F-16C ファイティング ファルコン]、そしてそのフィンガー・フォーの真後ろを同高度で飛ぶ旅客機に回転するレドームを取り付けた機体が1機...
「ブライアンはいいよな?複座だから交代交代できて」
2番機ブランドンは冗談混じりに3番機ブライアンに言った。
「バカ、複座でも狭いことに変わりはねぇよ」
「そりゃそうか。
いや一番良いのは[AWACS《エーワックス》]殿だな。デカイ機体なんださぞゆったりと寝れるんだろうなぁ」
ブランドンは後方を飛ぶAWACS、早期警戒管制機の空中管制官に問い掛けた。
「残念だったなグリフォン2、ブランドン。
俺は君たちが安全に航行出来るよう、レーダーとにらめっこしなきゃならん。だが、戦闘機よりは広いスペースで仮眠はできるよ」
「そりゃありがたいね」
「それに、今はそれよりも大切なことがあるからな...
君、そこのハンバーガーを取ってくれ」
無線から空中管制官の声が入ってくる。
「おま、また機内で食事会か?」
「食事を取ってなにか問題でもあるのか?」
管制官が問いかける
「いや、別に文句はねぇけどよ...
またお手製のやつか」
ブランドンは聞いた
「そうだ。
だが、今回は今までのやつにちょっと手を加えた」
「へぇ~どんな」
「今まではパティーを4枚挟んでたが、今回は1枚追加だ」
管制官が楽しそうに答えてくる。軍内部でも、この管制官は食い意地が張っていることが有名で、食事のことしか考えてない管制官とまで言われる始末だ。
「お前のバーガーは確かにうまいんだがな、いかんせん分厚くて食べづらくて仕方ねぇ。」
「そうか?俺はそう感じないがな...」
管制官の言葉のあと、小さくだが確実にカチャンという音がした。
「お前まさか、皿にのせてナイフとフォークで食ってる訳じゃねぇよなぁ?」
ブランドンが問う
「なにか問題でも?」
管制官が答えると
「バーガーってのは両手や、片手が食らいつくもんだ。ナイフとフォークなんて、どこの貴族だよ」
「確かに、そうやって食べる時の喜びと味はいいものだ。だが、真の通はこうやってナイフで切り、フォークに刺して頂くものさ」
「何が通だよ。
バーガーは手でいくもんだそっちの方がウマイし、バーガーらしい食べ方だ」
ブランドンと管制官がひと悶着始めだした。
「確かに、その食べ方はウマイさ。
だがブランドン、お前はこの食べ方の美味しさを味わったことがあってそう言うのか?」
「なぁ~にがこの食べ方の美味しさだ。
手でガッツくのがウマイに決まってるし、普通そうやって食べるもんだ。なぁランディ。お前もそうだろ?」
ブランドンが1番機ランディに同意を求めてきた。
「どっちでもいいだろそんなもん。人の食べたいように食べさせてくれよ。」
「なんだよつれねぇなぁ。マイク、お前はどうだ。」
今度は4番機マイクに聞く
「そうだなぁ、正直手でいくタイプだが、ナイフとフォークも味があっていいもんだぞ」
皆各々の価値観でしゃべっていく。
「ブランドン、人の好きにさせてやれ。誰かの好みを阻害できるよ権限は他人にないんだよ」
ランディは優しく諭す。
「まぁ、確かにそうだな。
悪かったなテイラー」
「ああ、構わないさ」
ブランドンは管制官、テイラーに謝る。テイラーも素直に許す。あんな風に言い合っても別段不仲というわけではない。
「でも、うちの管制官は食い意地が張りすぎなのに変わりはねぇな。食に関してのこだわりが強すぎだな」
ブランドンは笑った
これに対してテイラーも笑いながら
「ないよりましさ。
ちなみに、お供はトローリチーズガーデンがのったフライドポテトにコーラだ」
「ペプシじゃないのか?」
ランディは嫌な予感を感じた。
「ペプシなんて、コーラのパチもんじゃないか。」
「んだとぉ?ペプシをバカにすんじゃねぇ!大体なぁ...」
(また始まった...)
ランディは頭を抱えた
二人の言い合いを聞いてると、聞いてるこっちが腹が減ってしまう。
(結局あいつも人に言うくせして自分もこだわりが強いじゃねぇか...)
ランディは空腹とストレスで胃がキリキリとなるのを感じつつ癒しを求めて再び太陽を眺めた。
彼らグリフォン隊の5機はゆっくりと着実にそしてギスギス(?)と日本に向かっていた。
「次回 到着」お楽しみに
初投稿で、かなり読みにくいところが多々あったと思いますが、こんな感じでちょこちょこと投稿していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。