「「「「「「「ぎゃああああああああ!!!」」」」」」」
エレノアが頭を下げて周り船をワープする許可を得た。
人をワープさせるならばフロルの風とか風のオカリナを使えばいいが、船をワープさせるのは訳が違う。
「おーし、辿り着いたぞ」
疾風の唄。
ゼルダの伝説風のタクトに出てくるタクトの唄の1つであり、具体的な効果はワープである。
このワープが無ければ風のタクトは攻略できない。やたらと上手い人ならばこのワープを使わないと手に入らない炎と氷の弓矢が無いと入れない島に行かずに次のダンジョンに行くが、それはこれとは関係無いので置いておこう。
「ついたぞ……お、ダイル達が居るぞ」
「ま、待ってください……あ、頭が痛い」
だろうな。
監獄島に戻るために使った疾風の唄、ワープする唄だがフロルの風の様に光の帯の様な物を渦巻いてワープするんじゃない。竜巻に飲み込まれて船ごと回転して目的地へと連れていくワープとも言い難い。
とはいえ、一瞬であっという間に辿り着くのも事実。
「よぅ、ちゃんと約束通りに戻ってきたぞ」
オレ以外は全滅っぽいので一足先にオレは船を降りる。
エレノアの言った通りいい子にして待っていたモアナは目を輝かせており、喜んでいる。
「スゴい!スゴい!エレノア達、本当にあっという間に帰って来た!」
「ああ……とはいえ、はじめての人間には衝撃が強すぎたな」
「お前、ワープ出来るって話には聞いてたけどこんなやり方をするか普通」
「普通じゃない事をしたんだよ。多少の無茶はしなくちゃならない……とはいえ、全滅っぽい感じだがな」
未だに船と船着き場への橋が掛からない。
嵐を制覇するぐらいは余裕っぽいアイフリード海賊団だが、流石に竜巻になって移動するのははじめてだったか。
「ダイル、で、んか。モアナの方は?」
「エレノアが直ぐに帰るって言ってお前等がマジで現れたから問題はねえ……」
「しかし、それは暫くのその場しのぎに過ぎない。もっと根本的なモアナと向き合える人物が必要だ。我々ではモアナの相手をすることは出来てもモアナの気持ちと向き合う事は出来ない」
エレノアが早く出てこないかとウキウキ気分のモアナ。
一先ずは落ち着いているが、それはあくまでもその場しのぎ……ダイルと殿下には荷が重すぎるか。
「た、ただいまです……」
「シャキッとしろシャキッと」
「誰のせいだと思っているのですか……」
「お前が頼んだからだろう」
何事もなければ監獄島に到着する事は出来ていたんだ。
それをなるはやでお願いしますと頼んだのはお前なんだから睨まれても困る。
回転酔いがまだ抜けていないのか若干辛そうな顔をして船を降りてくるエレノアに対して活を入れる……けどまぁ、エレノアもエレノアでモアナと再会出来たので嬉しそうにしている。
「あの子がモアナだよ」
遅れながら降りてくるベルベット達。
拘束されたメディサを引き連れて降りてきており、目の前にいるモアナをライフィセットが紹介するとメディサはショックを受ける。
「ディアナと同じぐらい……聖寮はこんな小さな子を無理矢理喰魔に!?」
「……」
衝撃を受けるメディサ……オレとしては気になるところが幾つかある。
メディサはディアナの為に喰魔となったが街で集めた情報では適合した云々とよく分からない単語が出てきた。喰魔になる為の条件かなにかがある。その条件さえ満たせばカブトムシかクワガタかよく分からない見た目をしているカナブンやグリフォンと言った穢れを自ら生むのかと疑問する様な人じゃない生き物もなれる。
まぁ、何はともあれ自分だけが犠牲になれば世界が救われるなんて都合の良いことは無い。不幸を減らせば幸福は増えない。幸福って至るもので与えられるものじゃない。
「エレノア、お帰り!」
「ただいま、モアナ」
笑うエレノアとモアナ。
ほのぼのとした雰囲気を醸し出しており喰魔と対魔士の関係性だと見守っているのだが、モアナはメディサの事に気付く。浮かべていた笑顔を消し去り、ここから離れようとする。
メディサの見た目が怖いから?それとも……いや、ここは考えるよりも結果を見るだけだ。
「あっ!」
転けるモアナ。
「う……うわぁああああん!!」
溜まっていた物を吐き出すかの様に涙を流すモアナ。
このままなにもしなければ此処を出る前と同じやり方でモアナを眠らせる……けど、それはその場しのぎにしかならない。
「エレノア!」
「問題ねえよ。暴れれば全部オレが終わらせる」
メディサの拘束を解除するエレノア。
まだ此方に向けて敵意を向けているメディサを解放するのは危険だとベルベットは声をあげるが、暴れればオレが解決する。
「なんのつもり?」
「……お願いです、メディサ。あの子と話をしてあげてくれませんか?」
「話を……」
「あの子は、モアナは喰魔です。ですけど、お母さんを恋しがる普通の女の子なんです……私じゃあの子の悲しみを埋められない。でも、貴女なら……」
どれだけモアナと向き合うことが出来てもエレノアは姉だ。
モアナの開いてしまった部分を埋めることが出来るのはお母さんだけ、か……。
エレノアの言葉を聞き、歩み寄るメディサ。その目はさっきまでベルベット達に向けていた敵意は無く逆に怯えている。
「大丈夫……私はメディサって言うの」
モアナの手を握るメディサの手は震えている……重ねているな。
「怖い……わよね?」
「……ちょっと。でも、ベルベットやダイルよりも怖くないよ」
「お前、怖い認定されてるな」
「黙ってなさい」
はいはい。
「それより……おばちゃんはモアナの事、怖くないの?」
「怖い?」
「夢を見たの……モアナのお母さんがモアナの事を怖いって言って、いらないって……今度はお母さんが出て来てごめんねって謝ってね、モアナの事を抱き締めてくれてね……でも、お母さんは何処にもいなくて、居なくなっちゃって」
「っ!」
涙を流すモアナをメディサは強く抱き締める。
そしてメディサも泣きはじめる。モアナの苦しみを共感する事が出来るから。
「怖いものですか……お母さんが、子供を要らないなんて思うわけないわ」
「……なんで……分かるの?」
「私もお母さんだからよ」
あの時、エレノアが答えられなかったモアナの疑問を簡単にメディサは簡単に答える。
その答えはメディサだから答えれる答えで、誰も真似できない答えで言葉に強さが宿っている。
「お母さんは、自分が死んでも……世界がどうなっても……子供を愛してるのよ」
言葉に強さと力は宿っているが震えているメディサ。
「あなたを……誰よりも1番……」
「それはあんまり良くない事……だが、良くなくてもしたいことはあるか」
涙を流してモアナを抱き締めているメディサ。
抱き締められているモアナはメディサの暖かさを感じるのだが、メディサは明らかにモアナを自分の娘と重ねている。それは良いこととは言えないが今は思いっきり泣かせる。メディサもモアナもだ。
「ゴンベエ、一曲弾いてくれないか?」
「あのな、オレはそういうBGM担当じゃねえんだよ」
泣いている2人に合った曲を要求してくるアリーシャ。
こんな状態でなにかを弾けと言われても、そう易々と出てくるもんじゃない。帰ってきたヨッパライを弾くかもしれない。この二人に合うのは涙の音だけだろう……しかし
「家族にお母さんか……」
「なに浮かない顔をしてるのよ?」
「……聞くなよ」
「そう言われると気になっちゃうよ……ゴンベエにも家族は居るんだよね」
「居るには居るが二度と会えない」
「あ……ごめん」
「気にするな……そういうんじゃない」
転生者になる上で、二度と親に会えない。
その転生先で親となる人物は居たりするが、本当の意味で自分を生んだ親とは会えない。それを覚悟の上で転生者をやっている。思うことは無いこともないが、それはそれ。これはこれと割り切ることは出来ている。
メディサとモアナの姿を見て、普通ならば感動的と思える光景だろう。
モアナの心の穴を埋めることが出来て、メディサも結果的には埋めることが出来た。万々歳だ……だが、どうにもオレにはピンと来ない。
「現実は物語よりも糞だと思ってな」
親は子供の事を愛している。例えどんな姿になろうが、世界を敵に回そうがだ。
メディサの言っていることは本当だろう。本当にそう思っているからこそ、なんとも言えない気持ちになっている。
「オレはああ言うのを否定出来るんだよ」
アリーシャと出会う前、転生する前までオレは地獄にいた。
環境的な意味ではなく文字通り、正真正銘の地獄であり、そこで異世界転生するかと聞かれて、どんな世界に転生しても問題が無い様に鍛えられている。その間に見せられる、人間の悪性というものを。
「そうじゃない人間も世の中にはいて、そいつ等の被害者を見ている……」
そもそもでオレ達転生者は成人するまでに何かしらの理由で死んだ日本人だ。
オレはコンビニで休憩している所をボケた爺がアクセル踏み間違えでの轢かれて死んだ。そこそこに酷い理由で死んだが、世の中にはもっと酷い奴や変な奴がいる。
生きることに希望を見出だせず将来に不安を抱えて自殺した奴、加害者は軽いノリだったろうが過度な苛めで殺害された奴。
テレビをつければ大事件と世間で取り上げる様なニュースの被害者が居て、親に虐待されて殺された奴も居た。そいつは本気で親を憎んでいたな。
「まぁ、加害者の方も見ているがな」
なにせ悪い人間が落ちる地獄で色々と修行をしていたんだ。良くも悪くも人間を見てきた。
因みにだが神様のミスで殺してしまった的なのを閻魔大王は西遊記に出てくる孫悟空に対してやってしまったことがあるらしい。
「お前等、ちょっといいか?」
「どうしたの?」
オレのせいで変な空気を流れているとベンウィックが声をかけてくる。
「グリモワールが古文書の解読を終えたから来てくれってよ」
「分かったわ。行くわよ」
「大丈夫かな?」
「大丈夫よ」
モアナとメディサを心配するライフィセットだが、ベルベットは心配する必要は無いと言う。
互いに溜まっていた物を発散する事が出来ている。オレ達じゃ出来なかったことをしており、これでいい。
モアナ達をダイルと殿下に任せて船着き場を後にして監獄塔に足を踏み入れ、グリモワールの元へと向かう。
「来たわね」
「グリモ先生、解読が終わったの?」
「ええ。かぞえ歌には2番があったわ。読み下しておいたから、読んでみなさい」
そんな二度手間な。
グリモワールはライフィセットに古文書とメモ用紙を渡す。
「ええっと……八つの穢れ溢るる時に 嘆きの果てに彼之主は無間の民のいきどまり いつぞの姿に還らしめん 四つの聖主の怒れる剣が
「また曖昧でさばらん内容じゃのう。意味の内容の方の解読は済んでおるのかえ?」
「ええ……恐らくだけど2番目の歌の意味はカノヌシの性質を現している筈よ」
と言うことはこれにカノヌシの弱点もある……かもしれないのか。
「八つの穢れ溢るる時に 嘆きの果てに彼之主は無間の民のいきどまり……世界に穢れが満ちた時にカノヌシがその力で『民のいきとまり』をもたらす……と読めるな」
「人間を滅ぼすと言うのですか!?」
「おいおい、聖寮はそんな目的でカノヌシを復活させようとしているのか?」
「違う!アルトリウスはそんな男じゃない!!」
アイゼンの考察に驚くエレノアとロクロウを真っ向から否定するベルベット。
「あいつは……理想は『個より全』『理と意思による秩序の回復』よ!だから世界の為にラフィを犠牲にしたの!」
「お主の知っているアルトリウスは、じゃろ?如何に導師と言えども人であることには変わりはない。お主が知らぬだけで、変わってしまってる……強い穢れに当てられての」
「だったら……だったらラフィはなんの為に!」
アルトリウスの事をよく知っているが、あくまでもそれは一側面かもしれない。
アルトリウスも世界に絶望して変わっているかもしれないと不適な笑みをマギルゥが浮かびあげるとベルベットは引かずに噛みつく。
「やめないか!こんな所で私達が争っていても意味はない」
そんなベルベットをアリーシャは宥める。
最早、これが恒例になっているのでベルベットはそれ以上はなにも言わず頭を抱える仕草を取る。
「古文書の続きはなんと書かれているのですか?」
そんなベルベットの姿を見て冷静さを取り戻したエレノアは続きを聞く。
2番目の歌がカノヌシの性質を表していて最終的な目標が人類保管計画みたいなものだとしても色々と腑に落ちない点が多い。民のいきどまりと言うのが意味が分からない……人が停滞して悩み苦しむ事は痛いほど知っている。
なにかを目的に生きている訳じゃないのでオレもある意味、いきどまった人間の一人かもしれないが……なんだろう。
「それがこの古文書、完本じゃなかったのよ。まだ続きがある筈だけど、ここで止まってて……だから、解読はここまでよ」
「ちっ」
「そう苛立つな……アルトリウスを殺せば大体が片付く」
「ゴンベエ、もう少し言葉を選んでくれ」
答えが分からないことに苛立ち舌打ちをするベルベット。
アリーシャは言葉を考えてくれと呆れるがこれでも充分考えた方なんだ。
「この本が完本じゃないってことは原本かなにかはあるんだろ?」
「あるだろうな。聖寮がカノヌシの性質について完全に把握していなければこんな大それた計画はしない」
この本が無理ならばと考察するロクロウとアイゼン。
この本の原本が何処かにある、か……。
「王宮からパクってきた物だから血翅蝶に依頼をして王宮から続きがないか探ってきてもらうか?」
「どうかな……王宮にあったのがこれだし、原本が無いかもしれないよ」
「なら、カノヌシの遺跡を探すと言うのはどうだ?古文書があるのだから巨大な存在ならば遺跡の1つや2つ、何処かにあるかもしれない」
「却下……そんな事をしている暇があるんだったらさっさと喰魔を集めてカノヌシを殺した方が早いわ」
多分だけど、アリーシャが言っているやり方が1番なんだろうな。
旅の主導権を握っているのはベルベットで喰魔探しも大事なのは重々承知しているのでオレはなにも言わない。
「ライフィセット、次は何処?」
カノヌシの事はこれ以上はどうしようもない。
気持ちを切り替えたベルベットはライフィセットに訪ねるとライフィセットは羅針盤を取り出して、地脈点を探し始める。
「あった!……場所はイーストガンド領……のちょっと東側」
「……そこって……了解、イーストガンド領ね」
ライフィセットが場所を教えると一瞬だけ考える素振りを見せる。
今までならさっさと行くわよで済ませるのだが、心当たりでもあるのか?
「なら、先ずはタリエシンの港に……の前に休息だな」
次の目的地を教えてくれるアイゼンだが、今日はこれで終わりだ。
疾風の唄に酔ってしまった面々もいるし、モアナとメディサの事もあるし安らかな1日となればいいんだがな。
スキット 大人向け紙芝居
ゴンベエ「はい、紙芝居屋だよ~子供は無料だよ~」
ベルベット「なにやってんのよ、あんた」
ゴンベエ「娯楽に飢えている監獄に居る面々に作っていた紙芝居が完成したんだよ」
ベルベット「あんたが?紙芝居?」
ゴンベエ「そう全力で疑問に思われると傷つくぞ」
ベルベット「傭兵かホストやってるって言われた方が納得がいくわ」
ゴンベエ「そういうバイオレンスなのはオレの好みじゃないんでな……はい、紙芝居屋だよ~」
エレノア「なにをしているのですか?」
ゴンベエ「暇潰しの紙芝居屋だよ」
エレノア「紙芝居屋?あなたがですか?」
ゴンベエ「それさっきやった……こういう時に限ってライフィセットとモアナは居ないな」
エレノア「ライフィセットは自分の部屋で本を読んでいますよ。モアナはメディサと一緒です」
ゴンベエ「なんだよ、折角面白い話を考えてきたのに……子供が居ないのは締まらないな」
エレノア「いったい、なにをするつもりだったんですか……ちょうどいい機会です。私達に見せてください」
ベルベット「そうね……ライフィセットに変なもの、見せるんじゃないわよ」
ゴンベエ「変なものってなんだ変なものって。【下ネタと言う概念が存在しない退屈な世界】でも見せろと」
エレノア「下ネ──貴方いったい、なにを描いているのですか!?」
アリーシャ「騒がしいな、どうかしたのか?」
ベルベット「こいつの紙芝居が如何わしいものかどうか調べてたのよ」
アリーシャ「紙芝居……懐かしいな。レディレイクでは定期的にやっていたな」
エレノア「そうなのですか」
ゴンベエ「オレの貴重な収入源だからな……監獄での初回だから30ガルドにしてやる」
エレノア「お金を取るのですか!?」
ゴンベエ「子供は無料だ。というか、子供のために作ってるんだ」
アリーシャ「こう見えてゴンベエの紙芝居はレディレイクでは好評なんだ。伝説の武具を集める剣士のお話は特に面白くて私は大好きだ」
ベルベット「ふ~ん。如何わしい物じゃなさそうね」
ゴンベエ「お前の普段の格好の方が如何わし──ぐふぉ!」
ベルベット「殴るわよ」
ゴンベエ「既に殴ってるだろ」
アリーシャ「その……私のこの太ももの絶対領域?とやらは如何わしくはないのか?」
ゴンベエ「お前、それ何処で聞いた?」
アリーシャ「ビエンフーが私の太ももの事を絶対領域で目に毒だと……」
エレノア「……後でビエンフーの所に行ってきます」
ゴンベエ「アメッカ、ベルベットの方が露出度もエロさヴぉ!?」
ベルベット「だから、あんたは、何処を見て言ってるの!!」
ゴンベエ「耐えれるけども痛いから勘弁してくれ……じゃ、紙芝居をはじめるぞ。後で30ガルド寄越せよ……パパパパーン、パパパパーン、パパパパン、パパパパン」
エレノア「BGMを言うのですね」
アリーシャ「基本的に1人でやっているからな」
ゴンベエ「【ただいまより、白川家赤沢家新郎新婦の入場です。皆様、拍手でお出迎えください】そう今日は私こと赤沢夕夏の結婚式。人生に一度の晴れ舞台である結婚式。お相手は私の通う色彩学園に転校してきた白川くん。結婚式を挙げる今日まで色々な困難が待ち受けていたけれどなんとかこの日を迎える事が出来た」
ベルベット「……これってラブコメ?」
ゴンベエ「【新郎新婦、誓いのキスを今ここに】神父の前で愛を誓い、愛しき夫に口付けを……する筈だった。そこで私の意識は転落、謎の痛みと共に目を覚ます……【え、もしかして今までの全部夢だったの?】私こと赤沢夕夏は長い長い夢を見ていたようだった」
エレノア「まさか!」
ゴンベエ「【今日の日付は……嘘】私は驚愕した。何故なら今日は白川くんと出会った運命の日だったから。これはもしかしたらと思った私は急いで学校に向かう準備をして家を飛び出した」
アリーシャ「あのパターン!」
ゴンベエ「【この角を曲がったところで私は白川くんと】私は見た夢の通りに走り出して曲がり角に差し掛かると深呼吸を整える。【やっぱり……白川くんがいる】夢で見た時と全てが一緒。私が見ていた夢はなに正夢となる……そう思っていた」
エレノア アリーシャ ベルベット「っ……」
ゴンベエ「【【【【【白川くん……え!?】】】】】【え!?】夢を見たのは私1人じゃなかった。この物語は夢の中で意中の相手とハッピーエンドを迎える正夢を5人同時に見たが為に生まれる第6の未来的な恋愛戦争」
エレノア「ストップ!!」
ゴンベエ「んだよ、まだナレーションの途中だろう。序盤中の序盤だ……あ、もしかして見る気が失せたのか?」
エレノア「違います。むしろ続きが気になる、じゃなくてなんて物を作ってるんですか!」
ゴンベエ「個性派ヒロイン5人が1人の男性を夢で見た知識を頼りにあの手この手で口説いたり壮絶な恋愛バトルを繰り広げる紙芝居だ!」
ベルベット「堂々と言うんじゃないわよ!明らかに子供が見るものじゃないでしょ!」
ゴンベエ「馬鹿野郎、最近の子供をナメんじゃねえよ。これでも物足りないって言うんだぞ」
ベルベット「それはあんたの国の子供でしょう。アメッカ、あんたからもなにか言ってやりなさい」
アリーシャ「……続きは?」
エレノア「え?」
アリーシャ「ゴンベエがちょっと過激なのを描くのは今に始まったことじゃない。それよりも続きが……ベルベット達も気になるんじゃないのか?」
ベルベット「それは……まぁ、気にはならないって言えば嘘になるけど」
ゴンベエ「エレノア……面白いだろ?」
エレノア「まぁ、確かに面白いですし気にはなりますが……」
ゴンベエ「ライフィセット達が見る前に最後まで見とかなきゃダメだろ……」
エレノア「……そう、ですね。ライフィセットやモアナ達が見て良い作品か吟味しなければなりません」
ゴンベエ「で、本音は?」
エレノア「いったいどんなヒロインが待ち構えているって、なにを言わせるのですか!!」
ゴンベエ「んだよ、続き見せねえぞ」
エレノア「あ、すみません……出来れば続きをお願いします」